【総務委員会】 NHK川口アーカイブス

2001年03月16日

武正委員
それでは、順次御質問をさせていただきます。
過日、NHKと全民放テレビ局により運営されている財団法人放送番組センターが運営する、昨年十月、横浜にオープンした放送ライブラリーを見てまいりました。DVD四千四百十枚をストックできる自動送出カートと、百時間容量のVODサーバーを連動させたものであり、導入したDVD、デジタルビデオディスクは、運用効率がよく、ランダムアクセスが可能で巻き戻しが不要、高画質で劣化がほとんどなく、サイズもコンパクトでスペース効率がよいと放送ライブラリーさんのパンフレットに出ておりました。また、大阪の放送ライブラリー、先ほど同僚委員から提言もありましたが、大阪の方とギガネットワークで結びまして、伝送によって番組を瞬時に送ることで現地で、大阪で見られるということもやっておられるということでありました。

現在、放送ライブラリーは、六千五百タイトルを保存、うちDVD化したものは二千本であります。一本DVD化するのに、著作権の処理料も含めると六万円から八万円、SVHSを同じように処理するのが八万円から十万円ということで、費用も安いということがあります。ただ、そうはいっても、六万円から八万円でありますし、さまざまな権利処理で要する時間もかかりますということで、年間に五百本のペースでDVD化しているというお話でございました。

フランスでは、INA、国立視聴覚研究所が百万本以上のテレビ番組を保存、アメリカのテレビ・ラジオ博物館では十万件の番組、これはラジオを合わせてでありますが、というようなことで、欧米で大変映像ソフトの保存、活用並びに公開ということを進めているわけでございます。

そういった観点から、また今回、NHKさんが川口アーカイブスということで事業を進められるにつきましては、今の映像ソフトの保存、活用、公開という観点から、大変歓迎すべきものと考えるところであります。
私も埼玉出身でありますので、県議会当時からこの事業についていろいろと関心を持っておりましたところでありますが、当時そのお話が出たときに、やはりデジタルと言われてもなかなかまだぴんとこなかったのが、デジタルとはこういうものなのかな、どういう形で、相互利用だったり、読み出しが可能だったり、保存のスペースが要らなかったりとか、だんだんわかってはきているのですが、まだまだ未知なところが多々あるのかなというふうに思っております。

そういった意味で、川口では、ビデオテープで百八十万本収容能力があるということでございますが、公開用は三千本足らずということでございます。これはやはりもっともっと多くしてほしいというふうに切実に思うわけでありますが、まずこれが第一点。
それと、保存を含めて、デジタルといってもビデオテープで行うということが、このビデオアーカイブス、NHKさんの方針だそうでございますが、これはやはり横浜の例を見習うまでもなく、素人考えでありますが、DVD化の方がスペースも要らないし、いろいろなこれからの利活用を考えたときに、こちらの方がいいのではないかなというふうに思うわけですね。もしこれができれば、先ほどの横浜の放送ライブラリーとの相互連携も可能であるということでございますが、これについて御答弁をお願いしたいのです。

■日本放送協会専務理事 松尾参考人
先生御指摘のように、NHKに今、百五十五万本に及ぶテープがあります。この中に、もう既にデジタル化されたテープ、言ってみればそのままデジタルとして収録されているテープが十五万本ございます。この中で、アナログであったものを徐々にデジタルに変えていくという作業を一方ではやっております。これからの収録は全部デジタルになっておりますので、自動的にデジタルになる。
それで、公開できる三千本、これがもっと数がふえないかということでございますが、公開というものにはいろいろな種類がございまして、一般公開、要するに、ホール等で見せるためには、それなりの権利処理をきちっとしておかなければなりません。そういうことも含めて、今現在アーカイブスができる二〇〇三年の二月に向けて、三千本のソフトを用意しておるということでございます。

それから、二点目のDVDでございますが、それは確かにDVDで保存することも大変重要なのでありますけれども、原テープというのは普通のVTRテープでございますから、このテープをまず保管いたします。そして、閲覧する場合に一番いいのが、先生の御指摘のようにDVDでございます。したがって、保存そのものはビデオでいたしますけれども、閲覧をする分についてはDVD、またはそれよりもさらにいい技術がもう開発されておりまして、ハードディスクというさらに容量が大きいディスクが開発されております。二〇〇三年までにその一番いいハードディスクを使用して、検索しやすい状況も一方にはつくっていきたいというふうに思っております。
以上でございます。

武正委員
ビデオテープは劣化をするということでDVDの優位性が指摘をされているわけでありますので、ハードディスクを利用してというお話でありましたが、では、全部ハードディスクにぶち込んで原テープは劣化してもいいのかということがございますので、やはり保存もDVDでやるべきではないか。まして、これから公開という方向にいきますので、公開に向けて、デジタルビデオテープにしてからまたDVDにすると二度手間になりますから、もし原テープをデジタル化するのであれば、最初からDVD化した方がいいのではないか、これは私からの意見でございます。

そして、今、権利処理についてお話がございましたが、INAでは三年で所有権は譲渡されるようになっておりまして、日本の著作権法では五十年たたないと権利は失効しないということでありますが、映像の二次使用に、著作権処理に大変な労力を要す。ただ、映像文化の記録、保存、例えば、限定した公開などに限って言えば、何かこの権利処理をもうちょっと簡単にできないのかなというふうに思うわけであります。これについて、大臣の方の御所見をお伺いしたいのでございます。

■小坂副大臣
放送に使用したコンテンツあるいは映画のようなコンテンツ、こういったものの二次利用は、今後のデジタルによるコンテンツ流通の上で大変重要な課題でございます。

そこで問題になってくるのが、御指摘の著作権を初めとした権利処理でございますけれども、今、総務省の方でこのコンテンツの流通に向けた研究会を立ち上げておりまして、どのような形でやれば権利処理が一番うまくいくのかという仕組みを考えて、著作権者、著作権団体あるいは著作権の所在を示す、デジタル的に処理をしてそれをコピーすると、その著作権の所在が明らかになるようなマーキングの技術とか、そういうものをあわせて今、研究中でございまして、御指摘のような迅速な処理を目指して私どもも研究中でございますので、お時間をいただく中で処理をしていきたいと思っております。

また、放送事業者も、新たな二次利用を含めて、新しい番組制作に当たっては出演者あるいは原作者等に著作権のそういった処理も含めた契約書をつくって、二次利用がしやすい体制を整えている、このように理解しております。

武正委員
文化庁の方に聞きましたら、例えば研究のための公開ということでありますが、記録保存所における保存を認める趣旨からして、学術研究を目的とする部外者の求めに応じ一時的固定物を再生、視聴させることは、権利者の許諾を受けなくても可能との見解もある。これは文化庁の方の見解でありますが、まあ研究用ということでありますけれども、いろいろと工夫が可能ではないかなということですので、ぜひ積極的なお取り組みをお願いします。

さて、次に話題を移しますが、今月十日にNHKスペシャル「原潜衝突の謎 徹底検証・ハワイ査問会議」ということで放映がございました。私もつぶさに拝見をし、大変感銘深く見た次第でございます。 過去幾つかの交通上の大規模事故に関するNHKの検証番組を探してみますと、大体、日航機なり「なだしお」なり信楽高原鉄道あるいは昨年の日比谷線、いずれもが、事故が起きたらすぐに、NスペかNHK特集などで番組がある。大変機敏に報道されているということで、大変効果があるなというふうに思っているわけですね。

問題は、その後の中間報告、あるいは事故の報告ということでの二回目、三回目といったところの取り組みでございまして、私がこの三月十日の原潜のことを取り上げたのは、これは二回目なんですね。二月十三日に「クローズアップ現代」であって、今回二回目、わずか一カ月間ですぐまた中間で報告をいただいている。過去の例を見ますと、先ほどの「なだしお」あるいはまた信楽高原鉄道、そして昨年の日比谷線、いずれもその場で一回やって、その後はそういった特集番組はなかったわけです。昭和六十年の日航機は、やはり、その後二回目が四カ月後、そしてまた平成六年ということで三回目がありました。

私は、こういった交通上の大規模事故は、その再発防止の観点から、あるいはこの痛ましい事故を国民の皆さんが風化させないように、そういった意味では、なぜ事故が起きたのか、しばらくたってからその検証なり、新しい事実が発覚した時点でNHKとしてそれを放映するということは大変な効果があるというふうに考えるわけでございますが、海老沢会長にこの点について御所見をお伺いします。

■海老沢参考人
本当に痛ましい事件、事故が続いております。そういう面で、再発防止に役立つような番組をつくるのも我々の使命だと思っております。
今度のアメリカの原子力潜水艦との衝突事故、我々もこれは非常に大変な事故だという認識のもとに、特派員あるいは番組制作者を現地に派遣しております。そういう中で、この原因究明につきましては、いろいろな角度から取り上げるということで、二回ほど取り上げたわけであります。引き続きフォローもしております。

また、節目節目には、事故の原因なり背景なり、これからの対応なりについて検証的な番組をさらに強化していきたいと思っておりますし、また、いろいろな面で我々は、国民の生命財産を守るという放送の推進をライフラインとして持っていると思います。できるだけ災害防止とか、大事件、大事故の再発防止についても、いろいろな面で予防的な番組もつくらなければならぬだろうと思っております。いずれにしても、検証番組につきましては引き続き努力していきたいと思っております。

武正委員
これについては、今回やはりアメリカの報道がかなり細かくやられている、あるいはアメリカのNTSBが絶えず情報公開、これがかなり番組制作に寄与しているのかなというふうに拝察するわけです。

時間も限られておりますので、最後の質問とさせていただきますが、地上波デジタルに関しましては、東京、名古屋そして大阪と、それぞれ二〇〇三年、三大広域圏で本放送開始ということでございまして、私は埼玉でございますので、東京圏について話を絞ります。いわゆる東京タワーの代替ということで、埼玉タワーを初めいろいろと今までお話がございました。そういった中で、この二〇〇三年に向けて、地上波デジタルに関してのタワーの構想、あるいは、やがて新しいものに建てかえるというのであれば、どんなスケジュールになっているのか。
これは、まず大臣の方からよろしくお願いいたします。

■片山国務大臣
私もこの前、大宮と浦和と与野が合併するという話もありまして、知事さんのお招きでちょっと行ってまいりましたが、そのときお話は聞きました。
基本的には、今、武正委員が言われたタワーの話は民間事業者の方が一義的にはどうやるかという話であろう、こういうふうに私は思っておりますが、関心だけは持ちまして状況を見守りたい、こういうふうに思っております。

武正委員
では、最後でございますが、放送事業者として、海老沢会長、この点について御所見をお伺いしたいと思います。

■海老沢参考人
地上デジタル放送を立ち上げるためには、やはりそれだけの鉄塔といいますか、施設が必要であります。そういう面で今、技術的にどこが一番適当なのか、NHK、民放あわせて検討していると聞いております。これはあくまでもやはり技術的な視点から考えるべきものだろうと思っております。

そういう中で、いろいろな案が出ていることは私も承知しております。埼玉なり多摩なり、あるいは新宿とか秋葉原とか、いろいろありますけれども、どれが一番適当なのか、技術的な面を含めて今検討しておりますので、その技術的な検討を私は待っているところであります。
いずれにしても、だんだん時間が切迫してきておりますので、できるだけ早く技術的な結論を得たいと思っているところであります。

武正委員
これで終わります。どうもありがとうございました。

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