2004年4月13日 【総務委員会】
■武正議員
まず、経済的価値をなぜ電波に認める必要があるか。先ほど昨年の片山大臣の御発言がありましたが、既に平成十三年四月十日、平成十四年四月二十五日、片山総務大臣は電波に経済的価値があることを認める発言をされております。しかるに、先ほどの総務大臣の発言は、総合的な判断ということで、私は後退したという印象を抱かざるを得ません。また、副大臣からも、公益性の方が大事、こういった発言も出たということで、総務省は、結局、電波に経済的価値を認めることすら後退し始めたと言わざるを得ないのであります。
電波の経済的価値を認めることとオークション制度の導入とは一体ではありません。オークション制度はそのうちの一つの方式でありますので、まず、電波に経済的価値を認めるというのは、国民共有の資源である電波を自己のために利用できる者に電波の有する経済的価値に見合った対価を負担させ、市場原理によって電波を能率的に利用するインセンティブを与える必要がある、これによって非能率な電波利用者の自発的退出を促すとともに、すぐれた技術を有するベンチャー等の新規参入を促進することができるというものであります。
また、新たな制度では電波利用料の額をどのように決めるのかということでありますが、これは、電波利用料の額は、周波数の帯域、空中線電力等を勘案して、電波の経済的価値が適切に反映されるような算定基準を総務大臣が省令で定め、これに基づいて各免許人の具体的な支払い額を総務大臣が決定することとしております。
□寺田委員 先ほどからオークション制度のことについて、大臣並びに総務省の方からは、値段が上がり過ぎたというヨーロッパのケースを持ってきて、オークション制度はだめだということをおっしゃられていたんですけれども、その一番の問題点、値段が上がり過ぎる、そういう点について、今回、提出者の方ではどのように対策を練られているか、お答えいただけますでしょうか。
■武正議員 そもそも、オークションを導入するというのは、先ほど言ったように、すべてにオークションを導入するわけではありません。 衆法提出者の方は、総務大臣が恣意的に、どこに導入するべきか、あるいは電波利用料は幾らか、あるいはどこの事業者に免許を付与するか、そういった恣意性をできるだけ排除しようということで、後ほど触れますが、三条委員会を考えておりますが、その三条委員会がオークション制度をどこに導入するか、どの電波帯であれば導入しても可能かということを決める。当然、公共性というものが電波にはございますので、その公共性にかんがみて、この電波帯であれば競争、競りをもって行うことは可能というふうに考えるところに行うものでございます。 オークションの対象は、免許そのものというよりも、やはり具体的には、将来与えられる免許の有する経済的価値の全額をもって競うことになりますので、個別に、いわゆる所有とか財産とか、そういったことはありませんし、また、既に委員会で出ております、既得権益化に対する不安というものが副大臣からも出ましたが、現状の方がかえって既得権益化しているのではないかというふうに私は思います。 そういう中で、導入によって値段が上がらないかという御心配でありますが、欧米では、第三世代携帯のことがあっても、結果的に、オークション制度は改善しながら続けております。アメリカにおいては、九三年から〇一年までに三十六回行っておりまして、九七年、それまでは例外とされたオークションを原則としております。また、イギリスも、〇〇年春にバブルがありましたが、〇一年六月、再検討。そして第三者委員会、OFCOMを設けて、スペクトラム・プライシングということで行おうということであります。 そして、先ほど来、欧米では事業が後退したようなことを言っておられますが、ではボーダフォンというのはどこの会社でしょうか。日本の会社を買収しているのは、それはイギリスですよね、ボーダフォンは。事業が後退しているどころか、世界的に進出をしている、こういったこともあるわけでございます。 そうした点から、この高騰という点でございますけれども、本案では、無線局の免許の申請前にオークションを行うこととしておりまして、これは、比較的先行投資が少ない申請前の段階でのオークションが競落額の高騰化を防ぐ点から適切と考えたことでありますし、違約金の性格を持つ競争保証金を納付することになっておりまして、もちろん、負ければ保証金を返す、こういったことでも高騰を防ぐ。さらに、自己都合でもう退出したいという人には返却しないよ、あるいは譲渡は不可能でありますよと。第二者、第三者に売買しちゃ困るよという発言がありましたが、それも不可としておりますので、高騰は防げるものと考えております。
□寺田委員 そういうことでオークション制度、本当に大変わかりやすい御説明をいただきました。 結局、そういうところでオークション制度のデメリットの部分を改善するような施策がなされている。結局、欧米で失敗した部分というものの悪いところ、改善すべきところを何かしら、免許そのものじゃなくしたり、譲渡しないようにしたりとか、そういう部分をいろいろ考えて一つのアイデアを出されていると思うんです。
そういうことに関して、先ほどからオークション制度はだめだとおっしゃられていた総務省の方、どなたでも結構ですので、今のお話を聞いてどのようにお思いになるか、お聞かせ願えればと思います。
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