【総務委員会】ワン切り法案について

2002年11月21日

武正委員
おはようございます。民主党・無所属クラブの武正公一でございます。
 今、荒井委員からさまざまな質疑がございましたが、今回のこのワン切り法でございます。
法的規制をということでございますが、検討会の方の報告書も見せていただきました。
一番最後に書いてあります「おわりに」というところなんですが、一カ月の限られた時間の中でこの検討書を書いたということで、今後の課題として、今、荒井委員からもお話がありましたが、総合的な検討が必要だということも言っております。
 ワン切りに限らず、多様なものが電気通信ネットワークへの脅威となる。
今の出会い系サイトもそうでしょうし、とにかく、次から次に、迷惑メールもそうでしたけれども、迷惑メールの業者がこのワン切り業者になっているという指摘もあるわけですが、この法的規制を今回行うということに関しての副大臣としての御所見、伺えますでしょうか。

■加藤副大臣

通信の利用に当たりましては、もう先生も百も御承知のとおりでありますが、通信の自由という、まさに基本的人権にかかわるテーマでありますので、原則として、ひとまず通信利用者の自由にゆだねるということが当然のことであります。
規制については最小限度にとどめる必要があるというふうに考えております。
 このワン切りに関しましては、まさに、既に御議論があったとおりに、昼夜を問わず携帯電話が鳴ったりして平穏な生活が害されるとか、着信履歴にコールバックすると、お話がありましたアダルト番組などの有料の音声サービスに接続されて、後日、多額な料金を請求されるといった利用者に迷惑を生じさせるという問題と、大量のワン切りが行われることによって、電気通信ネットワークのふくそうが発生いたしまして、これによる通信障害を引き起こすおそれがあります。
電気通信の安全性、信頼性を確保する上で、放置できない大問題だと考えております。
 今回の改正は、まさに社会問題化しているワン切りに絞って、これに必要な規制を課そうとするものでありまして、通信の自由の観点からも、問題はないといいますか、やむを得ないというふうに考えております。

武正委員

私も副大臣の考えに賛成でございまして、このワン切り法、必要だというふうに考える者の一人でございます。
 通信の自由、通信の秘密とのかかわり、これは日本もサイバーテロ条約に署名もしておりますので、これから批准をしていく中で、この通信の秘密、通信の自由とのかかわりというのはまた考えていかなければならない、乗り越えなければならない大変重い課題があろうかと思っております。
 ただ、インターネットは自由というのは、インターネットにかかわる参加者の一つのルールでありまして、先ほどの出会い系サイトの問題と、大変これは、まだまだ混乱しているなということなんですね。この整理を早くやらないと、現場でまた次から次に新しい技術というか、提供者が出てくる。
これは、本委員会に課せられた課題も大きいものというふうに理解をいたします。
 そういった意味で、きょうはワン切り法でございますが、e―Japan戦略、そろそろ二年になろうとしておりますが、総務大臣にはこの評価をお聞かせいただきたいと思います。

■片山国務大臣

e―Japan戦略をつくりましたのは去年の一月末ですね、アクションプランが三月でございまして、そういう意味からいうと、今、武正委員言われるように、ほぼ一年になろうとしています。
私は、副本部長だから言うわけじゃないんですが、e―Japan戦略に従って、着実にいろいろな成果を上げてきているな、こう思っております。
 特に四つ、さらに五つといってもいいと思いますが、重立った課題で、最初に取り上げましたのが、高速・超高速インターネットの加入を促進するためにそのインフラを整備する、ネットワークを整備する、こういうことでございますが、この加入の可能数では、既に二〇〇五年の目標の数値を超えているんですね。
超高速では一千万世帯、高速では三千万世帯といいますけれども、今、高速の方では、DSLで三千五百万世帯のキャパシティーがある、ケーブルテレビで二千三百万のキャパシティーがあるわけでございますし、それから超高速の方は、光ファイバーですけれども、一千五百万世帯のキャパシティーを持っているんですね。
 問題は、加入者がなかなか、これがもうひとつ、こういうことでございまして、高速道路ができたんですから、たくさん車に走ってもらうようにこれから考えないといかぬ。
特に、コンテンツ、アプリケーションということがこれから大きな議論になるのではなかろうかというふうに思っております。
 携帯電話の方は、携帯電話のお話が今いろいろございましたけれども、七千二百万でございまして、世界で第三位ですね。
中国、アメリカ、日本、こうなっておりまして、そのうちの七二%がインターネット接続、こういうことで、そういう面から見ると、私は、e―Japan戦略は成果を上げている。
しかし、それだけじゃないいろいろな問題がありますから、万般にこれを進めていく、見直しをやろう、こういうことでございまして、来年早々ぐらいには改訂版をつくる、こういうことになると思います。。

武正委員

可能数ですね、インターネット接続可能数ということで、実際の加入数はそれに伴っていないということでございます。
 このe―Japan戦略、そろそろ二年ということでございますが、やはりいろいろな指摘がございまして、電子政府関連の政府支出は、国、地方合わせて年間二兆、これが本当に有効に使われているんだろうか、与党内部からもこれについて疑義が上がり、さまざまな形でその支出の見直しを進めている。
それによって、今年度から、情報システムに係る政府調達制度の見直し、入札制度の見直しが始まったといったところにもなってきているというふうに理解いたします。
 また、ユーザーの視点が欠けているんじゃないか、あるいは行革の視点というものがどこに行っちゃったんだ、人員の効率化はIT化の目的なんだけれども、本当に、公務員の数あるいは公務員の全体の数は変わっていないとすれば、その有効配置にどれだけ寄与したんだろう、こういったところが見えないといった指摘があるわけなんです。
どちらかというと、政府内部の、省庁間のオンライン化、そしてまた地方政府、自治体とのオンライン化に熱心ではないか、こういった指摘もあるわけでございます。
 アクセンチュアがことしの四月に、第三回電子政府進捗度調査を行っております。
日本は第十七位、前年と変わらない。昨年はスロー・スターター・グループだったんですが、十七位でありますけれども、エマージング・パフォーマー・グループということで、グループとしては上がっておりますが、順位は変わらない。
第一位は昨年同様カナダでございます。
 この指摘で、日本のことを、受益者中心、市民中心という発想をやはり上位の国は持っているんだよ、こういった視点あるいは行革のツールとしての視点、あくまでもユーザーサイドの視点がこの電子政府の進捗度の基準なのではないかということをアクセンチュアは言っているんです。
この中で、電子政府としてリーダーになるか追随者になるか、ここの分かれ目は、あくまでもユーザーサイド、国民サイドに立った視点でなければならないという指摘があるわけなんですが、これについてはどのようにお考えですか。

■片山国務大臣

今アクセンチュアは恐らく、武正委員が言われたようなあれで、税だとか自動車の登録ですか、それからパスポート、こういうものの視点で電子政府をつかまえておりまして、利用者というかユーザーの観点を注視しているというような点は、確かにそうだと思います。 日本の方は、この十四年度と来年、十五年度で行政手続は全部オンライン化しよう、こう思っておりまして、これは国民の皆さんと役所の関係ですね、国、地方自治体との関係。今度は国と地方自治体の関係。それから国の中の関係。
地方自治体相互の関係。そういうことで、日本の電子政府、電子自治体は、総合的に全部をやろう、こういうことでございまして、は、今、行政手続オンライン化法が参議院で御審議いただいておりますけれども、これを通していただければ、本年度のこれからと来年度とかけて、国民と行政との関係の手続はほぼオンライン化できる、行政間の方は少し残ると思いますけれども。
ぜひ、これを進めてまいりたい。  そうしますと、アクセンチュアの順位も上がってきます、今のパスポートや自動車の登録の関係も今、行政手続オンライン化法の中では対象にしておりますから。税の関係は幾らかおくれると思います、電子申告、電子納税の方は。そういうことでございますけれども、そういう意味では相当評価が変わってくるんではなかろうか、こういうふうに思っているわけでございます。
 我々としては、国民の皆さんには、そういうことのオンライン化、それから行政ポータルの利用のしやすさということで、電子政府総合窓口を去年の四月に開設いたしておりますが、この辺についても、さらにその質、量の充実を図りまして、国民の皆さんに利用しやすいものにいたしたい、こういうふうに思っております。


武正委員

住基ネットがこの八月五日から稼働したわけでございますが、横浜市の八十万人以上の方がいわゆる選択制を希望したり、あるいは複数の自治体がその接続を拒否したりという中で見切り発車的にスタートしておりまして、野党四党は凍結法案を出しているといった過程でございます。
 オンライン化三法案についても、この住基ネットとの接続をなぜ前提としなければならないのか、これからまた法案審議の中でという話もありますし、果たしてこれは法案審議に入っていいんだろうかということも、実際多くの方々から意見が寄せられている大変問題の多い法案というふうに認識をいたすわけでございます。
その理由というのは、アクセンチュアがいみじくも指摘しているように、ユーザーサイド、市民サイド、国民の視点に立った電子政府化ではなくて、日本はあくまでも政府サイド、自治体サイド、サプライヤー、供給者側の視点に立ち過ぎているんではないか、だから順位が十七位であって、オンライン化三法案が通ったから来年順位が上がるとは到底思えないのでございます。
 そんな中、会計検査院さんが、今、IT化について、国、地方合わせて年間二兆円支出がございますが、むだが多いんじゃないかなというようなことも含めて検査を行っているようでございます。既に新聞では六億円のむだありというような記事も見受けられておるんですけれども、会計検査院さんとしてどのような検査を行っているか、御紹介いただけますでしょうか。


■円谷会計監査院当局者

本年度の検査報告につきましては、ただいま取りまとめ中でございます。
間もなく御報告できるかと思いますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思います。
 IT関連施策につきましては、IT基本法の成立あるいはe―Japan戦略の決定等を受けまして、近年、予算が大変急増いたしておりますので、本院といたしましても、重要な検査対象の一つと認識をしているところであります。
 IT国家を目指すという国の政策そのものの重要性につきましては本院も十分認識をいたしておりますが、予算が急増いたしますと、ともすれば補助要綱等の整備が追いつかない、ハードは整備いたしましてもソフトが追いつかない、あるいはハードを使いこなす技術者や指導者等の養成が追いつかない、システムが住民のニーズを十分反映していない、あるいは各省庁間の連携、調整等が不十分なためむだが生じている、こういった事態が起きやすいということを考えております。
ハードそのものは非常に高価なものでありますが、反面、技術は日進月歩ということで旧式化するおそれも非常に多いということで、その効果の発現には特に留意をしていただきたいということで、本院といたしましては、幾つかの検査の観点の中で、経済性、効率性、有効性の観点を中心にいたしまして、幅広い観点から検査を実施しているというところであります。
 また、昨年度の検査報告におきましても、公立小中学校等のコンピューター教室等の効率的な利活用につきまして改善をする要があるという指摘を初めといたしまして、幾つか御指摘を申し上げている、本年度もそういったものが幾つか含まれると思います。  以上であります。

武正委員

この二兆円のIT予算についてむだが多いんではないかという指摘が出ている中で、今年度、e―Japan戦略も、ある面、IT化につきましてもう一度見直そうといった背景には、IT予算の効率的な使い方がされていないんじゃないかということが与党からも出てきたといったことがあるのかなというふうに思います。
会計検査院さんには、これからその検査結果の公表があろうかと思いますが、ぜひ引き続きお取り組みを強く求めておきます。
 さて、ITの入札の件でございますが、よく言われますのが一円入札、一円で落札をしていくケースがよく指摘されました。
 ちょっと例を挙げますと、国税庁、二〇〇〇年七月十日、電子納税申告実験システムの開発、NTTデータが、これは一円ではないんですが、一万円で落札。二〇〇一年六月二十八日、電子申告・電子納税システムの設計はNTTデータが九億八千万円で落札。
これが一万円で落札した延長線上にある九億八千万円。
そしてまた、運輸省、二〇〇〇年二月二十四日、省庁間電子文書交換システム、リコーが一万一千四百円、月額借入金額で落札。
同じ二〇〇〇年の十二月二十六日には総合的文書管理システムの拡張、これは随契ですね、リコーが随契で四億八千五百六万円で落札ということが指摘をされているところでございます。
つまり、安い価格で最初入札をして、その延長線上のさまざまなシステム設計について、随契も含めて巨額なお金がその後契約される、こういった指摘でございます。
 あわせて、先ほど大臣から税の話がありましたが、KSKシステム、これはいわゆる六社体制、窓口役の出入り業者が文祥堂さん、これが年間六百億円。
まあ昨年やっと稼働が始まったということでございますが、
これも、KSKシステムは、最初の三年間は競争入札の合計百六十億円、四年目以降の随契総額二千九百七十八億円ということでございます。
このように、最初は安く落札をして、その後随契もしくは巨額な契約をする、これが結局はIT予算のむだにつながっているんではないか。
 そこで、入札制度の見直しということが言われているわけでございますが、こうした入札制度につきまして、総務大臣、どのようにお考えになり、またそれをどのように見直されようとしているのか、お答えいただけますか。


■片山国務大臣

先ほど武正委員、住基ネットに触れまして、横浜市は選択制だと言われましたが、選択じゃありません。選択は一切認めておりません。
市長が来られて、段階的にやりたいのでわかってほしいと。
段階的も、法律上想定していないけれども、事務的にどういう対応ができるか検討しましょう、こういうふうにお答えして、今の二百何十万の方をまず持ってこられて、これも接続するのに相当時間がかかるんです、その後も引き続いて、全員参加でぜひお願いします、こういうことでございますので、一部必ずしも正確でない報道が一、二散見されましたけれども、ぜひそういうふうに御理解賜りたいと思います。
見切り発車じゃありませんよ、一億二千七百万のうちの九九%や九八%はみんなやっているんですから。
だから、残りの三団体についても今理解を求めているところでございまして、それはぜひ御理解を賜りたいと思います。
 そこで、今の政府調達の問題ですけれども、委員御指摘のように、最初が安値でそのうち高くする、公正さにやや欠けるんではないか、あるいはいろいろなことでもう少ししっかり対応すべきではないかというような指摘があることは、私たちも承知いたしております。
 このような御指摘に対応するために、昨年末から、各府省の情報システム担当、会計担当の課長クラスから成る情報システムに係る政府調達府省連絡会議において、対応策の検討を進めております。本年三月、同会議におきまして、複数年にまたがる入札案件についての将来の運用コストまでを含めた評価を実施する、原則として複数年契約を活用するということが一つと、著しい安値入札があった場合の適切なシステム構築の可能性の調査を徹底する、重大な問題が認められる場合には、入札業者を以降の競争参加から排除する、こういう対応策を各府省において講じていくことにしたところでございます。
こういう対応を通じて適正な価格で質の高いシステムを調達できるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

武正委員

横浜市の例は、行政機関の個人情報保護法が制定されれば参加というようなことも言われておりますが、そのほかにも六つの条件を加えております。
これは、さまざまなそうした観点から担保されれば接続、通知をするといったことだと思っておりますので、私は、まだまだその条件をクリアするに今の住基ネットは至っていないなというふうに考えます。
 さて、経済産業省からお見えいただいております。
桜田政務官、お待たせいたしました。
お答えいただけましたらお引き取りいただいて結構でございますが、今の入札制度の見直しについて、既にプロジェクトマネジメント研究会ということで報告を出されておりまして、これについて御紹介いただけますでしょうか。


■桜田大臣政務官

お答えさせていただきます。
 プロジェクトマネジメント研究会につきましては、東京工業大学の大山永昭教授を座長にお願いいたしまして、ソフトウエア関係企業の専門家をメンバーに、昨年来、経済産業省において開催して、本年三月に報告書を公表させていただいたところでございます。
この報告書におきましては、政府のIT調達を効率化するとの観点から、主に運用上の問題点とその解決策を明らかにしておるところでございます。
 具体的には、政府のIT調達においては、発注者がその調達プロジェクトの内容と意図を伝えるためのリクエスト・フォー・プロポーザルがあいまいである、そのため受注者の作業範囲が不明確になりまして、機能が確保できないおそれがある。
さらに、下請を含む受注者の作業計画及び進捗に関する監査がなされていないために、成果物の品質を確保できず、また納期おくれが頻発をしているということでございます。
 また、発注者である各省庁のIT調達、運用を一元的に監視する窓口がないために重複投資が行われ、成功及び失敗事例が蓄積されていないところであります。
このような問題点が挙げられているところでございます。
 これに対する解決策といたしましては、リクエスト・フォー・プロポーザル作成に当たっての専門人材の活用、そして、受注者が行う作業について、より詳細な作業計画の策定と作業状況の定量的な進捗を確認する、また、各省庁の情報化戦略及び調達マネジメントに関する責任と権限を有するチーフ・インフォメーション・オフィサーの設置などを提言しているところでございます。
現在、こうした報告書の内容を踏まえまして、経済産業省におきましては、具体的な調達プロジェクトにおいて、プロジェクトマネジメント手法の活用により、その効果の実証を進めているところであります。
 先般、十一月一日には、内閣官房副長官補を議長といたしまして、各省の事務次官、官房長など情報化の責任者を構成員とする各府省情報化統括責任者連絡会議が設置され、各省庁のみならず政府全体として情報化の推進を図る体制を確立するなど、政府が一丸となって効率的かつ信頼性の高い行政の情報化に取り組んでいるところでございます。

武正委員

私は、今のプロジェクトマネジメント研究会の指摘まさに正鵠を得ているなと思います。発注者の側、発注する担当者に、やはり発注に関する専門知識とか能力についてもっともっときちっとしたものがないと、結局は受注者の側が混乱をしている、あるいはまた、重複投資があるんではないかといった指摘、また別な指摘では、中小企業の参入が困難といったことも指摘されているんですよね。
これについては総務大臣に御所見、御感想をお伺いしたいんです。
 あわせて、次の質問も同時に行わせていただきたいんですが、二年前、当時逓信委員会ですけれども、私、逓信委員会で、IT関係ですね、大手さんが受注してしまうと、そこに一次、二次、三次、四次と下請がずっと連なる。
そうしますと、一番下請の作業者が大変安い労賃で大変厳しい労働環境にある。
結局は使い捨てのような状態で、人材が育たないんじゃないかということも指摘をしたんです。
 やはり入札制度で中小企業の参入が困難というプロジェクト研究会の御指摘もあり、そしてまた、政府調達制度の見直しでは、競争入札、そしてJV等、また中小企業者からの調達促進といったことで、やはり幅広く企業が参入できるような仕組みをつくらないと、結局人材も育たないというふうに思うんですが、プロジェクト研究会の御指摘とあわせて御所見をお伺いします。
 どうぞ副大臣、お引き取りいただいて結構です。

■片山国務大臣

今、各省庁、いっぱい研究会や調査会をつくっていまして、いろいろなことをいろいろな研究会が言っているんですよ。
ただ、いいものは大いに参考にすればいいんで、その今の何とかという研究会、この御指摘もこれから十分な参考にさせていただきたい、私はこういうふうに思っております。
 それから、その後の方の質問、中小企業やジョイントベンチャーを使え、これはそのとおりですね。だから、この辺は競争資格については柔軟に対応する、ジョイントベンチャーもそういうことで考えていく、そういうことの中で人材を育ててもらうということを大いに考えたいと思っております。
 それから、今の政務官の後半の部分もあのとおりで、責任者を決めまして、政府の中に情報化統括責任者、CIOというのを決めまして、この会議をやりましてそこの徹底を図っておりますから、今後は直っていくと思います。
今までもふなれなところや少し受注者側がうまくいったり、いろいろなことがあったと思いますよ。
しかし、やはり試行錯誤は試行錯誤として、国民の目から見て納得できるようなそういう仕組み、体制をしっかり整えていきたいと思います。

武正委員

総務大臣から、あくまでも国民の視点ということが出ておりますので、この電子政府、電子自治体化はあくまでもユーザーサイド、国民サイドでいかなければ、先ほどの住基ネットもそうなんですけれども、IT化に対する不安が国民にあったら電子政府、電子自治体もうまくいきませんし、IT化をこれから経済活性化に役立てようという見直しだってうまくいかない。あくまでもコンシューマーサイドということでお願いをしたいと思います。
 総務省の電波有効利用政策研究会の最終報告が出たので、これをお聞きしたかったんですが、ちょっと時間の関係で、これは私の方から御紹介させていただきます。
 この中では、やはり電波の再配置について、十年の見直しをこれは三年程度に縮められないかというような指摘、そのときには、新規参入者から過分な負担を求めようよというようなこと、あるいはまた、これから技術の進歩によって情報家電等あるいは無線LAN等出てくるんですが、ここにはさらに通常の電波利用料以上の負担を求める。
これは私は、またIT化技術の進歩にとって逆に阻む材料になっちゃうんじゃないかなというふうに思うんですが、こういった報告を含めまして、この電波利用料については、過日、いわゆるアナ・アナ変換の費用負担も考えて、放送局の電波利用料を五十億から七十五億円ぐらいに引き上げなければならないなという総務省サイドの記事が出ました。
 今、NHKさん二億、民放三億弱、合計約五億弱ということなんですけれども、これを十倍から十五倍にということが新聞にぼんと出ました。そうしましたら、きのうの夕刊に、総務省案、与党サイドが了承というのがぼんと出まして、三十五億ということで、ああ、五十億、七十五億が三十五億に減額されたんだなと。
ここでどんなやりとりがあったんだということをちょっとお聞きしたいと思いますが、総務大臣、いかがでしょうか。


■片山国務大臣

電波利用料につきましては、これもうちの研究会でございますけれども、今十年オーダーで見ているものを三年ぐらいで、これは私はその方が正しいと思いますので、この研究会の報告を受けて十分な検討をいたしたい、こう思っております。
 それから、こういうことなんですよ、今電波利用料は武正委員御承知のように五百億ですよ。
それで、今の放送事業者が納めているのは五億なんです。五億弱なんですよ。一%なんです。
幾ら何でもバランスを欠くではないかというところがございまして、内々に放送事業者の皆さんにも御検討賜っておりまして、そういう過程でいろいろな案が出たわけでございますが、これからオープンな手続で意見を聞いてしっかりと決めていきたいと思います。
 新聞が報道しているのは確定じゃございません。いろいろな案の一つとして、有力な案として、それが表に出ている、こういうことでございますので、関係者の合意を得ながら十分な結論を得ていきたいと思っております。

武正委員

時間が参りましたが、最後、要は、放送事業者にすれば、当初五十億、七十五億と言われたのが何とか三十五億なのかな。
ある面、政府によって額もかげんされる。
これはやはり放送の独立性にとっても私は問題があろうかというふうに思うのですね。
ですから、要は、電波利用料、電波のいわゆる配分というような形が、技術的には新しい技術の進歩によって、免許制はもう要らないんじゃないかというような指摘もあるんですね。この技術の進歩、これはFCCもこの間そういった勧告を出しております。
 ですから、私は、総務省さんが、電波利用料このぐらいというような、言ってしまえばさじかげんというか、こういうように言うと、大臣怒るんですが、それが働く余地はやはりあっちゃいけないと思うんです。第三者の中立的な判断で電波利用料が決められる。今までのような免許制ではなくて、電波はならしますと九割使っていないんですから、これをもっと有効に使う、最終報告書よりもっと余地があると思うのですが、最後、電波利用料を決めるについて、適正、中立、公平な評価、判断を持ってやるべし、これから通常国会に向けての御決意をお聞きして、終わりにしたいと思います。

■片山国務大臣

電波利用料は法律で決まるんですよ。国会で決めていただくんです。
だから、その前の過程で、国会に出させていただく前に、今言いましたように、公平でオープンな議論を通じて、国民の皆さんの前に透明にしまして、そこで議論したものを国会に出させていただいて、国会の皆様に決めていただこう、電波利用料につきましては、あるいは電波につきましては、委員の言われたことも念頭に置きながら今後十分検討してまいります。

武正委員

以上で終わります。ありがとうございました。

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