財政破綻した夕張市を訪問 関係者と意見交換行う

2006年12月25日

 鳩山由紀夫幹事長ら民主党国会議員調査団一行は25日、財政破綻した北海道夕張市を訪問し、市の置かれた現状や市民の皆さんが持つ不安について、市長や関係者から説明を受け、活発に意見交換を行った。

 調査団一行は、前日に降った大雪が残る中、夕張市内各所を見て回った上で、夕張市役所を訪問。まず、夕張市長や夕張市議会議長と会談を行った。冒頭、挨拶に立った鳩山幹事長は、「大変なご苦労、ご心痛の毎日だと思う」と述べるとともに、野党ではあるが国政を担う政治家として何ができるか、しっかりと意見交換を行いたいとの意向を語った。そして、「この夕張を愛して暮らしておられる方々に、(行政)サービスが大きく影響を受けないよう、配慮していかなければならない」との認識も示した。

 後藤夕張市長からは、「市民にとってきわめて厳しい内容」となっている財政再建の基本的枠組み案について、現状も踏まえて説明がなされた。鳩山幹事長からは、市民生活に大きな影響が出ないか、財政再建の計画についての国の関与のあり方などについて問題点を指摘。人口流出が続いている夕張市の現状についても、夕張市側から説明がなされたのに対し、財政破綻に陥った原因などについて質問が出されるなど、活発な意見交換が行われた。

 続いて、同じ場で調査団一行と、商工会議所、農民協議会、地区連合会、青年会議所の皆さんとの意見交換も行われた。この中では、「夕張再建へ、前向きに何をしたらいいのか考えている」といった決意が語られたほか、近隣市町村と行政サービスに差が生じ、必要以上の格差が生じているとの指摘がなされた。また、救急医療や教育への不安が語られたほか、夕張の置かれた厳しい現実を受け止めるとしながらも、今練られている計画で本当に財政再建ができるのか、といった意見も寄せられた。

 意見交換の後に記者会見を行った鳩山幹事長は、まず、「大変厳しい状況の中で、率直な話を聞かせていただいた」とし、党として次期通常国会の場でもこの問題を議論していく意向を示した。そして、「財政の再建計画をつくることも大事だが、それによって市民の暮らしが大きく直撃を受けて、悲惨な状態に追い込まれしまうことは、とても許されることではない」と述べ、「政治とは生活そのものである」との小沢代表の言葉も引きながら、現状の財政再建計画に懸念を示した。

 この財政再建の基本的枠組み案に関して鳩山幹事長は更に言及し、総務省に強く言われてつくらされているきらいがあると指摘。これ以上国の支援を求めないとの念書署名の問題も含め、総務省の姿勢に強い疑問を呈した。

 荒井聰衆議院議員もこの問題について特にコメントし、「夕張市民も道民であり国民だ」とし、「今回の措置は、夕張市だけ特別だという思いを強くする」との懸念を表明。「本当に国や道に全く責任はなかったのか、しっかり検証されるべきだ」と、厳しく指摘した。

 なお、今回の民主党国会議員調査団には、鳩山幹事長のほか、地元北海道選出の小平忠正・荒井聰・三井辨雄・逢坂誠二の各衆院議員、峰崎直樹・小川勝也各参院議員らに加え、党総務部門会議から、渡辺周・武正公一・福田昭夫各衆院議員も参加し、それぞれ活発に意見交換を行った。

民主党広報委員会

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