【環境委員会】 自動車NOx法改正について

2001年06月12日

武正委員
民主党・無所属クラブの武正公一でございます。
きょうは、いわゆる自動車NOx法改正についての質問に立たせていただきます。質問の機会をいただいたことに、委員長初め委員各位に心から感謝を申し上げる次第でございます。
まず第一番目に、現行自動車NOx法でございますが、平成二年度を基準といたしまして、目標年度平成十二年度まで、窒素酸化物総量を特定地域全体で約三割減少させることを目標としたNOx法、これが平成九年の段階で十四万九千トンということで、わずか五千トンしか減らなかった、あるいは環境基準達成率が、一般環境大気測定局で七四・一%の達成率、自排局では三五・七%というような低い達成率、こういったことを踏まえて今回法改正に至っておられますが、まず大臣に、現行自動車NOx法の実効が上がらなかった責任というものをどのようにお考えになっておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

■川口国務大臣
現行自動車NOx法の対策が、今までのさまざまな努力にもかかわりませず総合的に見て十分な効果を上げなかったということは、全くそのとおりでございまして、この事実をきちんと踏まえまして、これを謙虚に反省する必要があるというふうに考えております。

今後につきましては、粒子状物質を対象に加える、あるいは事業者を指導する仕組みをきちんと強化するといった改正をお願いいたしまして、また、その他総合的な対策を講じることによりまして、この環境基準の達成が可能となるように全力投球をすることが環境省に課せられた責務であるというふうに考えております。

武正委員
きょうは、三省庁さんというか二省庁さんですね、国土交通省に運輸省、建設省が統合されましたので、経済産業省さんを含めまして政府参考人の方にお見えいただいております。

先ほど長浜委員から話が出ました覚書は、今改正案についての覚書でありまして、私が今取り上げさせていただきますのは、現行NOx法、平成四年時の覚書について質問をさせていただきたいと思います。
まず、これは、旧通産省さん、現経済産業省さんでございますが、平成四年三月十二日付環大規第四十二号、四立局第九十八号という覚書、旧環境庁さん、旧通産省さんに関してお尋ねをいたします。  

これを読み上げさせていただきますと、この二項目、三項目で、
「環境庁は、都道府県知事が総量削減計画において、国の個々の施策による窒素酸化物の削減目標、予想削減量その他これらに類する数値を記述しないよう必要な指導を行うこと。」
環境庁は、都道府県に、国の個々の施策によるNOxの削減目標、予想削減量その他これらにたぐいする数値を記述しないよう指導しなさいということですね。

それから三項目めは、
「法律案第七条第二項第五号に定める「計画の達成の期間及び方途」の「方途」には、事業所管大臣の所掌に属することに関し、知事が事業者に指導助言、要請等を行うことは含まれないこと。環境庁は、その旨を都道府県知事に指導すること。」
というこの覚書の二項目め、三項目め、これで現行NOx法、環境庁さんと旧通産省さんがやってこられたと思うんですが、この趣旨と目的とこれを締結した理由をお聞かせいただけますでしょうか。

■長尾政府参考人
お答え申し上げます。
今、覚書の二点について御指摘がございました。
この二点につきましては、現行の自動車NOx法の国会提出に先立つ平成四年三月の時点におきまして、総量削減計画において言及される可能性があった国の施策のうち、車種規制以外の個々の施策につきましては、窒素酸化物の削減量の算定が困難であるものが多いことから、そうした施策について、実現可能性などを考慮せずに削減目標量が割り当てられるといった状態を避けることが適当であると考えたこと、

それから第二点目に、事業者に対する指導及び助言につきましては、同法第十三条第四項におきまして、事業所管大臣が行うことができることとされ、また、同条第六項におきまして、都道府県知事は、必要があると認めるときは、環境大臣に対しまして、事業所管大臣が指導等を行うよう要請することを求めることができるとされていたこと、こういったことを考慮いたしまして、環境庁と通商産業省との間で確認したもの、そういうふうに承知しております。

武正委員
同じく環境省さん、この目的、そしてまた理由、これについてお答えいただけますか、趣旨も含めて。

■松本政府参考人 
御指摘の旧通産省と環境庁との間の文書でございますけれども、御指摘のありました第二項につきましては、個々の施策については、車種規制以外は窒素酸化物の削減量の算定が困難であるものが多く、算定困難な施策について実現可能性等を考慮せずに削減目標量が割り当てられるといった事態を防ぐためのものでございます。

もう一つ、第三項は、現行法で事業所管大臣が事業者に指導助言を行うことができるということとなっておりましたので、それに伴うものでございます。

なお、付言させていただきたいのでございますが、前者、すなわち二項に関係するところでは、総量削減計画に関するものでございまして、平成十一年の地方自治法改正に伴って機関委任事務が廃止され、従前は、NOx法の仕組みは機関委任事務でございました。
ある意味では国の手足で自治体にお願いをするという仕組みであったわけでございますが、平成十一年の地方自治法改正に伴って機関委任事務が廃止され、さらに、今回の改正法案で、総量削減計画の策定事務は自治事務に位置づけることと再整理をいたしました。

そして、総量削減計画につきましては、都道府県知事が個々の施策ごとの削減量を定めるかどうかを含めて、その判断でそれぞれの地域の実態を踏まえて、よりきめ細かいものを定めることができるようになったわけであります。

そして、三項の方でございますが、事業者指導に関するものでありますが、改正法案では、事業者に対する指導等は都道府県知事が行うこととされたということでございますし、そういう実態面からもいたしまして、これらの覚書については既に効力を失ったというふうに整理をいたしております。

武正委員
私の目的は、なぜ現行法がうまく機能しなかったかということでございますので、今法案についての御答弁は後ほどにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

まず、二項目めにつきましては、都道府県知事が総量削減計画について、国の施策に対して数値を記述しないようというような指導でございまして、後ほど御提案をさせていただきますが、今回、都道府県に総量削減計画をしっかりやるようにというような今の御答弁でありましたが、私は、これからやはり国も総量削減計画というものをつくって、国も同じく責任を持っていくべきではないかなというふうに思っております。

環境省さんが頑張ってリーダーシップをとっていただくについても、さまざま他省庁さんとの連携が必要でありますが、そのときに、国も総量削減計画を定めるんだということが必要ではないかなというふうに感じております。  

続いて、国土交通省さんにつきましては、平成四年三月十三日付環大規第五十四号、自企第三十二号の第二項を読みますと、
「環境庁は、法第七条第一項の総量削減計画の策定に関し、次の事項を関係都道府県知事に対して指導すること。1総量削減計画において定められる方途は、「施策」を定めるものであり、個別事業者が講ずる措置を直接掲げるものではないこと。2総量削減計画に定められる方途には、個別施策ごとの自動車排出窒素酸化物削減目標量及び達成水準の目標は定めないこと。」
この覚書の趣旨、目的、そして定めた理由、国土交通省さん、お答えいただけますでしょうか。

■宮嵜政府参考人
御指摘のございました覚書でございますけれども、これは、自動車NOx法が新たに制定される法案でございましたことから、この条項の解釈、運用に関して、法案作成を担当された環境庁の方から御説明のあった内容について、政府部内における共通の理解として文書で確認したものであると承知をしております。

武正委員
同じく環境省さん、お答えいただけますか。

■松本政府参考人 
御指摘の文書に関してでございますが、第二項の1につきましては、現行法では、個別事業者の講ずる措置は事業所管大臣が定める指針で明らかにされるものでありまして、その切り分けを明らかにしたものであります。  

2でございますけれども、個々の施策については、車種規制以外は窒素酸化物の削減量の算定が困難であるものが多く、算定困難な施策について、実現可能性等を考慮せずに削減目標量が割り当てられるといった事態を防ぐためのものであると考えます。

武正委員
二項目めの一項につきましては、これはまた後ほど、あるいは長浜委員も取り上げましたが、自動車運送事業者等に対する指導助言は、都道府県知事ではなくて国土交通大臣が行うことになっているということで、本法案でも相変わらず、個別事業者が講ずる措置というものは環境省あるいは都道府県知事から国土交通大臣というような形になっているわけでありまして、この問題点は引き続き引きずられているというふうに認識をしております。  

続いて、平成四年三月十二日付、環大規第四十号、建設省道政発第二十七号の点につきまして、同じく国土交通省さんにお伺いをいたしますが、旧建設省さんでありますが、この第二項でありますが、
「「必要な資料」及び「説明」には、環境影響評価に関する資料などの個別・具体の道路事業に係るものは含まれないこと。」
これが二項、三項でありますね。

そして四項では、
「法第十四条第二項の規定により都道府県が述べる意見には、道路構造等個別・具体の道路事業に係るものは想定されないこと。 なお、都道府県が道路管理者に意見を述べる場合には、事前に当該道路管理者に協議するものとする。」

五項として、
「上記三及び四については、環境庁は、通達等文書をもって都道府県を指導すること。」
ということでございますが、同じくこの趣旨、目的、そして理由をお答えいただけますか。

■大石政府参考人 
平成四年の自動車NOx法制定時の覚書につきましては、昭和五十九年八月二十八日に閣議決定されました環境影響評価実施要綱に基づく環境影響評価の手続において、個別具体の道路事業に対して関係都道府県知事または環境庁長官が意見を述べる手続が定められていたところであります。
このため、自動車NOx法第十四条第一項と環境影響評価実施要綱との重複が生じないよう、環境庁との間で整理したものでございます。  

また、都道府県が道路管理者に意見を述べる場合に事前に協議することといたしましたのは、都道府県が述べる意見の内容に道路管理者が円滑に対応できると考えたためでございます。  
第五項は、自動車NOx法を所管する環境庁が、都道府県に文書でもって指導することを確認いたしたものでございます。

武正委員
同じく環境省さん、お答えいただけますか。

■松本政府参考人 
御指摘の文書でございますが、第二項から第五項に関してでございますが、昭和五十九年のいわゆる閣議アセス、これに基づきます環境影響評価の手続によりまして、個別具体の道路事業は環境配慮が行われることとなっていたことから、現行法の第十四条第一項との重複が生じないよう、閣議アセスの仕組みで行うことと整理をしたというのが趣旨でございます。

武正委員
これは平成四年のときの覚書でございまして、今のお話の中では、車種規制以外の総量削減についてはわからないというようなことで、それは削除しよう、それは盛り込まないというような形の答弁があったわけでありますが、これでは実効性が上がらないのは申すまでもない点でございます。

また、都道府県の自主性というような形、一生懸命都道府県は頑張ってくるわけなんですけれども、都道府県に対して旧環境庁から通達のような形で各省庁の意向を伝達する、こういったやり方もいかがなものかというふうに考えております。

そういった中で、今回の法改正では、今取り上げました三つの覚書のうち、特に国土交通省さんの平成十三年三月二日付環管自第十九号のみが残っているといったことになっておりますが、これが今国会でまた問題になりまして、先ほど破棄をしたというようなお話がありましたが、なぜこれだけが今改正で、三月二日時点で残ったのか、国土交通省さん、お答えいただけますでしょうか。

■大石政府参考人 
平成十三年三月二日付の文書は、環境省から国土交通省に発出された文書でございますが、この文書の第一項、第二項の趣旨は、いわゆる改正自動車NOx法に基づく事業者による排出抑制措置と道路管理者が行う道路管理に関しまして、道路管理に影響が及ぶことは通常想定しがたいこと、仮に道路管理に支障を及ぼすおそれがある場合には、関係者間で相談することが望ましいこと、また、その旨を周知することとしたものであると環境省から聞いております。  

第三項の趣旨は、環境影響評価法の対象となる個別具体の道路事業については、同法に基づく環境影響評価の手続により環境配慮が行われることとなっていることから、改正自動車NOx法との重複を避け、円滑かつ適正な法の執行を行う必要があるということを示したものであると環境省から聞いているところでございます。  
なお、本文書につきましては既に撤回されているというのは、先ほど申し上げたとおりでございます。

武正委員
今撤回されていると申されましたけれども、これについては、このときの結んだ趣旨を撤回して、これで環境省さんとはこういった趣旨では覚書はもう必要ない、環境省を中心として自動車NOx法、今改正案で取り組んでほしいということで国土交通省さんとは了解をされたということでよろしいんでしょうか。

■大石政府参考人 
今回の文書の撤回につきましては、環境省から、法律の運用に特に影響はなく、今後代替措置も行う必要がないものと聞いておりまして、国土交通省といたしましてもそのように認識をいたしております。  
なお、環境省から、法律の運用に関しまして問題が生ずれば、その時点で国土交通省と相談し問題の解決を図りたいという意向を聞いております。

武正委員
同じことを環境省さん、お答えいただけますでしょうか。今、特に問題があればというような御発言もあったのですけれども、その点も含めて御答弁をお願いします。

■松本政府参考人 
参議院環境委員会での審議を踏まえまして、条文及び国会審議に反する覚書は破棄をいたしますという環境大臣の委員会での発言を受けまして、六月一日付で当該文書については、もともとの文書が、これは、私ども環境省の環境管理局の担当課長名で国土交通省道路局の複数の担当課長あての文書でございますので、一方的な文書でございますので、こちらから、当該課長から撤回をするという形でいわゆる実質的に破棄をしたということでございまして、今後は、まさしくNOx法の条文に沿って運用する、文字どおり運用していくということであろうと思います。  

それから、一般論といたしまして、いろいろな行政執行のところで、何か問題があれば必要に応じて関係省庁と相談をするということは当然だと思います。

武正委員
今の最後の答弁で、必要に応じてとか、先ほども国土交通省さんから、何か問題があればといったところがありましたが、これまでの環境庁さん、今の環境省さんの対応が、そういった意味では他省庁に対して非常に遠慮をしていたというような感じがあったわけであります。 ここまでの質疑を通じて、私はやはり、この覚書を平成四年NOx法で結び、今話しましたように、他省庁の意向を都道府県知事に伝える、あるいは総量削減計画については、車種規制以外はわからないということでこれは除外しているといったこれまでの覚書に基づいてきたために、結局はNOx法は効果を上げられなかったのではないかというふうに考えますが、環境大臣の御所見を伺います。

■川口国務大臣 
現行のNOx法の目標が達成できなかった理由といたしましては幾つかあると思いますが、一つは、車種規制による対策の効果が交通量の増大で減殺をされてしまったということがあるかと思います。
それから、事業者の自動車使用の合理化に関する事業所管大臣による指針、それからその指導の仕組みが必ずしも十分に機能しなかったといったこともあると思います。  

そういった要因によりまして、現行の自動車NOx法で目標が達成できなかったというふうに考えておりますけれども、仮に、御指摘のような覚書の項目によって法律の適切な施行が妨げられるということがあったといたしましたら、これは率直に反省をいたしたいと考えております。  
改正法案が成立をしました暁には、その実効が上がりますよう、今後、国会での御審議の趣旨を十分に体しまして施策に取り組んでいきたいと考えております。

武正委員
一点目は、参議院でも青山参考人も指摘をされていたようでありますが、特に東京都などは、自動車交通量は平成二年から九年まで二%しか伸びていないというようなことがありまして、これは、自動車の交通量とは因果関係は必ずしもないのではないかというようなことの指摘。

二点目につきましては、先ほど国土交通省さんに対して申しましたように、今改正でも、事業所管大臣、国土交通省さんのみこの自動車運送事業者に対して残っているということでは、この点が改正されていないということは、やはり今改正でも問題点は継続しているというふうに考えるわけでございます。  

さて、この附則第三条にNOx法の中間見直しということがございますが、これはいつ行うのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。

■川口国務大臣 
中間見直しにつきましては、附則第三条におきまして、自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質の総量の削減に関する目標の達成状況に応じて、改正法に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるというふうにしております。  

中間見直しを具体的にいつ行うかにつきましては、中環審の答申におきまして、計画期間の中間時点で行う必要があるというふうにされておりまして、その趣旨に沿いまして、おおむね五年程度を目途といたしまして適切に行ってまいりたいと存じます。

武正委員
これも参議院の参考人質疑の中で青山参考人が述べているように、進捗管理、目標管理、中間見直しというような形で、今五年というお話がありましたが、データは毎年それぞれ上がってくるわけでありますから、それをもとに毎年進捗管理や目標管理を行っていく、それで、絶えず見直しを前倒し前倒しで行っていくべきではないかなと。
五年ということが挙げられましたけれども、それが四年だったり三年だったり、その状況に応じて適宜適切に見直していくべきではないかなというふうに思っております。

特に、後ほど話が出ますけれども、ディーゼル排気粒子のリスク評価について、ディーゼル排気微粒子リスク評価検討会が過日、中間取りまとめを発表しております。これが最終的な結果として、先ほど来話が出ておりますが、特にディーゼル車のSPM、これが健康に及ぼす評価、発がん性ですとかあるいはアレルギーですとかぜんそくですとか、こういったものが因果関係が明らかになった場合、法改正の必要もあるのではないかなというときには、私は、やはりこの見直しも五年ということに限らず行うべきではないかなと思うのですが、この点、お答えをいただけますでしょうか。大臣、お願いします。

■風間副大臣 
現在、環境省では、新長期規制、平成十七年まで決めるためのリスクの評価を行っておりまして、いわゆるディーゼル排気粒子の健康リスク評価検討会を、今専門家から成る検討会を設置いたしまして、十三年度末をめどに検討結果を取りまとめておるわけでございます。

先ほど答弁でも紹介させていただきましたように、平成十一年度から、ディーゼル排気粒子を含むいわゆる微小粒子につきましても、健康影響に関する知見の収集、充実に努めておりますから、今先生がおっしゃいましたように、必要なデータがきちっと出て、なおかつそれに対して影響が与えられるおそれがある、あるいはおそれが生じたということになれば、中間であろうが何であろうが、NOx法の見直しについては当然踏み込まざるを得ないという意味で、必要とあらば、そういう観点からも、自動車NOx法の必要な強化に努めてまいらなければならないというふうに思っているところでございます。

武正委員
副大臣から大変前向きな御答弁をいただきまして、これは本当は質問は後の方だったのですが、法改正ということでここで急遽入れさせていただきまして、お答えをいただきましてありがとうございます。
後ほどまた話が出ますけれども、医療の立場から副大臣には大変この分野で、特にこれはまた厚生労働省さんとも御協議が出てくるのかもしれませんが、ぜひ――私も中間取りまとめを読みましたが、かなりいろいろな形でやはり影響について書かれております。
ですから今のように、法改正は何も五年の中間見直しに限らないという積極的な、前向きな御答弁をいただきまして感謝を申し上げる次第です。

続いて、自動車排出ガス測定局についてお答えをいただきたいと思うのですけれども、尼崎の公害認定患者の六分の一が周辺地域に集中する尼崎市東本町交差点に大気測定局を設置するように公害認定患者が申し入れたところ、環境省は、同交差点に設置したいけれども、国土交通省さんが同じ場所で独自に測定局を設置すると拒否をしている、両省間で調整を進めているんだよという話があるということで、これは既に参議院の方でも質疑に出ていたようでございますが、この測定局の設置、先ほど、道路管理者ということで、今回の覚書はもう破棄をしたということでお答えがありましたけれども、まず環境省さん、この測定局の設置について、道路管理者である国土交通省さんあるいは都道府県との間で、どこに測定局を置くのか、だれが置くのか、お互いにまたデータをどういうふうにやりとりするのか、こういった点での連絡、協議、協力といったものは行われているのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

■松本政府参考人 
一般環境大気の測定あるいは自動車の道路沿道におきます排ガスの測定、これは、第一義的には地方公共団体が測定局を設置して測定をしていただくというのが基本でございます。
大気汚染防止法に基づきまして、そういう形で測定をしていただいておる、必要な測定機器の補助などは環境省が行う、こういうことでございますし、また、そのデータについてはすべて環境省の方で集約をして、取りまとめて公表していくという形になっております。  

それから、数は少ないのでございますが、環境省みずからが国設の測定局を設置している場合がございます。これは、日常の大気環境の測定というよりは、むしろこれからの、特に例えば有害大気汚染物質についての施策をさらに展開していくために必要なより精密なデータを把握するというような観点から、独自に国設の測定局を設けるという場合がございます。
これもまた、当然データについては毎年公表をしているということでございます。  

そして、国土交通省さんの方では、いわゆる道路管理というお立場から、道路沿道の大気環境の測定をより本格的に開始されるというふうに承っておりますけれども、その実施に当たりましては、両省間でいろいろな意味での連携を図りながら、そして、自治体、国土交通省とも今後はデータをきちっと共有できるような方向で努力をしていきたいと考えております。

武正委員
同じく国土交通省さん、御答弁をお願いいたします。

■大石政府参考人 
ただいま環境省の方から御答弁がございましたように、大気環境に関する測定局の設置は、これまで、大気汚染防止法に基づき、主に地方公共団体が設置してきたところでございます。  
国土交通省では、先生も御指摘ございました最近の裁判の状況でありますとか、あるいは大気環境等々を考えますと、道路管理の一環として測定を行っていく必要があるという認識に立ちまして、平成十三年度から、環境対策の企画立案や評価のため、全国の直轄国道で測定局を設置するということといたしたものでございます。
そのデータ収集を行ってきておるところでございます。  

具体の測定局の設置に当たりましては、測定場所、測定項目について環境省、地方公共団体と調整することといたしておりまして、そこで測定した結果につきましては、公表するとともに、環境省、地方公共団体とも共有できるようにしてまいりたいと考えております。

武正委員
今の御答弁の、その調整というところがやはりくせ者でございまして、いい意味での調整ならいいのですけれども、先ほどの尼崎のように、拒否をするというような調整では困るわけであります。
先ほど、もう覚書は破棄をされたわけでありますので、このNOx法改正に当たって、ぜひ環境省さんが測定局をこことここにつくろう、あるいはつくりたいというようなときに、よし、ではそこでつくってください、あるいは、では国土交通省もここはつくりますよというような形での前向きな調整をしていただきたいと思います。

次に移らせていただきます。
お手元にこのような資料を、委員長あるいは理事の皆さんのお許しを得て配らせていただきました。
これは本当はカラーコピーがよかったのですけれども、ちょっと予算の関係もありまして白黒コピーで事務所でつくりましたので、ちょっと見にくい点はおわびを申し上げますが、今回の改正に当たって、ちょうど平成四年のときに、同じく特定地域をつくったとき、これはその指標の、二倍、三倍、四倍というふうに書いてありますが、当時は二倍というエリアで線引きをいたしました。

今回も、特に関東圏それから関西圏は同じエリアでございますが、前回は二倍で算定をしたエリアということだったのですが、今回はそのエリアが三倍から四倍というような形で、同じエリアにある面押し込んだというようなことになっております。
名古屋地域が今回加わったわけでありますが、前回と同じく二倍超といったエリアはこのように拡散をしていることをおわかりいただきたいということで出させていただいたわけであります。

算定方法は、保有台数密度、走行量密度、粒子状物質排出量密度ということで、平成四年当時は二倍ということで算定をした。
今回は、同じエリアに限る、名古屋地域が加わったとしても、関東、関西は同じエリアということで、同じエリアに押し込むために、三倍から四倍ということで何とか押し込んでいるわけですが、平成四年当時と同じ二倍という算定ですと、このように地域が拡大をしているわけであります。

まず、なぜ三倍から四倍に今回その根拠を緩めたか。前回は二倍であったわけですが、その理由を、大臣、お答えいただけますでしょうか。

■川口国務大臣
浮遊粒子状物質の対策地域の選定に関しましては、窒素酸化物のように濃度予測の手法が十分でないということから、中央環境審議会の答申におきまして、環境基準の超過状況を的確に反映できる指標を選んで、これを基礎として地域を選定するという考え方が示されております。

先ほど委員がおっしゃられましたように、自動車保有密度、走行量密度あるいは粒子状物質排出量密度が、答申におきましては、全国平均の三倍から四倍を超過すると、環境基準を超過するおそれのある地域をほぼ捕捉できるということが示されておりまして、これらの要件を基礎といたしまして地域を選定するというふうに考えております。

対策地域の選定に当たりましては、関係自治体の意見を聞く必要がございます。環境省といたしましては、こうした考え方に沿いまして、今後、関係自治体とも相談をいたしまして、地域の範囲の確定作業を行ってまいりたいと考えております。

武正委員
中環審に対しましては、さまざまな都道府県、自治体からも意見が出されておりまして、民主党でもワーキングチームで、東京都、埼玉県、川崎市の方においでをいただきました。
その中でも、やはり他県から流入してくる通行車の取り締まりが正直悩ましいというようなこと、不適合車に対して関所を設けて取り締まることは困難であるからというようなこと、東京都さんはこれで監視員を設けたりして努力をされておりますけれども。

あるいはロードプライシング、都知事の方でそんな発言も出ているわけであります。埼玉県では、県外から流入してくるディーゼル車が全交通量の一三%ある、この取り組みが課題なんだと。SPMの環境基準達成率二・八%、全国最低の埼玉県であります。
川崎市に至っては、川崎市は東京と横浜の中間に位置しているため、通過交通量が全体の三分の一になっているということであります。

今、大臣の方から、都道府県に頑張ってもらう、あるいは都道府県と協議しながらしっかりと進めていくという御答弁でありましたが、既にもう中環審にはこのような意見が多数寄せられておりまして、やはりその流入車規制ということを考えたとき、まずこのエリアを、特定地域をもっと拡大すべきではないか、二倍にすべきではないかというのが一点、この理由であります。

それから、また後で触れますけれども、百歩譲ってというか、特定地域というのはいろいろ車種規制とか厳しい面がありますので、それを譲ったとしても、今のちょうど二倍超のエリアを、自動車の交通量の交通対策計画というような位置づけにしてもいいんじゃないかなというふうに考えております。
これについては大臣の方からお答えをいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕

■川口国務大臣 
先ほど委員から、二倍に広げてというようなお話もございましたけれども、やはりNOx法の効果を着実に上げるということのためには、市町村がまとまりを持って存在する必要がある、その地域を対策地域に指定する必要があるということでございます。  局地的に大気汚染がある仙台あるいは福岡といったような地方都市につきましては、改正NOx法を適用しても実効性が低い、むしろそこは別な手法でやった方がいいのではないかというふうに考えております。こういった地域では、例えば単体規制の強化あるいは最新規制適合車への代替促進といったような施策を講じてまいりたいというふうに思います。  都道府県が総量削減計画を策定するということでございますけれども、やはりその地域の実情というのは都道府県が一番よくわかっているということでございますので、先ほども申しましたように、国と地方公共団体と密接に連携をして、協力をして施策をやっていく必要があるというふうに考えております。

武正委員
質問を飛ばしてしまったりして、大臣の方でもちょっと混乱をされたかなと思うのですけれども。 次の、総量削減計画、今、県がというお話でございましたが、先ほど来私が話をしておりますが、都道府県にあってはこのように流入車があるわけです。

そこでNOxあるいは今度SPM、その総量、あるいはまた環境基準達成、しっかりやれよということで今度の法改正になっているわけなんですが、ただ、本当に都道府県にとっては流入車が大変悩ましい。
あるいはまた、事業所管大臣、先ほどの国土交通省さんというようなことで、都道府県知事が運送業者に関してはらち外に置かれているというようなこともありますし、都道府県に頑張れよと言いながら、ただそれだけではなくて、また指針だけではなくて、やはり国も特定地域に関して総量削減計画をきちっと決めていく、国も責任を持つ、都道府県も当然当事者として頑張るというような形で、国も、指針ではなくて総量削減計画まで踏み込むべきではないか、責任を持つべきではないかというふうに考えますが、この点、大臣、御所見いかがでしょうか。

■川口国務大臣 
国も総量削減計画を策定すべきではないかということにつきましてですけれども、今の仕組みが、国は総量削減基本方針を定めまして、この基本方針に基づいて都道府県が、地域の実情を勘案して、あるいは地域の実情に即して総量削減を定めるということで施策を推進するという仕組みになっております。  

対策の推進という意味ではこの仕組み自体は有効であるというふうに考えますので、国がさらに総量削減計画を策定するという必要はなく、むしろ地域と協力をいたしまして実効性が上がるように努めていくということが必要であるというふうに思っております。  

それから、先ほど委員御指摘の交通対策推進地域でございますけれども、自動車NOx法に基づく対策地域は、自動車交通の集中などの要件を満たす地域を広域的に指定するということでございまして、関東地域でいえば、対策地域内を走行する自動車の約九割ぐらいを捕捉することが可能であろうというふうに考えております。  

この広域的な指定地域を対象といたしまして、総量削減基本方針あるいは総量削減計画に基づいて各種の対策をするという仕組みになっておりますので、その仕組みに取り組んでいくということで、交通対策推進地域として別途設定を考えるということなくして実効性が上がるような仕組みがNOx法で規定をされているというふうに考えております。

武正委員
まず、国がやはり計画をつくらなければ弱いというふうに私は感じておりまして、先ほど来の御答弁で覚書が破棄をされたわけでありますが、環境庁さんから環境省になってまだ日も浅いという中で、やはり環境省がリーダーシップを発揮するという意味でこの削減計画を国みずからつくっていく必要があるというふうに再度申し上げさせていただきたいと思います。

また、交通対策推進地域についての提案でありますが、先ほどの、前回も二倍でやっているから二倍とすればもっと広がらなきゃいけない、それから、流入量に対しては今の特定地域ではとても無理ですよといったことも含めて、やはり今の地域を拡大しての交通対策推進地域、これが必要であろうというふうに考えるわけでございます。

さて、この総量削減計画を策定するに当たっては、NGOや住民代表、それから環境問題に詳しい弁護士さんなども加えるべきではないかなというふうに考えるわけでございますが、これは副大臣の方から御答弁をお願いいたします。

■風間副大臣 
御案内のように、第十条で、都道府県に、NOxやPMの総量削減計画に定められる事項について調査審議するため、「都道府県知事、都道府県公安委員会、関係市町村、関係地方行政機関及び関係道路管理者を含む者で組織される協議会を置く。」というふうに定めておりまして、そこで、いろいろ運営や組織に関する事項も含めて、削減計画に盛り込まなければならないことを決めておるわけであります。  

したがいまして、今先生御提言いただいております、ノーマルな意見だと思いますけれども、NGOや地域住民の方々の参加を求めていくということについて、これは都道府県に任せられておりますので、地域の実情に応じて府県をきちっと協議会に加えていって、協議に参加していただいて適切に対応されるものというふうに考えております。  
参議院の環境委員会の附帯決議でも、この項目についても、六項目めに挙げられておりますから、その趣旨も環境省としても尊重していかなければならない、このように考えております。

武正委員
今、そういった意味で、NGOを含めて地域住民代表をしっかり加えていこうということで御答弁をいただいたわけでございます。

続いて、先ほど来何度か取り上げさせていただいておりますが、今回の法律改正で、自動車運送事業者等に対する指導助言などは都道府県知事でなく国土交通大臣が行うことになっているが、こうした特例はやめて都道府県に行わせるべきではないかということでございますが、まずこの点、国土交通省さん、お答えいただけますか。

■宮嵜政府参考人 
道路運送事業者への指導についてのお尋ねがございました。  道路運送事業者は、自動車の使用自体が事業活動そのものでございまして、自動車の使用の合理化に係る取り組みは事業活動と一体不可分のものでございます。
また、道路運送事業者は、一つの地方自治体の管轄区域内で完結しない広範囲なエリアで頻繁に事業活動を行っているという実態がございます。  

したがいまして、このような実態にある道路運送事業者に対しまして適切かつ実効性ある指導を行うためには、事業活動全般に精通して、かつ広域の管轄区域を所管している国土交通省が指導に当たることが望ましいと考えております。  
国土交通省としては、これまでも現行法に基づく指針の策定のみならず、各都府県と共同いたしまして、自家用自動車については都府県、営業用自動車については国土交通省といった役割分担のもとに、各事業者における自主的な環境対策を定めた自動車環境対策計画の提出を求めるなどによって積極的に指導を行ってきたところでございます。  

今回の整理は、このような事業の実態とこれまでの指導の実績などを踏まえたものであると考えておりまして、地域環境の保全は国土交通省に課せられた大きな使命である、こういう認識のもとに道路運送事業者に対する指導に万全を期してまいりたいと思っております。  

なお、改正後におきましては、知事が必要があると認めるときは、国土交通大臣に対して必要な措置をとるべきことを要請することができるという仕組みを新たに設けることによりまして、国と都府県の連携を制度的にも担保いたしまして、効果的な環境対策の推進を図ることとしているところでございます。

武正委員
先ほども、国土交通省さんのみが覚書、平成四年に続いて平成十三年も出されているということを取り上げさせていただきましたが、運送事業者については、都道府県ではなくて国土交通大臣が行うことになっているということでありますが、こうした特例はやめて都道府県に行わせるべきではないかというふうに考えるのですが、今国土交通省さんの御答弁があったわけですけれども、今改正は、やはり現行法が削減できなかった、そういった厳しい反省に立って法律も出されているわけであります。

それと、環境庁から環境省にもなられました。まして、先ほど御答弁もありましたように、各省間の覚書も、今回取り消すというか無効というか、破棄をしたというような形で、これは小泉内閣、そしてまた環境大臣のやはり姿勢を強くあらわしたことだというふうに思うわけですね。今回の覚書の破棄ということについては、多くの国民の方が、やはり環境省さんとしての取り組みに対して、その意気込みを高く評価していると思うわけであります。
今改正でも、相変わらず自動車の事業者に関しては、法律では国土交通大臣というような形になっているわけでありますが、やはり特例をやめて、これを都道府県知事に行わせるべきではないかというふうに考えるわけです。

これが今度の改正でなかなか難しいのだとしても、先ほど言ったように見直しがありますから、やはりこの見直しの中で取り組んでいくということも一つではないかなと思いますが、まず前段で、今の国土交通省さんからの答弁を含め、そして参議院で覚書を撤回、破棄をされた、その環境大臣としてこの点についての御所見を伺います。

■川口国務大臣 
自動車運送事業者については、ただいま国土交通省からお話がございましたように、現在ある既存の法制度は、国土交通大臣が業の許認可を行っているとたしかおっしゃったと思いますけれども、そういった既存の法制度にかんがみ指導を的確に行うという観点から、国土交通大臣が指導を行うことが適切だというふうに私どもも考えております。  
なお、都道府県との関係でございますけれども、事業者から国土交通大臣に提出をされました計画、報告はすべて都道府県知事に送付をされます。

また、都道府県知事は、必要に応じまして国土交通大臣に対して、自動車運送事業者に対する指導等を行うように要請をすることができるということとされておりまして、都道府県知事が主体的な役割を果たしながらこの制度を運用できる仕組みがございます。  

なお、その覚書につきましては、これは参議院で申し上げましたように、国会の御審議あるいは条文に反するような覚書というのは存在してはいけないというふうに考えております。

武正委員
後段の方の質問もあわせて再度行わせていただきますが、この見直しが盛り込まれているわけでありまして、先ほど副大臣からは、五年に限ることもない、後ほど話がありますが、研究会の報告等、検討会の最終結果が出た段階でというようなお話もありましたが、そのような前向きな御答弁もいただいているわけです。

国土交通大臣のみ自動車運送事業者に対する指導助言を与え、都道府県は行わないというこの特例、これを法改正の見直しで取り組んではどうか。
これは、これからの進捗状況を、例えば毎年のきちっとした、先ほども申しましたように、進捗管理なども含めて行っていくべきではないかと思うのですが、再度この見直しでの取り組み、いかがでございましょうか。

■川口国務大臣 
中間的に見直しを的確に行っていくということは、この法律の実効性をあらしめるために非常に重要なことだというふうに考えております。
この中間的な見直しの過程で、目標に照らし、問題がある場合には、その原因についてきちんと把握をし、必要な措置をとっていくことが必要だと考えております。

武正委員
ちょっと質問通告にはないのですけれども、私は、自動車運送業者の方で、例えば零細なトラック運行管理者、要は運送業者の方、大変零細な事業者が多いといった点が、今回やはり国土交通大臣のみ外したような形、特例になっているというふうに理解するのです。

小泉内閣で、道路特定財源の見直しも骨太の方針の中で位置づけようという内閣でございますので、私はこの道路特定財源の見直しの中で、やはり環境省として、自動車運送業者の低公害車への買いかえ、こういった分野も、道路特定財源の見直しを行うのであれば一つの選択肢になってくるのかなというふうに思うわけです。

これはちょっと質問通告にはないので本当にお答えにくいかもしれませんが、せっかくの機会ですから、大臣、御所見を伺いたいと思います。

■川口国務大臣 
低公害車につきましては、小泉内閣のもとで、国の一般公用車については三年以内に低公害車にするということで取り組んでいるわけでございますけれども、国以外の地方公共団体あるいは一般の事業者におかれましても、できるだけ低公害車を使っていただく、あるいはそういう方向で大気汚染の削減を考えていただくための方策をとっていただくということが非常に重要であり、ぜひそういうふうにお願いをいたしたいと私どもも考えております。  

道路特定財源につきましては、今国土交通省あるいは財務省で御議論をいただいているというふうに私ども理解をいたしておりますけれども、環境省といたしましては、関係の各省が、環境にいいということを視点に置いてさまざまな施策を、引き続きといいますか、前よりも強力に考えていただけるということを願い、またそのように働きかけていきたいというふうに考えております。

武正委員
もう時間も限られておりますので、ディーゼル排気微粒子リスク評価検討会の中間取りまとめの方に移らせていただきます。

副大臣、粒子状物質なんですけれども、この五ページに、質量の大部分は、粒径〇・一から〇・三ミクロンの間にある、この範囲の粒子は、累積モードと呼ばれ、炭素質の粒子と吸着した有機物質が主成分であるというような形で書かれておりまして、核モード粒子は、通常、質量では一%から二〇%にすぎないが、粒子個数では九〇%以上を占めるということでございます。 粒子状物質の定義ということで、これまで十ミクロンというようなことが言われているわけなんですが、〇・一ミクロン以下がこのように多いといったことも含めて、これは既に検討会でも出ていることでございますが、SPMの粒子の見直しについてどのようにお考えでございましょうか。

■風間副大臣 
先ほども若干触れさせていただきましたけれども、いずれにしましても、微小粒子状物質については、平成十一年度から疫学調査と動物実験を用いてずっと調査研究をやっております。
ただ私、どのぐらいの暴露を含めた疫学調査かちょっと詳細に把握しておりませんが、微小粒子の量というのは極めてセンシティブな問題ですから、これは結構、相当マスも大きくしなきゃならないし、濃度それから暴露の期間もきちっとやらなきゃなりませんので、知見の収集に相当時間がかかるというふうに思っております。

もう一つは、平成十三年度を目途に、健康に関するリスク調査の検討結果をきちっと取りまとめて、それらを含めて相当の年月を要することは間違いありません。
しかし、できるだけ早い時期に微小粒子状物質の環境基準の設定ができるように検討していかなきゃならないというふうに思っております。

そうした検討と並行して、先ほども述べさせていただきましたように、必要があるというふうに判断できれば、これは直ちにまた改正法の見直しにも着手しなきゃならないというふうに思っておるところでありまして、そういう意味で、全体として自動車NOx法の強化を図っていかなきゃならないというふうに思っておるところでございます。

武正委員
今申し上げた本には、ぜんそくについても、有意に増加しているのが認められている、またアレルギーについても、鼻アレルギー反応を濃度依存的に増悪させる要因と考えられるというような形で既に中間取りまとめでも出ておりますので、ぜひもう今から手を打っていただく。
さらにまた、先ほどデータの知見を集めなきゃいけない、それへの取り組みをこの中間取りまとめでも出されておりますが、積極的に環境省さん主導でリーダーシップを発揮していただくことをお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 

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