2004年2月24日
【外務委員会北朝鮮による拉致及び核開発問題等に関する小委員会】
■武正小委員 民主党の武正公一でございます。
きょうは、参考人、御出席をいただきましてありがとうございます。
先ほど、我が党の増子委員から、三月二日、三名の韓国拉北者をこの小委員会に招き発言を求める旨の御紹介がありました。この三人には、鳩山由紀夫団長以下、韓国で会ってまいりまして、拉致された日本人は十五人程度でなく、五、六十人にも上る、必要な人間は必ず外に出さず、死亡したと公式に発表している、こうした発言がございました。
先ほど、横田参考人からはファン・ジャンヨプ書記についての御発言もありました。また、横田めぐみさんを見かけたという安明進さんと横田早紀江さんが会ったときに、安明進さんの家族のことも祈ってあげるわということで、安明進さんは顔を出して発言をするきっかけが横田早紀江さんのその言葉だったということも伺っております。
そうした中で、昨日、王毅中国の次官は、新聞報道によりますと、今回六者協議で拉致問題は余り取り上げるな、そういうような発言があったというふうに言われております。そしてまた、十八日、当委員会で薮中局長の出席を求め、参考人として質疑を行いましたが、そのとき、私はやはり、外務省がこの拉致問題の解決と日朝国交正常化交渉を同時並行で進めるような印象を持ちました。私は過日、二十一日、北京のシンポジウムでも、家族会も拉致議連も日本国民もやはりこの拉致問題の解決が大前提なんだ、外務省はどうかわからないけれどもというような発言を中国の皆さんの前でしてまいりました。
そういった意味では、先ほど蓮池さんも触れられたこの日朝国交正常化交渉、平壌宣言、経済協力ありきというような感じのこのことを急ぐ余り、拉致問題解決がおろそかになるという危惧を私は持っておりますが、ちょうど六者協議を前にして、政府や外務省が日朝国交正常化交渉を急ぐことがないように、拉致問題の解決があくまでも前提なんだといったことを再度御確認をさせていただきたいと思います。横田参考人。
■横田(滋)参考人
六者協議では、核問題ということは非常に重要なことですが、我々日本にとってみますと、それと同じぐらいに拉致問題の解決ということが重要なことだということはもう国民皆さんが思っていることだと思います。
それで、昨年の八月に開かれました第一回協議のときに、薮中局長から説明がございまして、帰国した五人の方が残してきた家族をまず日本に取り返す、そしてそこで日朝国交正常化交渉を始める、そしてその中で、死亡している八人等についての正確な情報を求める、そしてそれが、我々が納得できるような情報が入らなければ日朝交渉は妥結しない、したがって、経済協力も行われないというようなことの説明がございました。
それで、それまで我々は、日朝国交正常化交渉を始めるに当たっては、もちろん最初の八人の方の、家族の帰国とありますけれども、それにプラス死亡とされている人の情報もなければ入らないんじゃないかというようなふうには考えておりました。
それで、それは安倍当時の官房副長官のお話からそういうふうに思ったわけなんですが、実際、拉致問題の専門幹事会では、初めから、特に局長の話がありましたように、八人が帰れば国交正常化交渉を始めるというようなことが決まったそうです。
ですから、クアラルンプールで平成十四年の十月に開かれたときには、そういった条件が何にもなかったんで、むしろハードルを設けたんだというような説明がありました。
それでちょっと、我々は、そのことによって、八人が帰ることによって拉致問題はこれですべて解決したんだという幕引きをされるんじゃないかという心配もしたわけですが、そのときに薮中局長が日本側さえちゃんとやればそんな心配はないんだということをおっしゃったんで、早く八人の方に帰ってきていただくためにはそれがいいだろうということで了承いたしました。
ですから、家族としましては、現在の方式については、そのときの説明で納得しているわけでございますが、そのかわり、政府としてはぜひその発言を貫き通していただきたいと思います。
ですから、もし政府がその方針を貫き通すということであれば、我々の家族のように死亡したと言われている人のことについても、それの解決がなければ先方に対して経済支援協力なんかの前倒しは行わないということになっておりますと解決すると思っていますので、今のところは政府の交渉を信じているというところでございます。
■武正小委員 ありがとうございます。
|