【総務委員会】 電波法改正案
2002年04月25日
■武正委員
民主党の武正公一でございます。
限られた時間でございますので、電波のようにてきぱきと行ったり来たり、よろしく御答弁をお願いいたします。
さて、今、電波の逼迫状況ということで、今般、電波法改正については、その理由が最大のものというふうに伺っておりますが、逼迫状況についても地域的、時間的偏在があるんではないかということでございますが、大臣の御答弁をお願いいたします。
■片山国務大臣
電波の逼迫状況は、委員御指摘のとおり、地域間や時間帯によって異なるものでございまして、一般論で申し上げますと、首都圏は地方に比べて大変逼迫しておりますし、また、昼の方が夜よりも電波は逼迫している傾向にあると聞いております。
■武正委員
電波の利用状況の公表等に関する調査研究会報告、平成十三年十二月におきまして、時間別の占有時間率というのがございます。十五分刻みですから、二十四時間が九十六に分けられておりますが、三〇%を超えるものはわずか二件、一〇%以下が六十八件、七〇%以上が一〇%しか使われていないといったことでございます。
インターネットの父と言われるポール・バラン氏は、こういった中で、ソフトウエア無線というものによって、端末に周波数アナライザーを使って変調方式で無限のやり方があるよというようなことでございまして、安田早大教授も、先ほどの報告書のヒアリングで、同一周波数帯の共有化政策で特に人口稠密地域では対応できるんではないかということでありますので、日本のこれまでのいわゆる電波政策は、所有権を与えるというような形で、一度その電波を有するとかなり強い権限を持つという形で来ておりますが、それはやはり問題あり、技術的にもそれを克服できるいろいろなやり方があるということでございます。
ちなみに、これから進めようとする四Gの携帯電話ではこの電波の変調方式が考えられておりますが、今の電波法でいきますと、このやり方では海賊無線になってしまう。電波法の問題点も指摘して、次に移らせていただきます。
副大臣におかれましては、電波利用料はどのような基準で決めているのか、また、平成八年、十一年と値下げした理由、これはもう既に議会でもいろいろ御答弁があるんですが、よろしくお願いいたします。
■佐田副大臣
先生の質問は二問あろうかと思います。
まず最初の、電波利用料の基準ということでありますけれども、電波利用料制度は、電波の監視などの無線局全体のための共益的な事務の費用をその受益者である免許人に負担していただく制度でありまして、その料額は、制度の趣旨を踏まえ、共益的な事務から受ける受益の程度や事務に要するコストに基づいて算定をするということであります。
したがって、二つの要素があるということでありまして、無線局データベースの作成に必要な経費については、無線局の種類によって決まる免許申請書類のデータ量見合いで全無線局で案分するということでございまして、具体的に申し上げますと、要するにアンテナの大きさであるとか、また容量の大きさとか、そういうことが一つの要素になりまして、それ以外の、電波の監視などに必要な経費につきましては全無線局が均等に負担するということで、その合算というふうな形で決められているところであります。
もう一つの御質問でありますけれども、電波利用料を値下げしているという理由でありますけれども、電波利用料の料額は平成五年と平成八年及び十一年に見直しを行っており、その際、以後三年間に必要と見込まれる無線局全体のための共益的な行政事務の費用を同期間内に見込まれる無線局で公平に負担する、そういうふうなやり方で算出しているところであります。
平成八年及び十一年の見直しにおいては、共益的な事務費用の増加に比べて無線局数の増加の度合いが大きいと見込まれる、いわゆるモバイルの関係でありますけれども、料額を維持すると収入額が共益費用の額を上回る傾向が続くというふうに想定されたものですから、いわゆるモバイルが相当ふえてきていましたものですから、これを下げさせていただいた、こういうことであります。
■武正委員
一点目については、百八国会で電波法の改正がありまして、電波有効利用促進センターをつくる理由として混信調査のための既設の無線局へのデータ収集、分析、ただ、それを民活を利用してということで、調査研究、啓発等、そういった形で取り組んできているわけなんですね。そういった中で、この電波利用料というものも、一応基準を持って決めてはいるんですが、なぜ下げたかということで、モバイルがふえた、要は携帯電話の台数がふえたからといったところでございまして、携帯電話の利用者によって約八割、電波利用料が賄われている、それによってほかの利用者の利用料金を下げたといったところでございます。
さて、総務委員会では、アナ・アナ変換が約三倍に額がふえたことは随時指摘をされておりますが、自民党の平井卓也代議士が、「地上波TVのデジタル化 コスト膨らみ視界不良 計画の一時凍結論も」という見出しの朝日新聞、本年三月二十六日で、デジタル化計画を立ちどまって考え直すべきだ、どういう基準でセットトップボックスを配るのかというようなことも指摘をされております。
これについて、大臣の御所見、御見解をお願いいたします。
■片山国務大臣
平井議員からそういう御指摘があり、御所論があるということは私も読ませていただきました。
我々は、いろいろ検討しました結果、地上放送のデジタル化は国民に多くのメリットをもたらす、こういうことから、二〇〇三年には三大広域圏で、二〇〇六年からその他の地域でデジタル放送を開始する、こういうスケジュールをつくったわけでございまして、現在関係者で協議いたしておりますけれども、このスケジュールを変更することは考えておりません。それぞれの事業者もできる、こういうことでございますから、来年中には三大広域圏ではデジタル放送を始めていただきたい、こういうふうに思っております。
そこで、セットトップボックス方式についてでございますけれども、今、武正委員が言われましたように、相当経費が高くなるということが見込まれますので、一つの選択肢として、効果のある場所に限定して、導入するかどうかということを検討いたしております。
具体的にどうやるかにつきましては、現在、私どもの方とNHK、民放から成ります全国地上デジタル放送推進協議会においていろいろな対策手法を含めて検討いたしておりまして、ことしの夏ぐらいまでには、七月上旬ぐらいまでには取りまとめを行いたい。どういう方式にするか、貸すのか配るのか、あるいはどうするのか、そういうことを今検討いたしている段階でございます
■武正委員
大臣は、四月二日の総務委員会での御答弁で今のようなお話をされておりますが、「今、できるだけ経費を切り詰めるように、ぎりぎりでどのくらいかかるかということをこの夏までに報告をまとめよう。」今のお話だと思います。「それで、これは国が補助することにしておりますから、電波利用料で。」というような御答弁をされておりますが、七百億が二千億に膨らんだものを電波利用料で賄うということは、電波利用料を値上げするということでございましょうか。
■片山国務大臣
これがいろいろ議論のあるところでございまして、見込み違いはだれの責任かという議論もありますけれども、できるだけすべての方に迷惑をかけないような方法で議論すべきではなかろうか、こういうことで、先ほども言いましたが、協議会におきまして今議論いたしております。
今のアナ・アナ対策の財源も電波利用料ですね。だから、電波利用料を中心に物を考えていく、こういうことでございますが、このために値上げするというのはなかなか国民の理解が得られにくいんではなかろうか、こう思っております。
それでは全く値上げを考えないかというと、それは、考え方の中にはそういうことも一部はあるのかもしれませんけれども、総合的に電波利用料中心にこの経費をどうやっていくかと。とりあえずは経費の総額の削減ですね、二千億とかなんとか伝えられておりますものをどれだけ縮められるか。その縮める額が出てきて、単年度の電波利用料あるいは中期的な電波利用料含めてその対応を考えたい、こういうふうに思っております。
■武正委員
大変苦しい御答弁かなというところも拝察をいたします。
ただ、国民の理解というのは、国民にはいろいろいるわけですね。先ほど言いましたように、私は、やはり携帯電話の利用者が全体の電波利用料の八割を負担していますので、この携帯電話の電波利用料を上げるというのはいろいろ問題があろうというふうに思いますが、先ほどの副大臣のように、過去二回、一割、一割というような形で下げてきた、そういった意味での電波利用者の電波利用料、あるいは国や地方公共団体が負担するか負担しないか、これももう一回再検討もあるだろうし、何といっても、先ほどの時間的なもの、地域的な偏在などで利用されていない電波がたくさんあるんじゃないか、それについてはやはりいろいろと考え方があろうと思うんです。
電波には経済的な価値に見合った対価というものを負担していただいたらどうかという点については、大臣、御認識はいかがでしょうか。
■片山国務大臣
電波に対する考え方も、やはり私、だんだん変わってきていると思いますね。だから、今委員の言われるような考え方が私は確かに強くなってきていると。国会での御議論もそうでございますし、国会外の一般的な意見でもそういうことが割に目立っているな、私はこういうふうに思っておりまして、その辺をどう考えていくかですね。
ただ、オークションにつきましては、メリット、デメリット両方ありまして、ヨーロッパの例なんか、余りいいことになっていないんですね。だから、そういうことも参考にしながら考えていかなければならないと思います。
アナ・アナ対策については、この見込み違いを直ちに電波利用料を納めてくださる方に転嫁するのはいかがかな、こういうふうに思っておりますが、それとは別の観点から、今の委員の御指摘を含めて、この電波の利用の対価をどういうふうに決めていくかということは、大いに検討すべき課題だと思っております。
■武正委員
電波の対価について検討するということで、半歩前進したかなというふうに理解をいたします。
実際、e―Japan重点計画あるいは規制改革等でも、電波のオークション制について検討する、検討するというようなことがうたわれているんですが、実際にオークション制度についての検討が今までどのように進められてきたのか、この点について、これは大臣、簡単にお願いいたします。
■片山国務大臣
オークションにつきましては、前から御指摘をいただいておりますので、担当のところでは相当研究いたしております。
ヨーロッパ型のオークションの方式がいいのか、あるいは新しい、日本型というのをつくってもいいわけでございまして、そういうことを含めて少し前広に議論してもらいたいと。先ほども言いましたが、ヨーロッパの例は必ずしもいい例にならないんで、悪い例は悪い例として、反面教師的なあれもありますので、十分な検討をしてまいりたい。
あるいは、三カ年計画では、二〇〇五年までに結論を出す、こういうふうにいたしておりますから、それまでにはしっかりした結論を出したい、こういうふうに思っております
■武正委員
国際大学の池田教授は、やはり、ヨーロッパで値上がりしたのは、勝者ののろい、ワイヤレスバブル、入札手法にいろいろ問題もあった。これについては、イタリア、フランスの事前の書類審査等もあろう。「料金に転嫁されるという批判は、欧州ではもう聞かれない。過去にそういう事例はないからだ。」ということも言っておりますので、ぜひ御認識をお持ちいただきたいと思います。
今回の電波の利用状況の公表等に関する調査研究会のヒアリングあるいはパブリックコメントで、電波のオークションに前向きな意見が寄せられたものを紹介してほしいと思いますが、これは、政務官。
■山内大臣政務官
。結論から申し上げますと、報告書の取りまとめに当たって実施された意見広告については、オークションに前向きな意見というのはほとんどなかったんです。ただ、電波の利用状況の公表に関する調査会においてのヒアリングの中で、二つの意見がございました。
それは、経済学者からでございますが、電波の新たな配分時にオークションを実施し、市場原理に基づき電波の経済的価値を算定する。その上で、オークションを実施しない他の帯域においても電波の経済的価値を試算し、電波の使用料を設定することによって電波の有効利用が促進されるという意見がありました。
もう一つは、社団法人の全国陸上無線協会から、電気通信事業や放送事業への周波数の割り当ては、原則オークションを採用してはどうかという二つの意見がございました。
■武正委員
意見がないというのは、ヒアリングの聞き方に問題がございまして、総論の中で、「その他、新規電波ニーズに対応するための周波数の確保方策について、ご意見等がございますか。」という聞き方でございますが、その中であえてそのような御意見が出てきたといったことでございますので、先ほどの大臣の、調査について前向きに検討するという御答弁でありますので、やはり、電波の入札制いかにということで、ちゃんと項立てをして聞いていく、もうそういう時期にあろうというふうに考えるわけでございます。
さて、今回の法改正であります。
調査、公表、評価の仕方でございますが、調査は三年に一回、また、公表については、参議院の御答弁では、地域ごと、同種の免許人をくくって公表する、個別の名前が余り出ないようにというような御答弁もありました。また、本法は、評価は総務大臣が行う、そして電監審に諮問ということでございます。
まず、その調査でありますが、NTTコムあるいは個人の方から、先ほどの報告書では、基礎調査の周期は、その種別によりますけれども、一年ごとにすべきだろう。それから、公表については、FCCと同レベルの公開をしてはどうか。そして、最後、評価についてなんですが、これはNTTドコモさんから、防衛用などの例外については、公表は不必要だが、評価については他の無線局と同様に公正に実施してほしいということのヒアリングの結果が出ておりますが、それぞれにつきましての御見解、大臣にお願いいたします。
■片山国務大臣
この三年ごとに実施してというのは原則でございまして、いろいろな観点から三年ごとにやりますけれども、タイムリーに実施すべきだ、こういう御意見もありますので、いろいろな状況を見まして、例えば突然出現する電波の新規需要や技術革新にも適切に対応する必要がありますので、三年が原則でございますが、臨時の利用状況の調査等を行うこともやろう、こういうふうに考えております。
それから、FCCと同様にインターネット上で全面的に無線局情報を公表すべきだ、こういう御意見につきましては、例えば、無線局の設置場所の公表につきましては、免許人から、無線設備に対する物理的な破壊活動、そういうことを誘発するんじゃないかというような懸念、あるいは営業情報の漏えいとなるというような懸念、プライバシー侵害になるんじゃないかという懸念などから慎重にしてくれ、こういう意見が多くありますので、このような全面的な公表については、みんながいいなと、こういうふうな合意の形成ができれば、そういう時期までもう少し待つべきではなかろうか、こういうふうに思っております。
それから、防衛情報、防衛用の電波についても評価の対象にすべきではないか、こういうことでございますが、これは調査の対象にはいたします。ただ、その評価案は電波監理審議会へ諮問していろいろ議論していただこう、公表はちょっとこれは待たせていただいて。そういうふうに今考えているところでございます。
■武正委員
今、最後、電監審のお話がございましたが、これは私がかねてより大臣にお願いをしておりますのは、電監審への異議申し立て、昭和二十七年から平成十二年までわずか二十五件、加えて大臣への勧告は昭和二十年代の二件しかない。今回、特に最後の評価につきましては、総務大臣が評価をする、電監審に諮問という御答弁がありましたが、その電監審が大臣に勧告したのは昭和二十年代の二件だけ。それ以降大臣に勧告したことがない。これはやはり電監審の公正性が、八条機関で、しかも総務大臣の外局であるということでございますので、やはり三条機関にすべきだろう。
加えて、次の質問とちょっと一緒にさせていただきますが、通信と放送の融合化が進んでいるので三条機関にすべきでありますが、やはり日本版FCCとして、電通審と電監審を統合すべきではないか。しかも、それはやはり監督業務と監視業務、監理業務ですか、あるいは公正性をチェックするという意味からは内閣府に置くべきではないか。
以上、三条機関と、それから電通審との統合並びに内閣府に置くべき、大臣の御答弁をお願いいたします。
■片山国務大臣
電波監理審議会についての異議申し立ての件数が少ない、こういう御指摘がございましたが、ある意味ではちゃんとやっているということですね、役所の方が。ちゃんとやっているから異議申し立てしなくてもみんな納得している、こういうことじゃないかと考えております。
そこで、三条機関か八条機関かというのはありますけれども、三条機関というのはなかなか取り扱いは難しいんですね。これは、独立というのはいいことなんですけれども、機動的にやる、一体的にやる、そういうことにおいてやや問題がございまして、これは戦後盛んに取り入れられた制度の一環でございますけれども、日本的にどうかなという議論は前からあるわけでございまして、ぜひその辺は御理解を賜りたい、こういうふうに思っております。
それから、内閣府という案ですが、何でも内閣府では、これは大変なんですね。今でさえ内閣府が大きくて大きくて、いろいろなことをやり過ぎて、ちょっとなかなか大変じゃなかろうか、こういうことがありますので、大きな中央省庁をもう一遍見直すときに、内閣府のあり方、あるいは、いろいろなものが総務省の所轄になっておりますから、今の総務省のあり方、こういうことを考えていくべきではなかろうか、こういうふうに思っているわけでございまして、今の体制でもしっかり仕事をする、信頼できる仕事をするということが私は必要じゃないかと思いますし、FCCじゃありませんが、例の紛争処理の委員会を設けて、そこでいろいろな紛争の処理をやってもらうなんということも今までの行政からいうと前進ではないか、私はこういうふうに考えております。
いずれにせよ、御指摘の点は大きな課題でございますので、引き続いて十分な検討を重ねてまいります。
■武正委員
電通審との統合もお聞きしたんですが。
■片山国務大臣
これは、そういう御議論もあるんですが、電波監理審議会は、電波法や放送法に基づく周波数の割り当てや技術基準の制定や無線局免許などの総務大臣の処分に対する不服申し立ての審理を行っている。ところが、情報通信審議会は、そういうことよりも電気通信事業法に基づく電気通信事業の許可や情報通信政策全般についての審理を行っておりまして、この両機関はそれぞれ対象とする行政分野や所掌事務が大きく異なっておりますので、それを一緒にするということになると性格があいまいになる。適切かつ効率的な審議、結論が果たして出るのかどうか、こういうふうに考えておりまして、現在の方がベターかな、こういうふうに考えております。
■武正委員
ドイツ、そしてアメリカが一緒にやっている、イギリスは別ということでございますが、私は、やはりこれは統合して、そしてそのかわり三条機関に格上げして、八条を二つくっつけるわけですから三条にして、しかも先ほど御議論がありましたが、私は内閣府に置くべきとあえて申させていただきます。
さて、きょうは国土交通省政務官もお見えでございます。そろそろ一年二カ月もう過ぎました、えひめ丸遭難のときに遭難信号がどのように発せられて、そしてラフトに生存者が確認できた〇九一七時までどのような形での時系列での展開があったのか、これをまず御答弁いただくとともに、そうした中、いわゆるEPIRB、これについては、非GMDSS船遭難時における委員会では、小型で簡易、簡便なEPIRBあるいは小型船SARTを漁船やレジャーボートなどに普及するにはどうしたらいいのかというようなことを検討されているか、あわせて御答弁をお願いします。
■高木大臣政務官
ただいまえひめ丸の遭難時の情報の入手と伝達についての御質問がまずございましたけれども、委員御存じのように、日本時間の、平成十三年の二月十日の午前八時四十五分ごろ、オアフ島沖において米原潜とえひめ丸が衝突。その後、同船が遭難信号を発しまして、その二分後、午前八時四十七分に静止衛星を通じて海上保安庁に到達しております。
この信号は静止衛星を介して受信したものであったため、その機能上、遭難の位置情報は把握されませんでした。その上で、同信号から出た識別信号から船名と所有者名、この情報を割り出すことができましたので、これに基づいて、海上保安庁では直ちに宇和島水産高校とまた所属漁業無線局である三崎漁業無線局の方に動静を確認いたしました。
ただこれも、その後位置は確認できませんでしたので、午前九時十四分、機能上遭難位置情報を把握できる周回衛星、これを介しまして再度遭難信号を受信しまして、このため直ちに同海域の救助調整機関である米国沿岸警備隊のホノルル救助調整本部に詳細を問い合わせて、御指摘の午前九時十七分、同船が米原潜と衝突したと確認し、乗員が救命ボートに乗っているということを確認いたしました。
その上で、委員御指摘がございました非GMDSS船遭難時における連絡手段の確保等に関する調査研究委員会、この委員会は平成十二年の四月から約二年間にわたって研究をしてまいりました。これは、御指摘がありましたように、GMDSS体制の対象外となる小型船舶、いわゆる非GMDSS船について、緊急時に何らかの連絡手段を確保すること、これを迅速化していこう、そういうために小型船舶に搭載が望まれる通信機器等について検討がこの二年間にわたってなされてまいりました。
検討の結果提言された内容というものは、小型船舶船の活動海域に応じて、既存の機器であるVHFの無線機、あと小型船用の衛星EPIRB、インマルサット衛星の電話と携帯電話、こういった通信機器の搭載が望まれるものとなっておりますけれども、その一方で、将来に向けては、それらの機器の小型化、軽量化、さらに安価な機器ということでの開発研究が必要という提言となっております。
■武正委員
ありがとうございました。
今の海難・漂流時用パーソナルブイ、これがいろいろな応用ができる可能性があるといったことも言われております。ただ、そのためには、とりわけ中小、ベンチャーの有能なメーカーが乗り出しやすいためにも、やはりその電波の利用状況がわかりやすく公表されるべきだろうといった点の指摘がございました。
この点について大臣の御見解を再度、その透明性を高めるについてお伺いするとともに、本法は十年で見直しということで、参議院での大臣の御答弁は、三年の調査を三回やって、三掛ける三で九年、プラス一年ぐらいで十年でちょうどいいんじゃないかという御答弁なんですが、百五十一回国会の電気通信役務利用法案、特定商取引改正法案、特定電子メール適正化法案、後の二つは百五十四国会ですが、それらはいずれも三年で見直し、遅くとも、電子署名認証法案、百四十七国会、五年で見直しということから考えますと、大臣が言われるドッグイヤーといったことから、十年は長過ぎるというふうに考えるのですが、以上二点について、御答弁をお願いします。
■片山国務大臣
この法案によりまして、我々は、電波の利用状況の透明性が大幅に向上する、その上で今のお話のようないろいろな対応が図られていく、そういうふうに今後とも努力いたしたいと考えております。
それから、十年で見直すというのは、十年待たなければ見直さないということじゃないのです。調査は三年ごとに、これは経年変化や継続性が必要でございますからやっていく。十年で見直すということは、三年掛ける三プラス一年の十年と書いてはおりますが、その十年の間に、適宜見直していく、必要ならばいろいろな改正も考えていく、こういうことでございますので、十年たたなければということじゃないというふうにひとつ御理解を賜りたいと思います。
■武正委員
もう時間になりました。
最後でありますが、私から、鬼木大阪学院大学教授の講評についてなんですが、先ほどのヒアリングなんですけれども、全く損害のない情報公開は不可能なんだ、だから問題は、負担原則を最初に決めておけば情報公開はやはりやるべきだろうというふうに言っておりますので、御答弁の中で、企業名とかいろいろ出せない、出せないということじゃなくて、ぜひ前向きに公開をしていただくことを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
|