ケリー前米国務次官補と、北朝鮮問題中心に意見交換

2005年06月21日

  岡田克也代表は21日、国会内で、来日中のジェームス・ケリー前米国務次官補と会談し、北朝鮮問題を中心に意見交換を行った。会談には、前原誠司『次の内閣』ネクスト防衛庁長官、武正公一ネクスト外務総括副大臣が同席した。

 会談の冒頭、ケリー氏は、北朝鮮問題について米国は平和的解決を望んでいると表明。核開発問題を話し合う六者協議の中断によるリスクの高まりは、日本・米国・北東アジアにとって良くないことであるが、六者協議以外に選択肢はないとの見解を示した。岡田代表はこれを受けて、六者協議の進展がないならば、国連に持っていくという選択肢はないかと質した。ケリー氏は、中国・ロシアが参加しないと経済制裁の意味はないとして、国連による解決には悲観的な考えを示した。

 ケリー氏は「核兵器プログラムをすべて放棄するのは難しいと思うが、一部放棄する可能性がある」と北朝鮮の核保有について述べるとともに、(1)古いプルトニウム、(2)新しいプルトニウム、(3)濃縮ウランの3種類の核がある可能性を指摘。このうち新しいプルトニウムについては、我々に買わせるというような形での放棄の可能性があると明らかにした。

 ケリー氏はまた、北朝鮮による拉致問題について「北朝鮮は早く解決したいと思っている。ただ、どのように解決したらよいか迷っているのではないか」「真実を明らかにしたいが明らかにできないようなこともある」などと意見を述べた。

 前原ネクスト防衛庁長官は、金日成主席の遺訓である核放棄ができない理由について、北朝鮮は米国の敵視政策のためと説明するが、北朝鮮は米国に何を求めているのかと尋ねた。ケリー氏は、協議を長引かせる狙いがあると指摘し、「米国政府は体制の崩壊を望んでいるわけではない。あくまでも北東アジアの安全保障ということを北朝鮮に対しても投げかけている」と語った。

 岡田代表は「ブッシュ政権は2期目になって北朝鮮に対する関心が薄れたのではないか」と質したが、ケリー氏は、そのようなことはないと否定。北朝鮮問題は「簡単に解決できるような問題ではない」が、米国はあくまでも平和的解決を望んでおり、「(北東アジアの戦争という)軍事オプションは認められない」と答えた。

 前原ネクスト防衛庁長官は、先月の中国訪問で、王家瑞中国共産党中央対外連絡部(中連部)部長らと会談した際、北朝鮮問題に関して、米朝の接触を望むとの見解が中国側から示されたと紹介し、ある意味米国に責任を押し付けようとする印象を持ったと発言した。これに対してケリー氏は、確かにそういったところがあるかもしれないと認めた。前原ネクスト防衛庁長官はさらに、北朝鮮が核実験を実施した場合に、中国、韓国の態度が変わるのではとないかと質問。ケリー氏は「核実験をするという意見には懐疑的である」との見解を示した。

民主党広報委員会

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