【総務委員会】 行政機関が行う政策の評価に関する法律案
2001年06月07日
■武正委員
民主党・無所属クラブの武正公一でございます。行政機関が行う政策の評価に関する法律案につきまして質問をさせていただきます。
まず、この評価ということでございますと、大臣の発言がやはり当然それぞれの省庁の政策を決定するといった意味から、ここのところ、二匹のウサギか一匹のウサギかということで大臣の方に何度か質問させていただいておりますので、冒頭、こちらからちょっと質問させていただきたいと思います。
私は、二月の二十七日に地方交付税法の改正で質問をしたときに、三年たてば景気がきっちりと自律的な回復軌道に乗る、その際は、国と地方の事務や権限の再配分に伴う地方税財源のあり方について、国と地方の配分のあり方についてしっかりとした議論ができるのではなかろうかというふうに御答弁をいただきました。
そしてまた、小泉内閣になられての総務大臣として、過日、五月三十一日、これは電気通信事業法改正ですか、お伺いをしたときの御答弁では、今度の小泉新総理は、むしろ、これは二兎ではないのだ、二匹のウサギでなく、よく考えてみたら一匹なのだ、景気回復と構造改革というのは一体なのだ、コインの裏と表なのだと大臣が答弁され、そして続けて、私もかねがね、景気回復をやるのだけれども、そのやり方で構造改革に資するやり方もある、あるいは、物によっては構造改革を先行した方が景気回復にプラスのこともあると。
小泉総理ほど徹底してはおりませんけれども、私は割に二兎を追う構えということは、ある意味、近かったと思いますが、今回はそういうことで、小泉新内閣ができて、構造改革と景気回復を一匹のウサギとして追っかけていこう、こういうことでございますから、我々もその方針のもと、所管行政については考えていく、こういうことでございますというふうに御答弁をいただきました。
それに続きまして、六月五日の火曜日には、そういった意味では構造改革と景気回復は一体なのだ、一緒にやるんだということを私の質問にお答えをいただいたわけなんですが、六月五日の答弁では、地方税財源の充実についてこのように答えておられます。
せめて五対五にしたい。ただ、それでは今すぐできるかというと、それはできません。
やはり景気回復を待ってから税源移譲というのをやってもらいたい、四対六を五対五にしてもらいたい、こういうふうに思っていますということで、景気回復が先なんだということをまた御答弁の中で述べておられるんです。
一匹のウサギで、構造改革と景気回復が一体であるならば、やはりこの地方税の税源充実あるいは税財源の移譲、これも一体で行わないと、結局は、構造改革をもって景気回復に寄与するという小泉首相の考え方とそごを来すのではないかというふうに考えるんでございますが、御所見をお伺いします。
■片山国務大臣
いろいろ私の答弁を時系列的に御精査いただきまして、ありがとうございました。
私が申しているのは、やはり今の内閣、小泉内閣は、景気回復をするにも構造改革と一緒でなければなかなか景気回復は難しい、こういうことなんですね。
構造改革とあわせて景気回復をやる、こういうことでございまして、景気回復が最優先の課題だということは、それはそうなんですよ。ただ、景気回復するためにも構造改革と一体でやらなければ、これが一匹のウサギ、こういうことですね。
そこで、今、構造改革で何をやるかということは、当面、小泉さんが言っておりますのは、委員に釈迦に説法ですけれども、とりあえず国債発行を三十兆以下にする、それからしばらく時間を置いてプライマリーバランスを回復する、こういうことですね。
そこで、そのためには何をやるかというと、これから国の歳出と地方の歳出を精査して、それを切り込んでいくということですね。
それは構造改革でもありますよ。同時に構造改革でもあるけれども、それによって景気回復をしっかりとプラスにしていく、景気回復を確かなものにしていく、こういうことなんですね。
そこで、構造改革といってもいろいろあるんだけれども、国から地方に税源を移譲するのも構造改革ですけれども、今、国の歳出も二兆以上削ろうと言っている。地方も一兆ぐらい協力してくれと財務大臣は言っていますね。
そんなときに、税財源の移譲を議論するのはいいけれども、すぐ実現するというのは私は現実的でないと思うんです。
だから、とりあえずやることは、歳出構造の見直しからやる、国も地方も。それによって歳出全体を抑えていく。
そういうことでむだなものを抑えて重点化したり効率化することが景気回復にもプラスになる。
そして、景気回復をして国の税収も地方の税収もそこそこに安定したら、私は、本格的な税源移譲の議論を始めよう。
そのために、経済財政諮問会議でも議論してもらうんだけれども、今度は、今の地方分権推進委員会の後のそういう機関でも議論してもらったらどうだろうと。議論はもう始めます。
ただ、それじゃ来年度から所得税をよこせ、法人税をよこせといったって、これは私は現実的な議論にならないと思うし、景気回復にもマイナスだし、構造改革にもプラスかどうかわからない。
経済財政諮問会議が出すあれの中には、原案は、地方税の充実とだけありました。
私は、そのときは総務委員会がありましたので遠藤副大臣に行っていただきましたけれども、税源の移譲を書いてもらいました。
我々の思想はそういうことです。一貫して地方税の充実と、国と地方の税財源を見直して地方に移譲してもらおう、こう考えておりますけれども、それでは、すぐ来年それができるかというと、私はこれは現実的でない。
そこは景気回復を待たざるを得ないのではないか。
だから、余り矛盾していないんですけれども、議論は大いにさせていただきたい、こういうふうに思っております。
■武正委員
議論は大いにしていくという力強い御決意が出ました。二月二十七日の答弁では、三年たてば景気回復ができる、そして議論を始めるというような御答弁でございました。
既に経済財政諮問会議で地方税財源強化、移譲ということで書かれておりますし、議論をすぐ始めていこうということでございますので、了解をさせていただいております。
それでは、評価法の方に移らせていただきます。
遠藤副大臣の方に、まず三条二項二号の「政策の特性に応じて学識経験を有する者の知見の活用を図ること。」という規定の趣旨についてお伺いをするとともに、具体的にどのような形で進めるのか、御答弁をお願いします。
■遠藤(和)副大臣
まず、本規定の趣旨でございますけれども、この趣旨は、各行政機関に関しまして、みずから評価していく上で政策の特性に応じて第三者の知見を活用することを義務づけることによりまして、政策評価の客観的かつ厳格な実施を確保するということをねらいにしているのが趣旨でございます。
それから、具体的にどういうふうな形で活用するのかということですが、各行政機関は、政策評価を行うに当たりまして、対象とする施策の種類や類型に応じまして、専門家や研究者等から意見聴取をすることもあるし、あるいは外部研究機関へ委託する場合もあります。
そういういろいろな適切な方法で学識経験を有する者の知見の活用を図る、こういうことができると思います。
■武正委員
これがやはり外部の力をかりるんだという話が出ているわけですが、例えばNPOとかさまざまな団体もあります。
ここら辺も各省いろいろと活用していくべきではないかなというふうに思います。
また、十五条の二項四号に国の委任、補助という項目がありまして、要は、今回の法案では余り地方自治体との関係が書かれておりません。地方自治体のことは地方自治体で評価をやってもらうんだよという趣旨と理解はしておりますが、やはり国からこれだけの補助金が地方に流れている。
この国の委任、補助という項目については、今、各地方自治体が外部監査人というものを置いて進めておりますので、私は、この外部監査人との連携というようなことも、この外部の学識経験を有する者ということでいろいろとまた読み込んでいけるのかなと。
外部監査人制度が進んでおりますので、ぜひこれとの連携を図っていただきたい、これは要望しておきます。
次に、五条四項に、審議会など政令の定めるものの意見を聞いてとあります。
今回、政策評価・独立行政法人評価委員会ということで、八条の審議会、八条機関になっておりますが、何ゆえ政令の定めるものという法律の書き方をしたのか、この委員会名をなぜ法律に書き込まなかったのか、御所見をお伺いします。
■遠藤(和)副大臣
御指摘のとおり、法律第五条四項の審議会というのは、既に総務省に設置をされております政策評価・独立行政法人評価委員会を想定しているわけです。
この委員会は、中央省庁再編のときに関連する組織法の整備を行った際に、政令で設置する、このように整理されたところでございまして、その関係で、純粋な法令技術的な理由から、本法におきましても、委員会の名前を直接明記しないで政令で定めるとしたものでございます。
■武正委員
今回の政策評価は各省にとっても注目をされておりますし、また行政改革会議の一つの目玉としてこの政策評価が打ち出され、そして一月六日の省庁再編でも各省に政策評価の担当が置かれるということで、一連の流れの中でこの委員会を政令で定めるというのを法的なもの、テクニックの問題だというようなお話でしたが、私は、やはりここに書き込んであるべきだろうと思います。
次の質問になりますが、私は、八条機関というこの委員会の性格でありますけれども、やはり三条機関あるいはもっともっと独立性を担保すべきではないかなというふうに思っておるんです。特に、これによって総務省の権限が巨大化するのではないかという危惧をする声がございます。
また、この法案を読んでいきますと、では一体総務省に対して政策評価のチェックをするのはだれなのか、あるいは総務大臣に対して物を言うのはだれなんだろうといったことを考えていくと、私は同委員会は三条機関にして独立性を高めるべしというふうに考えるんですが、総務大臣、御所見をお願いいたします。
■片山国務大臣
よく三条機関と八条機関のお話があるんですが、今回の政策評価・独立行政法人評価委員会は八条機関にさせていただきました。
三条機関というのは、独立して準省的な機能を営んだり、準省的な調整をやったりするようなものが三条機関なんですね。
自分で権限を持っている、行政処分ができる。だから、現在三条機関というのは、代表的なものは公正取引委員会、私どもの方の公害等調整委員会、あとは中労委や何かがそうですね、権限を持って仲裁する。それから、公安審査委員会だとか司法試験の委員会なんですね。
それで、日本の国は議院内閣制ですね。議院内閣制というのは内閣が一体となって、だから内閣の意思決定は総理じゃなくて閣議ですよね。閣議で全員一致の意思決定ですよね。
議員内閣制というものは内閣が一体となって国会に対して責任を負うという仕組みでございまして、その中でこういう独立して権限がある機関というのがたくさんあることは、私は議院内閣制にはなじまないと、ちょっと今の質問と違いますけれども、かねがね考えております。
アメリカは大統領制ですから、そこで千ぐらいどっとこういう三条機関的なものの設置を言ってきたんですね。
だから、今日本にできています教育委員会だとか公平委員会、公安委員会、あるいは人事委員会、地方の場合には、こういうものはアメリカ的な制度なんですよ、もう今日本に定着しましたから私は結構ですけれども。
ただ、議院内閣制からいうと、三条機関がいっぱいあるのはいかがかなと。
あくまでも各閣僚が一体として国会に責任を持って、しかし、内閣としては意思の一致が要るんですよ。
そういうところが責任を持っていくというのがいいので、行政評価についても、やはり八条機関としてそれぞれの責任を持つ大臣に注文をつけて勧告する、こういうことの方がベターではないか、こう私は考えておりますので、ちょっと話を大きく発展させて恐縮なんですが、そういうことから今回も八条機関にさせていただいたわけであります。
■武正委員
独立行政委員会については行政改革会議でその有用性が最終報告でも位置づけられておりますので、私は、日本の三権分立の行政、立法、司法、いろいろと見直し、そして変容してもしかるべきという中で、三条機関の有用性を認めているものでございます。
先ほどちょっとお伺いしたんですが、政策評価に関して総務省あるいは総務大臣に物を言うのはだれなのか。
これは質問通告にはありませんでしたけれども、いかがでしょうか。お答えいただけますか。
■片山国務大臣
総務大臣に注文をつけるのはうちの評価委員会であります。
評価委員会が、総務省そのもののいろいろな政策評価についての注文をおつけいただく、あるいは総務省が各府省に対して行う調整をすることについても御注文いただく、こういうふうに考えております。
■武正委員
五条四項には、総務大臣は、審議会等の意見を聞いて基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないということでありまして、委員会が所管大臣に物を言うというようなことはちょっと読んでも書かれていないわけなんですけれども、これはやはり私は、この委員会が独立性が弱い理由というふうに思っております。
時間もありませんので、次に移らせていただきますが、それでは、十八条において、総務省が行う政策評価と行政評価・監視との連携とありますが、具体的にはどういうことでございましょうか。副大臣、お願いします。
■遠藤(和)副大臣
まず、総務省が行います政策評価ですけれども、それは、その対象とする政策を根本からその効果に注目して見直すことを目的として行っていくものでございます。
一方、行政評価とか監視というのは、既に行っている政策について、行政運営が適正であるかどうかということ、あるいは改善を目的として行うものでございまして、若干趣旨が違っていると思います。
このように、両者は機能面とか方法の上において大きな差異があるんですけれども、効率的な実施を確保するという上ではこれを区別して行うこととしておりまして、だから区別して行うんですけれども、具体的にやる政策評価の過程においては、連携をとるということは必要なことなんですね。
業務の実際面でいろいろな問題が見られたときには、緊急度に応じまして、ともに連携をとって情報交換しながらやる、こういうふうなことになるのではないか。こういう意味で、具体的に連携という文言を入れたということでございます。
■武正委員
私は連携が必要だというふうに言ったわけで、副大臣も連携が必要だということを認めておられますが、政策評価と行政評価・監視との関係につきましてはこんなことが書かれております。
「第十七条の行政評価・監視の用語については、必要性、優先性、有効性から、合規性、適正性、効率性等まですべての評価視点から評価するものが、行政評価・監視であり、政策評価はそのうちの一部であると整理したわけである。」
これは総務庁行政監察局長の東田さんという方が書かれていることでございまして、行政評価・監視というのは政策評価を含むということを、これまでこの法案の策定あるいは準備に当たってきた方が述べておられます。
各省には、政策評価は行っておりますが行政評価・監視はないわけですね。ですから各省に、総務省の行政評価局がやる行政評価・監視のより実効性、これが政策評価と連携して、初めて政策評価は効果があるというふうに私は思っております。
時間がありませんので、具体的に評価局、監察局の陣容の割合をちょっとお聞きしたかったんですが、先に行かせていただきます。
会計検査院さんがおいでになっていますので、会計検査院さんと総務省行政評価局あるいは監察局はこれまでどんな連携をされてきたのか、お答えいただけますでしょうか。
■重松会計検査院当局者
お答え申し上げます。
私ども会計検査院と旧総務庁の行政監察局、現在は総務省行政評価局でございますけれども、先生御案内のとおり、それぞれ立場あるいは目的等が異なるわけでございますけれども、両者の業務は、予算執行の適正化だとか行政事務あるいは事業の効率的な執行を図るという面で共通した面もございます。
そういうことで、本院といたしましても、行政監察あるいは行政評価・監視の実施状況あるいは所見というものを承って限りある私どもの陣容での検査効率を上げるという意味でぜひとも必要だということで、相互の活動に資するということで、昭和六十二年から連絡会を開催してございます。
会計検査の結果あるいは行政監察、行政評価・監視の結果について相互に情報を交換いたしまして、これを定例化しているところでございます。
この連絡会は、毎年春夏に二回開催しておりまして、例年、春は二月から三月まで、私どもの会計検査院におきまして前年の検査結果について説明し、また夏は七月から八月まででございますけれども、現在の行政評価局から行政監察あるいは行政評価・監視の結果を説明いただきまして、相互に忌憚ない意見の交換を行っております。
いずれにいたしましても、双方にとってまことに有意義なものと理解しておりまして、今後とも継続、発展させていこうと思っているところでございますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。
■武正委員
会計検査院さんもその有用性を認めておられます。
平成九年に、国会法改正で会計検査院法が改正されまして、効率性、有効性、経済性といった観点から検査を行うことになりました。
その十年前ぐらいからこれで会計検査院さんはやっていたというお話なんですが、改めて法律に書き込みました背景としましては、先ほども話がありましたが、アメリカのGAOでは、六〇年代後半からいわゆる政策評価を始めました。
七〇年代には定着していた、業績評価ですね。
今GAOの九〇%は政策評価に充てられている。いわゆる財務諸表の検査は、インスペクターゼネラルというような形で各省に担当者が置かれていて、そこが財務諸表検査をやる、それをチェックするのがアメリカ会計検査院、GAOである、いわゆる内部監査と外部監査がうまく相まっているということでございます。
先ほど会計検査院さんから話がありましたが、私は、今回の政策評価に当たりまして、総務省行政評価局は、政策評価及び行政評価・監視を行うに当たり会計検査院との連携をより強化すべきではないかと思うんですが、これは大臣、御答弁の方よろしくお願いします。
■片山国務大臣
今、会計検査院の方から御答弁がありましたが、ちょっと観点は違いますけれども、行政そのものの適正な執行を確保するという意味では同じだと私は思いますね。
ただ、会計検査院の方は会計経理の監督、適正化というところに主たるねらいがあって、我々の方は、政策をどうやって評価していくか、監視をするか、行政運営がどうか、こういうことにねらいがありますけれども、そこは私は連携していった方がいいと思いますね。
今のお話のように、連絡会をやったり若干の人事交流をやったりなんというようなことをやっておりますから、今後とも、政策評価あるいは行政評価・監視がだんだん本格的軌道に乗ってきますから、そういうことでさらに会計検査院との連携を深めたい、こういうふうに思っております。
■武正委員
まさにバリュー・フォー・マネーでありまして、お金、そしてそれが費用対効果がどうであったかといったことが政策評価にはかなり欠かせない主要な部分でありますから、会計検査院さんとの連携をぜひ強化していただきたいと思います。
次に、公取さんもお見えでございますが、公取さんとこれまでの総務庁行政監察局、規制改革に関する連携、取り組みはどのような形であったか、また、今後行政評価局とどう連携を進めていこうということを考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。
■鈴木政府参考人
お答え申し上げます。
公正取引委員会では、行政事務の簡素化、合理化の観点から許認可等の見直しを行ってきた旧総務庁行政監察局との間で、相互に意思の疎通を図ることにより、政府規制及び独占禁止法適用除外制度の見直しを円滑に行うため、昭和五十五年四月から、政府規制及び独占禁止法適用除外に関する合同検討会議を設置し、規制改革へ向けた連携した取り組みを行ってきているところでございます。
この合同検討会議におきましては、政府規制及び独占禁止法適用除外の見直しの基本方針及び方法に関する検討のほか、規制改革の推進に向けた双方の取り組みについて、率直な意見交換を行ってきたところでございまして、独占禁止法の適用除外法の整備など、成果を上げてきていると考えております。
中央省庁再編により、旧総務庁行政監察局は総務省行政評価局として再編され、行政評価・監視に係る事務のほかに新たに政策評価に係る事務が加わったものと承知しておりますが、規制改革に関しては、今後とも、必要に応じ、かつ適切な範囲内で、総務省行政評価局と連携した取り組みを行ってまいりたいと存じております。
■武正委員
公取さんも連携をしっかりやっていきたいということでございます。こういった外部のさまざまな機関と連携をとりながら、そしてお互いに役割分担としっかりと強化をしながら、この政策評価は進めていくべきものだというふうに考えております。
そして、今度は二条一項四号を見ていただきますと、公取と公害等調整委員会だけがここに抜き書きをしているわけですね。
これはなぜこういう形になっているのか、政務官の方、お答えいただけますでしょうか。
■新藤大臣政務官
この法案は、府と省を基本に考えております。
ですから、条文を見ていただきたいんですが、二条の一号と二号が内閣府に関しての問題です。
内閣府の中で、特に外局である宮内庁と警察庁、これは内閣府の中でも別途にするんだ、こういうふうに分けております。
そして、同じように今度は三号において各省の設置を言って、それの中で特に独立性が高い、それからその省とは別に政策評価を行った方がいいと思われるところについて、特別な外局として、実施主体として位置づけたということで、これは要するに立法技術上の問題でございます。
■武正委員
立法技術上の問題という答弁が二回目に出てまいりまして、果たしていかがなものかなというふうに思うんですが、要は、これを見ていただくと、宮内庁、警察庁、そして公取、公害等調整委員会、これはそれぞれの担当省庁が評価をするんじゃなくて、自分たちで評価をしなさいよというふうに読み込めるわけであります。
今、政務官の方から特に独立性が高いということで御答弁がありました公取でございますが、これは、水野清さん、行政改革会議の事務局長を務められた方が「官僚と権力」でこう述べておられます。「公正取引委員会の問題も残った。この役所は、全く独立した三条委員会であるが、諸外国では、独占禁止法上最も問題となる郵政三事業と通信・放送行政と近いところにあり、一応、総務省の範囲にある。すでにアメリカ政府やEUから、日本の独禁政策の今後について抗議が来ていることを付け加えておく。」ということでございます。
最後に総務大臣に、公取が、総務省に置かれずに内閣府に置くべきだという議論がずっとあった中で、総務省に置かれるようになりました。
ただ、ずっとかかわってこられた水野さんのような御意見があり、また先ほど公取との連携ということもありますけれども、特に公取の独立性を高めるには内閣府に置くべきではないか。これについての御所見をお伺いします。
■片山国務大臣
公取は、名実ともに独立した機関なんですよね。だから、私は内閣府に置いても総務省に置いても同じだと思います。
ただ、恐らく、あのときの整理では、内閣府に何でも持っていくと内閣府がちょっと機能不全に陥るんじゃなかろうか、そういう意味では全体のまとめ役的な位置にある総務省につけておこうかということではなかったろうか、私はこう思います。だから、所轄は私のところになっておる。
ただ、これは所管とまで言い得ないですね。所轄なんですね。だから、もう職務そのものは完全に独立して、これまた行政委員会ですし、三条機関として機能されておりますから、そういうことで、一月六日から発足したばかりで、今直ちにということにはなかなかならないと私は思いますが、将来の検討課題としてはこれは一つあるな、こういうふうに認識いたしております。
■武正委員
これにて質問を終わります。ありがとうございました。
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