【沖縄及び北方問題に関する特別委員会】 在沖米軍の海兵隊のグアムへの分散

2002年03月20日

武正公一
おはようございます。沖縄新法の質疑も三日目ということで、最終日となりましたが、よろしく御答弁をお願いいたします。民主党・無所属クラブの武正公一です。
まず、過日、川口大臣は、就任後初めて沖縄を訪れ、さまざまな方々ともお会いになり、また、発言もされてまいりましたし、現地をつぶさに見てきたというお話でございますが、我々民主党も、二月に沖縄に調査団を派遣いたしまして、そのときに、グレグソン在沖米軍四軍調整官に在沖米軍の海兵隊のグアムへの分散といったことを求めてまいったわけであります。  
何度となく調査団の団員から四軍調整官にはそのことを求め、やりとりがございました。ただ、調整官とすれば、現状では難しい、あるいはさまざまなそういった発言があったわけですが、民主党としての姿勢ということで求めてまいったわけでございます。  
外務大臣として、この点についてどのように取り組んでいるか、また取り組もうとされているのか、これについてお伺いしたいと思います。

■川口国務大臣
委員が今おっしゃられましたように、私は、つい数日前に、土曜日でございましたけれども、沖縄を訪れました。  
いろいろな方とお話をさせていただいた中に、お目にかかった方のお一人として、グレグソン四軍調整官がいらっしゃいます。  
この方とは、比較的時間が短かったので、基地の犯罪についての問題あるいはアメラジアン問題等々、かなり限定された問題についてお話をいたしたということでございますし、あわせて、私も、そのとき、その直前に市町村の方とお話をしていたものですから、そういう方のお話も例に引きながら、コミュニケーションの重要性ということについてもお話をさせていただきましたけれども、お話しの基地の分散問題について、直接にはお話はいたしておりません。  
ただ、一般的に申し上げまして、沖縄米軍を含めまして、米軍のプレゼンスというのはアジア太平洋地域の平和と安定のために重要であると考えます。在沖縄米軍を含めて、この兵力構成の問題につきましては、国際情勢の変化に対応して、米国政府との間で引き続き緊密に協議をしてまいります。

武正公一
在沖米軍の重要性は論をまたないわけでありますが、我々が特に海兵隊のグアムへの分散を求めたのは、沖縄における訓練といった点でいろいろ、これは代替できるのではないのか、その代替地があろうといったことで求めているわけでございます。  
また、過日の沖縄への訪問については、外務大臣から十五年期限明言せずということで、これについても地元とすればやはり肩透かしを受けたといった表現が続いたわけでございます。  
さて、そのときに、土曜に県庁で稲嶺知事との会談では、日米地位協定の見直しについて、運用改善でというような発言について、十分効果が上がらないときには地位協定の改定も視野に入れたいと川口外務大臣は見解を示したというような報道がございます。  
ただ、昨日、一昨日ですか、委員会答弁でも、運用改善でよしというような御発言が続いておりますが、県内の米軍犯罪は、二〇〇一年は七十件で三年連続で増加、並びに、平成十三年七月十日には、衆議院外務委員会で日米地位協定の見直しの決議もしている。また、当委員会の審査でも、この日米地位協定の見直しということを各委員が強く主張しておるのですけれども、運用改善でよしとされるその理由をお伺いしたいと思います。

■川口国務大臣
先般、沖縄を訪問いたしましたときに、稲嶺知事とお話をさせていただきました。  
さまざまな問題についてお話をさせていただき、御要望をまず知事からいただいたわけでございまして、私は、実はあの後夕刊を読みまして、十五年の問題について明言せずというのがタイトルにありまして、一瞬あれっと思ったのですけれども、私の意図としてはそれを避けて通るつもりは全くなかったわけでございます。  
要望書について、項目についてお答えを実はしていたわけでして、しかも短い時間で項目の要点だけお答えした中で、これは普天間飛行場の移設についてというのが大きな項目で上がっていたものですから、普天間飛行場の移設について、代替基地についての基本計画のお話を一言私はその場で申し上げただけでございます。
私は、それについて答えてくださいと言われれば当然にお答えをしていたのですけれども、その後、記者会見で御質問がありましたので、そのときにはそれにお答えをさせていただいたわけでございます。  
運用の改善に努力をしているところでございますけれども、これは、なぜそうかといいますと、在日米軍及びその施設・区域に係るその時々の問題につきまして、運用の改善によって機敏に対応することが合理的である、そういう考えに基づいているわけでございます。
それで、運用改善によって効果が十分に上がらない場合は、そのときも申し上げさせていただきましたけれども、これは相手のあることで日本だけで決めるわけにはいきませんけれども、協定の改正、これも視野に入れていくということはそのときにも申し上げたことでございます。

武正公一
昨年二月、北谷町で放火が起きたときに、これについては、今の、平成七年の日米合同委員会合意では殺人または強姦という凶悪な犯罪という形での明記だったものですから、放火はその対象に当たらないといったことでその対象から外れたといったこともございます。  
今、何を明記するかということが日米で話し合われているようでありますが、これは国会の議論もそうであります。今回の沖縄新法では、内閣府さんに尋ねましたら、各省庁で覚書は交わしていないということで言われました。
私は正しいことだと思っております。覚書を交わさずに法律に書き込む、これがやはり国会審議のあるべき姿だということで求めていたところでございますが、そういった意味でも、運用改善、運用という面で、あいまいな形で日米で取り組むのではなくて、きちっとその明記をしていく、文書を交わしていく、そしてその文書は公開していく、そうした公開の原則、そして取り決めの原則、両国間のこうした信義に基づいてきちっと法律に明記をしていく、これが大事だと思っております。
これを再度、やはり日米地位協定の見直し必要といったことで申させていただきたいと思います。  

さて、身柄の引き渡しについてなんですが、アメリカ側からは、日本の司法制度が整っていないというか、弁護士立ち会い、あるいは取り調べ時間、本土並み、こういったことを申して、これについてもまだまだ今協議中だということなんですが、新聞報道では、司法当局同士が対立といった報道もあるんですね。
米側が政治主導で大幅に譲歩してくれない限り合意は難しいのではないかというようなことで、運用改善さえ難航といった報道もあるんですが、この身柄の引き渡しについて、司法当局の対立という報道も含めて、御所見を外務大臣にお伺いしたいと思います。

■川口国務大臣
身柄の引き渡しにつきましては、これは御案内のように、日米地位協定の第十七条で、具体的には十七条五項(c)で被疑者たる米兵の起訴時の引き渡しを規定いたしているわけでございまして、平成七年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意によりまして、殺人、強姦等の一定の凶悪な犯罪につきまして、我が国として重大な関心を有するものにつきまして、起訴前の引き渡しを可能にする道を開きました。この刑事裁判手続につきましては、さらなる運用改善に向けて、刑事裁判手続に関する特別専門家委員会等を通じて協議をいたしているところでございます。  
その協議でございますけれども、この協議の進捗状況を含めて、内容につきましては、相手国との関係もございますので、お答えは、直接にこれについて触れることは差し控えさせていただきたいと思いますが、先般、私が二月の十八日にパウエル国務長官とお会いをいたしましてお話をさせていただいたときには、日米地位協定につきまして、刑事裁判手続に関する協議の決着が必要であるということについて意見が一致したわけでございまして、今後とも政府としては努力を継続していきたいと考えております。

武正公一
司法当局が対立しているという報道についてはいかがですか。

■川口国務大臣
私としては、特にそういう認識は持っておりません。

武正公一
続いて、環境条項ということへ移らせていただきます。  
これももう当委員会では、北谷町のドラム缶の問題もあり、日米地位協定に環境保全の条項、三条に国内法を適用してほしい。これは沖縄の十項目の要請のうちの一つ。
それから四条、環境汚染等が確認された場合、回復計画を日米共同で取り組むべし、共同で調査をすべし、こういったことも沖縄県からは要請が一昨年出ているわけでございます。  
また、韓国では、これは二〇〇〇年、合意議事録で取り組みが認められておりますし、日本の場合は、二〇〇〇年秋に努力規定、共同宣言ということでは盛り込んでおりますが、まずはドイツが環境アセスメントの義務づけ、五十四条Aということで九三年の改定でやって、韓国もそれに続いて、そして日本が一番環境問題での取り組みが、アメリカとの協議がおくれているというふうに指摘をされております。  
民主党も、日米地位協定の見直しでは、この第四条に独立した項目として環境条項を入れるべきということで既に提出をしておりますが、この点についての大臣の御所見をお願いいたします。

■川口国務大臣
米軍の活動、環境条項だけについてお話をさせていただきますと、まず日米地位協定と比較をして、環境条項について、米国が今おっしゃったドイツあるいは韓国と締結をしている地位協定との比較において不利ではないかというお話があるわけでございます。
これは、まず一般的に、その地位協定の実際の運用のあり方あるいは締結に至った経緯、背景等も関係をしてきますので、一概に論ずるということは困難であると思いますけれども、私どもの認識としては、日米地位協定が他の地位協定に比べて受け入れ側にとって不利なものとなっているというふうな認識は持っておりません。  
在日米軍に関する環境問題につきましては、委員がちょっと今おっしゃいましたように、日米両政府は平成十二年の九月に、在日米軍施設・区域に関する環境問題に関する情報交換や施設・区域への適切なアクセスの提供をうたった、環境原則に関する共同発表を出しました。そして、現在その具体化に取り組んでいるところでございます。  
この具体化作業の成果として、昨年の六月に、在日米軍に関する環境問題を協議する環境分科委員会を定期的に開催するように、環境分科委員会の付託事項を改定いたしました。その上で、昨年の八月には、環境分科委員会のもとで、環境管理基準、JEGSの見直し作業、見直しに関する日米間の協力を強化することを目的としまして作業部会を設置する、あるいは提供施設整備事業における建設に関連した環境問題の技術的な検討を行うための作業部会を設置するということを日米間で合意したわけでございます。  

米軍施設・区域における環境調査につきまして、これまでもその所要の手続に基づいて幾つかの問題について実施をしてきているわけでございます。
こういった取り組みを通じて、我が国としては環境の保全を図っていく。この問題については、非常に重要な問題であるということについては、私はこの前パウエル国務長官とお話をしたときにも、この取り組みは非常に重要であるということについて意見が一致しまして、個別の問題については緊密に協議をしていこうということで合意をしているわけでございます。

武正公一
外務大臣の、日米地位協定は他国との協定に劣っていない、遜色がないという認識は、到底容認ができないのでございます。  
例えば、先ほど、沖縄県から十項目の要請が出ておりますが、環境問題についていっても、共同調査といった点でいうと、二〇〇〇年の先ほどの共同発表でありますが、日本国政府及び米国政府は、施設及び区域への適切なアクセスを提供する、こういった共同発表があっていても、先ほどのドイツまた韓国、これについては緊急の場合は立入調査、事前通告なしの立ち入りも認めようといったところまでやっているんです。
日本の場合は普通の立ち入りすらも認められない、拒否される。地元の自治体が要望しても立ち入りを拒否される、こういった実態でありますね。  
環境条項については、「情報公開法でとらえた沖縄の米軍」という本には、「日本政府が日米の環境規準の違いを指摘し、厳しい規準による処理を求めた形跡はまったくない。」こういった厳しい指摘もあるわけでございます。  
そこで、立入調査について先ほど話しましたが、ドイツではそのような形で、緊急の場合は通告なしでもいいよといったところまでやっているんですが、日米地位協定ではここも不備だというふうに感じるんですが、先ほどの大臣の遜色ないという御発言と含めて、御答弁をお願いいたします。

■川口国務大臣
ドイツの場合でございますけれども、ボン補足協定第五十三条に関する署名議定書におきまして、軍隊の当局は、ドイツ当局が公務を遂行できるように、ドイツの利益を保護するために必要とするすべての合理的な援助を与えるということを規定しているということでございます。  
それで、我が国の米軍施設・区域への立ち入りにつきましては、米軍は、地域社会との友好関係を維持する必要性を認識し、立ち入りが軍の運用や施設・区域の運営を妨げること等のない限りにおいて、立ち入り申請に対してすべての妥当な考慮を払う、そういう形になっております。

武正公一
先ほど触れたように、立ち入りを拒否されるケースがあるわけですから、やはりそれは日米地位協定の見直しによって立ち入りを認める。
当然、それはドイツも韓国も事前通告ということが原則でありますが、事前通告で認める、しかしながら、緊急の場合は事前通告なしでもいいよといったところまで改定すべきだということを重ねて申し上げたいと思います。  
続いて、航空機事故についてでございますが、これも沖縄からは、三条を改定して地方自治体への連絡を速やかにしてほしい、並びに、二十五条、こちらで、日米合同委員会の事故分科委員会の協議等、結果についても速やかに公開してほしいという要望が出ております。  
ただ、米軍航空機事故に関する報告ということなんですけれども、これについては、事故分科委員会を設置することは昭和三十八年の日米合同委員会において合意された内容に基づいて行われているが、この設置に関する合意書の内容は従来公開されたこともないし、今後とも公表できないし、またその要旨についても同様であるとされている。
昭和二十七年、合同委員会が設置された際に、合意文書は英文とする、公表はしない、ただし公表を必要とする場合は日米双方において合意した内容のみを公表するというようなことも含めまして、この航空機事故への取り組みについてもやはり日米地位協定の改定が必要と思われますが、御所見をお伺いいたします。

■川口国務大臣
航空機事故を含めまして、沖縄の米軍による事故等につきまして、この発生については沖縄県民の方にさまざまな御懸念があるということは承知をいたしておりますし、今回、沖縄を私は訪問しまして、事件、事故の防止というのは大変に重要であるというふうに感じてまいりました。  
こういった事項についての御懸念を踏まえまして、政府としては、平成八年から、墜落、火災といった航空機事故が発生した場合には、日米合同委員会の枠組みを通じて米側に事故調査報告書の提出を求め、米側から提出された報告書を全部公開、公表するということをやってきているわけでございます。  
いずれにいたしましても、米軍の訓練、活動に当たり安全性の確保に万全を期すべきことについては、閣僚レベルを含めて、さまざまな機会に米側に対して申し入れを行っているところでございまして、今後とも米側に申し入れていく考えでございます。

武正公一
文書の公開も先ほどのように制限をされているといったことも含めて、沖縄県からの、まず地方自治体への連絡を速やかに、並びに公開、公開については、日米の間の合意といったものがまだまだ存在をしていること、こういった点についてはやはり地位協定の改定が必要だというふうに思うんですけれども、ここまで議論を進めてくる中で、沖縄担当大臣として尾身大臣、先ほど外務大臣は日米地位協定、遜色ないという御発言もありましたが、このことも含めて、地元では到底今の御発言は容認できないと。
並びに、運用改善で、運用改善というのは、甘っちょろいと言ったらおかしいですけれども、そんなものでは到底だめなんだ、沖縄県が十項目要請しているように、きちっと日米地位協定の改定を求めていくべきだというふうに考えますが、御所見をお伺いいたします。

■尾身国務大臣
地位協定の問題についてはさまざまな御意見がございますが、いろいろな問題をしっかりと、運用の改善で米側と話をし、納得できるような形に運用をしていきたいというふうに考えて、私自身もいろいろな意味で努力をしているところでございますが、これを進めていきたい。そして、それでどうしても基本的な問題が解決できないようなときにはその改定も視野に入れざるを得ない、こういうふうに考えている次第でございまして、私自身も、その点では外務大臣と意見が一致しているところでございます。

武正公一
続いて、国土交通政務官お見えでございます。  嘉手納ラプコンの返還について、現在の取り組み状況についてお伺いをしたい。

■高木大臣政務官
お答え申し上げます。  
嘉手納ラプコンの返還の問題については、平成十二年の三月十六日、委員御存じのように、当時の河野外務大臣とコーエン国防長官が会談で表明をされました。その後、日米合同委員会の民間航空分科委員会で一昨年の四月に設置されました嘉手納ラプコン問題を協議する特別作業部会、ここにおいて、この嘉手納ラプコンの移管について協議を進めてきております
。一昨年には、我が国の航空管制官二名を嘉手納ラプコンに派遣して、同ラプコンにおける進入管制業務の実態、これは実態を、その中に入りましてしっかりと理解を深めることなどしております。
その後、昨年四月には、米軍が移管の前提としている運用所要が提示されましたので、五月に米軍から概要説明を受けるなどして、これまで十一回の特別作業部会を開催して、精力的に協議を今進めている最中でございます。
いずれにいたしましても、国土交通省として、この嘉手納ラプコンの早期移管に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思います。

武正公一
平成十五年、三年後の予定をしておりますよというような当時の運輸省からの御答弁もありまして、そのとき、民主党の上原議員からは、沖縄返還三十年に間に合わせるようにといった強い要望があったわけですが、残念ながら間に合わないといったところでありますので、平成十五年という当初の見込みでありますが、一日でも早く返還を要望したいと思います。  
これに絡むわけではありませんが、北谷町から騒音問題に関して、平成十二年四月、第十八支援群司令官メリー・アッカート大佐あて、「嘉手納飛行場における航空機騒音の軽減について」という要請がされておりますが、これについて、同日午後、稲嶺知事並びに防衛施設局長に同様に要望がされております。
これについては、海上から滑走路へ直接進入に切りかえれば騒音はかなり軽減されると見られているというようなことも言われておりますが、これについての現在の取り組み状況、まず副長官、お答えいただきたい。

■萩山副長官
武正先生御指摘の、北谷町長から要請が出ております「嘉手納飛行場における航空機騒音の軽減について」という要請でありますが、住宅地域での飛行と旋回の禁止あるいは航空機騒音軽減措置を求める内容のものであります。米側にこのことをよく伝えてありますけれども、飛行場周辺地域の方々に対する航空機騒音による影響に配慮するように、米側にも厳しく、強く要望いたしているところであります。嘉手納飛行場というのは、航空機騒音は地域住民の方々に多大な影響を与えておるということは今御指摘のとおりであります。
いずれにいたしましても、嘉手納飛行場においては、日米合同委員会において合意された航空機騒音規制措置があるわけでありまして、その中で進入及び出発経路を含む飛行場の周辺経路は、できる限り学校、病院、あるいは密集地域の上空を避けるように設定されているところであります。当庁といたしましては、引き続き米軍に対して厳しく騒音軽減の一層の努力を求めていきたいという所存でございます。

武正公一
萩山防衛庁副長官、ありがとうございました。  
外務大臣、この北谷町からの要望は当然御承知だと思いますが、二月二十八日の夕刊では、ここ数日、六十デシベル以上が一日四百回、一月の四倍になっているという報道、特に二月二十六日は六十デシベル以上を四百十七回記録しまして、百九デシベルも記録したと。
それはやはり、今副長官が言われたように、町の上で旋回をされる、旋回での離発着がされる。
これについては沖合で旋回をしてくれという要望を出されているわけなんです。これについて外務大臣は御承知されていると思うんですが、アメリカとの交渉について、当然こうした点もお含みおきいただき、御協議をいただいていると思いますが、御所見をお伺いいたします。

■川口国務大臣
この要望の件につきましては、私も承知をいたしております。本当に、騒音問題というのは大変な問題でして、周辺の地域の住民の方にとっては大変に深刻であると私は思います。
この御負担を軽減するために、嘉手納飛行場等における航空機騒音規制措置につきまして米軍と合意をするということなど、騒音の軽減には真剣に今までも取り組んできたところでございます。  
米軍は日米安保条約の目的達成を図りつつ、周辺住民への航空機騒音の影響に最大限配慮するという観点から、この騒音規制措置に従いまして周辺住民に対する航空機騒音の影響をできるだけ軽減するように最大限努力をしているものと承知をしております。
政府としては、この騒音規制措置の厳格な履行を米側に引き続き求めていくとともに、今後とも地元の方々の御負担の軽減のために取り組んでまいりたいと考えております。

武正公一
荒井委員にちょっとお時間をいただきまして、このラプコンが返還された場合、地元北谷町から要望があります沖合で旋回してくれといったことが可能なのかどうか、これについてまず国土交通省さんから、ラプコン返還後、沖縄管制空域に入るわけですが、これについてどのような御所見があるのか。
並びに、防衛庁副長官から、どのような見直しが可能なのか、地元の要望、これにどのような形でこたえられるのか、お二人からお伺いしたいと思います。

■萩山副長官
先生御指摘のこのラプコン、レーダー・アプローチ・コントロール、なかなか英語では難しいんですが、日本語で言えばレーダーの進入管制ですね。これが嘉手納ラプコンでありまして、日本側の返還問題については、現在、国土交通省が中心となって日米合同委員会で検討されておると承知いたしております。  
他方、御指摘の北谷町長からの要請もありまして、飛行ルート、嘉手納飛行場周辺において飛行場への離着陸に用いるルート、このルートは飛行場直近の空域に行われる飛行管制のために用いられるものであるので、進入管制業務の返還とは直接関係がないんですね。言いますと、このラプコンというのは大きなエリアで指定されるものであります。今先生がおっしゃっているのは地域の進入路ですね。  
ですから、これはこれから、当庁といたしましても、日米合同委員会の中で合意された航空機騒音規制措置を遵守することによって解決していかなければならない、あるいはまた、住民の皆さんにも御理解をいただきながら、影響をできる限り最小限に食いとめるように米軍に申し入れをしていきたいというふうに考えております。

■高木大臣政務官
ただいま防衛副長官の方からもお話がございましたけれども、今回の嘉手納ラプコンが返還された場合、これはあくまでも全体の航空管制という形になりますし、お尋ねの北谷町のルートというのは、これは飛行場管制業務になりますので、エリアとしてはさらに狭い部分となります。
そのため、今回のラプコン返還とその進入管制業務移管、また飛行場管制のこの北谷町の上のところを通るというものは別問題となりますので、これは直接関係がないというように国土交通省、管制業務を担当している役所としては認識をしております。

武正公一
最後に、外務大臣、今の御答弁を聞いて、要は、国交省さんも関係ないよと。防衛庁さんも、取り組みます、一生懸命取り組みますけれども、またいろいろ、ちょっと離れているんじゃないかというような御答弁があったんですが、こういったところが、北谷町が直接米軍に交渉しなきゃいけないといったところが生まれているんですね。  
一町長さんが必死になって米軍に要請書を持っていったりやっておりますが、では、日本政府は何をやっているんだといったところが地元の嘉手納基地を抱える自治体としてあると思うんですね。
今のように、国交省さん、防衛庁さんも一生懸命やるけれども、やはり省庁の垣根がいろいろあるんだという中で、その交渉の一番任に当たる外務省として、最後に御決意を含めてこの北谷町の問題についてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。

■川口国務大臣
関係の町村、市町村、一般的にいえば市町村の方々の御負担の軽減をするために、関係の省庁と連携をして最大限の努力をしたいと思っております。

武正公一
以上で終わります。どうもありがとうございました。

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