2004年4月8日 【憲法調査会】
■武正委員
民主党の武正公一でございます。
非常事態と憲法ということでの小委員会の委員長報告がございました。
私も外務委員会の理事もしておりまして、当調査会にもその理事の方もいらっしゃいます。先般、尖閣諸島への中国人活動家による不法上陸に関しまして、私、民主党として、安保委員会の決議はあったれども、やはり、強制送還遺憾ということで外務委員会でも決議をすべし、こういった主張を理事会でもさせていただきましたが、残念ながら、与党の御理解を得られず、外務委員会では決議ができなかったわけであります。
その外務委員会での、今回の強制送還の判断、外務大臣に、関係各省庁あるいは沖縄県警等、相談はありましたかという質問に対して、一切相談はなかった、こういった答弁がされております。あるいは、外務副大臣を初め、これは沖縄県警が決めたことなんだ、こういった答弁が繰り返されております。
私はやはり、今回のこの緊急権、非常事態について憲法に記載をすべきかどうか、こういった議論が二人の参考人からあったわけなんですが、実は、現行憲法においてもやればできるということがやられていないというふうに思うわけでございます。
いわゆる危機管理、緊急事態において、すなわち、現場に行政機関は判断を任せる、現場で判断ができなくなってようやく上部の機関の判断を求める。これが阪神大震災以来繰り返されてきた我が国の危機管理体制の脆弱性でございます。今般の尖閣諸島の問題も、沖縄県警が決めたことだと。すなわち、判断は現場、責任は現場、こういった形では、日本の危機管理、憲法を改正して、あるいはさまざまな形でという前に、現行憲法下でできることが多々ある、それがやられていないということを指摘したいと思います。
既に中央省庁の改革等で、内閣府に関係各省庁の調整権と、ある面、首一つ上に内閣府を置いたんですが、それも実態としてまだまだ機能していないのが現状でございます。私はやはり、今のこの行政の仕組みの中でも、ある面、首相官邸が、首相がリーダーシップをとって、内閣官房からしっかりとそうした危機管理、緊急事態に対する対応、現行憲法でもできると。そのときに問題なのは責任の明確ということでありまして、やはり内閣総理大臣の責任において、内閣官房の責任において緊急事態、危機管理への対応をする。これは現行憲法下でも十分できることであって、それをしていくべきだというふうに考えております。
以上でございます。
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