【総務委員会】地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対する立場から討論

2003年03月03日

武正委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。
 現在の交付税制度は、余りに複雑、不透明で、受益と負担の関係があいまいであり、地方の国依存の大きな要因になっています。よって、地方交付税を抜本的に改め、簡素、透明で、かつ地方の自立を進める形の制度への転換が必要であります。
 政府も三位一体の改革を叫び、ことしは三位一体の芽出しをして変わったと主張していますが、交付税特別借り入れが続いていたり、後年度一〇〇%交付税措置の赤字地方債を加えれば対前年度比一兆一千六百億円余増等、それは見せかけにすぎません。
 以下、どこが見せかけであるのかを具体的に指摘させていただきます。
 義務教育費国庫負担金のうち、共済費長期給付及び公務災害補償に係る部分を一般財源化するとしていますが、三位一体の改革方針が明確になった上での措置ではなく、政府案は、とりあえず国庫負担を削減するというものにすぎません。平成十六年度以降の地方財源の手当てに至っては、今後の議論にゆだねられています。民主党は、真にひもつきでない教育一括交付金を提案していますが、それに比べ、政府案は、教育改革でも地方分権でもない、見せかけの芽出しと批判せざるを得ません。
 自動車重量税のうち九百三十億円を地方に分配し、高速道路と市町村道整備に半分ずつ使用するということも三位一体改革の芽出しとして高々と掲げられています。しかし、これでは、道路特定財源の一般財源化どころか、余剰分もすべて道路関係に回ることになり、道路族を喜ばせるだけになってしまいます。
 それに比べ、民主党予算案では、約九千億円規模の環境税を創設すると同時に、自動車関連諸税を整理して税収中立とすること、環境税収は新エネルギー開発普及等温暖化防止に有用な分野及び地方の道路整備財源に優先的に配分すること、国、地方における道路特定財源制度を廃止することを提案しており、真の改革に資する内容となっております。
 小泉内閣の地方分権改革が見せかけにすぎないことは本改正案からも明らかであること、民主党の改革案こそが真の改革につながることを最後に指摘し、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)

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