【決算行政監視委員会第四分科会】 新宿雑居ビル事件について

2002年04月08日

武正分科員
おはようございます。きょうは、国土交通省さん、そしてまた防衛庁さんに御質問をさせていただきます。  
大臣には、早朝から御苦労さまでございます。昨日朝六時から、あのTBSの番組も拝見をさせていただきました。いろいろと大臣のこともより詳しくわからせていただきました。連日、早朝から御苦労さまでございます。  
きょうは、まず新宿雑居ビル事件についてお伺いをさせていただきます。  
既に消防法改正ということで、消防庁としては、九月一日、四十四名の犠牲を出したこの雑居ビル事件について、二度とこうしたことのないようにという取り組みを今回の法改正でしたわけでございますが、附帯決議もつき、特にまた国土交通省さんにおかれましては、建築基準法との関係で、こうした小規模雑居ビルへのより強い取り組みが必要と考えております。  
それにつきましては、まず平成十二年度の建築確認、完了検査、確認変更、定期報告の件数、 これを行わなかった違反件数、それに対する罰則件数、まずお答えをいただきたいと思います。政務官、お願いします。

■高木大臣政務官
平成十二年度の確認申請件数についてのお尋ねがございましたけれども、平成十二年度の場合には、確認の件数は約八十二万件ございます。
確認変更の件数は約八万件で、完了検査件数は約四十六万七千件に及んでおります。また、定期報告件数が約七万一千件となっており、違反件数は、確認に係るものが約五千件、完了検査に係るものは約三十五万件、定期報告に係るものは約七万件と推定されております。  
なお、罰則の適用件数に係る統計的な把握は行っておりませんけれども、極めて件数は少ない、そのように認識をしております。

武正分科員
完了検査を五六・九%が行っている。それは、同じ年度で単純に比較した場合でございます。また、定期報告につきましては、平成十二年度で五一%でございまして、定期報告は半分といったことでございます。
今回の当該ビルも、定期報告もしない、完了検査もしないといったことが指摘をされておりました。また、用途の変更されたことも、当然のように報告がなかったわけでございます。  
昨年十二月、国土交通省さんの検討委員会では報告書をまとめまして、その中では、小規模雑居ビルに対する重点査察で、約一万一千六百棟の建築物の査察、うち四千五百棟、三八%で建築基準法に係る防火・避難安全上の違反が把握された。
特に、定期報告の対象と指定されたのが三千棟、七割の建築物には指定がされていなかった。三千棟についても、直近の報告が行われたのは二五%と、先ほどの定期報告の五一%の半分といったことでございまして、その理由として、小規模雑居ビルの所有者、管理者の定期報告制度への認識の低さ、所有者などの把握の難しさが根底にあるものと考えられるとされております。  

また、理由としては、制度を知らなかったからというのが最も多いけれども、それ以外では、今までも報告していなかったから、調査に費用がかかり過ぎるから、報告するような催促を受けなかったからというようなことを言われております。  
実際にこの実をやはり上げていかなければならないと考えるんですけれども、これは副大臣さん、この点についても再度御答弁をお願いいたします。

■月原副大臣
お答えいたします。  
ただいまの検討委員会の内容についてもお話がありましたが、完了検査等については、各都道府県ごとに建築物安全安心実施計画というものを策定して、そしてそれに基づいて検査体制を強化しているところでありまして、確認とか検査情報の積極的な開示とかパトロール、そういうものを実施しているところであります。  
その結果、今、率を申されましたが、過去と比べると数段上がってきておるわけで、これからもこの点で努力していきたい、こう考えているところであります。  
そして、計画の変更について、ただいまのお話では、認識していなかったとか、そういうのを知らなかったとか、こういうお話が検討委員会であったということを御披露されましたが、そういう点も踏まえまして、当初の建築確認の際に建築主に必要性の周知を徹底するというようなことも進めております。  
そして、今お話しの、検討委員会において制度の周知徹底とか、運用の強化というものをさらに強化せいということのお話があったわけでありまして、定期報告制度についてはそのようなこともさらに強化していきたい、こう考えておりますが、地方公共団体の関係の例えば警察とか消防とか、そういうところの連携を深めて、今までの制度でさらに進めていきたい、検討委員会の趣旨を踏まえて一層進めていきたい、こう考えているところであります。

武正分科員
建築確認の当初の段階が大事だというような副大臣さんの御答弁がありました。まさに私も同感でございます。この点については、後でまた大臣とも意見交換をさせていただきたいと思います。  
この報告書の中でも、やはり関係の部局、団体との連携の強化ということも挙げていますが、新宿区役所の建築課さんに行きますと、実際のところは、許認可のやりとりで手いっぱいだ、なかなか現場への立ち入りは手が回らないというのがこの特定行政庁の悲鳴でございます。
その中で、今回は警察、消防そして保健部門と合同で査察をしたことが大変よかったというふうに言っておりますので、またことし、九月には防災週間がありますので、そうした関係部局との取り組みということは、既に通達等出ておりますが、国土交通省さんとして、消防庁さん、警察さん、そして保健担当部局とのさらなる連携をお願いしたいと思います。  
そういった意味では、ここで建築士ということが出てまいります。建築士さんの協力をもっと仰ぎ、先ほどのような、まだまだ建築主の意識がそこまでいっていないところをさらに強める、あるいは建築主さんの協力をもっと仰ぐような仕組みができないか、この点について、副大臣いかがでしょうか。

■月原副大臣
お答えいたします。  
この制度そのものが、先生も御承知のように、定期的に建築士等に調査させて地方公共団体に報告するという制度であります。そこで、建築士の積極的な協力が、おっしゃるとおり必要不可欠なものであります。  
そこで、建築士等の関係団体に、相談に応じる体制を整備していただくとともに、こういうことの調査に応じられる建築士の名簿を備えるなどして進めていきたい、こう考えているところであります。

武正分科員
続いて、今回の明星56ビルは、二方向避難についても、これは違反といったことが言われているわけです。ただ、それぞれの床面積が百平米以下でしたので、二つの階段を設けなくてもいい、バルコニーでいい、バルコニーが設けられていなかったといったことでありますが、この二方向避難について、国土交通省さんの調査では、キャバレー、カフェ、ナイトクラブまたはバー、約三千百棟のうち千三百五十棟、四三%が違反ということでございました。  
今回の報告書では、同様に避難上の支障の大きい新たな形態の風俗関係用途についても、二以上の直通階段の設置などを義務づける検討を行う必要があるとされております。
具体的には、今回のビルでは、三階がゲームマージャン、四階がキャバクラということで、これがいわゆるキャバレー、カフェ、ナイトクラブ、バーに近いものだろう、ただ、今までの四つの分類には入っていないんじゃないか、こういったところが指摘をされているわけです。
 
ここで大臣にお伺いをしたいんですが、竣工後、用途というものは変更する可能性が大いにある。でも、変更しても確認変更を申請しない。ですから、やはり最初の確認申請のときが大事だと私は思うんですね。
そういった意味では、やはり用途が変わる可能性は十分考えられるわけですから、用途について余り制限を設ける必要はないんじゃないか。
それからもう一つは、五階以下の場合、百平米以下のものは屋外避難階段及び避難上有効なバルコニーなどの設置でも可としておりますが、今回のこともありますので、やはり用途とか、百平米以下は除外規定というようなことはこの際除いていくべきではないかと考えるんですが、大臣の御所見をお伺いいたします。

■扇国務大臣
今御指摘の昨年九月の雑居ビルの火災、これによって多くのものを私どもは知ったといいますか、調査の結果というものが出てまいりました。  
御存じのとおり、先ほども政務官、副大臣から御答弁申し上げましたように、建築基準法にのっとって許可をしていても、途中で用途変更するんですね。今おっしゃった以外にも、私もよくわからなかったんですけれども、テレクラはわかりますけれども、イメクラというのもあるそうでございまして、そういうものに用途変更しまして、そしてそれを届けていない、こういう風俗営業的なものが、雑居ビルの中でしょっちゅう人が変わるんですね、持ち主が。  
こういうことを一々登録していないということで、用途にかかわりませんけれども、少なくとも一般の事務所等々でも、私は、店舗まで一律に強化するということは過度の制限になるということで、規制緩和とこの現状との間に挟まって、やはりこういう災害があったらある程度厳しくせざるを得ないなと。  

また、今おっしゃったように、建築の確認が終わらなければ工事というものは着手することができないわけですから、その許可をするときに、確認をするときに、確認を受けた後の事情変更、例えば予定されていたテナントが変わりますとか、あるいは急に子供部屋が欲しくなったとか、いろいろな事情がもちろんあることはあるんですけれども、計画の変更部分については改めて確実に建築確認を受けるようにするということを私たちはしなければならないと思っています。  
最初の建築確認の際の建築主に対する必要性の周知ですとか、あるいは、平成十一年から導入しました中間検査の際に変更確認を指導する、そういうようなことを実施してまいりたいと思っております。
平成十二年度におきまして、先ほど副大臣から言いました、少なくとも約八万件に増加しているわけでございますので、今後は、少なくとも建築主に対する指導徹底、これが重要なことであると認識しております。

武正分科員
規制については社会的規制と経済的規制がありますので、こちらの安全面というのは社会的規制ということで、これについてはやはり徹底をすべきだろう。
ただ、経済的規制でいえば、例えばスプリンクラーの設置などは、例えばこのようなビルですとスプリンクラーを設置すると二千万とか三千万かかるんですが、アメリカではもう四、五十万の簡易なスプリンクラーがある。こういったものには逆に緩和をしていくべきだろうというふうに考えるわけであります。  
確認した後もいろいろ変更があるよ、確かにおっしゃるとおりなんですが、後で触れます中城村のごみ焼却場など、ある面、意図的に変更をしていくといったケースもありまして、私はやはり、まず最初の建築確認の時点での取り組み、これが一番大事ではないかなと思っています。  

もちろん、その後の定期報告などで、先ほどの建築士につきましては、費用の面とかいろいろな面で、やはりある面、確認変更届け出、定期報告しやすいようなことも同時で必要だと思うんですが、大臣、この建築基準法は最低限の基準なんだと。
確かに、最初の計画について特定行政庁が確認申請を受理するんだという法体系になっているんですが、どうも一度受理しちゃうと、後で幾らでも変更可能なんだ、最初でうまくやっておけばいいんだよというようなことがないのかなと。あるいは、そういった意味で、では後でのいろいろな確認の変更、定期報告などをどうやってやりやすくしていくのかといったことを考えると、やはり最初が大事だ。  
重ねてこの点について、建築確認時点で、まず最初が大事だということを再度徹底が図れないものか、大臣にお伺いをしたいと思います。

■扇国務大臣
先ほども申しましたように、少なくとも、建築確認の際の建築主に対する必然性、必要ですよという認識が甘いといいますか、ですから途中で変更してしまうんだろうと思いますけれども、そういうときがないようにということの指導。  
そして、先ほどちらっと申しましたけれども、十一年から導入した中間検査の際の変更の確認ですね。
十一年でさえ少なくとも、これは実施徹底に努めておりますけれども、変更の確認件数が十一年では約六万五千件、そして十二年度では約八万件というふうに増加しているということは、いかに皆さん方が途中で変更しているかという事実でございますので、そういう点については確実に建築主に周知徹底、これがやはり大事だろうと私は思いますので、事件が起こらなければ気がつかなかったというのは残念ですけれども、今後周知徹底を図りたいと思っています。

武正分科員
続いて、今触れました中城村のごみ焼却場の件に移らせていただきます。  
お手元の方に資料を配付させていただきました。ごらんをいただきたいのですが、二枚図面がありまして、小さい方のA4サイズは防衛施設庁さんで、那覇防衛施設局で四月一日にいただいた資料です。
もう一枚の大きい図面は、地元の中城村のごみ問題を考える会が沖縄県に情報公開請求をして得た、建築確認を沖縄県が受理をしたときの申請者から出された図でございます。  見ていただきますと、小さい方の防衛施設局には、大きい方のS字形の取りつけ道路がないのですね。つまりこれは、建築確認を受理したときにはこのS字形の道路があったんですけれども、防衛施設局さんが把握をされている図はそのS字形のカーブがないというものであります。  

これについて、その考える会では既に三月付で沖縄の県会議長に陳情書を出しておりまして、その中の抜粋でありますが、まず都市計画決定の見直しをしてほしい、なぜならば、面積が当初計画決定のときは〇・九ヘクタール、九千平米だったのが、実際の面積は一万二百二十五平方メートルと相違のまま違法状態が続いている。二点目が、建築確認において全体配置図に記された搬入路、防衛施設局さんの持っているA4の図ですね、右側に道路が伸びておりますが、沖縄県に建築確認を当初持っていったときに、これは要は都市計画決定の範囲外だから審査外とされて、設計図面さえ沖縄県にはないのですね、この図は。
沖縄県が持っているのは、このS字形の図でございます。  

建築主がこれまで使用してきた搬入路というのは、実は防衛施設局さんが示した、この横に東に伸びている搬入路なんですね。
一部事務組合、村長さんがこの建築主なんですけれども、議会でもS字形の搬入路はつくらないというふうに明言しておりまして、この搬入路の予算措置はされていません。私も現地を見てまいりましたが、搬入路が担保されていないのに、このごみ焼却場の建築は進んでおります。
このまま建物が完成しても同施設は搬入路がないまま、これでは稼働できないんじゃないかということなんですね。  
ですから、先ほど、これは善意か悪意か議論は分かれますが、建築確認のときはこういう図で受理をされる、でも申請した当事者はこの道路をつくる予定ないよ、どんどん建築だけ進んでいる、こういったことが起きているわけなんですが、まず、これについて防衛施設庁さんの御見解をお願いしたいと思います。防衛庁さん。

■木村長官政務官
お答え申し上げます。  
今、武正委員御指摘のとおり、私ども防衛庁に対しましては、同組合から那覇防衛施設局に対しまして、平成十三年六月の敷地造成の交付申請においては、現存の搬入路を使用するということで申請がなされております。  
本件につきまして、私どもの方で同組合に事実関係を確認しましたところ、新設する搬入路、つまり沖縄県に提出した、搬入路を計画したものがありますが、これは膨大な経費と期間がかかるため、現時点では当初の計画どおり、つまり私どもに申請があった計画どおりの搬入路を使用する方向で検討しているということでありました。  
防衛庁といたしましては、当該ごみ処理施設完成までに、搬入路につきましては所要の手続がきちっととられまして、ごみ処理施設の稼働、これが最も大事なことでありますので、このことに支障が起こらないように同組合を指導してまいりたいと考えております。

武正分科員
お金がかかるから変えたんだということなんですが、建築確認のときにはこれでいきまして、防衛施設局さんにはこれですよ、お金がかかるからだというような形なんですね。
実際、では、これでいきますよといっても、ここの搬入路の地主さんたちは反対をしているわけなんですね。そのやり方などいろいろやはり問題ありということで、工事差しとめの提訴もされております。  
そういったことも踏まえて、国土交通省さんとして、これは特定行政庁の建築確認の受理の件でありますけれども、先ほど来こうして、建築確認のやり方なんですね、やはり最初が大事なんだ。後で変更すれば何でもいいじゃないか、あるいは、建物が建っちゃったからもういいじゃないかというのをよく聞くんですよね。
どうもこれはおかしいんじゃないかなと思うのですが、この件についての御所見を、副大臣、お願いいたします。

■月原副大臣
今委員御指摘の点は、うなずける点がたくさんあると思います。  
ただ、現段階、この問題について申し上げると、今防衛庁の方からの御説明がありましたが、我々は、このような措置がなくそのまま進んだとすれば、沖縄県が使用禁止を命ずることもあり得るものと考えております。
しかし、使用するためには、今防衛庁そのものが見解を述べられたことですが、搬入路ですね、それを村道としてするか私道とするかは別として、そういう点についてしっかりして、要するに確認の変更というものを行わなければならない、そういう手続が必要だ、こういうふうに考えているところであります。  
ただ、今お話を聞きながら思ったのは、相当の金がかかるということですが、これは一部事務組合というものを、しっかりしておる、こう信じておったんだと思いますが、これからもそういう点、だれが見ても不可能なようなことを受け付けるようなことはしないように、さらに指導せぬといかぬなということを強く感じたわけであります。

武正分科員
沖縄県の方に地元のその会が問い合わせると、ある面、国土交通省さんの御意見を承るような形で、げたを国土交通省に預けるような感じの答弁も続いておりますので、ぜひしっかりとした御指導をいただいて、またいろいろ不明な点も地元でうわさをされておりますので、この点についても、防衛施設局さんも施設庁さん、防衛庁さんも、確かにこの瑞慶覧のSACOの関係もあることも重々承知しております。
日米安全保障条約上大変重要な地域であることも重々承知していますが、であるからこそ、不明な点はただし、そしてやはり国土交通省さんとの連携をしっかりとっていただきたいとお願いをするところであります。  

さて、きょうは、地元のことも触れさせていただきます。  
地下鉄七号線について、もう開業一年たっておるんですけれども、地下鉄についてもなかなか運賃が高いといったこともあります。  
また、同様の第三セクターが、東葉高速鉄道、次期繰越損益六百十三億、北総開発鉄道四百四十三億、横浜新都市交通百十八億。経常がそれぞれマイナス百七億、プラス四億七千万、マイナス六億円ということで、埼玉高速鉄道は、まだ開業一年ですので収支状況が明らかになっておりませんが、利用見込みの十万四千五百人に対して四万七千人から五万人で推移ということでございます。  
今後、平成十二年答申で認められた蓮田延伸も踏まえますと、運政審の一九号答申で、第三セクター方式による現行の整備に関する支援制度の適切な見直しといったことも出ておりますので、この点について大臣から、こうした鉄道の整備、延伸について、特に第三セクターでございますが、さらに力強いバックアップをお願いできるかどうかということ。  

もう一点は、ちょっと一緒に聞かせていただきますが、都営三田線も埼玉への延伸ということが言われていたんですけれども、これは昭和六十年答申でなくなってしまいました。
埼京線に振りかえられたのかなといったことが言われるわけなんですけれども、地元では、昭和四十七年答申に書かれたものですから、当然地下鉄が延びてくるということで住宅を購入された方も多数おりまして、埼京線も実際、混雑率は緩和してきたのですが、平成十二年度ではまたちょっと上昇に転じているということでございますので、この都営三田線の延伸のことも含めて、大臣から御答弁をお願いいたします。

■扇国務大臣
事務局から細かく御報告した方がいいのかもしれませんけれども、あえてお尋ねでございますので、地下鉄の七号線のことでございますけれども、御存じのとおり大体二千六百億円という巨費を投じてやっとできたという現状でございます。
昨年三月に開業したというのは御存じのとおりでございますけれども、初乗り運賃が二百十円、そして赤羽岩淵から浦和美園までが四百六十円と約倍近いわけですね。  
けれども、鉄道運賃につきましては、御存じのとおり、建設費あるいは運営費等々の原価を賄う水準としておりますので、事業者の自主性とそれから主体性、そういうものを市場原理のもとで競争を促進して事業活動の一層の効率化、活性化を図ろうということで、平成九年ですけれども、事業者の判断で、認可を受けた運賃より低廉な運賃の設定というのは届けで足りるということで、ただ届け出でいいことになっております。  

そういう意味では、国による鉄道事業に対します運賃補助については、このような運賃設定に対する事業者の自主性を逆に損なってしまうのではないか、自主性としての皆さん方の努力というものを、国が逆に楽をさせてしまって営業努力をしないということもあり得るということで、これはちょっと難しい。
どちらがいいかというのは問題ですけれども、今御指摘のように、今後どのようにするかということですけれども、埼玉の高速鉄道については、今おっしゃいましたとおり、まだ開業して間もないということもございますので、まず鉄道事業者の経営努力あるいは地方の皆さん方の鉄道の利用の促進、そういうものを私たちも見守って、今後、沿線の開発等あらゆることで着実に進展していくように、せっかくつくったんですから、私たちは育っていただきたいと念じております。  

また、続いて三田線についてのお話がございましたけれども、JRの埼京線の混雑が今大体二一〇%ぐらいですね。だから、当面の目標でございます一八〇%というのを大幅に上回っているという現状でございます。  
そういう意味で、JRの東日本におきましても、これまでも埼京線の輸送力の強化に努めておりますけれども、現在まで池袋駅の構内改良工事、これは御存じの埼京線と貨物線が平面交差になっておりますので、そのために本数がふやせないんですね。
改良工事は何をするかというので、立体交差にします。これを立体交差にしますということは、埼京線の本数増が見込めるということで、これは立体交差しよう、そういう改良工事によって、平成十六年度にはさらに輸送の増強を図っていけるという見込みがついておりますので、今後混雑が緩和されるのではないかと思っております。  

御指摘の三田線の大宮方面への延伸につきましては、これは十二年の一月に運輸政策審議会で、東京圏の鉄道整備計画に関する答申、これで、今御指摘のとおりでございますけれども、収支は採算性や費用対効果が極めて厳しい。
なぜ厳しいか。三田線の延伸というのは、埼京線とほとんど並行して走ることになっておりますので、その結果、並行線に走るだけということで、費用対効果というものが上がるかどうか、これはクエスチョンマークにせざるを得ない、そういうこともございますのでこの答申には盛り込まれなかった、そういう理由でございます。  
今後、地元におきましても、この三田線の延伸については、収支の採算性とか費用対効果等々の諸課題についてさらに検討を進めていただいて、現段階では効果が上がらないのではないかとは思われておりますけれども、検討してまいりたいと思っております。

武正分科員
ありがとうございます。  
時間になりましたので、最後、芝生の質問を用意しておりましたが、これはちょっとまたにさせていただきます。  
校庭の芝生化議員連盟、一生懸命やっておりますので、これまでの公園管理者、芝生には立ち入ってはいけないよという、日本の法律で立入禁止区域、こういったものを指定しておりますが、やはり芝生は楽しむものという形に国土交通省さんとしての考え方の御検討をお願いしたいと思います。  
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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