総務・厚生労働部門、「消えた年金」問題でヒアリング

2007年08月08日

 民主党は8日午後、国会内にて総務・厚生労働部門合同会議を開催。「年金記録問題検証委員会」等についてのヒアリングを行った。

 冒頭、武正公一『次の内閣』ネクスト総務大臣、三井辨雄ネクスト厚生労働大臣が挨拶し、民主党の資料要求への対応のまずさを指摘。引き続き「消えた年金」問題の解決に向け、社会保険庁を厳しく追及していく方針を明らかにした。

 会議ではまず、消えた年金被害者のご夫妻からヒアリングを行った。「まじめにやってきたのに信じてもらえず寂しい、悲しい」と語り、「自営業のため退職金もなく、年金がないとどうしたらいいのかわからない」と苦しい胸の内を訴える被害者ご夫妻に対し、参加議員たちは「計算すると500~600万円の年金不払い額になる」との見解を明示。1970年代当時に、年金未納分を一括して支払えば給付してもらえるという制度があった等、当時の状況を検証しながら何とか救済されるような手掛かりをと、活発な意見交換が行われた。

 次に、民主党からの資料請求等に対する社会保険庁からの回答については、「数値の集計中」「把握が困難な状況」「検討中」「調査中」という言葉が並ぶゼロ回答に等しい内容のものである、と報告。再三にわたる申し入れにも関わらず、誠意のない対応に怒りを通り越して呆れムードに。言い訳を繰り返し引き延ばしを狙う社会保険庁の担当者に対して、「今提出できる資料は何なのか」「どういうものをどういうかたちで調査しているのか」と妥協点を探るものの、結局前向きな回答は得られなかった。

 また、社会保険庁関係者からの事情聴取の結果、年金業務・社会保険庁監視等委員会が総務大臣に対して、「社会保険庁が5000万件の内容について精査を行っていない」との認識を示し、意見具申をしていたことを説明。「年金記録問題の名寄せをはじめとした今後行うべき作業の大前提となるものであり、今後の調査にも支障が生ずるので(総務大臣から)厚生労働大臣に対し、早急に実施すべく詳細な作業工程を明らかにするよう要請していただきたい」との内容を明らかにした。選挙中、政府与党が5000万件の消えた年金問題についてしかるべき対応をとっているような発言をしていたことに対し、「選挙目当てのパフォーマンスだ」「職務怠慢」などと抗議の声があがったが、社会保険庁の職員から発せられたのは「誠心誠意対応する」という虚しい決まり文句だけであった。

民主党広報委員会

back


top