【総務委員会】 郵政公社化法

2002年06月25日

武正委員
 おはようございます。民主党の武正公一でございます。
 郵政関連四法案に対する質疑を行わせていただきます。
 まず、冒頭、ちょっと質問通告にはございませんが、けさの新聞に、大臣の政治資金報告書の件の記事が出ておりました。地元の建設会社から、男性社員二十二歳を私設秘書として派遣、給与全額を負担していたことが二十四日わかったと。この新聞では、片山氏は、負担の事実を認めた上で、報告書の修正など措置をとると述べたと書いてありますが、この点について、事実の確認をお願いいたします。

■片山総務大臣
去年の秋に、私の親しい会社の社長が来られて、うちの若い職員を、社員を勉強させたい、研修させたい、事務のいろいろな進め方とかいろいろな人を知るということもあるので、こういうことですから、それは勉強に来させてはどうですかと。それは私の事務所ではなくて、岡山県の参議院の第二選挙区支部でございます。そこに来てもらって、六、四ぐらい、特にあれがないときは車の運転なんかを中心にやってもらっておりますけれども、そうでないときは、会社の仕事をやっておるんです。
 それで経過しまして、そういうことなものですから、政治資金規正法上は労力提供も寄附になりますから、そこで三月までに、去年の政治資金の収支の報告をしますね、そういうことの中で、それを入れておくようにと言ったんですが、どうもそれが落ちているようなので訂正を命じたというのが事実でございまして、会社の希望で勉強に来ていただいておりますので、しかるべきときに、会社とももちろん話す必要がありますけれども、会社の方に帰っていただこうか、こういうふうに思っております。

武正委員
もう言うまでもなく総務大臣はこの政治資金規正法の所管大臣。その所管大臣が、政治資金規正法に基づく収支報告に誤りがあったということは、やはりこれはとても容認できない事実でございます。また、額の大小というような報道もございますが、額の大小に限らず、これはもう極めて重い事実であろうというふうなことを指摘させていただきたいと思います。
 それでは、関連四法案の方の質疑に移らせていただきますが、過去十年間に事務次官経験者の就職先を総務省からいただきました。そうしますと、交互に郵貯振興会と簡保事業団に就職をされております。過去二十年を見てもこういうような形になっておりますが、これは慣例というふうに見ていいのか。
 さらにまた、人事院の資料によると、人事院承認が必要な十級以上、各大臣に任せられている九級以下の就職先、これについて、人事院の報告では他省庁と比較すると郵政事業庁が一番多い、この理由、これをそれぞれ大臣、お答えいただけますでしょうか。

■片山総務大臣
先ほどのお話ですけれども、あれは三月までに報告して、追加や訂正の期間を認めているんですよ、何カ月間。三月までですからね。そこで、選管とも手続をとるような相談をしておりますから、そういうことはぜひ御理解を賜りたい、こういうことでございます。
 それから、今の退職の話でございますが、事務次官が郵便貯金振興会と簡易保険福祉事業団にたすきがけで行っているんじゃないか、慣例ではないか。
 そういうことはありません。ただ、見ますと、次官経験者が行っている例は多うございますけれども、それは慣例だとか決まっているとかということではありませんで、やはり本人の能力、適性、経歴等を見て適材な人に行ってもらっている。特に、簡保事業団の方は総務大臣の任命でございますけれども、郵便貯金振興会の理事長の方は、これは評議員会で決める、こうなっておりますので、ぜひそういうふうに御理解を賜りたい、こういうふうに思います。
 それから、郵政関係で民間企業に就職している人が多いじゃないか。
 これは絶対数が多いんですよ、御承知のように、私どもの方の職員は。それは武正さん、よく御承知だと思いますけれども、三十万人近い職員がおるわけでございまして、その点もひとつ御勘案賜りたいと思いますし、手続は、いずれも国家公務員法等の手続に従って適正な退職管理をいたしておるつもりであります。

武正委員
先ほどもお話ししましたように、事務次官の方は不思議に、この二十年間を見ると、またいただいた資料も十年間ですが、必ずどちらかに就職をしているんですね、交互に。ほとんど交互です。これはやはり慣例というふうに見ざるを得ないというふうに思うわけであります。
 さて、人事院さんもきょうお見えでございますが、人事院監査ということで、郵政事業庁、本省とそれから地方郵政局をやっておられますが、私は、これだけ多い方々が関連企業に就職するかどうか、そういったチェックをしなければならない人事院とすれば、この監査の頻度をもっとふやしていいんじゃないかというふうに思います。
 また、公社化法で国家公務員の身分とされております公社職員でありますが、そうすると今度は、人事院の公表対象はこれまでどおりなのかどうか、あるいは逆に、地方郵政局に対する人事院監査がこれまでと同様できるのかどうか、この点、あわせてお答えいただけますでしょうか。

■中島政府特別補佐人
監査の頻度でございますけれども、再就職件数のおおむね二分の一というところを目標に監査を行っております。この再就職につきましては、省庁それぞれかなり習熟しておられますので、二分の一というところをめどに監査をしていけば大丈夫じゃないかという感触を現在得ております。
 それから、もう一つの御質問でございますけれども、郵政公社に移られましても再就職についての国民の関心が大変高いというふうに予想されますので、郵政公社に移行した後の再就職者についても現在と同じように公表してまいりたいというふうに考えております。

武正委員
今まで以上にきちっとやっていただきたいということが一つと、先ほど聞いたのは、地方郵政局も対象なのかどうか、これも変わらないということでよろしいですか。もう一度御答弁をお願いいたします。

■中島政府特別補佐人
変わりません。

武正委員
私は再度、人事院の監査はこれまで以上に行うべきであろうということを重ねて申させていただきます。
 さて、お手元の方に理事会の御承認を得てお配りいたしました資料は、簡保の指定単の信託銀行の平成十二年度末の委託残高の一覧でございます。十六兆三千億のお金が中央三井信託さんを筆頭にこのような形で委託をされているといったことでございます。
 二枚目の方は、これは、総理の懇談会の方に松原委員が要求をして出していただいた資料ということで、いわゆるファミリー企業と言われるところに、平成十年から三年間、郵政事業庁からあるいは旧郵政省からどのぐらいの方が就職をされているのかという一覧表でございます。
 まず、ここに出ておりますリスト、二枚目の方でございますが、この企業を、郵政事業庁とかかわりの深い企業、いわゆるファミリー企業というふうに考えていいのかどうか、この点をお答えいただきたいと思います。

■佐田副大臣
このリストを今拝見させていただきましたけれども、いわゆるファミリー企業、こういう考え方というのはないわけでありますけれども、いわゆる、退職された方々が本人の知識であるとか経験であるとか技能等を就職先に評価されて行われているものと思っておるところであります。
 先生も御存じのとおり、こういうことは厳正に厳しくやっておりまして、国家公務員法等の手続をしっかりやっておりまして、例えば退職されて二年以内の方につきましては厳正に行わせていただきまして、営利企業に勤めるときも必ずこれは人事院の承認を得る、こういうことでやらせていただいておるわけであります。

武正委員
いわゆるファミリー企業ということで、こうした就職と、それから郵政にかかわる事業を、どの程度仕事をやっておられるかというようなことも加味して、やはりこの関連企業というものは、郵政事業庁との関係は透明性があってしかるべきというふうに考えるところであります。
 さて、この資料に基づいて、幾つかの企業を取り上げながら順次質疑をさせていただきたいと思います。
 まずは、左一番上、ピーアイ投資顧問でありますが、これは、投資信託をお願いしている銀行から顧問料という形で年間二億円の顧問料を受けていたのではないかという疑いが財務金融委員会で我が党同僚議員、長妻議員から質問があり、また、質問主意書を内閣の方に送りまして、同委員会で村田副大臣が、そういったことがあればやはり調査を行うという旨の答弁を行っているんですが、質問主意書では、なかなかそれについては了とできないと回答がありました。
 ただ、その回答書では、八行が十六億円の顧問料を投資顧問会社に払っていたということがあったわけであります。きょうは村田副大臣お見えでございますが、委員会では調査を行うというように御答弁があったんですが、調査は行われているのか、あるいは、行われたとすればその結果をお答えいただきたいと思います。

■村田副大臣
ただいま委員から、当時の財務金融委員会での長妻委員の質問に対しまして、そういったことがあれば調査をする、こういうふうに御指摘をいただきましたが、今もう一度、財務委員会の一月二十八日の記録を読んでみますと、私、「一般論としてお答えいたしますれば、銀行のあり方としてかかわる問題とあれば調査いたします。」という答弁をいたしておりまして、同じお答えになりますけれども、私ども、一般に、銀行の健全かつ適切な運営を確保するために必要がある場合には、報告とかあるいは資料の提出を求める、こういった方法によりまして、業務の運営等の状況につきまして実態の把握に努めているところでございます。
 ただ、個別の取引に関する事柄につきましては、関係者に不測の損害を与えるということもございまして、実態把握の必要性の有無を含めて、答弁を差し控えさせていただきたいということでございます。
 この点については、長妻委員からの質問主意書でも同趣旨のことをお答えさせていただいたところでございます。

武正委員
金融庁として、金融機関の健全な発展ということを第一義に考えるというような趣旨の御答弁だと思いますし、個別の取引についてはというような御答弁だと思うんですが、これは、国民の代表である国会での質問に対する答えでありますし、また国会という場は、立法府として、国権の最高機関として国民の代表者である国会議員が行政府である内閣にさまざまな質問をし、それは質問権として、それに対する答え、これは答弁としてやはり義務があるわけであります。それについて、今のお答えでは、あくまでも金融庁として、監督機関として、目が金融機関の方に向いているというような答弁としか受けとめられません。納得できないわけであります。
 再度、ちょっと質問を変えますが、きょう、お手元にこうした指定単の信託銀行の一覧がありますが、質問主意書では、八行から十六億円、顧問料をピーアイ投資顧問は受けていたといいますが、それでは、この八行はこの中に何行ありますか。質問主意書で八行十六億円というふうに答えておられますから。
 では、質問を変えましょう。まず、その八行はこの中にありますか。あるかないか、あるとすれば何行あるのか、お答えをいただきたいと思います。

■村田副大臣
質問主意書でお答えをしたとおりでございますが、個別の取引にかかわることでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

武正委員
あるかないかだけをお答えいただきたい。個別でどこの銀行がということは言わなくていいですから、この中にあるかないか、それをお答えいただきたいと思います。
 また、これはもう指定単の運用で二〇〇〇年でも三兆を超える、三兆八千六百二十三億円の損益を計上しているということもありまして、単に個別のやりとりじゃないですよ。先ほど大臣も言ったように、郵貯、簡保で国民の貴重な財産をお預かりして、それをまた指定単ということで運用を図っている。
 これから郵政事業庁が自主運用を図る意味でも、この簡保の自主運用をまずやっているという実績を上げておられる郵政事業庁でありますし、ぜひ、ここは、まず副大臣、この中にあるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。

■村田副大臣
答弁の繰り返しで恐縮でございますが、個別の取引にかかわることでございますので、控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

武正委員
あるかないかですから、ちょっとお答えをいただきたいと思うんですよ。個別の案件があるかどうかということじゃないのですよ。この中に、十六億円が八行から渡っているわけですから。この指定単の、この銀行の中にあるかないか、それだけお答えをいただきたいと思うんですよ。

■村田副大臣
まさにそのことが個別の取引にかかわることでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

■平林委員長
ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕

■平林委員長
速記を起こしてください。
 村田副大臣。

■村田副大臣
改めてお答えをいたします。
 御質問は、質問主意書では、七行とか八行というふうに行数についてお答えをいたしておりますし、また、「大手信託銀行など」と、こういう一般、普通名詞で「信託銀行など」というふうに書いてございますが、私ども、個別の行名をこの場でお答えすることに対しまして、いささか、本日の質問通告にもなかったことでございますので、もう少し精査が必要だ、こういうふうに考えております。
 理事会で御指摘があれば、もう一度お時間をちょうだいいたしまして、お答えし得るかどうかということについて私ども検討させていただきたいと思っております。

武正委員
これはもう質問の流れの中で出てきているあれでありますし、その場でお答えをいただけるものということで私は質問しているわけであります。今の答弁では、到底納得できないところでございます。
 また、これは「大手信託銀行」と言っているんですよ。では、ちょっと総務大臣、大手信託銀行はこの中に全部入っているんじゃないですか。この簡保の十六兆円の運用で、指定単で、いわゆる大手信託銀行、全部入っているんじゃないですか。違いますか。

■佐田副大臣
繰り返しになって申しわけないんですけれども、投資顧問会社というのは基本的に民間企業でもありますので、なかなか言及することが、申し上げる立場にないということで御理解をいただきたい、かように思っております。

武正委員
ちょっとこれじゃ質疑できません。

■平林委員長
それでは、理事さん、ちょっと集まってください。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

■片山国務大臣
速記を起こしてください。
 武正君

武正委員
ちょっと質問を変えます。
 村田副大臣に伺いますが、このリストに大手信託銀行というのは全部網羅されているんじゃないですか。

■村田副大臣
御指摘のとおりだと思います。

武正委員
要は、この大手信託銀行など八行が十六億円を払ったということは、もう質問主意書で御答弁がございました。
 今村田副大臣から、大手信託銀行はすべて網羅されているということでございますが、簡保事業団の簡保指定単、これをお願いしている信託銀行から顧問料をもらっていた、これがピーアイ投資顧問ということがこれでわかるわけでございますが、そこに郵政事業庁から就職していく、これがファミリー企業ということでの構図だというふうに私は理解いたしますが、総務大臣、この点、いかがでしょうか。

■佐田副大臣
先ほども答弁をさせていただきましたけれども、ファミリー企業という確固たる定義というものはありませんで、これは退職後の、要するにその方々の見識であるとか、そしてそういう知識を買われて、雇用する側の会社が雇われた、こういうことで認識しております。

武正委員
簡保指定単をお願いしているところからお金をもらう、これがやはり癒着でなくて何であろうといったところだと思います。
 さて、次にまた移らせていただきます。左側、順次質問をさせていただきますが、東北美装の発起人に郵政弘済会の理事長さんが入っている。その下の関東郵弘さん、現関東整美さんとなっておりますが、この社名がなぜ変更したのか、お答えいただけますか。

■佐田副大臣
関東郵弘が平成十一年四月に名称を変えられたということは承知しておりますけれども、これは、経営判断であるとかそういうことを加味して、その理由がどういうことかは承知はしておりません。

武正委員
この表を見ますと、全部で六つの会社が社名を変更しているんですね。前は郵便の郵という字が入っていたんですが、最後の、右側の一番下の旧日本自動機器保守が東芝ソシオシステムサポートに変わったのを除くと、全部郵という字を取っている、これはどういった意味なのかなといったところもございます。
 それから、先ほどのピーアイ投資顧問、これが廃業した理由、これをお答えいただけますか。

■佐田副大臣
先生言われる廃業した理由ということでありますけれども、要するに、投資顧問会社、これは競争も激しいわけでありまして、そういう中におきまして、簡単に申し上げれば非常に業績が上がらなかった、こういうことではないかと聞いております。

武正委員
ちょっとよくわからなかったんですが、競争が激しいから廃業したと。お答えください

■佐田副大臣
ですから、競争が激しい中において、どのような経理内容になっているかということは私はわかりませんけれども、そういう経営判断の中で廃業をされたと思っております。

武正委員
続いていきますが、中央ビルメンテナンス、東京ビル管理のそれぞれ、発起人に名を連ねる加藤桂一さんは郵政省のOBというふうに拝察をいたしますが、退職時の肩書は何でございましたか。

■佐田副大臣
最終の官職は郵政事務次官でございます。

武正委員
続いていきますが、東海ビル美装も郵政弘済会事業として開始。中国ビル管理の主な株主は、郵政弘済会と清和株式会社。新興機材と東京高速郵便輸送の発起人を務める瀧本哲郎さんの郵政省退職時の肩書は何でしょうか。

■佐田副大臣
最終官職は、瀧本さんの場合は東海郵政監察局長であります。

武正委員
互興建設株式会社の主な株主は、清和株式会社、津久井湖開発株式会社であり、主な得意先は郵政互助会。清和株式会社の主な株主は、郵政省共済組合、日本郵便逓送、関東整美。日本高速道郵便輸送の主な株主は、郵政省共済組合、日本郵便逓送、関東郵便輸送。要は株式をお互いに持ち合っているということもおわかりいただけると思います。
 そしてこの右側の方に行きますが、日本オンライン整備とぱるオンラインにこれが分かれた理由、東日本と西日本ということで分かれた理由、これをお答えいただけますか。

■佐田副大臣
要するに、オンライン、東日本と西日本に分かれたという理由でありますけれども、郵政局のATMであるとかCDは、会計法の原則に従いまして、毎年、一般競争入札で調達しているところでありまして、郵便局ごとに異なったメーカーの機材が配置されまして、同一の郵便局でも異なったメーカーの機器が配備されるという、民間金融機関にはない特徴があります。
 このために、ATM、CDの保守は、どのメーカーの機器も確実に保守できる一括保守が最も効率的であることから、平成十年までに、各メーカー五社の機器、いずれについても保守できる保守会社が日本オンライン整備しかないのでは非常にこれは不明朗であるということで、競争を促進する、こういう観点からもこれを分離したんではないか、こういうふうに思っております。

武正委員
ここまで見てくると、名前を変えたり、企業を廃止したり、お互いに株を持ち合ったり、また不明朗だということで競争促進というようなことで会社を分割したりというようなことが、ここに出ている企業の中でおわかりいただけると思うんです。
 郵政省共済組合ということが先ほど出てまいりました。KDDの筆頭株主であり、今はKDDIですが、七万六千六百四十一株を有し、日本郵便逓送の五百二十二万株、これは千四百三十万株中の筆頭株主、先ほど名前が出てまいりました清和株式会社、日本高速道郵便輸送、また大阪郵便輸送の株式も有している。旧郵政省と関係の深い分野であり、仕事の請負関係にあり、離職後、多くの職員が再就職する企業の株式を監督規制官庁の職員共済組合が保有するというのはいかがなものかと思いますが、大臣の認識を問います。大臣、お答えをいただきたいと思います。

■片山国務大臣
いろいろ御指摘ありますが、この株式保有については、過去の特別な経緯によるものと私は聞いております。
 これはKDDIが昭和二十八年に国際電信電話株式会社として設立当時、政府所有の株式が大蔵省より売り出されることになり、同社から、安定株主として郵政省共済組合に株式を優先的に割り当てたいので引き受けてほしい、こういう依頼がありまして、郵政省の共済組合が引き受けた、こういうふうに承知いたしておりますが、今後このような株式の取得を行う予定もございませんし、事業運営や行政の遂行に支障のないように十分配慮してまいる所存であります。

武正委員
やはり共済組合が、今はKDDIの話をしましたが、そのほかの清和、日本高速道郵便輸送など、日本郵便逓送、それぞれがまた、先ほど名前を挙げた、この表の会社の株を持っている。これは結局は、郵政省の意向が、事業の関係、さまざまな形で企業に反映をしていくということを指摘せざるを得ない、そんな仕組みになっているわけでありまして、これはやはり改めていくべきだろうというふうに考えるわけであります。
 さて、日本郵便逓送は、郵便局同士の郵便物の輸送を担う委託契約の六割から七割を占めております。会計検査院も問題点を指摘しようとしましたが、旧運輸省の規制緩和を注視するという姿勢でありました。今通常国会で郵便物運送委託法の改正により許可制が外れたことにより、平成十五年度から一般競争入札を実施するというように考えていいのかどうか、御答弁をお願いいたします。大臣、お願いいたします。

■片山国務大臣
もう経緯は私よりは武正委員の方がお詳しいんでしょうが、現在は郵便物運送委託法第四条第一項の規定で随意契約を行っておりますが、今御指摘の法律が今国会でもう成立いたしましたので、その法令が施行された場合には、郵便物運送の安定的運行の確保を最重点としつつ、委託契約の見直しについて適切に対応してまいりたいと考えております。

武正委員
軽四輪の取集業務は既に一般競争入札を導入しているということでございますが、見直しということは一般競争入札を導入するということでよろしいでしょうか。
 いや、大臣ですよ。今の答弁に対するあれですから、大臣じゃないと困りますよ。

■松井政府参考人
ちょっと事実関係で一つお答え申し上げますが、今の鉄道事業法等の一部を改正する法律の関連の関係法令がまず施行されなければなりません。これも踏まえながら、施行までには固めていきたいというふうに考えておるところでございます。

武正委員
私は大臣に伺ったので、一般競争入札を導入ということでよろしいでしょうか。

■片山国務大臣
いや、そういうことを含めてと申し上げました。現行の随意契約を見直していくということでございますから、それ以外のケースも含めて検討する、こういうふうに御理解賜りたい。

武正委員
会計検査院は、一般競争入札が必要というような指摘はしませんでしたが、そういうような趣旨で検査をしております。含めてということですとよくわかりません。さらにもう一度御答弁をお願いいたします。

■松井政府参考人
御案内のように、郵便事業を預かっております。これは日々大変な、膨大な仕事がございます。これを確実にやっていく、物量の波動性はございますが、それをきちっとこなしていく、この安定的な運行というものが私どもにとっては生命線でございます。(発言する者あり)いや、違います。

■平林委員長
不規則発言は慎んでください。
■松井政府参考人
今までは、会計法の規定に基づく中、それから郵便物の運送委託法の規定に基づく中でやってまいりました。全体的な秩序が変わっていく中で、どうしたらきちっと安定的運行を確保できるのか。今までは、事前の届け出と、事後、改善命令とのセットで料金が定まっているという状態の中での体系でございました。この体系が変わっていく中で、どうしたら本当に安定的な運行が確保できるのかということを最優先に考えながら、御指摘の競争的要素をどう加味していくのか、これを考えていきたいというふうに考えているところでございます。

武正委員
御担当のお立場とすればよくわかります。ただ、会計検査院が指摘はしなかったけれどもその旨で検査をした理由というのは、先ほども触れましたように、日本郵便逓送の株式、その大口の株主、最大の株主が郵政省共済組合である、そして委託契約の六割から七割を受託している。この不明朗な契約関係を問題として指摘しているんですよ。
 ですから、運送事業法も変わった、そして会計検査院も規制緩和の流れを見ている、注視をしているという中ですから、来年度から、含めてではなくて、一般競争入札、軽四輪の取集と同じようにしていいんじゃないですかということを聞いているので、大臣、お答えをいただきたいと思います。

■片山国務大臣
今も松井長官が話しましたように、安定的な運送というものの確保をまず一つ考えなきゃいかぬ。そういう中で、今のような御指摘もありますから、随意契約以外にそれは一般競争入札もあるし、指名競争入札もあるし。だから、そういうことを含めて総合的に何が一番いいのかを考えていく、こういうことを申し上げているわけであります。

武正委員
私たちは国会の立場ですから、貴重な税金、それから国民からお預かりしたさまざまな財産、これが適正に運用されているか、そしてむだがないか、これをチェックするのが国会の役割であります。ですから、私はその立場で聞いております。
 今の問題は、会計検査院も指摘はしないけれどもそれをもとに検査したように、特定の、たくさんの郵政事業庁のOBが就職をしている会社が、そして、そこの筆頭株主は郵政省の共済組合である。日本郵便逓送が六割から七割の受託をしている。安定的な運送はわかるけれども、その不明朗な関係は問題ありということで聞いているわけであります。それに対するお答えが、総務大臣も国民に対しての説明責任を果たしていない、簡保の利用者に対する説明責任を果たしていないと言わざるを得ないんですが、再度御答弁をお願いいたします。

■片山国務大臣
だから一般競争入札も視野に入れると申し上げているんですよ。ただしかし、それだけでやるということが本当にいろいろ総合的に考えた場合に妥当かどうかという判断なんですよ。
 だから、それは国民の目から見て納得ができるような形でしっかり対応するということを私も松井長官も申し上げているわけで、それはひとつ御理解を賜りたいと思います。

武正委員
なかなか一般競争入札をやるというような明快な御答弁が得られないのが大変残念であります。国民を向いて、しかも簡保の利用者を向いた運営がその監督官庁の総務大臣には求められる、そうした答弁をぜひこれからのこの郵政関連法案の質疑でもいただきたいということをお願いしたいと思います。
 こうして見てくると、規制監督官庁からの再就職、株の持ち合い、不透明な契約、そしてこれに対する会計検査院等からの指摘はないけれども、そうした点からの検査に見られるように、新公社が国家公務員の身分の職員を抱えて、ドイツ・ポストのような民営化を行わないまま出資を行うということは、これまでのファミリー企業と言われる、きょうお見せしたこれらの企業、それぞれのいろいろな関係、これを見てもやはり問題が多いというふうに考えますが、総務大臣、御所見を伺いたいと思います。

■片山国務大臣
もう既に何度も当委員会でもお答え申し上げていますように、公社法をつくるときに出資をどうするか検討いたしました。
 公社に経営の自由度を与える、こういう観点からは、郵便事業についてはある程度範囲を限定して民間企業に出資できることも一つの選択肢だな、こういうふうに思いましたが、出資が適当な事業の範囲や、あるいは公社にふさわしい出資制度をどう考えるか、こういうことについてはなお検討すべき必要があるな、こういうことで今回の法案には盛り込まなかったわけでありますけれども、引き続いて我々はあるべき出資については検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

武正委員
出資については検討ということですが、今のこの体制、そして後でまた話がありますが、新公社にして独法にしなかった、あるいはさまざまな今までの旧の電電公社の国会への報告等との比較、あらゆる点で政府提案の公社は説明責任を果たしていない組織体だというふうに言わざるを得ません。そういった意味では大変、この出資について検討事項であるという総務大臣の発言については、今のこの法案で出資を認めることは断じて認めるわけにはいかない、このように申しておきます。
 さて、先ほどのピーアイ投資顧問でございますが、指定単、皆様にお見せをしましたこの表でありますが、第一位で三兆四千億の委託を受けております中央三井信託銀行でありますが、同銀行の格付は、国債の格付で今通常国会でも話題になっておりますが、ムーディーズでBダブルa、事実、投機的要素を持っているという指摘。スタンダード・アンド・プアーズではダブルBプラス、アウトルックではネガティブという指摘でございますが、運用を任せている簡保事業団はどういう評価でこの指定単の投資先を選んでいるのか、総務大臣、いかがでしょうか。

■片山国務大臣
今、何で独立行政法人にしないんだと。国会で決めたんですよ、基本法で。今の郵政事業庁というのをまずつくって、国営公社にするということは国会でお決めになったことで、独立行政法人とは性格が違いますから、それはなおよく御検討賜りたい、こういうふうに思っております。我々は基本法に基づくフレームで国営公社をつくっておるわけでありますから、その点もぜひあわせて御理解を賜りたい。
 そこで、今の、信託銀行の選択をどうしているのかと。我々は、簡保事業団におきまして、定性評価、定量評価、定性評価というのは、ファンドマネジャー等の運用にかかわる者の経験、人材配置に当たってどうか、あるいは、運用手法、運用スタイルに一貫性を持っているかどうか、投資の意思決定が計量的、客観的に行われているかどうか等を民間の専門評価機関に委託して定性評価をしてもらう。それから、定量評価につきましては、評価期間中に達成した運用実績を評価する。定量の方はわかりやすいですから、その結果現在のような委託残高になったわけであります。
 中央三井信託銀行というのは、一緒になったんですね、中央信託銀行と三井信託銀行が。だから、二つ一緒になったから多いということもありますし、それから、やった時期が比較的早い、こういうこともあるんではなかろうかと思っております。

武正委員
事実認識が違いますのでお伝えをいたしますが、両行が合併する前は約四兆円、四兆円近いということで、全体の約四割、四割近くを占めていた、それが合併して減ったのが事実であります。
 また、先ほど言ったように、事実、投機的要素を持っているという指摘を受ける同行がトップの運用をしている、委託を受けている、それが定性と定量評価で適正であるということが総務大臣の認識であれば、やはり問題が多いこの指定単の委託先であろうというふうに感じるわけであります。
 さて、続きまして、郵貯、簡保が〇一年度から自主運用になったんですが、三百七十兆円の運用を行うことが本当に可能なのかどうか、特に人材面でという心配があります。
 簡保の運用が実績があるからという御答弁がよくあるんですね。ただ、簡保の運用でも〇〇年度で三兆六千億の損失を計上している。そして、先ほどの投資顧問会社ピーアイ投資顧問と簡保事業団、そしてその監督官庁である総務省、その人材のいわゆる天下り、こうした結びつき、本当に自主運用ができるんだろうかということなんです。
 野村アセットマネジメントは、二十兆円の運用を六百人で行っている。運用の神様と言われる方に言わせても、一人一兆、本当にすばらしいそういったディーリングができる人でも一兆が限界だろうというような中で、先ほどの野村アセットマネジメントの計算でいくと、一万人が必要になってくるんですね。本当に自主運用ができるんでしょうか。総務大臣、いかがでしょうか。

■片山国務大臣
お話もありましたが、簡保資金は大正八年の創業から自主運用、郵貯は、全部じゃありませんが、六十二年度から自主運用をやってきている。これまでも毎年安定した運用実績を上げてきております。これを生かしていくということが一つ、ストックがある。
 それからもう一つは、郵貯、簡保の運用は、国債などの債券を大きな取引単位で長期安定的な運用を行うことが基本で、ちょこちょこ株を中心に売ったり買ったりする必要はないんですよ、安全で確実で長期的なことをやりますから。
 そういう意味では、これから人を育てていきますし、現在も、郵貯の関係が百二十六名、簡保の関係が百七十名やっておりまして、また、能力向上のために海外等にも研修に行かせる、こういうこともやっておりますから、私は、今の運用の体制あるいは方針で、さらにそれを向上していくことも含めて、大丈夫ではないかと考えております。

武正委員
その国債の評価が下がっているんですね。総務大臣、ちょっと質問通告ありませんが、国債の評価が下がっていることについてはどのようにお考えですか。財務大臣はあのように――総務大臣にお答えいただけないならいいです。では、今の質問はなかったことにします。総務大臣にお答えいただきたいと思ったので。国債、国債と言われるし、八割の、ポートフォリオは国債を中心にということですから、私は総務大臣にお答えをいただきたかった、大変残念であります。
 そもそも、私はまだ国会議員になる前でありましたが、先ほど、国会で決めたんですよ、新公社を決めたのは国会ですよというふうに言われたんですが、私は残念ながらそのとき国会にはまだおりませんでした。国会の議論を注視していたんですが、最初に受けたとき、行政改革会議の中間報告では、簡単に言うと、郵便は国営、郵貯・簡保は民営化と出たんですよね。その最終報告ですよね、同じ年の。半年間の間に三事業一体の公社化に変わった。この理由、何でこれが変わってしまったのか、これをお答えいただけますか。これは、大臣、お願いいたします。

■片山国務大臣
これはいろいろな経緯があって最終的には現在のような基本法の形に落ちついたので、途中経過ではいろいろな議論がありますよ。私はそういうふうに理解しておりまして、最終的には、現在のような国営公社で一体として三事業をやる、公社事業としてやる、これが当時における最善の選択ではないかということで、国民の代表がお集まりの国会でお決めいただいた、こういうふうに理解しております。
 国債についてのお話がありまして、所管じゃありませんから、余り私見を申し上げるのはいかがかと思ったんですが、今の格付、ムーディーズですか、それが常に正しい、常にこれが権威があるというのもいかがかなと私は思っておりますが、これは全く個人の意見でございます。

武正委員
所管でないからお答えにならないということじゃなくて、国債を買っているのは郵貯、簡保ですよ。その所管大臣ですよ。ですから、所管でないから答えられないということでは、やはり説明責任は果たせない……(片山国務大臣「いや、格付や評価は私は言うあれではない」と呼ぶ)だから、その国債を買っている……(片山国務大臣「だから、今言いましたよ」と呼ぶ)

■平林委員長
質問と答弁に分けてください。

武正委員
当事者として、重大な関心があるという御答弁を私は期待したわけでございます。
 さて、次に参らせていただきます。〇一年六月十二日の雑誌エコノミストによりますと、渋谷区千駄ケ谷三丁目あるいは世田谷区代田の戸建て官舎に、郵政三事業にはかかわらない職員が長年住み続けていることが指摘をされている。この費用、借り上げか建築か、それぞれお答えもいただきたいんですが、三事業のための費用を扱う特別会計のどの項目に当たるのか。また、同誌によれば、郵政官舎四万八千四百五十六のうち、郵政三事業以外の職員が住んでいる官舎が三百二あるとされるが、今もそうなのか、これについてお答えをいただきたいと思います。

■山内大臣政務官
お答えをさせていただきます。
 千駄ケ谷三丁目の宿舎は、昭和二十五年九月、国費によって建設をされておりまして、建築費用は郵政事業特別会計における支出項目となっておりまして、局舎其他施設費で支出をしております。つまり、土地建物は国のものであるということでございます。
 代田一丁目の宿舎については、昭和三十五年の九月、当時の郵政省共済組合の借り入れにより設置したものでありまして、借り上げ費用については業務費で支出をいたしております。ですから、土地は国のもの、そして建物は共済組合のもので、借り上げという形になっております。
 そして、当時、四万八千四百五十六の職員宿舎のうち三百二という数字でありますが、これは、平成十四年の一月現在におきましては四万六千八百四十四になっておりまして、郵政事業特別会計宿舎のうち、現在は三百二じゃなくて二百五十戸というのが実態でございます。


武正委員
郵政三事業以外の職員の宿舎の手当てを郵政三事業のための特別会計で行うことについて、問題があると考えますが、山内政務官、お答えをいただけますでしょうか。

■山内大臣政務官
宿舎の貸与に当たりましては、所属する会計に応じて、一般会計職員には一般会計所属宿舎、そして特別会計職員には特別会計所属宿舎を貸与いたしている、これを原則にいたしております。
 旧郵政省では、特別会計部門と一般会計部門間の人事異動が非常に頻繁に行われておりましたから、同じ管内で少し部署がかわったからといって、ではこれは特別会計の宿舎だからあなたはこちらへ移りなさいよというわけにいかない、そこらあたりは多少の臨機応変で行っておったと思います。このため、特別会計の宿舎を一般会計の職員に貸与しているケースとか、その逆のケースが生じてきておるのは事実でございます。公社移行時には整理する所存でございます。

武正委員
先ほどの〇一年六月十二日のエコノミストで、両官舎は長年郵政三事業にかかわらない方がずうっと住み続けていた、あるいはいるということでございますので、異動したからということは必ずしも指摘にはならない。公社化に当たってすっきりとしていくというお答えをいただいたところでございます。
 さて、大臣におかれましては、当総務委員会の野中広務議員が、これは平成十年六月十一日号の週刊文春で、問題の本質は郵政事業特別会計にある、特に郵政の官房が使う車に青ナンバーが多い。別なところでは、特別会計に群がる郵政官僚というような指摘もあったんですが、このように批判をしているんですが、この点をどう認識し、これはどのように改善をされたか、お答えをいただけますでしょうか、総務大臣。

■松井政府参考人
最初に事実関係だけ私の方から申し上げたいと思います。
 平成十年六月十一日号の週刊文春の中で野中先生の方からの記事があったところでございます。内容が、七けたの区分機、郵便の読み取り区分機でございますが、この導入が国民に大きな負担を与えているにもかかわらず、必ずしも効率化に結びついていないんじゃないかという点が一点目。それから二点目が、区分機の保守を通じて天下り先の確保を行おうとしている、こういった点について、これから総務省に変わろうとしている時代に、郵政事業に携わる者が国民の理解を十分に得られるよう事業運営を行うべしとの御指摘があったということでございます。
 それから、先ほど先生御指摘の官房経費等が特別会計であったというのは、当時そういう仕組みで、圧倒的に郵政事業の特別会計の部分の方が金額的に大きいものですから、そういうことで、特別会計で官房の経理を基本的にはやっていたということではございます。もちろん、一般会計に限定されたものにつきましては、一般会計で経理されておりました。
 それで、その後の取り組みでございますけれども、郵便番号の七けた化につきましては……(武正委員「そんなこと聞いていない」と呼ぶ)よろしゅうございますか。(武正委員「聞いていないです」と呼ぶ)はい。着実に成果を上げてきたと思っておりますし、それから定員削減も着実に成果を上げてきたというふうに考えております。
 それから、退職した職員の問題につきましては、国家公務員法等の手続に基づいて適切に措置するように努めてきたところでございます。

武正委員
私は、役職名がちょっと出てきませんが、質問通告していないんですよね。政治家の方にお答えをいただきたいということでやっているんですが、これだけ再三再四出てこられて、総務大臣も質問を譲ってしまう。貴重な時間ですので、ぜひ総務大臣にお答えをいただきたいということで、以下も当初の質問通告どおり、お答えをいただきたいと思います。
 さて、山内政務官、この特別会計でありますが、渡切費、平成十四年度分はゼロになっておりますが、この渡切費はどの項目になったのか。それと需品費一兆三千億円の内訳はどうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。

■山内大臣政務官
お答えさせていただきます。
 今おっしゃいました渡切費の、平成十四年度においては、十三年度限りでもう渡し切りというのは打ち切っておりまして、そういったことで、十四年度予算においては、従前の渡し切り郵便局以外の普通郵便局等で用いられていた事務費の歳出科目であります需品費という形で計上いたしております。
 そして、その需品費一兆三千億の内訳はどうなっているかということでございますけれども、これは正味一兆二千八百七十二億円という計上をいたしておりまして、この需品費とは、人件費、旅費、諸税、各種分担金等を除く、郵便局などすべての郵政事業官署における業務運営上必要な一切の経費に使用されるものであるということ。
 そして、具体的な中身を申し上げますと、国会に提出いたしております各項目の明細書で御説明をさせていただきますが、五つばかりの大きな項目に分けさせていただきますと、集配運送費は一千九百六十四億円、そして賃金、これはアルバイトも含みますけれども一千七百七十七億円、土地建物借料は一千百七十三億、簡易郵便局手数料が二百三十三億円、切手類の販売手数料等が三百八十二億円、大体こういう大きな項目で分けさせていただいております。

武正委員
渡切費は需品費に入ったということでありますね。(山内大臣政務官「はい」と呼ぶ)
 さて、公社化によって、財務省主計局、会計検査院、そして総務省行政評価局によるチェック体制がこれまでとどのように変わるのか。使用前、使用後ではありませんが、それぞれお答えをいただきたいと思います。

■砂田大臣政務官
お答えいたします。
 財務省におきましては、現在は、郵政事業特別会計予算、郵便貯金特別会計予算、簡易保険特別会計予算の国会提出に際し、総務省からの予算要求を受け、査定を行っているところであります。
 郵政公社発足後は、公社は、中期経営計画において事業計画や予算等を定め、総務大臣の認可を受けることになっておりますが、郵政公社法案においては、総務大臣は、中期経営計画の認可をしようとする際には、財務大臣に協議をしなければならない旨規定をされておりますので、そこのところで補完をされるかというふうに考えております。
 以上でございます。

武正委員
民主党の国対方針がありまして、ちょっと質問通告していないんですが、政務官におかれましては、鈴木宗男衆議院議員から六百万円の資金提供を政党総支部、北海道の十三……(発言する者あり)御静粛に。十三選挙区支部から寄附を受けていたということが報道されております。この事実について確認をしたいと思いますが、お答えをいただけますでしょうか。

■砂田大臣政務官
既に参議院の委員会でも申し上げておりますけれども、その事実はそのとおりでございます。


武正委員
極めて明快にお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 さて、質問を移らせていただきますが、会計検査院、お願いします。

■円谷会計検査院当局者
公社法案によりますと、郵政公社も全額国の出資団体になりますので、会計検査院法第二十二条の第五項によりまして、検査対象になります。その点では、現在の郵政事業庁と何ら変わるところはございません。


武正委員
総務省。

■佐田副大臣
もう申すまでもありませんけれども、郵政公社は法律によりまして特殊法人として位置づけられておりまして、これは、これまで総務省設置法に基づきまして、特殊法人の監督行政に関連する調査として、必要な行政評価、そしてまた監視の調査を行ってきたところでありまして、郵政公社についてもこのような取り扱いとなるということであります。
 したがって、郵政事業については、郵政公社化されても引き続き行政評価、監視の対象となることについて実質的に変わるところはない、こういうふうに考えているわけであります。
 また、余談ではありますけれども、行政評価は政策の企画立案機能に着目して評価を行うものであります。郵政事業庁が実施している政策についての評価は総務省本省を対象に行うものでありまして、これについては、郵政事業庁が公社化された場合であっても何ら変更はない、こういうふうに思っております。したがって、行政評価局が実施する政策評価の取り扱いについても変わるところはない、このように考えております。

武正委員
行政評価の対象がやはり変わってくるわけですね。これまで郵政事業庁そのものに対してできていた政策評価、これができなくなるといった点が、今の御答弁からおわかりいただけると思います。
 砂田政務官、再度ちょっとお聞きをしなければならないんですが、この六百万円以外の献金はありませんかどうか、これ、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

■砂田大臣政務官
全くございません。

武正委員
極めて明快な御答弁、ありがとうございます。
 さて、会計検査院さん、新公社になりますと、これまで予責法の対象でございました郵政事業庁、これは対象外になりますか。

■円谷会計検査院当局者
予責法の対象は、国または公庫等の職員ということでございますので、郵政公社の職員はそれに入らないというふうに理解しております。

武正委員
総務大臣、予責法について前も質疑をやりましたが、この予責法の対象から外れるといったことで、私はいかがなものかなというふうに思うんですが、御答弁をお願いいたします。

■片山国務大臣
なるべく自律的、弾力的な運営、民間に近い形の経営がやれるようにしよう、国会も役所もできるだけ口を出さないようにしようというのが基本法の考え方ですね。そういう意味では予算等についても、国会の議決を要しない、こういうことになりましたから、予責法の適用はないと我々も考えておりますけれども、予責法の対象外になることに伴う弁償責任のあり方については、一般の例により、郵政公社の会計規程に定めることがどうかなと、こういうことで現在検討いたしております。

武正委員
やはりチェックが届かなくなるというのが、この予責法の対象から外れることでもおわかりいただけるわけであります。
 先ほど、独法の話を申しました。国会が決めたんだと総務大臣お答えがあったんですが、独法であるならば政策評価の対象でもあるんですよね。なぜ独法でないのか。国家公務員の身分をこの新公社の職員に与えるために独法を嫌ったのか、このことも含めてお答えをいただけますでしょうか、総務大臣。

■片山国務大臣
独立行政法人というのは、ある意味では行政の一環なんですね。ところが、この郵政事業というのは、名前が事業がついていますように、大変事業的な色彩が強い、こういうこともありまして、国会でのいろいろな御議論の中で、今の国営公社の方式をおとりになったのではないか、こういうふうに私は考えておりますね。
 そこで、独立行政法人そのものも、行政評価の対象にはならないんです。独立行政法人自体は政策評価の対象にはなりませんが、やっていることはなるんですね。やっていることはなる。
 そういう意味からいいますと、この郵政事業につきましても、郵政公社そのものは私はならないと思いますけれども、郵政事業ということについて、いろいろこれから総務省とのかかわりもありますし、企画立案その他、総務省でやるわけですから、そういうことについてはこの政策評価の対象になると考えております。なお、しかし、細部は関係のところで詰めたい、こういうふうに思っております。

武正委員
先ほど、国会が決めた国会が決めたというお話ですが、平成九年十一月十二日行革会議の郵政省の意見、この中で、「郵政事業は独立行政法人化すべきでない」と郵政省が言っているんですよ。その理由として、独立行政法人の職員の身分は原理的に非公務員であると。これは事実認識が違うんですよね、独立行政法人、国家公務員の身分ということで。
 だから、こういった間違った認識を示しながら、独法ではだめですよということを、郵政省さん自身が行革会議の最終報告の前に言っているんですよ。
 私は、独法と公社化法を比べました。独法も問題です。国会への報告が非常に甘い点、独法が今水膨れしている理由はここにあると私は思います。役員が三倍になったという指摘が、既に今国会でもあります。
 比べますと、こうです。
 評価委員会によるチェック、これは独法はあります。評価と、しかも改善勧告ができる。剰余金の使途や財産処分についてもできる。公社化法はできない。
 審議会が評価に対して意見を述べ、勧告を行うこと、これも、独法はできるが、公社化法はありません。
 また、中期経営計画、年度計画、役員報酬、これは独法は公表義務がありますが、新公社化法にはありません。また、毎年度の職員数の報告義務もない。
 一方、独法には長期借入金の項目がない。公社化法にはある。
 こうした点を比べると、この新公社は大変チェックの甘い組織である。国会も、そしてさまざまな関係機関もチェックができない。これについて、総務大臣、いかがお考えでしょうか。

■片山国務大臣
前の公社にしない、もっと自由にいろいろな経営的な、そういうことも生かせるようなものにしようというのが国会の意思なんですよ。だから、自律的、弾力的な。
 もし委員の言われるように、がんじがらめにしよう、役所と同じにしよう、今と同じじゃないですか。だから、自由を与えて大いにやってもらおう、大きいところは中期経営目標や事後評価でチェックしていく、こういうことなんですよ。
 できるだけ役所も国会も必要最小限度の関与にしよう、こういうのが制度の趣旨ですからね。そこはひとつ誤解のないようにお願いします。


武正委員
制度の趣旨で水膨れしていって、そして、そこに多くの天下りの職員が就職をしていく、お金がむだに使われる、それを理解しろというのが無理でありまして、国会の役割とすれば、チェックをしなければならない。税金が適正に使われているか、国有財産が守られているか、そして、簡保、郵貯に預けられた国民の資産が有効に使われているか。とても理解はできないのであります。
 さて、公社化法によって、特別会計もなくなります。国会も、チェックするすべがなくなります。これは、電電公社化法にのっとって、大臣に提出された年度予算書は国会に提出して、国会の議決を必要とすべきというふうに考えるんですね。
 自由にやらせればいいじゃないかというような大臣のさっきの御答弁でしたが、当初のエージェンシー化、これは、日本の場合は独法を目指していたんですよ。でも、独法よりも全然チェック体制が甘い新公社に、この政府提出法案はなっているんですよ。国会はチェックできません、公社の運営に当たって。この特別会計だって、よく中がわからない。今でもわからないのが、もっとわからなくなってしまう。
 再度、大臣、御答弁をお願いしたいと思います。

■片山国務大臣
国でなくて、国とは別の、何でそういう法人をつくって、そこに中期的な目標管理をしながら、できるだけ事後評価にして事前チェックはやらなくて、全体の事業の自律的、弾力的な経営を可能にしようかと、こういうことの御議論でそうなったんですよね。民営化という議論も結局はそういうことなんですよ、議論の先にあるのは。そこでそのときいろいろな議論があった中で、当時の国会は、こういう国営公社化を選択されたんですよ。
 独立行政法人は、行政の一部をやるんですよ。だから、ある意味では、がんじがらめ度が公社より強くてもそれはそれでやむを得ない、私はこう思いますけれども、何のためにこの郵政事業の改革をやるかということを、ぜひお考えいただかなきゃいかぬ。全部チェックして、細かいことまであれしてと、こういうことじゃないんですね。
 ただ、大きいところは、何度も言いますように、チェックするようになっておりますから、その範囲でやるということが今回の基本法の精神であり、今回の法案だと私は考えております。


武正委員
私は、一つお手本になるのが旧電電公社であるというふうに考えているんですね。ですから、先ほども、電電公社のように国会へ報告、その予算の議決、これがあったっていいだろうしということで質問をしたわけなんですが、自由に自由にといいながら身分は国家公務員である、これはやはり矛盾しているんじゃないですか。これはどうですか、大臣。

■片山国務大臣
これも、恐らくいろいろな議論があったと思いますよ。
 独立行政法人も、最初は非公務員型だということでいったんですけれども、公務員型と非公務員型と併存で、今は公務員型の方がどっちかというと多いんですよね。
 そこで、郵政事業は、民間的な事業の要素も十分あるけれども強い公共性もあるので、しかも信書の秘密を守るというようなこともあるので、そこはいろいろな議論の上に国家公務員になったと、私はこういうふうに理解いたしております。


武正委員
質問を移りますが、郵政企画管理局の職員の給料は、現在、特別会計から支弁と。特別会計がなくなるとどうなるのか。また、管理局の規模はどうなると考えているのか。あわせて、郵政監察の職員は現在特別会計で給料を払っているが、公社化後は一般会計から支払うのか、これも総務大臣、お願いいたします。

■片山国務大臣
特別会計は、もう御承知のように、公社発足によって廃止されるわけでありますから、総務省に残る内局の組織の人件費は、当然一般会計で支弁する。それで、監察の職員は、郵政監察は公社の職員で、今までのように考査、調査、捜査、防犯等をやるわけですから、これは公社の方の人件費で払う、こういうことでございます。
 そこで、現在の郵政企画管理局をどうするか、こういうことになります。かなりな部分は縮小することになると考えておりますけれども、具体的には平成十五年度定員として、仕事の状況、この法案の成立後の状況等を考えながら検討してまいりたいと思っております。


武正委員
郵政監察局の職員は公社が払う。こういったことは、今までも特別会計で払っていること自体が、例えば金融庁の検査、これはもう私は絶対押さえなければならない。先ほどの議論で、やはりチェック体制が非常に甘くなっているということなんでございますが、金融庁の検査官が、検査する銀行から給料をもらっているようだと。特別会計からお金をもらって郵政監察をやっている、また今度も公社から給料をもらって郵政監察をやる。身内が身内を厳しくできますか。こういった問題点、当然指摘をされるわけでありますね。
 さて、この郵政監察、GHQの主導でできたと聞きますが、この考え方の導入、当初は、昭和二十四年でありますが、事業内容の効率化、経済化の助成を図るため事業運営の施策に資する有効な改善策を助言すること。当初は効率化とか経済化が中心だったんですよ。それが、いつの間にか防犯などが主になってきた、変化をしてきたというふうに思うんですが、当初のこのGHQの考え方に従って導入した郵政監察の考え方、これについての大臣の所見と、なぜ変化したのか、お答えをいただきたいと思います。

■片山国務大臣
郵政監察といいましても、内部監査ですからね、当たり前の話ですよ、内部監査するものを、その人件費をその組織自体が持つことは。
 それから、今、GHQが勧告云々というお話がありましたが、郵政監察は、考査、調査、捜査、防犯、こういう業務を通じまして、事業の健全な運営を確保することを設置以来の目的としておりまして、これは変わっていないと思いますよ。防犯、防犯と言われましたけれども、考査、調査等をかなり中心に行っている、こういうふうに私は考えておりまして、設置以来、その基本的な目的、業務等は変わっていない、こういうふうに考えております。


武正委員
内部監査だというお話でしたが、平成十一年六月号の逓信協会の雑誌で、新監察制度五十周年の対談で、郵便法五条に触れ、立石上席監察官が述べているのは、地域振興券など、信書独占の規制緩和に触れ、先ほどの郵便法五条に触れ、しかしやるときには省を挙げて意思決定をし、司法当局の理解をも得るという確証を得て、踏み出すべきときには踏み出したいと思っていると力強く、信書の定義を侵すやからにはしっかりと英断を持って向かうんだというようなことを言っているんですが、これは先ほどの内部監査とまたちょっと違いますよね。この点についてはどうですか、総務大臣。この発言についてどのように思われますか。

■片山国務大臣
この発言の正確な趣旨は私はわかりませんし、それも読んでございませんけれども、郵便法第五条に違反する疑いがあれば事実関係を調査して、違反が繰り返されるような悪質の場合には捜査権を使って厳正に捜査する。監察の立場から当たり前じゃないでしょうか。


武正委員
私は、郵政監察の当初の目的が変化してきたのではないかというふうなことをるる指摘をさせていただいたわけでございます。
 やはり、身内が身内を裁くには甘くなる、身内が外部の者を裁くには厳しくなる。こういったことが、今度公社化で、そこから給与をもらって監察官が働くというのはやはり問題あり。私は逆に、行政評価局に置くべきではないかなというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

■片山国務大臣
これは全然、監察と政策評価は違うんですよね。そこはぜひ御理解を賜りたいと思います。
 内部監査と言いましたが、外部のそういう違反行為が全くできない、捜査権があるんですから、それをやるのはまた当たり前でございまして、そういうことは、最初にできてから、この使命、役割ということは変わっていない、私はこういうことを何度も申し上げているわけでございまして、政策評価とはまた違うんですね。この点はぜひ御理解を賜りたい。


武正委員
身内が身内をチェックするのは限界あり、やはり外部に置くべし。やっと郵政公社で外部に置いて自由にさせるんですから、そこに、内部に郵政監察官がいる必要はないということを改めて指摘させていただきます。
 さて、本法案では、審議会は八条機関とされておりますが、私は再度、これは三条にすべきであり、また総務省に置くべきではない、これはやはり内閣府に置くべきだというふうに思うんですが、大臣の御所見、改めてお伺いします。

■片山国務大臣
三条機関というのは、これは独立して、ある程度、各種の執行権を持つようなものなんですよ。いろいろな規制を行ったり、是正命令を持つもので、典型的な例は公正取引委員会ですよね。ここで言う審議会というのは、そういうあれじゃないんですね。三条機関がお好きな方も大勢おられますけれども、これは大体アメリカ型なので、私は、八条機関がずっとベターだと思います。
 それから、何度も言いますけれども、法律に基づいてやるんですよ、我々は法令に基づいて。だから、内閣府に置いておけばちゃんとやれて、総務省ではやれないなんというのは、法治国家ということを否定するお考えにつながりますよ。ぜひそこは御理解賜りたい。


武正委員
消防法のときにも指摘をさせていただきましたが、日本は法治国家と呼べない。法律を守る人には厳しく、法律を守らない人には甘く。要は、行政のさじかげんがあるからこれが問題であり、準立法、準司法的なものは独立させるべし。
 独立行政機関については、大臣はよく、大統領制だから日本の議院内閣制と合わないとおっしゃいますが、アメリカでもやはり議論があるんです。大統領制であって、果たして独立行政委員会いかにと。ただ、それを乗り越えてきている。
 日本の議院内閣制においても、やはり行政委員会制度と行政訴訟制度で和田英夫さんが指摘をしています。戦前からの強力な日本の官僚制からの独立が必要なんだと。しかも、政党からの独立が必要なんだと。特に与党からの独立が必要なんだということで、独立行政委員会、三条委員会が好きだから言っているんじゃないんです。日本の行政を、さじかげんのきく、法律に基づいてという大臣のお話がありましたが、法律に基づいてさじかげんがきくんだったら、それは法律に基づいていないんです。書くべきものは法律に書くべきです。それによって厳格に運用すべきだと考えるんですが、大臣とこの点について、私はまたさらに議論を進めていきたいと思います。
 なぜ内閣府にというお話ですが、ドイツ・ポストは、経済庁のテレコム・ポスト規制庁と財務省の国有財産売却局、二重のチェックを受けるようになっている。私は、やはり正しい選択だと思うんですよ。いろいろな省庁からチェックを受けるような体制で、この郵政事業、新公社はあるべきだというふうに考えるんですが、この点についての御所見と、そして最後、ちょっと時間の関係で質問ができませんが、もう一問。会計監査人、なぜ任期が一年なのか。
 この二点、お答えをいただきたいと思いますので、一問目は大臣、二問目は副大臣、よろしくお願いいたします。

■片山国務大臣
昔は、裁量行政というのはあったんですよ。今はもう、できるだけ裁量行政を少なくしようというのが立法に対する基本的な姿勢なんですよ。覊束裁量ということになっているんですよ。もう自由裁量というのはほとんどなくなっている。だから、法令に基づく行政だということを私は申し上げているわけであります。
 ドイツの例をお挙げになりましたが、テレコム・ポスト規制庁と財務省の国有財産売却局、これが両方規制しているじゃないか、こういうことなんですが、郵便事業そのものの規制はテレコム・ポスト規制庁がやっているんですよ。国有財産売却局の方は、民営化されたこのポストの株主として、資産価値についてのチェックをやっている、こういうわけでございまして、観点が違うんですよね。
 我が国の場合には、我々がいろいろなチェックをやらせていただきますけれども、お金に関係することにつきましては国庫大臣である財務大臣と協議する、こういう仕組みになっておりまして、幾らでも規制をする官庁をつくればいいというのは行革に反しますよ。どうやって効率的なチェックをやるか、有効なチェックをやるかという議論なので、別の機関をつくって別の機関でやればいい、こういうことでは私はないと考えております。

■佐田副大臣
先ほど来からのお話にもありますように、自由な経営ということを考えたときに、株式会社の会計監査人の任期というのが、法律的に、就任後一年以内の最終の決算期に関する定時総会の終結のときまで、こういうふうになっておりまして、総務大臣による財務諸表の承認のときということで、一年ということが一番適切であろう。いろいろなところを勘案しまして、一年ということを決めさせていただきました。


武正委員
これで終わりますが、総務大臣には、やはり先ほどのドイツの例ですけれども、財務省は例えば郵便で上げたい、それで株が上がりますからね。そのときにやはりテレコム規制庁は、カルテル防止からいかがなものか、ちゃんとチェック体制がある。それぞれがぶつかったときにどうするかといったら、首相が閣議決定したり、会計検査院が乗り出したり、国会の委員会で議論をする、いろいろなチェック体制でドイツはやっております。日本の今の公社化では問題ありということを再度申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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