国会レポート23号

 

●小泉地方分権は絵に描いた餅
平成15年2月18日衆議院本会議代表質問 (2回目)
(官房長官、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣)
前回の本会議質問 (平成13年6月12日) では、「安易に国民に痛みを求めてはいけない」と求めたものの、まず平成15年度予算案が (1)増税 (2)借金 (3)サービス低下で、その心配が現実になってしまいした。国から地方への三位一体(補助金、地方交付税、地方税)改革をうたう、小泉首相の「地方分権」も掛け声倒れに終わっていると指摘しました。その元凶は、中央省庁の抵抗とそのお先棒を担ぐ族議員です。

特に、国から地方自治体に「お金を配る」交付税制度の「借金づけ体質」が改まっていないこと、「国税から地方税」への移行も自動車重量税の930億円しかできなかったことを取り上げました。一方、イタリアの州は収入の8割が州生産活動税(イラップ)という地方税にするなど、徹底した地方分権を70年代半ばから行いました。これが今の「イタリアの奇跡」と呼ばれる経済成長を生んだ一因となっています。(財務・総務大臣に)。
認権限を与えることになるので、これは行革に逆行するという点(官房長官に)、商店街はPTA・消防団・おみこしの担い手であるので、コミュニティ政策として取り組むべきである点(経済産業大臣に)を強調し、最後に竹中大臣の「ETFは儲かる」発言について指摘しました。
●高校中退者の53%は1年生
平成15年2月28日衆議院予算委員会第4分科会(文部科学大臣に)
平成13年の高校生の中退者104,904人(中退率2.0%)のうち高校1年生の割合が53.6%を占めることについて、「中学校の進路指導がうまくいっていない」からではないかと質すと、文相は中退者の3割以上は別の高校に移るという「積極的理由」と言うので、「義務教育を終えて入った高校を1年以内に辞める」ことを「積極的」というにはおかしいと指摘。
進路指導主事の実態把握を質すと、就任3年未満が52%との一部調査の数字を答えたので、昭和53年の文部省調査では2年以内が半数を占めていたことをあげ、再度の実態把握を要求。そして、一昨年私が提出した「ガイダンスカウウンセラー法案」に盛り込んだ「外部の専門家の活用」が必要だと強調しました。
また、「校庭の芝生化」事業への省庁の壁を超えたきめ細やかな取り組みを、W杯後のスタジアム運営にサッカーくじ「トト」の収益金によるサポートを、それぞれ求めました。
●ハローワークの就職率は実は5.3%(発表は26%)
平成15年2月27日衆議院予算委員会第6分科会(厚生労働大臣に)
仕事を求めてハローワークを訪れた人のうち、実際に就職できた人の割合は公式統計では「26%」となっています。しかし実は数字のトリックで、本当の就職率は「5.3%」である点を指摘しました。「年間の求職者数にはダブっている人がいる」からとの答弁でしたが、では「ダブっている人数はどのくらいか」と聞くとその回答はありません。大臣からその数字を明らかにするとの説明を引き出しました。

また、厚労省と総務省消防庁の救急医療についての検討会で最終報告が出たものの、救急車が病院に患者さんを運んだ後の容態の変化を消防署側に提供すべきことが含まれていない点を指摘しました。平成13年に救急車で運ばれた419万人の患者さん、その内47万人の重傷者について1ヶ月後の生存率の把握を求めました。さらに、県境を越えての救急車で運ばれた患者さんの数をあげ(埼玉県は全国平均の2倍)、広域の救急医療体制の充実を再度強調しました。
●外務省のあいまいな答弁が続く
平成15年2月25日衆議院沖縄北方特別委員会
米・英・スが提出した「新決議案」が採択されれば、「米等の対イラク攻撃は可能と考えるか」と外務大臣に尋ねましたが、「イラクの対応を注視したい」との答弁でした。また、在韓米軍基地再編が在日米軍基地に与える影響、日米安全保障協議会に沖縄県などをオブザーバー参加させるべきこと等を求めましたが、はっきりした前向きな答弁がありません。
また答弁の中で、昨年の鈴木宗男問題を契機に、北方4島支援委員会は千島連盟と外務省が引き継ぐとのことが明らかになりました。私も議員連盟づくりに関わっています。