【総務委員会】郵政事業の民営化について

2003年10月03日

武正委員 
 民主党の武正公一でございます。
 今、玄葉委員から触れておりましたこの郵政事業の民営化について、まず冒頭お聞きをしたいと思 います。
 
大臣は、当初の記者会見では正直に難しいというような会見をされ、過日の予算委員会ではそれを訂正したというふうに私は理解をしておりますが、総裁選の公約を政権公約にすると明言をしている小泉首相、その政権公約では、平成十九年四月民営化をすると。来年の秋ごろまでに民営化法案をまとめ、平成十七年、通常国会に改革法案を提出する、これが総裁選の公約でありましたが、先ほど大臣言われたように、所信表明では「国民的議論を行い、」という文言が挿入をされておりまして、これはお得意の、総理・総裁の最初に花火を打ち上げておいてだんだん落としどころを探っていくやり方かなということで、この郵政事業民営化がどのように自民党の政権公約に盛り込まれるか注視をしておるんですけれども、具体的に総裁選の公約に示された十九年四月民営化、再来年通常国会法案提出、こういった年次を明示しての郵政事業民営化には賛成ということでよろしいでしょうか。これを、大臣と、郵政事業懇話会事務局長もお務めであった、今もお務めである山口副大臣にお伺いします。
 そしてまた、あわせて、来週の六日には自民党も政権公約を発表するということが新聞で書かれておりますが……(発言する者あり)まだですか。自民党政権公約委員会からどうですかと、担当大臣として、あるいは郵政事業懇話会事務局長でもある山口副大臣、聞かれたら何とお答えになるのか。
 年次を明示しての郵政事業民営化に賛成か否か、そしてまた、自民党政権公約委員会からお尋ねがあったときにどうお答えになるのか、これをそれぞれお答えいただけますでしょうか。

■麻生国務大臣 
基本的には、国民的論議を踏まえというところでやっていかないかぬと思っておりますが、期限を切るというのはマニフェストとしては正しいということを民社党が言っておられますので……(発言する者あり)民主党、済みません。十九年までと言って年次を切ってというのは、一つのやはり出口がそこに決められた上でやるという手法というのは、決して間違っているとは思いません。
 ただ、それまでにできるかどうかというのは、かなり膨大な、多分、法律としては、紙でいえばこんなものでおさまるかなと思うぐらいのものですから、それはなかなか簡単にはいかぬだろうなという感じはいたしますけれども、民営化という方向は、これは小泉内閣の方針として既に決まっておりますので、その方向で最大限努力せないかぬものだと思っております。

武正委員
もう一点。聞かれたら。

■麻生国務大臣 
政党の方から聞かれたらと。聞かれたら、小泉総裁の線に沿ってぜひということを言われる立場です。

■山口副大臣 
お答えをいたします。
 実は、私、郵政担当ではない副大臣でありますが、たっての御質問でございますのでお答えをいたしますが、私も内閣の末席を汚しておる一人として、当然小泉内閣の基本方針に従って懸命に努力をするということには変わりはございません。
 また、郵政事業懇話会というふうなお話がありましたが、私的な勉強会の事務局長をしておりますけれども、検討委員会の方からは何のお話もございませんし、党の政策を作成するこれまでのいろいろな経緯を考えてみますと、恐らく聞かれることはないだろうと思いますが、聞かれましたら、当然、今大臣がお答えをしたとおり、私も内閣の一員でありますので、そのように御返事をしたいと思っております。

武正委員
予算委員会で大臣は枝野議員の質問に答えて、「今、内閣の一員としては当然だと思います。」と、「今」というこの言葉がついているんですね。これをどのように理解するのか。
 今は内閣の一員としては当然だと思うけれども、例えば小泉内閣がかわったら、あるいは我々が主張するように政権交代したら、それはまた違いますよということでの今というふうに私は理解したんですが、これはいかがでしょうか。この「今」について御説明いただけますか。

■麻生国務大臣
 「今」について今お答えを申し上げますが、「今」という言葉を言ったのがそんな、ちょっと余りそんな意識なく今と言ったんだと思いますが、内閣の一員としてという意味だと、文脈からいったらそういう理解が正しいと思っております。
 内閣がかわったらということは、全然私は期待しておりませんので、その点は答える必要がないと思いますので、その前の方のときに、仮に小泉総理が別の方にかわられたらどうなるかという御質問だと思いますが、いつのころかは別にして、仮に、それまでに国民的論議を踏まえて、これは民営化の方でいいではないかということになっておるかどうかというところが一番大事なところだと思いますので、もし、その段階で、これは挙げて反対というようなことになっていたらともかくとして、何となく私は、いろいろなところの理解を得られるような経営内容の詰めが全然できていないまま民営化という言葉だけが先に行っているのは極めて危険なんで、世の中、民営化したら前よりよくなったということでないといかぬので、そこのところの論議がないまま事が進んでいますので、そこらのところは責任ある立場としては結構きちんと対応せないかぬと思いますので、国民的論議を踏まえ、いいという段階になった場合は、当然、今じゃなくて、そのときになっても民営化という方向で進めていかないかぬものだと思っております。

武正委員
この政権公約とも訳されているマニフェスト、既に民主党は発表しておりまして、十月五日の合併記念大会でさらに踏み込んだものを、大きなテーマのものを掲げようとしておりますが、このマニフェストというのを、政権公約というような今新聞の訳し方なんですね。民主党でもそういうふうに使っているんですよ。政権をとったら民主党はこれをやりますよという言い方で政権公約と。
 そうすると、小泉政権の間はこれは有効だけれども、先ほど私が言ったように、後者は否定をされましたが、少なくとも自民党の中でもし政権が小泉さんからかわったら、これはほごにしていいんじゃないかというふうに理解している方がいるんじゃないかというふうに私は思うんですが、そういったことはないですよね。
 先ほど、国民的議論とかいろいろ言われましたが、少なくとも総選挙に当たって政権政党が示した公約、マニフェスト、政権公約という訳し方もありますが、これは国民に対する約束である、もし自民党政権が万が一続いたとしても、小泉さんがかわったとしても、当然生きていくということでよろしいですか。

■山口副大臣 
武正先生、常識的にはやはり法律がその段階では通っていると思われますので、法律が基本的には成立している、その法律の前にという話になるとまた別の話かもしれませんけれども、常識的には法律が通っておりますので、法律が通っておった場合は、仮に政権がAからBさんに同じ党内で移ったにしても、それはそのとおり施行、実行していくことになると思っております。

武正委員
先ほど玄葉委員が、民主党はこのマニフェストをこれから全議員に、ある面、守ることを誓約、具体的にどういうふうにやるのかわかりませんが、署名をさせるかどうか、あるいは、署名をさせて、このマニフェストを我々は守りますよということで、それを条件に公認を与えるというようなことも検討されているんですが、自民党の政調会長としてやってこられた麻生大臣でありますが、今、自民党ではそういうような検討はされているのかどうか、教えていただけますでしょうか。

■山口副大臣 
昔、共和党でしたか、ニュート・ギングリッチというアメリカの人がいたんですが、今どうしたか、やめたかな、これが、国民との契約というのを、コントラクト・ウイズ・ザ・ネーション何とかいう、ちょっと正確な訳は忘れましたけれども、そういったのをやって、今言われたような話をされて、結果的に余りうまくいかなかったんです。
 ちょっと、内容が今どの程度詰まっておるか、正直、この四、五日、全くあれがわかりませんので、今の段階で党の中がどうなっているかということに関して、お答えをするべき資料というか情報を持っておりませんので、ちょっと答弁いたしかねます。

武正委員
民主党はそういう方向でやろうということでありますので、今回、自民党も大英断というか決断をされて、与党としても、きょう本会議で法律を通して、次期衆議院選挙で選挙期間中マニフェストを配れるということになるわけでございますので、主要大臣そしてまた前三役ということのお立場もありますので、麻生大臣にはぜひそういった、党として、このマニフェストをやはり各議員が守る、これを当然掲げて選挙を戦うということを自民党にもしっかりと働きかけをしていただきたい、このようにお願いを申し上げる次第です。
 さて、麻生大臣は、これまで政調会長としても盛んに、景気回復を優先しその後構造改革をと、自民党の二〇〇一年総裁選、小泉総理と争ったそのときにも掲げ、その後さまざま財政出動の必要性を言ってこられました。特に、ことしの三月には、予算委員会で予算案の審議中であったので、私どもの岡田幹事長からは当然、おかしい、この時期にという発言をしましたが、五兆規模の補正予算が必要、こんな発言もされたんですが、今もってそのお考えに変わりがないのかどうか。
 加えて、五兆補正予算であれば、その財源はどのように考えておられるか、お答えいただけますか。

■山口副大臣 
三月と比べて、この半年の間にある程度変わったものは株価だと思っております。また、資産価格の下げ幅が大分おさまってきたというところも二つであります。機械受注が大幅にふえて、結果として設備投資もふえてきたというようなのは、この半年間の中における景気状況の一番の違いだと思っておりますが、これはこのままほっておけばそのままずっといくような基調かそうでないかというところが、一番意見の分かれてしかるべきところだと思います。
 私の感じからいけば、株価が上がっているほとんどの理由は、外国人の買い、日本人の売りという形になっておるのが、あの株が上がっております大きな、きのう二百六十五円ぐらい上がっていましたけれども、また、そういった内容を見ますと、日本人の方はいま一つ行こうというところまで行っておらぬのかなという感じがしておりますし、機械受注がふえますと六カ月後には設備投資が上がってくるというこれまでの傾向値からいきますと、ほたっておいてもというほど力強いかといえば、そこまでは行っていないような感じがしますので、今の段階でちょっと判断を最終的に、三月に比べればよくなっていることは確かですけれども、だからといって、やめればいいかというのは、もう少し七―九の話が出てこないとちょっとよくわからぬかなという感じであります。

武正委員
財源についてはお触れになられませんが、私の言いたい点は、国債発行をこれ以上続けると、やはり国債の暴落、この危険がある。長期金利のこの九月の上昇、これをやはり大臣は、過去、九四、五年、五、六年ですか、いや、二パー、三パー大丈夫なんだよ、このような発言をされていますが、片や、内閣で竹中大臣は、やはりこの金利上昇のリスクということを指摘している。
 私もやはり、この長期金利のこれからの上昇、これに基づく国債の暴落、これの懸念が大変国債を持っている団体には、機関には大きいものというふうに理解をしておりますので、万が一補正予算を組み、五兆円の国債を発行した場合に、四八%の国債依存というような高い比率になってくる。来年度はもう五割を超えるんじゃないかとさえ言われている。これはもう異常な事態であって、やはり財政再建を進めなきゃいけないというふうに思うんですが、これまでの大臣の論調は、至って、財政出動すべしと。五、六年で、四、五年でよくなるよというような発言も二〇〇一年にされておりますが、果たして今御指摘のように、外国人投資家も売り越しに転じているといったニュースもきのう出ておりますので、今回の株価上昇はあくまでもリストラ効果であるという指摘もあるし、大企業はいいけれども中小企業、零細は泣いているよという指摘もあるわけでございます。
 そこで、この国債発行で、五百兆の発行のうちの郵貯、簡保の引き受けが百二十兆ということなんですね。四分の一なんですね。そうすると、これは民営化したとすると、では、国債をこれまで政府の意図どおり――民営化された会社は、国債引き受けを、嫌だよ、暴落したら嫌だよ、暴落する可能性があるから受けられないよ、こういった可能性というのは民営化の会社運営としては当然考えられるんですが、この点について、民営化すると国債引き受けを頼めないんじゃないかな、こういったところもあるんですが、この点はどうですか。

■麻生国務大臣 
国債発行額いわゆる五百四兆円というもののうちで郵貯、簡保は約百十四兆円ぐらいだと思いますが、これは、基本的な考え方は、政府に言われて強制的に買わされているわけではないので、自主運用の中から郵政公社が決めてやっておられるという形になっておりますので、預かっている金のもとが小口金融というか、小口の窓口からたくさん集めて、国民の小金をいっぱい集めているという立場でありますので、どこかの企業からまとめてどんと入ってきているという種類の預金とは違って、これは貯金ですから、そういった意味では内容が全然違うので、運用というのはよほど慎重にやらないかぬというのは基本的な立場だと思っております。
 そこで、いわゆる国債というのは、預かり金利が今御存じのように普通預金で〇・〇〇一ぐらいになっておりますので、その意味では、かたい運用というのであれば、基本的には、結構自由度が増した公社とはいえ、一番かたいのは、きょうが一・四ぐらいかしら、十年物国債、一・四ぐらいのところでかたい運用ができていくという意味におきましては、国債というのはやはり一つの大きな、郵便貯金側から見て買ってもいい商品、安全という意味におきましてはそういう商品なんだと思います。
 いずれにいたしましても、民営化するにしても何にするにしても、基本的に新しくなった郵便会社、郵政会社というところが、預金者への元利の支払いとかそういったことで心配が、いわゆる預金者が心配のないようにそれを運営せないかぬということになりますと、そういった意味では、確実に運用ができるという意味におきましては、国債というのは非常に大きな、安全なものとして、一つの買う場合においての対象として位置づけるであろうという感じはいたします。妙に利幅が出るからといってハイリスク・ハイリターンというのは、ちょっと郵便の金の運用としてはいかがなものかというのが率直な実感です。

武正委員
今の前提は、国債が暴落しないという、しかも国の財政がある面破綻をしない、未来永劫大丈夫だよという前提に立っての御発言というふうに理解しますが、私は、やはり国債の暴落の危険、そしてまた、今のこの、ことしもし補正を万が一組んだら五割になんなんとする国債の占める歳入割合、この異常さは、やはり日本がそれこそ破綻をする、しかねない、そんな危険があるという前提に立って、民営化したらそうした国債を新しい民営会社が買わなくなるんじゃないかというふうに思うからでございます。それで聞いたわけでございます。
 さて、昨年、政調会長として公社化法の改正に、担当政調会長として大臣や首相にかけ合った大臣の御発言がいろいろ出ております。郵政公社化法ではこんな報道もありまして、首相に、細かいことにはこだわらず、技術的なところは任せてほしい、首相がそれに対して、麻生さんが言われたので、それもそうだな、公社化法案、好きにやってくれ、任せます、こんな報道があったわけなんです。
 昨年、当委員会では、公社化法の改正で三点、ユニバーサルサービスと子会社への出資と、そして三つ目が、今四年間である面黒字が出た場合は、前四年間の黒字以上であれば国に納めますよという改正。当初は、この四年間で黒字が出たら国に納めましょうということだったんですが、それが改正されてしまった。
 今、中期目標では三兆九千五百億ですか、三兆九千億ですか。そうすると、今期が三兆九千億だ、来期は三兆八千五百億だったという形で減っていった場合、国に納めなくてもいい。しかも、基準額は計算すると六兆だと。要は、国に納めないで、それこそ、あのときは法案提出者八代委員が言ったように、まず資本額を、二百四十兆であれば十兆までふやしていきたいと。
 要は、やはりこれも、公社化あるいは改革、小泉改革と言いながらの、言葉は悪いですが焼け太り、あるいは郵政省がいわゆる省益の確保、看板のかけかえにすぎないんではないかというふうに思うんですが、当時は政調会長としてそれを、党側の要求をまとめて、総理からある面任せますという言質をとった担当政調会長、今大臣として、この公社化法三点の改正、特に私が触れた三番目、これは正しい改正であった、あるいは立場上やむを得なかったからやったけれども、やはり公社が国に国庫納付しないというのはおかしいなというふうに思っておられるかどうか、御意見を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕

■麻生国務大臣 
今、こういったものが仮に民営化をされるということになりますと、基本的にはBIS規定の対象になり得るということになる。そうすると、それの場合の自己資本比率は、国内だけでも四%。四%という基準がいいか悪いかはまた別の話ですよ。これは単なるBISの規定に金融庁が乗ってそれをやっているだけなので、これが本当に必要なものかどうかというのはこれまた意見のいろいろ分かれるところで、インターナショナルな商売をするのは八%はともかくも、ドメスティックな、リージョナルな、何とか言ったな、竹中さんはリレーションバンキングと言ったかな、ああいった地域をやるところのものは何もそんなのは関係ないんじゃないのということで、いろいろな意見が御存じのようにあるんです。
 今の現状でいきますと、郵政公社の自己資本比率は〇・三%ということが実態なんです。そうすると、やはり二百兆、三百兆の金を預かっているところの比率をそこそこ行かせるためには、六兆だ、七兆だぐらいの金がないと四%にならぬということになるんだと思いますので、民営化を前提ということになりますと、これは国が保証しているから〇・何%でもそれは安心感はあるでしょうが、それは考えたら日本銀行だって資本金は一億円ですから、そういった意味では、考えてみれば、国の保証がついているというのはすごく大きなものだと、私もそう思います。
 しかし、それがなくなって民営化されるということなのであれば、それはそれ相応の自己資本、資金というものを持ってないととても対応はできないということになりますので、途端に格付からいったらどおんと外れちゃうということになりかねないということになると思いますので、今言われた三番目に関して言わせていただければ、きちんとした、民営化された銀行に安心して今までどおり預金者が預けるようになり得るだけの信頼感を得ておくというのはとても大切なことだと思っておりますので、自己資本比率を上げるという方向は正しいと思っております。

武正委員 
まず前提として、国が保証すると安心だというのは、私はもう破綻をしかかっているというふうに思っております。先ほども触れました。具体的な例は地方三公社ですね。きょうも、読売さんか朝日さんか、見開きにどんとでかく出ていましたね。いわゆる土地公社あるいは道路公社等、不良債権の山ですよ。地方自治体で実際これが今起こり始めているんですね。地方自治体が保証してくれれば大丈夫だというのが、もう今まやかしになりつつあるんですね。
 私は、国も同じ道を歩んでいるんじゃないか。だから今こそ改革が必要であって、それは自民党という一つの政党の中で、改革派対守旧派でやっている場合じゃない。やはり二大政党で、国会の場で、こういった委員会の場で、残念ながら委員は出ておりませんが、こういった委員会の場でやらなきゃだめなんだよ、大事な話は。大事な話は党の部会でやるんじゃないよ。そのためにも二大政党が必要な、来るべき総選挙、テーマになってくると思います。
 さて、今のお話ですが、もう一点、BIS規制ですが、四%だったら、今の一・七兆の四パー、二十五倍、三十兆しか郵政公社は貯金を持てないんじゃないんですか。それ、逆なんじゃないですか。二百五十兆だから四%で十兆にふやさなきゃいけないんじゃなくて、一・七兆だから三十兆に減らそうよ、これがやはり今の国がとるべき道ではないかというふうに私は思う。だから分割論議が出てくる、これから郵政の民営化の中で、というわけなんですね。それが逆なんだ、二百五十兆を前提として、肥大化したこの郵貯、簡保の三百五十兆を前提として自己資本をふやさなきゃいけないという前提が違うというようなことを思うわけであります。
 さて、副大臣、お伺いしますが、九九年閣議決定、二〇〇〇年度から十年で公務員数、十年間で二五%減。平成十四年度末、そしてまた十五年度末、それぞれの結果と予想、お聞かせをいただけますでしょうか。

■山口副大臣 
確かにお話しのとおりのような目標ということで進めさせていただいておりますが、この閣議決定に基づきまして、毎年度、政府としての重要施策に対応しつつ厳しく定員の審査を行っておりまして、十四年度末までに二・四万人、四・三%の純減を達成いたしておりまして、十五年度末までに三・四万人、これは六・三%というふうなことになりますが、純減を達成することとなっております。
 なお、参考までに、実は、十六年度には、国立大学、国立病院・療養所が法人化をされますので、御承知のとおり、先般法律が通りましたので、十年、二五%純減の目標達成はまず間違いなかろうというふうに思っております。

武正委員
そうすると、郵政公社は削減の対象としてカウントしないということでよろしいですか。国家公務員のままですので。

■山口副大臣 
もともと郵政の職員は対象外ということでやっておりましたので、お話しのとおりでございます。

武正委員 
最後に伺いますが、きのう新聞で報道されておりますように、独立行政法人化、十月一日、三十四の特殊法人が三十二の独法になりました。トップ三十二人のうち八〇%超の二十六人が官僚の天下り、うち二十二人は前身の特殊法人からの横滑りということでございます。加えて、三年から五年内の経費一割カット、政府の指針に対して、削減率一〇%未満が十五あった、こういった報道があるんですが、相変わらず、独立行政法人といっても、役員が三倍になったという報道もあり、結局はやはり看板のかけかえ、見せかけというようなことが指摘をされるわけなんです。
 私は、やはり人事院のチェックというのが大変大事だと思っておりまして、それを、各省に天下りの許認可権というか許可を与えるのはやはり問題であろうということを思っておりますので、これについて、総務大臣、どのようにお考えになるか。
 あわせて、地方公務員の天下り規制は、国家公務員に比べて非常に甘いということ。そしてまた、いわゆる予算執行責任者に関する法律についても、国家公務員は適用ですが、地方公務員は適用外。地方分権を進める以上、地方公務員も国家公務員並みの厳しいいろいろな守るべきものがあっていいんじゃないかというふうに考えますが、以上の点、総務大臣、いかがでしょうか。

■麻生国務大臣 
幾つか御質問があったと思いますが、八割というところの話で、事実、数字からいきますとそういうことになって、いろいろ、緒方貞子さん初め幾つかの方々は民間、あの方も公務員かと言われると、国連の職員だったとかいろいろな言い方はあるのかもしれませんが。
 基本的には、適正な能力ということを探しますと、全く新しい、大きな独立行政法人のことに全く無知な人がいきなり入ってきてすぐできるだけの経営能力があるか。これは経営をしなきゃいかぬことになりますので、その点は適正な、選ばなくちゃいかぬところだとは思いますので、幅広く人材を探して、総務省としても、郵政公社に生田、これはたしか日本郵船の社長だったと思いますが、こういった人を探した、受けてきたというのが一つの例だとは思いますけれども、民間の方ですんなり来ていただく方もなかなかいらっしゃらぬということになりますので、そこらのところは、今後とも幅広く人材を集めるという努力は当然していくべきだと私も思っております。
 天下りの点につきまして、地方等の意見の差も出ておりましたが、上級職と言われる方々、国家公務員上級試験を受かった方々の話を聞きますと、今の慣例では、大体五十四、五歳でいわゆる肩たたきという形になっております。そうすると、大体定年、普通六十歳ということになりますので、四歳、五歳、六歳余して退職ということになりますので、そこで今言った天下り等々の話が出てくるので、逆にそこのところまで詰めておかないと、五十四歳で切られちゃうということを逆に六十歳まで残す前提でやりますと、その分だけの給与をある程度どこかでとめるとか、民間がやっているようなことを全部やるというのは、これは結構な、人事院としても大きな騒ぎになるんだと思いますが、この天下りというのは、そこの問題も含めて全体として、人事院含めていろいろなところで、公務員制度の改革の中で考えていかねばならぬ大事な点だ、私どももそう思っております。
 済みません。日本郵船じゃなくて、商船三井でしたね。済みませんでした。
 それから、地方公務員のことにつきましては、今お話があっておりましたけれども、これは、地方公務員の場合、直接監督の立場にあるところからいえばいろいろなまた意見が出てくるんだと思いますけれども、法律上は規制は設けられていないということになっております。
 そこで、いろいろなところで意見が出てきて、地方公務員の給与が一時期、ラスパイレス指数、特定の地域にいきますと一五〇だ何だという時代が、昭和五十年代前半、あの辺あったような記憶もありますけれども、今は随分変わってきて、地方公務員も、一〇〇より高いところは幾つかもちろんありますけれども、そういった形で随分変わってきたとは思います。ただ、地方には地方の言い分があって、安くしたのでは、とてもじゃないけれどもいい職員は来ない、全部国家公務員の方に行っちゃうんだという御説も、それはわからぬわけではありませんので、いろいろな点を詰めなければいかぬところだとは思っております。
 いずれにしても、こういったような公務員の給与とか採用条件等々含めまして、これまでの慣例というものに関していろいろ御批判のあるところでもありますので、そういったものを踏まえて対応していきたいと思っております。

武正委員
時間が来ましたので終わりますが、最初の御答弁は、天下り容認というふうにとらえかねない答弁ですので、御指摘をしておきます。
 以上であります。ありがとうございました。

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