国会議事録 衆議院本会議及び委員会での質問記録

2006年3月14日 【国土交通委員会】


武正委員 
  民主党の武正公一でございます。

 本日は、同僚委員のお許しをいただいて、また委員長初め理事の皆様には資料の提出も御許可をいただいて、質疑をさせていただきます。

 お手元の方に資料も用意をしておりますので、先ほども質問があったところから、特にまた、きょうは、政治家の議論、これがやはり国会の委員会の本旨であるということで、ぜひ、まず大臣にお聞きをしたいんですが、三問ほどちょっとお伺いをいたします。

 先ほども森本委員が聞いておりました、土木研究所と北海道土木研究所の統合ですね。理事長の任期四年は長くないか。

 また、お手元の方に資料を用意しておりますが、一番上が、土木研究所の今の役員四名の資料でございます。理事長に、理事一人、監事が二人。経歴を見ていただくとおわかりのように、理事長、理事が建設省、監事も建設省出身、お一人の監事、非常勤のみがニッセイ基礎研究所の社長さん。二枚目をごらんいただきますと、北海道土木研究所、こちらも理事長、理事、監事、お三方はいずれも北海道開発庁出身、非常勤の監事さんが新日本監査法人ということでございまして、この二つの法人が合わさって、理事長は一人だけれども理事は二人にというようなことになってきているようでありますが、なぜ理事を二人にするのか。

 また、今度合わさった新しい機構は、このように役員の四分の三が建設省あるいは北海道開発庁のOBのような人事になっていくのかどうか。

 以上三点、大臣の方からお答えをいただけますでしょうか。

北側国務大臣 
まず、任期四年の件でしょうか。

 これは、平成十三年四月の設立当初から四年となっているところでございます。

 土木研究所の業務の性格からしますと、基礎研究から始まりまして、現場の適用状況の確認に至るまで、一つの研究が比較的長期間を要する業務でございますので、そういう意味では比較的長期かもしれません、四年の期間というふうにすることが適切というふうに判断をしたところでございます。

 それから、役員の数の問題でございますが、これは従来、二つの法人で理事以上が四人おったわけですね。これが今回、一人減らして三人になったということで御理解いただければと思います。

 また、なぜ理事二人なんだということでございますが、やはり北海道の特殊性といいますか、北海道が、積雪寒冷地の過酷な気象条件、また広範囲に分布いたします泥炭質の軟弱地盤等々、北海道の特殊な地形をもとに、特有の気象、自然状況に対応するための研究を実施し、また現地での体制、試験研究施設を維持していく必要があるということで、北海道を担当する理事を設ける必要があるということも踏まえて、二名の理事というふうにさせていただいたところでございます。

 もう一点は、役員の関係の、出身のお話でしょうか。

 これは、業務の性格からいって、本省またかつての北海道開発庁、本省との連携というのはやはり私は必要だと思います。その連携があった上で、また技術的、専門的な基盤があった上で、やはり業務の適切な執行というのができるのではないかと思いますので、そういう意味では、こうした本省並びに北海道開発庁からの出身であるということをもっておかしいとは私は考えておりません。

 今後どうするかについては、今後の人事でございますけれども、いずれにしても、この業務の性格からして、やはり本省の業務との連携は密にしていかねばならない、そういう観点での人事ということも必要であると考えております。

武正委員 
この法案は独立行政法人の法案審議でございます。国土交通省の予算審議ではございません。

 今から五年前、この独立行政法人が発足したときは、もう大臣に申すまでもございません、行政改革の一環として、私などはやはり独立採算の独立かと思っておりましたが、どうやらそうではなく、年間三兆三千億円の税金が独法には投じられておりますが、やはり企業会計も導入しようということでの財務諸表、あるいは簿価から時価への転換など、そしてまた、トップにはやはり民間人を登用しよう、こういった努力を政府はこの五年間進めてきたはずでございます。

 今、大臣からは、本省との連携、本省と密にと、しかも、国交省あるいは北海道開発局のOBが役員につくのは至極当然と。このような答弁というのは、一体何の法案を審査しているのかと耳を疑うわけでございます。

 先ほど、理事の数も、全体が四名が三名になったからいいじゃないか、こういうようなお話もございましたが、北海道土木研究所と土木研究所を統合するに当たって、一体何のために統合したのかということなんですね。理事の数も、一足す一で二、そして今、北海道担当理事が必要、こういうようなお話でございますが、そもそも、統合して行政改革に資するようにというような発想は当初からあったんでしょうか、大臣。

北側国務大臣 
当然、業務の効率化、スリム化ということは、目的の大きな一つであると思っております。

武正委員 
であれば、理事が一足す一で二というのはやはり納得できないわけでございますし、一体、行政改革効果がどこにあらわれたのかということでございます。

 これがやはり問われる、今回、この国土交通部門にもまた統合の、この後触れる独法はございますが、今回政府が出してきた各委員会、各関係省庁それぞれで、独法の統合が、あるいは非国家公務員化が出されておりますが、統合しても何ら行革効果が当初から制度設計されていなかったのではないかという疑い、あるいはまた、非国家公務員化というけれども、結局は人件費は税金から丸々出されているという、こうしたことが、実は見せかけの行政改革ではないのかと言われるゆえんでございます。

 そこで、お手元の方の資料をごらんいただきたいのでございますが、四ページ目に、独立行政法人の役員の出身内訳。先ほど触れました。大臣は、いや、国交省のOB、北海道開発庁のOB、いいじゃないかというお話でございました。

 ちなみに、これは民主党が予備的調査を衆議院調査局に要請をしまして、衆議院の総務委員長名で各省庁に予備的調査を昨年十月十四日に行ったもとに資料をつくっております。

 全独法の中で、昨年つくられた独法を除きまして百九の独法、役員が六百五十七名おります。そのうち、所管省庁の役員が三百二十二名、五割弱でございますが、他省庁と公益法人を入れますと、四分の三が、いわゆる公的機関の天下りが役員を占めているというのが全体の実態でございます。

 国交省はどうかというと、二十の独法で役員数は百二十名。そのうち国交省のOBは五十名、他省庁十五名、公益法人十八名ということで、これで八十三名ですから、約三分の二以上は公的機関のOBが国交省の役員を占めているということでありまして、そもそもなぜ独立行政法人化をこの五年間進めてきたのかということが、この役員の実態からもやはり指摘をせざるを得ないのでございます。

 そこで、今度、同じくその下をごらんいただきたいんですが、これは役員の兼職ということでございます。役員が六百五十七名おりますが、うち、全独法で二百八十九名が兼職をしております。その中で、百七十四名は有給の兼職でございます。

 今回の法案で、非国家公務員化によって、それこそ兼職が自由になる、あるいはさまざまな人事交流が自由になるというふうに言われますけれども、本当に兼職をどんどんするほど独立行政法人の役員は暇なんでしょうか。こういったことも、この兼職の数が全役員の四分の一以上を有給で占めている、この中で、国交省の役員の兼職率あるいは有給の兼職率は低いといったことは、これは比較では言えるんですが、果たしてこれからいかにといったことも言えるところでございます。

 次のページをごらんいただきたいんですが、これは出向者の一覧でございます。これも先ほどの予備的調査で出てきた数字でございますが、国交省、この二十の独立行政法人、常勤職員一万一千二百十二人のうち、国交省を含めて外から出向してきた方、これは広義の出向でありますが、千九百六十八名ということでございます。特にこの中で、航空大学校は全員が出向、あるいは自動車検査独立行政法人も全員が出向といったことで、全員が出向しているというこの独立行政法人は一体どういう意味があるんだろうということも言えるところでございます。

 まず、この表で、当初、予備的調査ではこの数字を出していただいたんですが、この数字のままで訂正がないのかどうかも含めてお答えをいただけますでしょうか。

林委員長 
岩崎航空局長。

武正委員 
委員長、では、いいです。こちらで事前に資料をいただいておりますので、ちょっとそれを読ませていただきますので。政治家のみでお答えをいただきたいということで、これはどの委員会でも私の方は貫いておりますので、私の方でちょっと読ませていただきます。

 この中では、海上技術安全研究所、当初五名ということでしたが、四十七名ということで御訂正をいただきました。北海道開発土木研究所、これは今回統合する一つでございますが、三名という出向者でしたが、百十二名ということで御訂正をいただいております。海員学校は、ゼロじゃなくて十名だと。ということは、合計で千九百六十八ではなくて二千百二十九。とりわけ、国交省からの出向は何人ですかと聞きましたら、そのうち千八百四十一名ですと。八六%強が国交省の出身ということでございます。

 大臣、ぜひお答えをいただきたいんですが、こうした独立行政法人に、それこそ、千八百四十一名ですから、全体の一万一千二百十二人の一五%の職員が国交省から出向している、こういった実態をどのように認識をされているのか。とりわけ、先ほど触れた二つの独立行政法人は全員が出向であるということをどのようにお考えになられますでしょうか。お答えをいただけますか。

北側国務大臣 
先ほど土木研究所と北海道開発土木研究所の役員数についておっしゃっておられましたが、今、八名いらっしゃるわけですね。それが五名にしているわけです。そこのところもぜひ御理解をお願いしたいというふうに思います。

 それで、国交省の所管の独法で、国交省からの出向者の人数、割合が多いのではないかという御質問でございます。

 独法のうち、もともと国土交通省が直接やっておった業務を独法にしてという経過があるわけでございまして、職員も、もともとは国土交通省の昔は職員であったわけですね。それが、独法化された際に独法の職員になったという経緯がまず一つございます。

 これらの独法は、これまでは公務員型の独法でありましたから、その後も国家公務員として採用した者を出向させていたわけでございます。したがって、結果として、国土交通省からの出向者の割合が多くなっているものがあるというふうに思っております。

 もう一つ申し上げたいことは、これは先ほども申し上げたことでございますが、独立行政法人の業務というのは、もともと国との密接な連携のもと、公共性の高い業務を効率よく実施するために設立された法人でございます。そのため、豊富な行政経験や専門知識、技術を有する人材が求められているわけでございまして、そういう意味では、先ほど申し上げましたが、密接な連携、円滑な人事交流というのは必要であると私は考えております。

 それと、航空大学校の話ですか、航空大学校の職員が全員出向者となっているが、それはなぜかということでございます。

 航空大学校の場合は、まず、役員は三名おるわけでございますが、うち二名は民間企業の出身者となっているところでございます。この航空大学校につきましても、平成十三年四月に独法化された際に、これらの職員はそのまま独法の職員となりました。

 航空大学校の知見、技術力というものは、行政における安全基準の制改定等に必要不可欠なものでございます。これらを航空技術安全行政にフィードバックするとともに、航空技術安全行政の課題と対策を絶えず航空大学校の教育に反映させることは、航空輸送の安全性向上にとって極めて重要であると考えているところでございますし、また、航空大学校のノウハウの民間への普及、さらには航空大学校を技術規範とした民間操縦士養成機関の指導等を国と一体となって進めていく必要がある。こういう観点からも、国と航空大学校との密接な人事交流が必要と考えているところでございます。

 ほかの国々では、民間の操縦士の養成機関というのが相当数ございます。多数の自家用操縦士等もいらっしゃいます。また、軍がありまして、軍から民間航空会社へのパイロットの供給も相当程度行われている。こういうことでございますけれども、我が国の場合は、そのような状況にはないために、従来から、パイロットの養成に関しては特に国が関与をしてきたというふうないきさつもあるわけでございます。

 こうしたさまざまな理由に照らして、今回、独法とし、そして非公務員化をしていくということでございます。

武正委員 
まず、独立行政法人になりますと、これは国家公務員型の独立行政法人ですが、いわゆる国家公務員の総定数法の枠外になります。つまり、国家公務員であっても、国家公務員の総定数の枠外に独立行政法人の職員は置かれます。

 つまり、この独立行政法人化というのは、国家公務員の数を減らすというための方便にまず使われたのではないのかというのが、この五年間、やはり独法の通則法の成立のときも多くの政党から指摘をされた。何のために独立行政法人になるのか、国家公務員の身分のまま総定数の枠外にするためだけじゃないのか、こういった指摘がされたわけでございます。

 今回、その中で、では今度、非国家公務員にしますよと政府は胸を張るわけですが、非国家公務員になっても、みなし公務員であります。退職金はすべて通算にもなります。一体何のために非国家公務員化するのか。おまけに人件費は全額税金から出るわけであります。本当に見せかけの今回の政府提出法案ではないのかと言われるゆえんは、この出向であります。

 先ほど大臣は、いや、そうしたしっかりとした知見を持っているからどうしても、あるいは本省と密接にと言われますけれども、独立した組織をつくって、民間のノウハウを取り入れてという制度設計でスタートした独立行政法人が、なぜいつまでも本省と連携をとらなきゃいけないのか。なぜ本省からこれだけの出向者を受け入れなきゃいけないのか。結局は、国家公務員の身分を守らなきゃいけないという大前提があるんじゃないでしょうか。単なる数合わせで独立行政法人化を五年間進めてきた。そして今度は、見ばえはいい、耳ざわりはいい、聞こえはいい、非国家公務員化というのがこの法案の本質ではないでしょうか。

 そこで、次は、海技大学校と海員学校の統合について、お手元の資料を見ていただきたいと思います。七ページをごらんください。

 もう大臣にお答えいただけないようなので、私の方から説明いたしますが、これは、海員学校の平成十六年度の貸借対照表でございます。丸をつけたところ、繰越欠損金、当期未処理損失、なぜ三億九千七百三十六万二千八百六十六円の損失が出ているのか。

 六ページにその経緯が出ております。独立行政法人海員学校、実は、平成十七年、沖縄校を廃止したんですね。沖縄校を廃止して七校体制になって、今度、平成十八年、海技大学校と統合するということでございます。

 そこで、沖縄校を廃止したときにこの損失が出たわけでございます。というのは、今から五年前に独立行政法人になったときに、それまで簿価だったものを時価に評価を変えたわけであります。国交省は、不動産鑑定士によって鑑定を受けました。そうしましたら、土地は石川市の土地を借りているんですが、上物の評価は約四億円という評価を当時したわけでございます。

 五年間たちました。減価償却は、皆様御案内のように、一割毎年減価償却というのが原則でございます。通常ならば、五年ですから二億減損ということで、二億の評価。ところが、実際に評価をしてみたら、二億どころか一億もいかなかった、その評価。おまけに、土地は石川市ですから、結局どこが買ってくれるかというと石川市になって、売った価格が数百万ということで、この当期未処理損失が三億九千七百万円出てきた。このほかに、船とかいろいろ出ているんですけれども、沖縄校の廃止に伴う、すなわちこの損失でございます。

 何が言いたいかというと、独立行政法人になって、この中でいえば、例えば、上に固定資産の評価というのがございます。有形固定資産、毎年減価償却もしていくということも含めて、それを時価評価でしている。そのときに、一体ちゃんと適正な評価が行われていたのかどうか。土地は石川市、上物が本当に四億の評価で適正だったのかどうかということが、今やはり指摘をしなければいけないわけでございます。

 そして、今度、独立行政法人が統合いたします。統合するときに、このままこの資産をただ海技大学校とくっつけるのかということでございます。一つの組織にこれから改めるわけですから、私は、もう一度その不動産の評価をし直すべきだというふうに思います。この沖縄校を見てもそういうふうにわかるからでございますが、この点について、大臣としての御所見を伺います。固定資産の再評価を、統合に当たってやはりやるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

北側国務大臣 
独立行政法人の海技大学校の固定資産につきましては、独立行政法人海技教育機構が承継することとしておりまして、その価額につきましては、新法人への出資金額を確定させるため、施行日現在、これは十八年四月一日を今のところ予定しているところでございますが、この施行日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とすることとしているところでございます。

武正委員 
再評価、再鑑定はしないということでしょうか。

北側国務大臣 
今申し上げましたとおり、その価額につきましては、基準日における時価を基準として評価委員が評価した価額とすることとしております。

武正委員 
評価委員というのは、独立行政法人の、この独法の担当評価委員のことでしょうか。

北側国務大臣 
そうではありません。 資産評価の委員会をつくりまして、そこに不動産鑑定士等が入って評価をさせていただきます。

武正委員 
そうすると、再鑑定はしないということですね。

北側国務大臣 
今申し上げたとおり、評価委員会をつくります、そこに不動産鑑定士等の専門家も入っていただいて、この基準日における時価を評価していただくということでございます。

武正委員 
つまり、再鑑定はしないんですよ。不動産鑑定士が評価委員にいても、単にこういった価格ですよというのが出てきて、それで評価をするだけなんです。

 私は、この沖縄校を見ても、やはり再鑑定をすべきだというふうに思っています。四億という五年前の評価が、実際はそれが一億以下であったという鑑定結果と、実際の販売がもう数百万円だったということもありますので。

北側国務大臣 
海技大学校の固定資産につきましては、これは改めてきちんと時価評価をさせていただくことになります。

武正委員 
再鑑定をするということですか。

北側国務大臣 
ですから、先ほど来申し上げているとおり、評価委員会をつくって、そこに専門家に入っていただいて、改めてその基準日の評価、時価を出してもらうわけです。

武正委員 
私は、その答えでは単に評価であって、ちゃんとしかるべき第三者が鑑定をして、その鑑定結果を評価委員会に出すのかどうか、こういった手順をとるのかどうか。そうでなければ、公平公正な評価はできないですよ。評価をチェックする人と実際に調べる人は別じゃなければいけないでしょう。そういったことをされるんですか。

北側国務大臣 
まさしく、それが評価委員会であるというふうに考えております。

 何度も申し上げておりますが、施行日現在が基準日です。そこを基準とする時価を、専門家の方々も入っていただいて、改めて評価をきちんとさせていただくわけでございます。

武正委員 
ここがやはり違うんですね。評価じゃないんですよ。ちゃんと第三者の鑑定をしっかりやらせて、それを評価委員会に出させて、そこに不動産鑑定士がいてもいいですよ、チェックをする。この制度設計がないんですね。

 だから、これで五年前に評価した価格が本当に当たっていなければ、いいかげんな固定資産の額がそのまま統合されて、ただ数字だけが上回っていく。それが多いか少ないかわかりませんよ。これが実は独立行政法人の固定資産の評価方法なんですね。

 私は、ぜひ、統合のこの時期に、しかも法律をつくりかえるこの時期に、第三者の、独立性のある、公平性のある不動産鑑定士にきちっとした鑑定をさせて、それを評価委員会に出させるべきである、このようにお願いをしたいと思います。

 さて、最後でございます。

 資料をごらんいただきたいと思います。最後の二ページでございます。

 今回、予備的調査で各省庁にお願いをいたしました。それぞれの独立行政法人には評価委員というのがいます。そしてこの評価委員が、例えば先ほどの役員、大臣は、国交省から天下っても、あるいは来てもいいじゃないか、このようにおっしゃられたようでございますが、この評価委員が役職員の、特に役員の給与も決めるんですね、報酬も。その評価委員は、やはり独立性が担保されてしかるべきだと私は思うんです。

 お手元の資料をごらんいただきますと、八ページでございます、国交省の独立行政法人の評価委員は九十四名でございます。その九十四名のうち、現在並びにこれまで、国土交通省所管の審議会、委員会、検討会等の委員についたことのある方は五十一名でございます。つまり、国交省の独立行政法人の評価委員として独法の役員の給与も決める、その方が、国交省の審議会の委員などをやっている、これが九十四名のうち半分を占めているわけでございます。

 私は、やはり公平性からいって、こうした国交省とつながりのある、強い方が独立行政法人の評価委員になるというのはいかがなものかというふうに言わざるを得ないのでございます。

 このことについての御所見とあわせて、この5、九ページをごらんください。「当該府省及びその所管に係る独立行政法人・特殊法人・認可法人・公益法人からの金銭授受の有無」ということで、衆議院調査局から国交省に調査を依頼いたしましたら、この一番下に米印で書いてありますように、「個人情報保護の観点から、当欄の記載を差し控える。」ということが国交省から回答が来ているわけでございます。

 他の省庁は、ここの部分もしっかりと記載をして衆議院の調査局の予備的調査にお答えをいただいておりますが、なぜ、個人情報保護の観点から答えができないのか。それこそ、国交省の審議会の委員をやっている方々で独法の評価委員をやっている方は、何かそうした審議会の委員としてそれぞれ報酬をもらっていることを明らかにする、これはあっていいと私は思うんですが、なぜそれができないのか、お答えをいただけますでしょうか。

北側国務大臣 
まず最初の方の御質問は、国交省の審議会だとか検討会だとか、そうしたものの委員になった人が調査委員になることはいかがなものかというふうにおっしゃっているわけですね。(武正委員「評価委員ですね」と呼ぶ)独法の評価委員に。しかし、審議会の委員になられている方が独法の評価委員になって、公正さを疑われるんでしょうか。私はそうは思いません。

 それと、今の報酬の話でございますが、評価委員が受け取っている報酬ですね、この報酬について明らかにせよという御質問でございます。

 これにつきましては、個人情報保護との関係がありますので、本人の同意を得る等、個人情報保護の問題にも配慮しつつ調査を行いまして、早急に対応をさせていただきたいと思います。

武正委員 
至急御提出をいただけるようにお願いいたします。

 先ほどの認識は、やはり私は異にするものでありまして、なぜならば、独立行政法人の評価委員は独立行政法人の役員の給与を評価して決めるんです。給与は〇・五から二までの掛ける数字まで決められるということで、多い少ないまで決めることができるんです。非常に権限を持っているんですね。審議会の委員とは違うんですよ。ですから、その方が、たくさんのいろいろな審議会の委員で国交省とつながりがある、金銭の授受があるということでは、やはり公平な役員の給与を決められないというふうに思うからでございます。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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