【予算委員会分科会】 第5分科会
2001年03月02日
■武正分科員
予算委員会の分科会で質問をさせていただく機会をいただきましたことを、委員長を初め皆様に感謝を申し上げる次第です。
また、大臣、副大臣、政務官ということで、御答弁をいただくことを感謝を申し上げる次第です。
まず、昨年十一月に、私も厚生委員会の方で救急医療について質問をさせていただきました。
その後の経過も含めてお伺いをしたいと思っております。
まず第一点に、最近、ヘリコプターを使った救急搬送、これはたしか厚生労働省さんの平成十三年度ドクターヘリということで、新しく事業もお始めになるというふうに伺っておりまして、大変画期的なすばらしい事業であるということで高く評価をするとともに、ぜひ、救急医療の抱える問題点をこのドクターヘリを初めとするさまざまな取り組みで御解決いただくことをお願いする次第でございます。
まず、ヘリコプターの活用でございますが、消防庁によると、消防防災ヘリは平成十二年度末現在、四十四都道府県にて六十八機、搬送件数は九百七十五件、ほぼ一件一人ということですので大体千人弱というふうに考えていいのかなと思っておりますが、諸外国の例をお聞かせいただければありがたいと思っております。
■伊藤政府参考人
諸外国におきます救急専用ヘリの状況につきまして、御説明をさせていただきます。
諸外国におきます救急専用ヘリの取り組み状況につきましては、ドイツが一九七〇年から開始しておりまして、そのほかフランス、イギリス、スイス、アメリカ等の欧米諸国で導入されていると承知をしております。
世界の救急専用ヘリコプターは、一九九八年のデータによりますと約六百六十機、兼用機や予備機を合わせると約一千機に近いと言われているわけでございまして、特にドイツの場合は、全国を半径五十キロメートルの円で埋め尽くしまして、それぞれの中心部に拠点病院にヘリコプターの基地を設け、世界で最も早く体系的、組織的なヘリコプター救急体制を構築いたしておりまして、アウトバーンの高速自動車事故による犠牲者を劇的に減少させたというふうに聞いているわけでございます。
そのほかスイスにおきましては、非常に山岳地帯が多いにもかかわらず、全国十七カ所にヘリコプターを配置するなどいたしまして、国内のほとんど全域に医師が十五分以内に到着できる体制を整えているというふうに聞いているわけでございます。
■武正分科員
私の資料では、ドイツの機数は専用が四十三機、兼用が十七機、六十機としてそれによって一年間に五万三千七百七十六回出動しているということでありますので、一機当たり九百回の出動回数ということで、先ほど、日本が同じく六十八機なんですが千件弱、千件対五万件ということで彼我の差を感じるわけでございます。
それで、昨年の質問のときに、私の方から、救急医療圏というのは都道府県を一つの一番大きな圏域としておりますので、県境を越えて救急車が行き来をするということは余り承知をしていないという御答弁でしたので、いわゆる患者票、患者調査、これをもってちょっと調べていただけないかということで、福島総括政務次官が、では調べましょうということで御快諾をいただきました。
その結果についてお答えをいただきたいと思います。
■伊藤政府参考人
昨年の委員会におきまして先生から御指摘のございました調査でございますが、患者調査については通常はそういう集計を行っていないわけでございますが、今回、先生の御指摘を踏まえまして特別に集計をさせていただきました。
その結果、平成八年の調査、これは三年置きにやっておりますので平成八年のデータが一番新しいわけでございますが、平成八年の当該調査の結果に基づきまして、救急車利用推計患者のうち、患者の居住地とは異なる県へ搬送された推計患者は、入院で四・六%、外来で三・二%、合計いたしますと四・四%という結果が得られております。
■武正分科員
では、救急車で運ばれる人数はということになりますと、総務省消防庁の所管になりますので、問い合わせましたら、平成八年の搬送人員は三百二十四万人、これに今の比率を住所不詳を除きまして掛けますと、約十四万五千人の方が救急車で県を越えて移動しているということがわかるわけであります。
ということで、先ほどのヘリをこれから厚生労働省さんも平成十三年度で導入、そしてまた、先ほどのドイツとの、それこそ彼我の差を比べたときに、いわゆる災害のときの救急医療のことも出てまいります。
こういった広域での救急医療という必要性が大変大事になってくると思われるんですが、そのときに、これまでは県を越えた救急医療の実態、これについては余り把握をされていないということが昨年の委員会での御答弁でございましたが、先ほどの十四万五千人が移動しているのではないかということも踏まえて、広域での救急医療体制、ドクターヘリも含めまして、御答弁をお願いいたします。
■桝屋副大臣
前回からずっと今の救急医療について熱心に御議論をいただいて、感謝申し上げたいと思います。
特に、今、県域を越えるというような御指摘もあったわけであります。
こうした状況の中でどうして広域の体制で救急医療の体系を組み上げていくか、こういうお尋ねかと思うのです。
一つは、やはり、各都道府県の作成する医療計画においては、救急医療の確保に関する事項を定めて、救急医療体制の計画的な整備を図るということが一つあると思います。
各都道府県に対しては、搬送機関を含む関係機関で構成する救急医療に関する協議会を設置するようにお願いをしているところであります。
基本的には、それぞれの地域において、こうした取り組みを通じて、県域を越えて行われている救急搬送の実態も反映した体制整備が行われるものというふうに考えているわけであります。
今、ドクターヘリのお話がありましたけれども、今までの事業を踏まえて、これから県事業ということでドクターヘリも体制を組んでいくわけでありますから、今委員御指摘のドクターヘリも含めて、こうした県境を越えた搬送も含めた医療計画というものもこれから現場では議論されていくのではないかというふうに私は思っております。
いずれにしましても、各都道府県における救急医療体制の計画的な整備が図られるように厚生労働省としても努めてまいりたい、このように思っております。
■武正分科員
前向きにお取り組みをいただくということで、敬意を表する次第でございます。
ただ、都道府県での医療計画ということでございまして、どうしても県を越えての連携というものが、やはり何か仕組みをつくっていかないと、どうしても都道府県は自分たちのところを一生懸命やりますよ。
ただ、患者さんは救急車で県を越えて移動するといったときには、やはり相互の連携が必要になってくる。
そのときに、やはり厚生労働省さんとして何か別な形でのお取り組みをしていただかないと、なかなか、それぞれの都道府県、自分たちのところで手いっぱいといったところもございます。
それについて再度お答えをいただきたいと思います。
■桝屋副大臣
今、都道府県の医療計画の中でと申し上げましたが、救急医療体制については、今御説明をいたしましたように、搬送機関も含めて関係機関で構成する救急医療に関する協議会というものを設けて、協議をしていただくようにお願いをしているわけであります。
私も、特に県域を越える難しいケースが、救急車の動きでありますとか消防体制の動きでありますとか、さまざまな問題を現場で抱えて悩んだことがありますけれども、やはりこうした協議会というものをしっかり現場でやっていただいて、その上で医療計画の中で救急医療体制を整備していくということが今現場でも行われておりますし、そうした流れだろうというふうに私は理解をしております。
■武正分科員
県の協議会ですと、どうしてもやはり関係者は県内の方になってしまいますので、県境を越えてのことというのはやはり別な観点から取り組みが必要ではないかなと思うんです。
昨年の委員会でも、県を越えての救急医療の実態は把握していないという御答弁でございましたので、今までの延長線上の都道府県医療計画ではやはり限界があるんじゃないか。
別な観点で、しかもドクターヘリを導入ということは、当然これまで以上に搬送が逆に一つの県をまたいで移動するようなことも出てくるやに感じますので、かなり広域、ブロックでの救急医療あるいは災害医療を含めましての取り組みになってくるんではないか。再度御答弁をお願いします。
■桝屋副大臣
せっかくの委員の御指摘でありますので、県域を越えた取り扱いということをぜひ念頭に置いて、今申し上げました救急医療体制の計画をつくるその運営協議会の中で重点的にそうした部分を取り扱っていただきますように各都道府県にもしっかりお願いをしていきたい、このように思っております。
■武正分科員
やはり、今までの医療計画とはまた視点を変えてやっていただきたい。
特に救急医療の実態については、去年の委員会でも取り上げましたが、五年間で三分間、到着時間が延びていること。
また、平成十年、十一年と毎年大体二十万人、救急車での搬送人員が伸びている。
しかも、その到着時間もおくれていること。
こういった実態から、ぜひ今までの延長線とは違った観点でのお取り組みを強く求めて、次に移りたいと思います。
昨年も質問の中で、いわゆる自治省、厚生省のちょうど接点になる救急搬送とそれから救急医療、やはりここの問題点を痛感した次第でございます。
厚生労働省さんで、病院に患者さんが運ばれた後、その後の患者さんの容体について把握をしておられますかということは、二十四時間の患者さんの容体がどうなったか把握はしていない、研究課題だというふうにお答えをいただきましたが、これについてその後どういう研究をされているか、お答えをいただきたいと思います。
■伊藤政府参考人
昨年、衆議院の厚生委員会で先生からその点御指摘がございました。
それで、現状を申し上げますと、病院に到着するまでの時間が若干延びているというのも事実でございますし、それから搬送の目的は、病院到着前に死亡するケースをいかに少なくするか。
そして、病院に入ってからの治療成績がどうであったか。
残念ながら、現時点におきましては、いわゆる研究費による事例的な研究がございますし、また、消防庁の方でも統計をとっておられますが、いわゆる最近の言葉で言いますと、根拠に基づいた、比較できる正確なその辺のデータというのがまだ体系的にとられていないことは御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、今後の救急医療の体制の検討の材料とするためにも、きちっと計画的な、成績が検証できるデータをとるように検討していきたいと考えております。
■武正分科員
今度は検討ということで、一歩前進したかなと思いますが、これは、平成十年は三百五十万人の搬送のうち、残念ながら到着時に亡くなられていた方は五万七千人、重症の方が四十四万人というのが、自治省さん、消防庁の実態把握なんですね。
この四十四万人の方が到着後どうなったかというのは非常に気にかかるところでありますので、今、検討ということですので、ぜひまた次の機会には実態をお答えいただくことを切に望む次第でございます。
救急医療で、最後になりますが、やはり、搬送時間が延びている中で、救急救命士法が施行されてもう十年、消防本部からの要望として、特定医療三行為、これを救急車の中で今できるわけですが、やはり特定医療三行為をもうちょっとふやしてほしい、拡大を消防庁でも当時の厚生省に要望として出しているわけでございますが、これについて、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
■坂口国務大臣
この問題、もう十年経過をいたしまして、そして、消防庁の方から問題点として出てきていることを存じております。
それで、この問題には大変複雑な面がありますのは、医師との連携の問題でございまして、ここを連携を密にしてうまくいっているところと、それから、そういう連携がまだできていないところと両方あるわけでございます。
救急救命士の特定三行為の枠なり、あるいはまた、これを包括的にやることを認めるなりということのもう一つ前段階の問題として、地域、地域における救急救命士と医師との間の連携がうまくいくということの方、ここをひとつ整理をしないといけないのではないかというふうに思っております。
うまくいっている県もあるわけでございますので、その辺のところを参考にさせていただきながら、おくれております都道府県に対しまして、何かその辺のところをスムーズにいくようにしていただくようにひとつこれから話し合いを進めていくのがまずその第一歩ではないか。
そこを、第一歩、整理をしたその上において、この救急救命士の皆さん方の行為、そこをどうするかという話がもう一つ出てくるのではないかというふうに私は整理をいたしております。
■武正分科員
今大臣の方から、都道府県によってやはり差があるんだということがございました。あるいは政令市などで大変先進的な市もございます。そういった意味では、今のお話では、うまくいっていないところを指導してというお話があったのですが、逆に、やはり先進地域、うまくいっている事例をぜひモデルケースとしてやっていただく、それによって、ほかの都市あるいは都道府県も、よし、ではおれたちもということになると思うのですが、それについてはいかがでございましょうか。再度お願いいたします。
■坂口国務大臣
それは御指摘のとおり、そのとおりだと思います。
■武正分科員
ありがとうございました。
続いて、私は埼玉県の選出でございまして、きょうは副大臣もお見えでございますが、十二月の二十五日でございますが、民主党の朝倉問題調査チームの一員として、埼玉県庁でのヒアリング、そして朝倉病院の方にも行ってまいりました。
このときの経過も踏まえて御質問させていただきますが、私はやはり、医療監視というものが年に一回朝倉病院について行われていたにもかかわらず、今回のこうしたIVHあるいはベッドへのくくりつけ、予見ができなかったということに一つ問題点を感じるわけでございます。
そういった意味で、きょうは医療監視必携マニュアルも持ってまいりまして、きのうも民主党の山井議員も取り上げたと思うのですが、こういった医療監視について、公開するべきでないというようなことがマニュアルに載っているといった点も含めて、やはり医療監視の改善が朝倉問題の再発防止につながるのではないかなというふうに考えております。
実は、医療監視は去年の四月一日から自治事務になっているわけでございますが、厚生労働省の方では、医療監視を行った全国の医療監視の結果を集めてプログラムに入力をしているというふうに聞いております。
そうしますと、そのプログラムの項目というものが一つ枠としてありまして、各都道府県はやはりその枠に縛られながら医療監視をやらざるを得ないといったところも聞くところでありまして、また、当然、こういった必携マニュアルをみんな見ていますから、自治事務といってもまだまだ制限があるというふうに感じるわけでございます。
実は、保健婦さんをこの医療監視に参加させているところもあるということで、佐賀県さんの例がある雑誌に載っておりました。
その佐賀県の保健婦さんの言葉として、他の都道府県でどういう医療監視をやっているかわからなかったから、今回寄稿してくれということで、保健婦さんが医療監視に参加している事例として本には書いているわけですね。
要は、だから、ほかでどういうふうに医療監視が行われているかもわからないといったことをこの保健婦さんはいみじくも語っているわけでありまして、この医療監視の実態の公開という点は、もちろん病院側のいろいろと出したくないところもあるでしょうし、プライバシーもあるでしょう。
いろいろと制限もあるとは思うのですが、例えば、前向きに考えて、今のような、他の都道府県で医療監視に当たっている方々が他の都道府県のいろいろな事例を参考にしていくといったことにも役立つわけでございますので、この医療監視の情報の公開といった点について、まずお伺いしたいと思います。
■桝屋副大臣
山井先生からもきのうはお話をいただきまして、今のその必携もお示しをいただいてお話をいただいたわけであります。
特に、医療監視のその情報というものを公開してもらいたいというようなお話もいただきました。これは、基本的には都道府県の段階で御判断をいただくものだと。
ただ、国においては情報公開法が動き出す、そうした流れにありますということも、きのうは議論をさせていただいたところであります。
それで、その必携なんでありますが、まず、きのうからの話で、必携の件をまず御報告させていただきたいのですが、その必携は、医療法の立入検査に係る平成五年当時の法令、通知等、いわゆる法令通知集のような形でお示しをしているものでありまして、いわば手引書だというふうに思っております。
既にその内容については、その本はもう絶版になっておりまして、その後状況も変わっておりまして、今後、情報公開法の施行に伴いまして、必要な記載内容、この見直しもぜひ行いたいというふうに思っているところであります。
いずれにしましても、きのう申し上げましたように、全体としては情報公開の流れにあるわけでありまして、あるいはまた、今委員御指摘の立入検査の場合の、それぞれの各都道府県の情報交換といいますか、その手法についての情報交換ということは、まことに私は有意な御提言だと思いまして、そうしたことがしっかり情報交換できるように考えていきたいと思っております。
そういう意味では、自治事務でありながらなぜ報告をという話にもつながるわけでありますけれども、確かに、御指摘のように自治事務にはなったわけでありますが、しかし、あわせて御報告も我が厚生労働省としてはお願いをしている。
それは、今委員からもお話がありましたように、国として適切な医療施策を推進する上で、医療監視の方法なども含めて必要不可欠であるというふうに思っておりますし、あるいは、各都道府県での医療施策を進める上で、基礎データとして極めて重要なものだというふうに思っておりますので、今お願いをして出していただいている、こういう状況でございます。御理解いただきたいと思います。
■武正分科員
ちょっと時間も押していますので急ぎますが、精神保健福祉法の実地指導との連携がとれていなかったというのも今回の反省点でございまして、連携がぜひ必要だ。
できれば、医療監視と実地指導、一緒に行ったらどうかなというふうに思います。これについて一点。
それから、日経ヘルスケア九七年四月号によると、医療監視といって県の職員の方が行って、本当に医療のことがよくわかっている方ならいいのですけれども、やはり法外なことを言うという事例も数多くあるようです。
そういった意味では、医療監視というものが、都道府県が、しかも医療の専門家でない方がたまたまその職にあって行くというような形も考えられますので、これから、ある面これを厳しくやっていこうという方向に行くのか、ある面アメリカのJCAHO、全米医療機関合同認定委員会のような第三者機関にゆだねていくということも一考かと思うのですが、先ほどの実地指導と同時にということとあわせて、この医療監視をあくまでも都道府県がやるべきなのか、そういった第三者機関ということも一考に値するのか、御所見を大臣にお伺いしたいと思います。
■坂口国務大臣
監査をしました後の情報公開のことも大事でございますが、その前にやはり医療監視というものが、正確にと申しますか、充実をして行われるということがまず大事だろうというふうに思います。
都道府県でどういう状況で今行われているかということを、私も十分に把握をいたしておりませんが、やはり医療の中身をよくわかった人が行って、そして医療監視というものを行わなければならないことは当然でございます。
それで、この内容も、やはりどうしてもチェックをしなければならない点というのは、これはもうわかっているはずでありますから、チェックポイントというものを幾つか挙げて、そうした点で一体どうであったかということを、簡潔明瞭に、わかるような形で情報公開するときにも行うことが大事ではないかというふうに思っております。
外部に発注、発注と申しますか、外部の皆さんにお願いをした方がいいかどうかということは、これは人がいなければということでございますけれども、都道府県にはそれなりの人材がいることは間違いないと思いますので、そういう人たちが本当にこのポジションに配置されているかどうかの問題だと思います。
それよりも、都道府県という単位でいいますならば、その都道府県で、やはりそれが、この医療監視というものができ得る能力を身につけた人を何人かつくるということの方が大事ではないかという気がします。
それでも、なおかつそれが不可能だといったようなことになりましたときにはその次のことを考えるというのが、手順としては大事ではないかという気がいたします。
■武正分科員
もう時間がありませんので、次に移らせていただきますが、今の点に関しては、都道府県の職員の方と都道府県の医師会との関係では、やはりいろいろ、いつも医師会の皆さんにお願いしている関係上、ある面厳しくできないといったところもあるやに聞いておりますので、つけ加えさせていただきます。
最後に雇用施策についてお伺いしますが、私も県議会にいた当時、ちょうど地方事務官の方が労働省の方に引き揚げるというような形に遭遇いたしました。
いわゆる地方分権一括法の改正でございます。
そういった意味では、雇用対策法改正、職業安定法改正の中で、特に雇用対策法改正の中で、地方自治体の雇用施策の充実が求められたわけでございますが、しかし、実際のところ、今地方自治体には、求人求職の具体的な情報がハローワークからは届いていない。
個々の事例でございます。特に、どんな職業を求めている人が、どういう人がどれだけいるのだという個々の事例、こういったものがやはり都道府県としては欲しい。
これがないと、やはりそれぞれの地域、地域に合った個別具体的な雇用施策を打ち立てられないのではないかと思っておりますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
■増田副大臣
お答えをいたします。
地方分権の国会決議を、実は取りまとめに駆けて歩いたのが私でして、今その関係のことが触れられて、地方事務官制度というお言葉を聞いたのですが、こういうことを踏まえて、厚生労働省としては、真剣な切りかえに対応すべく、現在動いております。
時間が押しているようですから、要領よく読みますけれども、雇用施策の推進に当たっては、国と地方公共団体とが密接な連携を保持しつつ、地域の実情に応じた施策を展開していくことが重要であると、先生のおっしゃるとおり認識しております。
このため、都道府県労働局の設置に伴い、都道府県との間で雇用対策連絡調整会議を開催するとともに、公共職業安定所の有する労働市場情報や求人情報などの雇用情報の提供にも努めているところであります。
さらに、国と地方公共団体とが連携しつつ、地域の実情に応じた雇用開発を促進するための新たな枠組みの整備、具体的には、従来の国から地域を指定する方式をやめ、都道府県が地域を提案し、国が同意する方式に変更するとともに、当該地域において国と都道府県とが連携して行う事業の新設を内容とする所要の法律案を今国会に提出しているところであります。
今申し上げたところは今国会へ出してありますから、それが通ると、そういうふうに実はなっていきます。
それから、お話がございましたが、国の機関と都道府県で十分意思の連携が図れるようにというので、雇用対策連絡調整会議を各都道府県ごとに一つずつつくろうというので、一生懸命精力的に取り組んでまいりまして、今二つになりました。
群馬と栃木、どうも関東が残っているのでまずいのですけれども、群馬と栃木なんですが、早々に群馬の方は話し合いが進むと思います。
そうすると、あと栃木が、栃木だと思いましたが、埋まりますと、日本じゅうにこの組織ができます。
したがって、都道府県レベルとは意思の疎通が十分に図れる、御期待に沿う方向に具体的に一歩が踏み出せるというので、積極的に今、ハッパをかけるという表現はよくありませんが、真剣に取り組んでいる。こういうことであります。
■武正分科員
もう時間も来ましたので、最後に述べさせていただいて終わりにしたいと思いますが、都道府県に聞きますと、ハローワークさんの方が、あるいは労働局さんの方が個別具体的な求人求職情報を持っていますので、今までの国と地方、そういう上下の関係をどうしても意識するということでありますので、やはり情報は共有できるように、情報というのは、全体の漠とした情報じゃなくて、個別具体的な求人求職情報、これをぜひ都道府県も共有できるように格段のお取り組みをお願いして、終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
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