職業教育ワーキングチームの活動

2001年08月01日

趣旨・目的
「就職者の7・5・3(中卒、高卒、大卒の就職後3年以内の離職率が70%、50%、30%)」が指摘される背景には、求人求職のミスマッチがあるといえる。
専門高校の充実はもちろん、小学生段階から将来の進路を考えられる環境づくり、仕組みづくりも必要で、教育体系に将来自らの職業を含めた進路選択を位置づけていかなければならない。

ヒアリング
第1回  (H12.11.9)
 「専門高校について」
  文部省初等中等教育局 職業教育課 課長  山田 道夫 氏
 「専修学校について」
  文部省生涯学習局 生涯学習振興課 専修学校教育振興室 室長  有松 正洋 氏

第2回  国立国会図書館 社会労働調査室 (H12.11.16)
  「ドイツ・イタリアの職業訓練制度」
   社会労働調査課 主査 柳沢房子 氏
  「イギリスの職業訓練制度」
   社会労働調査課 調査員 井田享彦 氏

第3回  「専門高校の現状について」  (H12.11.30)
  全国工業高等学校長協会
   同協会理事長 東京都立小金井工業高等学校長 高間伸一 氏
   同協会調査研究部長 東京都立小石川工業高等学校長 奥村裕司 氏
   同協会工業教育推進委員会 東京都立墨田工業高等学校長  原田 昭 氏
   同協会事務局次長 小林 一夫氏
  全国農業高等学校長協会
   同協会理事長 東京都立農産高等学校長 矢田部正照 氏
   同協会副理事長 東京都立農業高等学校長 安楽年修 氏
   同協会常務理事 東京都立園芸高等学校長 梶谷正義 氏
   同協会事務局長 山本 實 氏

第4回  「創造教育・今後企業が求める人材について」 (H13.2.13)
  (株)創造開発研究所 代表取締役所長  高橋 誠 氏

中間報告
1.専門高校の充実を図ること
2.外部の進路指導の専門家に委嘱する
3.学ぶことと職業選択の関連づけ
4.専修学校高等過程、専修学校専門課程の位置づけを明確にする
5.特に、社会人の再教育の場としても専門高校を位置づける

背景

  1. 職業教育の充実を図るためには、小学校や中学校段階からの取り組みが必要。具体的には、教員免許法改正で「進路指導」が小学校教員免許取得に2単位必修となったこと。
    「自分の生き方を考える」ことが総合学習で位置付けられたこと等。
  2. 現在、中学校には進路指導主事が置かれているが、産業構造の急激な変化や求人求職のミスマッチの理由として、どのような人材が社会や企業で求められているかについては把握が十分できていない。
  3. 専修学校専門課程の入学者(31万人/年)の8%は大学を出た後すぐに、同じく8%が社会人からということで技術、技能、知識を身につける選択肢が多様化している。
  4. 専門高校の入学者が減少傾向にある中、改革は進められてはいるが抜本的改革には至っていない。

方向性 
1.アメリカで行われている「ガイダンスカウンセラー(進路指導相談員)」を日本で定着させる。

2.専門高校、専修学校高等課程、同専門課程、高専、大学、大学院を含めて職業教育の体系を立てる。

具体的取り組み
学校教育法28条2項に
(旧)「小学校には、前項のほか、必要な職員を置くことができる。」
(新)「小学校には、専門相談員を置くことができるものとする。」
(※中学校、高等学校等においてはそれぞれ準用規定を設ける)
という位置づけをおこなう。

学校教育法28条9項に新設
「専門相談員は、専門的知識をもって、教諭、養護教諭と連携して、児童の心理相談又は進路指導に当たり、指導・助言を行うものとする」
とする。

ガイダンスカウンセラー(進路指導相談員)の資格要件
平成元年筑波大学に全国で最初にカウンセリング専攻の社会人大学院が創設されたが「カウンセリング心理学」という名称の専攻を設置した大学はない(アメリカでは1953年からカウンセリング心理学と称されている)。
厚生労働省が第7次職業能力開発基本計画でキャリアコンサルタントの資格を検討中
(参考例)
 ・広島県のキャリアアドバイザー派遣 (高校)
   企業コンサルタント 企業人事担当者 公共職業安定所担当者 等
 ・日本進路指導学会
   中学校・高校での進路指導主事経験 相談機関でのカウンセリング経験
   教員免許法の教職専門科目「生徒指導・教育相談・進路指導に関する科目」履修者
   進路指導・カウンセリング等に関する研究論文発表者  等

スクールカウンセラーについての資格要件
・財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士
・精神科医
・心理学系の大学教授、助教授、講師(非常勤を除く)

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