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■国会議事録 衆議院本会議及び委員会での質問記録 |
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2006年3月29日 【外務委員会】 |
■武正委員
質問をさせていただきます。
このたびの日米審議官級協議で、以下三点、お伺いをいたします。
アメリカ側が、移転経費百億ドルかかる、こういうふうに言っておりますが、この内訳。とりわけ住宅建設ほか訓練施設建設費も含まれているのか、二点目。そして特に、百億ドルのうち七五%を日本側負担とする、その七五%なる数字の根拠の説明は米側からあったのか。
以上三点、お伺いいたします。
■麻生国務大臣
今、武正先生御指摘のありました中で、目下協議をさせていただいておるところなんですが、日本として、今言われました内容につきまして、細目、ちょっとまだ詰めてお答えできる段階には至っていないんです。
いずれにいたしましても、七十五億ドルの根拠といっても、それは向こうの言い値であって、それは、向こうは交渉するんですから百、こっちはゼロ、だんだんだんだん言い合って、どこか落ちつくというのは、大体交渉というのはそういうものだとは思っております。向こうが七十五を出してきたのは向こうの言い値であって、根拠と言われてもさしたる根拠は、そもそもこの種の話は言い値というように理解をいたしておりますので、私どもとして、それにさしたる根拠があると思って向こうが言っていると感じているわけではございません。
■武正委員
二番目の質問で、百億ドルの内訳に訓練施設の建設費も含まれているのかということをお答えいただけなかったんですが、それも詳細は答えられないということでしょうか。
■麻生国務大臣
武正先生、訓練施設というものは、私どもは基本的には、今、沖縄の負担軽減を促進するためにというのが主たる理由ですから、少なくとも、おたくの軍事施設のためにというのではなくて、うちは負担の軽減が一番、そして抑止力の維持というのと、基本的に同じことをやっていただきたいんですが、そういった立場で申し上げておりますので、少なくとも住居の移転というところが最も私どもとしては納得しやすいところだと存じます。
今言われたような、この種の訓練という内容につきましては、これは兵隊だから、訓練するといえば、その訓練の仕方も、運動場だって訓練になりましょうし、いろいろな意味で言い方はあるんだとは思いますけれども、私どもとしては、基本としては、住居等々、いわゆる生活関連施設というものを主たるものとして考えたいということは最初から向こうに申し入れております。向こうの施設が入ったかどうかは、ちょっと正直、記憶にありません。
■武正委員
防衛副長官、いかがですか。百億ドル、こちらは住宅建設費を中心に外務大臣としては交渉しているけれども、百億ドル、米側の説明の中には、訓練施設のグアムへの建設費、これは含まれているということでよろしいんでしょうか。
■木村副長官
今、麻生大臣からもお答えありましたが、いずれにしましても、最終取りまとめに向けましての調整、協議をしている最中でありますので、詳細の中身については、アメリカ側という相手側もありますので、内容についてはこの時点では差し控えさせていただきたいと思います。
■武正委員
たしか、日米審議官級協議が延期になった理由が、ローレスが議会報告のために日程をキャンセルしたという、アメリカ側の議会に対する説明責任を果たそうとする交渉者と今の副長官の御説明は余りにも乖離が甚だしいということで、引き続いて、これは理事会でもお願いをしておりますが、外務、安保、そしてこの後財務省、お答えもいただきますが、財務金融連合審査、これをぜひとも実現させるべきである、このことを改めて委員長にお願いしたいと思います。
■原田委員長
理事会で別途協議させていただきます。
■武正委員
そこで、この百億ドル、一体これは、積算根拠というものは、さっき言い値だと言いましたが、そうはいっても、百億ドルはこういうことで百億ドルなんだよという話もしないで、ただ百億ドルだと言われているわけはないと思うんですが、百億ドルの積算根拠は明らかなんでしょうか。また、それは日本側が精査できるんでしょうか。
以上二点、外務大臣、お答えいただきたいと思います。
■麻生国務大臣
今の段階で、向こうの言い値等々は、いきなり百と言ってきたというわけはないだろう、まことにごもっともでございます。向こうもこれという理屈はいろいろくっつけて出してきていると思いますけれども、私どもとしては、これはだめ、これは認められないと、目下交渉の真っ最中でありますので、私どもとして細目を今お答えできるところにないということを申し上げているだけなんですが、いずれにいたしましても、引き続き協議をいたします。
ローレスが議会に呼ばれた、内容はよく知りませんけれども、呼ばれている内容、これは前回と今回でまたさらに違ってきたりいろいろしておりますので、ちょっとなかなか確たるものが申し上げられないというのが、武正さん、正直な私どもの今の立場なんですけれども、そういった意味で、私どもとしては筋の通らぬというところではなかなか難しいということをずっと言い続けておりますので、今の段階で内容が、この内容、この内容という内容につきまして今まだ、向こうの言い値で、ああ、とてもこんなのはというのも含めて、ずらっと出てきたことは確かですけれども、私どもとしては内容につきましていまだ申し上げられるような段階にないというのが正直なところです。
■武正委員
ずらっと出てきた内容について、例えば住宅建設なり、幾ら幾らかかる、そういうのがずらっと出てきているんでしょう。それについて、その額について日本側として精査できるのか、あるいは精査できる立場にあるのか、これはいかがでしょうか。
■麻生国務大臣
向こうから、例えば住宅建設の内容につきましては、少なくとも、これは高いんじゃないか、一戸当たりがというと、あそこは御存じのようにすべて輸入して持ってこないと建たないところなものですから、あそこにセメント工場があるわけでもありませんし、生コンの工場があるわけでもないので、すべて持ってこないかぬというのがあそこを高くしている大きな理由だとは思いますけれども、その内容につきまして、いろいろ、私どもとしては、これは少々というようなことが言い合える立場にあるかといえば、言い合える立場にございます。
■武正委員
精査できるということでありますし、交渉で精査できる立場にあるということでございます。
では、実際、精査しているんでしょうか。
■麻生国務大臣
今まだ大枠の段階でやっておりますので、一戸につき幾ら、平均で何とか、平米当たりが幾らというようなところの精査ができているわけではございません。
■武正委員
きょうは財務副大臣がお見えでございますので、二点お伺いをいたしたいと思います。
今、日米協議、報道で知るところが多いんですが、この協議に上っている百億ドルの負担、日本側の負担は七五%なのかどうなのか。いずれにせよ、予算措置で対応する場合と、給付と融資で対応する場合と、あるいは融資だけで対応する場合、それぞれ、法律、要は立法措置が必要なのかどうか。財政当局としてどのようにお考えでしょうか。個別の事情、この交渉というよりも、一般論でも構いませんので、お答えいただきたいと思います。
■赤羽副大臣
あくまで一般論としてお答えさせていただきたいと思いますが、国の予算その他財政の基本に関して定めております財政法上でいいますと、海外に所在する外国政府の施設を我が国の予算で整備することを禁ずるとか、あとは、制限を加えるというような明文の規定はございません。
ですから、御質問のような予算措置につきまして、一般論として申し上げれば、必ずしも立法措置がなければできないというわけではないということでございます。
■武正委員
融資についてもそうでしょうか。
■赤羽副大臣
同じでございます。
■武正委員
これまで、例えば、ODAなどで海外の他国の軍事施設あるいは軍事関連施設について給付をした例はありますか。財務副大臣、いかがでしょうか。
■赤羽副大臣
このことについては、お答えする立場にはないわけでございます。
■武正委員
では、外務省はいかがでしょうか。
■麻生国務大臣
基本的にはあり得ないと思いますので、ないと思います。
■武正委員
今、財務当局としては、法律が必要ないんだというお話でございました。
では、例えば、財務省として、予算要求が上がってきたときに、その積算根拠が明らかでないまま認めることはあるんでしょうか。これも一般論でお答えください。
■赤羽副大臣
財務省として、予算編成に当たっては、何というか、つかみ金みたいなことを認めていることはございません。繰り返しになりますが、相手省庁の予算要求の内容や必要性については、さまざまな角度から検証、精査を行って、必要と認められる額だけを計上しているところでございます。
ただ、その必要性等を判断するために用いられる資料とか根拠というのは、各省庁の要求するそれぞれの経費の性格によってさまざまなものがあるというふうに考えております。
以上です。
■武正委員
法律が必要ないという今の財務省の御答弁でありますが、今回、百億ドルの内訳、どのような形で日本側が最終的に負担するのかも含めて、海外での軍事施設に対するODAの供与もないし、もちろん、米軍の駐留軍が本国へ戻った、その経費を、施設を負担したことも世界各国どこもないわけでありますので、こうした初めてのことを、もし日本側が、給付か融資か、何らかの形でやる場合は、あくまでも説明責任を特にシビリアンコントロールも含めて果たしていくという意味では、私は、国会に対する事前の説明はもとより、やはり法律として、政府として対応すべきだというふうに考えますが、外務大臣、この点いかがでしょうか。
それとあわせて、最後に、ちょうど日英二十一世紀委員会が過日ロンドンで開かれまして、私も参加をさせていただきました。財務副大臣が座長として参加をしておりますので、私もブレア、ストロー、首相、外相との面会も含めて同席をさせていただきましたが、今回の日英二十一世紀委員会の座長としての感想、これを副大臣からお答えいただいて、質問を終わらせていただきます。
■麻生国務大臣
説明責任は当然のことだと存じますけれども、今言われました法律の話につきましては、これは他の省庁の関係もありますので、よく関係省庁と相談しつつ、整理した上で御報告申し上げます。
■塩崎副大臣
今回、三月の十六から十八日にかけてロンドンで日英二十一世紀委員会が開催されまして、武正先生にも御出席をいただきました。この数年、私が座長を務めさせていただいておりますけれども、これはもともと中曽根・サッチャー時代からスタートしたもので、毎年一回開催しているものでございます。
今回は、特にイラク等々、さまざまな面で、アフリカの問題も含めて、日英関係がいい中で議論が行われて、先生ももう御案内のように、両国の問題はもとより、特にエネルギーの問題、それから人の移動といいましょうか、他民族を受け入れてきたイギリス、人口がだんだん減ってくる日本、これらの問題を共通の課題としてどう考えるか、それから中国、インドの台頭といったことが主なテーマでございました。
率直な議論をなされ、日英の協力のさらなる発展というものが大事だということはもとよりでありますけれども、一方で、日英の関係がいつも今のようなままでいいというわけでもないということで、次回は日英関係そのものを議題にすべきではないのかというふうにされたところでございます。
ブレア首相それからストロー外相とさまざまな議論を短時間でありましたが行いまして、特にインド、中国の台頭の問題については、特に価値観を共有するインドとのさらなる連携をもとに日英が協力していくということを合意したというようなことだったかと思います。
引き続き、先生の御協力をお願いしたいと思います。
■武正委員
以上で終わります。ありがとうございました。 |
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