国会議事録 衆議院本会議及び委員会での質問記録

2006年4月6日 【行政改革に関する特別委員会】

武正委員 
 おはようございます。民主党の武正公一でございます。

 行革関連法案、質疑させていただきますが、引き続き、独立行政法人、初日に質疑をさせていただきましたが、さらにそれを深めてまいりたいというふうに思っております。

 まず、きょうも各省大臣おいででございます。私は、この間、国会での質疑は、大臣と、あるいは副大臣、政務官、政治家同士の質疑ということで行わせていただいておりますので、それぞれよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 まず、一問目でありますが、文科大臣もお見えでございます。一日目のときに、きょうもお許しをいただいて、出身省庁別の独法の役員内訳一覧をお配りしております。ごらんをいただきたいと思いますが、一ページ目、六百五十七名中、所管省庁三百二十二名、約五割という表でございます。この中で、特に文科省は百四十九人中八十二人が所管省庁なんだ。これが、予備的調査をもとに、私はこうした数字を分析させて提出をさせていただいておりますが、やはりここの考え方がどうも政府と違うといったところからまず入らせていただきたいと思います。

 お手元の三ページ目をごらんいただきますと、これは国立特殊教育総合研究所の役員氏名の一覧表でございます。理事長の方の出身を見ますと、滋賀大学で採用されて、そして平成五年に文部省に転任をされて、平成十五年退職をし、そしてという形で出ております。この国立特殊教育総合研究所、今独法の理事長になっておられますが、私はこの方はやはり文部省の出身の方だというふうにカウントをしているんですが、文科省としてどのようにこの方を考えておられるのか。

 続いて、これはもう質問通告しておりますのでお願いをしたいんですが、四ページ目は国立国語研究所。やはり、所長の方は、昭和五十年に国立国語研究所で採用されて、そして昨年三月三十一日に退職をして、この独法の国立国語研究所の所長になられております。この方についても、やはり文科省の出身、いわゆる文科省からこの独法への天下り、他省庁と同じように当然そういうふうに私はカウントをしておりますが、どうなのか。

 それから、五ページ目をごらんいただきたいと思いますが、物質・材料研究機構。この方は、文部省東京大学採用、そしてその後、先端科学技術研究センター長、通商産業省工業技術院産業技術融合領域研究所長、そして経済産業省産業技術総合研究所産業技術融合領域研究所長、そして平成十三年四月一日に退職をして、この物質・材料研究機構の理事長に就任をされております。

 やはり、文部省と書いてあるのも含めてなんですが、国立大学で採用されて、しかもこれだけ政府の各研究所の所長も歴任をされている。退職をされて、また独立行政法人物質・材料研究機構の理事長に就任をしている。当然、いわゆる政府、文部省からの天下り、これは私もカウントをするわけです。

 以上、三つの独法の長の方を文部科学省としてはどのように把握をされているのか、お答えをいただけますでしょうか。

    〔委員長退席、山本(有)委員長代理着席〕

小坂国務大臣 
武正委員、前回も御質問いただいたとき以来、どうも見解の相違というところがあるように思うわけでございますが、私ども文部科学省としては、役員の選任に当たりましては、その法人の目的及び業務にふさわしい役員人事を行っているというふうに考えております。

 今御指摘をいただきました文部科学省の役員数が百四十九となっておりますが、私どもの方のカウントでは百四十五となってまいります。また、所管省庁別に八十二という数字をお示しでございますが、私どもといたしましては、研究教育職員、教授、助教授、研究員というものは従来から民間扱いとしておるところでございまして、政府内共通の基準でございます。そういう意味で、私どもは三十六という数字に置きかわるわけでございまして、八十二が三十六に置きかわりますと二四%という比率になるわけでございまして、この辺のところが議論の焦点になっていると思うわけでございます。

 その国立大学の教員を含まないという三十六の数字と、含むかどうかという点で、今御質問いただきましたこの扱いはどうなるのかという三名のそれぞれの理事長の考え方でございます。

 まず、最初に御指摘をいただきました特殊教育総合研究所の小田豊理事長でございますけれども、私どもは民の扱いというふうに考えております。それはなぜかといいますと、この方は、そもそもが女学院高等学校の教諭を経て滋賀大学の講師、そして助教授、教授となられた方でございます。したがいまして、研究教育に携わった方ということでございまして、大学法人化に当たりまして身分が切りかわっておりますが、それまではたまたま国立大学の教授であったということでございまして、これは民間人の扱いとして私どもは考えているところでございます。

 また、国語研究所の杉戸所長でございますけれども、杉戸所長につきましては、国立の研究機関であります国語研究所の研究員としてお入りになりました。大学ではなくて国立の国語研究所の研究員でございますから、この方は公務員としてスタートをされ、それも純粋の官扱いとして私どもはカウントしておりますから、この方は官扱いというふうにいたしております。

 物質・材料研究機構の岸さんでございますけれども、岸さんの場合には、この方は東京大学工学部の助手として入られて、教授になられております。したがって、私ども、民間人という扱いでございますので、民間人からの御就任というふうに考えているところでございまして、そのように御理解をいただければ幸いでございます。

    〔山本(有)委員長代理退席、委員長着席〕

武正委員 
官房長官、今お聞きだったと思うんですね。内閣官房、総務省、「独立行政法人等の役員に就いている退職公務員等の状況の公表について」ということで、昨年十二月二十六日付で発表されておりまして、独立行政法人の長における退職公務員の割合の状況は百十三人中五十七人、五〇%ちょっと、一人出る。ただ、今の仕分け、文科省と私の見解の相違、すなわち、国立大学を含めない、途中から文部科学省に入った人も含めない、あるいは国立大学に入ってもさまざまな政府の研究所の長を兼ねた方も含めないというカウントでいくと、百十三人中トップは五十七人。退職公務員の割合、約五割だろう。総理も、五割を目指すとこの間言いました。ただ、今言ったような方々を含めますと、私の仕分けでは、所管省庁だけで六五%、他省庁を含めると八二%の長が中央省庁の退職公務員、八割なんです。政府の仕分けは五割なんです。

 そこで、先ほどの二例について官房長官にお伺いをしたいんですが、資料をちょっと見ていただきたいと思います。

 三ページ目、先ほど文部科学大臣、この国立特殊教育総合研究所の方は、滋賀大学、国立大学だし、これは民間の扱いだよというふうに言われましたが、平成五年にもう文部省に転任をされて、これだけの役職も経て、十年たって退職をして国立の研究所の次長になって、そして二年前に退職をしてこの独法の理事長になっておられる。この方を民間人というふうに見るのは、やはり私は無理があるというふうに思います。

 それから、五ページをごらんいただきたいと思います。この方も民間人というふうに文部科学省は仕分けをしておりますが、昭和四十四年、まず文部省東京大学採用、文部省の採用でございます。そして、その後、これだけの政府の研究所を歴任されて退職をされている。そして、この物質・材料研究機構の理事長になってもう五年ということでございます。この方も民間人というのが政府の仕分けだというふうに今文科大臣が言いましたが、私はこれはやはりインチキだと思うんですよ。

 なぜこの人たちが民間人なんでしょうか。そして、天下りの対象じゃない、こういうような仕分けをしている。この仕分け自体がやはり私はおかしいと思いますが、この二人の方を官房長官もやはり民間人である、だから、こうやって十二月二十六日の独法等の「役員に就いている退職公務員等の状況の公表について」にも含めないんだ、これで国民に対して説明がつく、このようにお考えでしょうか。

安倍国務大臣 
私ども政府といたしましては、国民の間にいわゆる天下りに対して厳しい御批判があることはしっかりと受けとめているわけでありまして、独立行政法人等の長及び役員の選任については国家公務員出身者の割合を二分の一以下にする、法人の類型に応じて退職管理を適正化することに今努めているところであります。

 ただいま委員が挙げられました二例についてでありますが、ただいま文科大臣が答弁されたように、いわばアカデミックな世界の方であって、基本的には大学の教員という位置づけでございまして、その方が一時的に文科省に来られたとしても、それはやはり、例えば東大の先生であったとしても早稲田大学の先生であったとしても、これはいわば学術的な知識を持っておられる民間人というふうに私どもが考えるのは自然ではないだろうか、このように思うわけであります。

武正委員 
到底自然とは思いません。

 そして、今お答えいただけなかったんですが、この物質・材料研究機構、この方についてはいかがでしょうか。まずは文部省東京大学採用。国家公務員でもある。しかも、これだけの研究所の長を歴任されている。文科省の研究所だけじゃないですよね。通産省、経産省、こういったところの研究所の長も歴任をされて、そして退職をして、そして当独法の理事長に五年、就任をされている。こういった方もやはり民間人なんでしょうか。そして先ほど、退職国家公務員の割合は五割という目標からは、当然この人は民間人だから外れるということでしょうか。お答えいただきたいと思います。

 いや、これは官房長官に、もう文科大臣には先ほど伺っておりますので、お願いいたします。

安倍国務大臣 
私が所管しているところではございませんからつまびらかには承知をしておりませんが、今大臣のお話を聞いておりましたら、東大の助手として採用され、その後教授になられたということであれば、まさに東大の先生であったのではないか、このように思います。

武正委員 
私が聞いたことにはお答えいただけませんが、これだけ各省の研究所の所長も歴任をされているので、やはり私が言いたいのは、助手で採用かもしれません、東大で採用かもしれません、そして教授になられたかもしれません。しかし、やはり文科省という省で国家公務員として採用され、しかも東大の教授から通産省や経産省の研究所の長になっていく、こういった方々を民間人として、五割の目標を達成しているじゃないか、この人たちは民間人なんだよと。この十二月二十六日の、内閣官房と、総務大臣がお見えですが総務省から出されている、これはインチキだと私はあえて指摘をさせていただきます。

 さて、続きまして、資料をごらんいただきたいと思いますが、六ページ以降でございますが、高齢・障害者雇用支援機構の関連公益法人。先日も厚労大臣は、この中で障害者を一・八%、これはたしか職員数五十六人以上の企業でしたでしょうか、雇用しなければならない。現状は一・五%。それに達しない企業は納付金を納めなければならない。その納付金勘定で二百億円のお金を投資信託している、金利をできるだけ稼ぐために。独法の趣旨にのっとっているんだ、このように独法の方も説明をされました。

 でも、そもそも障害者の雇用を引き上げるためのある面ペナルティーとして、こういう言葉を使っていいかどうかわかりませんが、徴収ということも、独法の理事長は、前理事長だったでしょうか、徴収という言葉もある機関誌で書いておりますが、この本来の趣旨とは違うんじゃないだろうか。その二百億円のお金をできるだけ金利の高いところに預けて、そして金利を稼いでいます、これが独法の本来の趣旨ですということで例を挙げたんですが、その独法からの関連公益法人への厚生労働省出身者の数、そして関連公益法人事業収入の金額のうちその発注割合、これを示したのが六ページから九ページまでの資料でございます。

 八ページ、九ページをごらんいただきますと、社団法人、財団法人、雇用開発協会あるいは雇用促進協会がこれだけ、全国各県に一つずつございます。そして、事業収入に占める当法人発注等に係る金額、割合は、軒並み七割、八割でございます。合計額でいえば、百十八億のうち八十二億ということで七割強。これだけのお金が、この独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構から社団法人、財団法人、関連公益法人に支出をされている。

 そして、お戻りをいただきますと、六ページ、七ページ、それぞれの雇用促進協会あるいは雇用開発協会の役員は、厚労省の出身者が合計七十三名、これも天下り。主に地方労働局の方が中心で、しかも、それぞれの促進協会では、やはりかなめとなるポストに、理事長あるいは専務理事、特に事務局長、専務理事などが多いのかもしれません、再就職をしている。

 この独法から関連公益法人へのお金の流れ、そしてまた天下りの現状、これについて厚労大臣としてどのように御認識でございましょうか。

川崎国務大臣 
今お話しいただきましたように、その協会役員千九百十八人のうち厚生労働省から再就職しておりますのは七十一人、先ほど七十三人という御指摘をいただいたのは七十一人と私どもは今把握いたしております。三・七%、ただし三月一日現在でございます。

 この障害者雇用の問題について先日も御質問をいただき、私もお答えいたしましたけれども、納付金という制度と、また、一・八%以上雇用している企業に対する助成金、報奨金、こういう制度を用いている。すなわち、法律に基づいて徴収という仕事、徴収という表現でいいんだろうと思いますけれども、それから助成金また報奨金を支給するという仕事は極めて公的な仕事であろうと思います。切り分けの仕方として、本来機構自体でこの仕事をきちっとやるべきじゃないかという議論もあると思います、極めて公的な性格の高いものでありますから。

 ただ、このスキームとしては、都道府県の知事さん等々、話し合いの中で、また事業団体も入っていただく中で、各地域に協会をつくって、そこで徴収と支給という仕事をしていこう、こういうスキームになっております。そういった意味では、一つのこのシステム全体の中でやらせていただいているということでございますので、私は、他にいい方法があるのかなと改めて思わせていただくと、これを民間にやらせろと、この徴収という仕事とお金を支給するという仕事を極めて民間の性格の高いものにやらせろというのは、なかなか難しい仕事になってまいるだろうなという考え方を持っております。

 もう一つは、その団体に事務局長等の人材を、事実上OBが行っているじゃないか、こういう御批判であろうと思います。ただ、障害者雇用という部門を見たときに、そういう仕事をずっとやってきて経験豊かな人間というのは、多分、公務員か地方公務員かどちらかしか人材活用はないんだろうと。民間にそういう人材をなるべく求めるべきだ、こういう御批判は御批判として受けますけれども、現実にそういう適任者があるだろうかということは考えなきゃならぬ。

 もう一つは、こういう問題でよく御指摘されるのは、現役のころより高い給与をもらって仕事を続けているんじゃないか、こういう御批判をいただきます。そこはきちっとしなきゃならぬだろうと。そういう意味では、現役のときに比べて低い給与体系にはなっておるようでございますので、人材の活用という面で他の方法があれば私もしっかり考えますけれども、今のところこのスキームでやらせていただきたい、こう思っております。

武正委員 
人材が民間にいないでしょうか。大臣の方もあるいは委員の方も、それぞれの御地元で、障害者施設やいろいろなところで、民間の方が本当に必死になって働いておられることを目にされていると思うんです。本当に御苦労が多い現場だというふうに思います。そして、そこには大変な人材がいるはずです。そういった方がいないのでしょうか。

 これは多分定期的に、各地方の労働局から、一年、二年で交代で就任をされているんだと思うんです。私は、この再就職七十一人はおかしいと思いますし、また、そこの雇用開発協会や雇用促進協会に七割のお金が独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構から流れる、そして、そこに厚生労働省から事務局長などかなめのポストに二年、三年で定期的に天下っていく、この仕組みはやはりおかしいと思うんですが、今お金の流れの方は大臣答えられませんでしたが、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 
お金の流れは、基本的には、この協会が各会社から徴収をし一回機構に上がる、機構に上がって今度は逆におりてきて、それが支給事務に使われる、そして人件費もそこに入っている、こういう仕組みでございますので、流れからいきますと、まず集める、徴収という仕事からかかっているということは御理解賜りたいと思います。

武正委員 
十ページ、十一ページをごらんいただきたいと思います。

 これは当独法の随契の割合、これをやはり独法から出していただきました。本来であれば一般競争入札に付すべき契約でありながら、あるいは指名競争入札ということもあるのかもしれません。ただ、それを随契でした割合、特に役務等上記以外の契約ということで、この一番下、十五年度下期は八五%が随契ですよ、それから十六年度は七二%が随契ですよと。

 十一ページをごらんいただきますと、特に、契約相手方別随意契約割合一〇〇%の企業、これが載っているわけでございます。

 この独立行政法人、私は、民主党の決算行政監視調査会の独立行政法人作業チームとして、昨年末から、全独法においでをいただいて、メンバーとともにヒアリングをさせていただきました。そして、そのときに、本来一般競争入札に付すべき契約でありながら随契にした契約、こうしたものを聞いてまいりました。随契の割合が大変高い、これが独立行政法人の契約で見られました。

 この独立行政法人の支出について、独法が八割、七割、高いということについて、担当大臣としてどのようにお考えでございますか。

川崎国務大臣 
参議院の予算委員会での審議だったと思いますけれども、独法の中で、厚生労働省所管の中で、国立病院機構というのが一番大きゅうございます。ここの発注のシステムをめぐっていろいろな御批判も賜りました。その中で、私自身、独法に対して大臣としてどこまでの命令権があるだろうか、こう申し上げました。しかし一方で、総理もお答えになりましたけれども、私自身、自分の権限の中でやるということを申し上げました。それは厚生労働省と同じような規定でやらせてもらう、そういう指導をする、こう申し上げたところでございます。

 特に独法国立病院機構のことで申し上げれば、例えば、駐車場の管理なんかを一部の会社に随契をしていたということで御批判をいただいた、これは全部直させます。一方で、例えば、医療器具で使い勝手の問題がどうしても出てくる、そこで随契をしていた、しかしそれも直しなさいということで今指示をいたしております。

 今回御批判をいただいているこの問題についても、コンピューターとかエレベーターとか建物の中心になる部分、またはシステムの中心になる部分を納入した。これは多分競争入札で納入したんだと思いますが、その後は、そのメンテナンスがずうっとその会社に続いていく。これは部品調達等、サービス、保守点検がそのメーカーの方がやりやすいという嫌いの中で、そうした方式を用いてきたことは事実です。しかし、この十七年度から、例えばIBMの契約にいたしましてもCSSの契約にしても、これはもう直せということで直させていただいております。十八年度からも、より一層、そうした意味では、できるだけ競争入札をするという基本のもとでやらせていただく。御批判にたえるように私どももしっかりやらなきゃならない、こう思っております。

武正委員 
財務大臣にお伺いしたいと思います。

 連日、NHKを中心に、環境省の発注は九三%が随契である、こういった報道がされております。今、厚労省は厚労省所管の独法に対しても厚労省と同じ基準で適正にやるんだと言われましたが、環境省が九三%随契であったら厚労省も同じようなことがあるんじゃないか。

 独法だけじゃない、本省の支出についても、会計法あるいは予決令、あるいはそれぞれの支出の基準、例外規定ということで皆さん説明をされる。政府が進めておられる定員を減らしていく総人件費改革。独法化、そして、しかも非国家公務員化。しかし、非国家公務員化しても人件費は運営費交付金で払われている。この見せかけのことは初日に指摘をさせていただきましたが、この随契割合、お手元の、独法七五%、八〇%、そして個別企業との契約一〇〇%。今、厚労省は本省と同じようにやるんだというふうに言われましたが、環境省の支出は九三%が随契という報道も受けて、随意契約について、このお金の出入りを担当する、そして、しかも財政再建をこれからやろうということで言っておられる担当財務大臣としてどのようにお考えでしょうか。独法の随意契約の率が高いということについて。

谷垣国務大臣 
私は、今武正委員がおっしゃいましたように、各省庁それから各独立行政法人、この予算執行というのは、効率的なものであるし、透明性が高いものでなければならないと思っているわけでございます。

 それで、二つ問題があると思うんですね。各省庁から独法に対する契約という問題と、独法からそのさらに先という問題がございます。

 それで、国から独法の随意契約というものがすべて不適切に行われているとは私は思いませんが、国会等の審議でもいろいろ御批判、御指摘がございましたので、先般、二月二十四日、「公共調達の適正化に向けた取り組みについて」というのを取りまとめまして、平成十七年度に各省庁が公益法人等との間で締結した随意契約について緊急に点検して、適切ではない随意契約を排除する、それから、随意契約に係る情報の公表を充実して透明性を高める措置を講じたところでございまして、ことしの六月をめどにその報告を取りまとめるということにしております。

 それから、独法からその先の問題について私が御答弁するのはちょっと行き過ぎかもしれませんが、これまで随意契約の基準の公表等が必ずしも徹底されていない面が独法にはあったということで、先般、総務省から、各主務大臣を通じて、各法人において随意契約の基準をより具体的なものとするとともに、一定額以上の随意契約については随意契約の理由等を明らかにするような通知がなされたということでございます。

武正委員 
続いて、お手元の十二ページをごらんいただきたいと思いますが、これは今の独法の非常勤職員の人件費についてということでございます。高齢・障害者雇用支援機構の役職員報酬、給与、人件費八十三億円のうち約十七億円が非常勤職員の分であるということでございます。

 官から民へ、あるいは事務事業の見直し、そしてアウトソーシング化、こうした中で、実は非常勤職員というものが今ていよく政府あるいは所管省庁あるいは各独立行政法人で利用されているのではないのか、こういった疑念があるわけでございます。独立行政法人も十二万名の常勤職員がいますが、二万名は別途非常勤職員でございます。非常勤職員の人件費が十七億、このことについて厚労大臣としてはどのようにお考えなのか。これはやむを得ない、非常勤職員を大いに活用して行うべきである、このようにお考えなのか。御所見を伺いたいと思います。

川崎国務大臣 
高齢・障害者雇用支援機構、平成十六年度決算が八十三・四億円、うち非常勤職員に係る人件費が十七億七千万円でございます。主として就業支援を行う専門職であるジョブコーチなどの仕事をしてもらっております。非常勤職員、総数が六百四十三名、うちジョブコーチ二百四十三名、職業準備支援事業指導員二百一名でございます。

 そうした意味では、非常勤職員を使うことが必ずしも悪いとは私は思っておりませんし、武正委員が御指摘いただいたように、有効的にこういう人材を活用することも大事であろうと考えております。

 一方で、これらの経費については、常勤職員の人件費について一三%程度削減する、こういう行革の方針がございます。それと同じように、非常勤職員に係る人件費を含む業務経費については毎年一%以上を削減するという目標になっておりますので、そういう意味では、非常勤職員の経費だからといってこれが増大するという話ではなくて、効率的な使用というものに努めていかなきゃならぬ、こう思っております。

武正委員 
官房長官も記者会見でお出になられるようですので、ここで今のやりとりをお聞きになっての御所見を伺いたいんですが、この高齢・障害者雇用支援機構を例に、公益法人に独法からお金が流れる。全国各一県ずつ促進協会あるいは開発協会、雇用についてある。そして、それぞれの公益法人の総支出に占める独法からのお金の流れは七割以上。しかも、そこに七十一名の厚労省の職員が再就職している、事務局長などに。先ほど厚労大臣は、民間に人材がいないから、こういうような言い方をされた。これについてはどのようにお考えになるか。

 そしてまた、随契の割合がこのように高い、七割、八割。財務大臣は先ほど、適正化をやるんだ、二月にそういった指示もしたよ、六月には結果もまとまるよと。しかし、厚労大臣は厚労省と同じようにやると言いましたが、環境省が九三%随契割合という報道が連日されております。

 先ほど、いみじくも厚労大臣が言いました、独法に対してはなかなか指示ができないんだと。独法というものは、公共性の高い事務事業のうち、国が直接実施する必要はないが、民間の主体にゆだねると実施されないおそれのあるものということで、何となく民間でもなければ国でもない、中途半端といえば中途半端。何とかそれがうまくいくようにというスキームなんですけれども、さっき言ったように、私のは文科省と、政府と違う仕分けなのかもしれないけれども、やはり民間人とは思えないこうした方々、長の八割強が中央省庁から行っている。中央省庁から行っている長、独法、本当にそれで自由にできるのか、民間のそうした活力が生かせるのか、これも非常にあいまい。先ほど、その任命権者である長、任命権者の長は大臣であります、でも独法には言えないんだ、こういったことを厚労大臣は言われました。

 大変この使い分けが中途半端とともに、政府が一体独法とどうかかわるのか、本気でどのように考えておられるのか、そうしたところをやはり私はこの審議で明らかにしていきたいと思います。

 先ほどの人材の面、そしてお金の面、そしてまたこの随契割合が高いという面、これについて官房長官としての御所見を伺いたいと思います。

安倍国務大臣 
いわゆる天下りについてでありますが、それは先ほど答弁をいたしましたように、基本的に国家公務員の割合を二分の一にしていく、これは法人の類型に応じて、退職管理をしっかりと適正化に向けて努力をしていくということでございます。

 また、お金の流れ等々については、先ほど個別にそれぞれの大臣が答弁をさせていただいたとおりであります。

 また、随契については、これはもう今後しっかりと、どうして随契になっているかという理由をもう一度精査していく、基本的には競争入札でやっていくという考えの中で、もう一度しっかりと精査をして適正化をしていくということでございます。

武正委員 
もう出られると思いますのでお願いをしたいと思いますが、お答えをいただきたいんです。

 連日報道されている、環境省は九三%が随契であるというこの報道、今ちょうど環境大臣は入院をされているということで、きょうもお見えいただいておりません。お呼びもできませんが、内閣のかなめとして、官房長官、これについて、やはり報道がされている以上、私は資料を本委員会に提出していただきたいと思うんです。政府として、今環境大臣はいませんが、官房長官としてお答えいただけますか、そうした資料を出すということで。

安倍国務大臣 
委員会としての御要請があれば検討したい、このように思います。

○武正委員 それでは、委員長に改めて、来週、集中審議もありますので、この随契というものは環境省のみならず、先ほど来独法それぞれの随契割合が高いということも含めて、やはり本委員会として取り組むべきだ、できれば集中審議で随契というもの一本に絞っても、あるいはほかと一緒でもいいですがやるべきだと思います。今、委員会の要請があればというお話でありましたので、委員長に改めて資料の提出をお願いしたいと思います。

伊吹委員長 
ただいまの資料要求の件については、理事会で当然協議をさせていただきます。同時に、独立行政法人その他膨大なものになると思いますから、日程等の都合もありますので、会派の理事とよくお話し合いをして、出せるものをできるだけ早く、特に御要求の強い部分について協議をさせていただきます。

武正委員 
私が今特にお願いしたのは環境省の分ですから、全独法とかそういうことではありませんので、環境省の分、これだけ連日報道されておりますので、速やかに御提出をお願いしたいと思います。

伊吹委員長 
理事会で協議いたします。

武正委員 
そこで、厚労大臣に重ねてお伺いしたいんですが、私は、厚労省から独法、そして独法から各県の雇用促進協会、雇用開発協会というこのお金の流れ、厚労大臣は、いや、もともとはもっと、それぞれの開発協会が現場で徴収をしてきてそれを独法に上げて、そしてまた、そのお金が各都道府県の雇用開発協会、促進協会に流れているんだよ、そこまで御説明をいただいたんですが、やはりこのお金の流れは非常に矛盾があると思うんですね。

 私は、地方分権一括法のときにちょうど埼玉県議会の議員をしておりましたので、あのときに、地方分権するんだな、こういうふうに思っていたわけです。そうしたら、特に雇用労働政策、これが逆に、県庁にいた雇用労働関係の職員の方、みんな厚労省から来られて、県庁職員として県庁の職員の名簿にも出ているわけです。でもこの人たちは厚労省から県庁に来ているんですよ、こういう説明を受けたんですが、この方々が、地方分権と逆行して、今度国に戻っちゃった。それぞれの各県に労働局をつくって、そこに全部厚労省の方がやっておられる。

 やはりここに問題があったから、結局今みたいな、お金をそれぞれの雇用開発協会、促進協会が集めてまたそれを戻すという、そしてそこには、民間人じゃだめだから、やはり厚労省の職員が七十一人再就職しなきゃいけないんだと。やはり、雇用労働政策が地方分権をしていなかったということがこうしたことを招いたんじゃないでしょうか。厚労大臣の御所見を伺います。

川崎国務大臣 
雇用労働政策、特に雇用のセーフティーネットをどこでやるべきか、国の責任なのか地方の責任なのか、こういう議論を約二カ月いただいてきました。特に、雇用自体の地域間格差が激しい中で、私は、二カ月皆さん方の議論を聞いた、民主党の中でもいろいろな議論がございました。やはり、雇用政策、今の段階においてはもう少し国が責任を持っていくべき段階にあるだろう、こう思っております。

 正直申し上げて、保険の徴収という仕事と、失業のときに給付をするという仕事と、無料の職業紹介という仕事をセットでやっております。きのうもILOの問題も御下問いただきました。そういった構成、それから諸外国の状況を見たときに、これを分権だから地方に全部やらせろというのは今の議論としてはなかなかなじまないな、こう思っております。

武正委員 
今、地方に分権されているのがいわゆる求人情報、企業がどういう人を求めているかという情報は地方自治体に分権を進めてきた。しかしながら、求職情報、どういう人が職を求めているのか、これについては厚労省はやはり地方自治体に任せられないということで来ているわけですが、私はやはり雇用政策は地方自治体をもっと信用していいと思うんです。

 そういう意味では、だれが職業を求めているかという情報を地方自治体に積極的に与えていっていいというふうに思うんですが、やはり、先ほど、セーフティーネットの観点から地方自治体には与えられないというのが厚労大臣の考えでしょうか。

川崎国務大臣 
そこはちょっと違いまして、民間の活力を利用すべきところはするべきだ、しかし、セーフティーネットとして、雇用保険の部分と無料の紹介事業というのは国がまず引いた上で、しかし、地方と重層的にかかわり合いを持たなきゃ、やらなきゃだめだと。

 ですから、私どもの副大臣も、北海道、青森、長崎、鹿児島、沖縄で知事さんとお目にかかって、雇用問題をどうしようかということでお話をさせていただいている。地域の雇用創出の方法をお互いに考えましょうということでやらせていただいておりますし、今お話しいただきました職業安定法の改正、平成十六年にしていただきまして、届け出により無料職業紹介を都道府県や市町村ができるとなっております。したがって、ハローワークで持っておる情報は全部都道府県に提供いたします。そうした情勢で進めております。どうぞ御理解賜りたいと思います。

武正委員 
確認ですが、そうしますと、どういう人がどういう職業を求めているかという、いわゆる求職情報も地方自治体に既に提供しているということでよろしいでしょうか。求人情報じゃなくて求職情報です、求職情報。ここがかなめなんです。

川崎国務大臣 
済みません。今提供しておりますのは、事業主の意向、要するに求人情報です。求人企業名、所在地、電話番号を含む情報の提供をさせていただいております。これを今度、個人のものを全部出せと。というのは、地域外の人も入る可能性もありますので、それをどういうふうに扱ったらいいでしょうか、正直申し上げて。

 例えば私の市でしたら、鈴鹿市が、上野や、私の地域でいいますと桑名の地域の住民で就職をしたい人の情報をちょっとくれと言ったときに、その市に提供するかどうかという問題がかかわってきますので、あくまで今のところは求人情報を提供しているということでございます。

武正委員 
ここがやはりポイントなんですね。求職情報、鈴鹿市でもいいですよ。鈴鹿市の市民の方で、あるいは市だけだと、私は雇用政策としてちょっと狭いかなと思うので、やはり県ぐらいだと思うんですね。三重県の県民の方、その方々が職につきたい、こんな職につきたい、そういう求職情報がハローワークに集まっている。でも、これが、先ほど言った厚生労働省は地方自治体には提供できない。

 これで本当に地方自治体が、私は、これから地方自治体こそが雇用政策を担っていくべきだと思っています。そして、現にそういう首長さんがふえています。企業の誘致はもちろん、あるいはやはり雇用政策は地方自治体が頑張らなきゃいけないんだということを掲げた首長がふえています。そのときに、自分の県の県民あるいは市民がどういう職業を望んでいるのか、どういうところにつきたいのか、この情報を地方自治体が得られるか得られないか、大きな差なんですね。

 私は、この点はやはり厚労省として前向きに御検討いただきたい。セーフティーネットというお話、確かに個人情報のこともあるかもしれません。ただ、やはり雇用政策の実を上げる、そのためにも、私は、地方自治体をもっともっと信用していい、あるいは活用していいというふうに思うんですが、この点について御所見を伺います。

川崎国務大臣 
多分、私と同じような方向性を目指しているんだろうと思いますよ。私は、正直言って、地域の市長さんたちに雇用問題に一生懸命になってもらうということは一番大事だと思っているんです。したがって、昨年から副大臣に行ってもらって、話しかけをしてくださいと。やっと雇用状況の改善がおくれている地域の知事さんたちがみんな乗り気になってくれて、同じ話し合いが行われるようになりました。

 ただ、先ほど武正さんが言われたとおり、さあ、それじゃ、この地域の一定のものを他地域まで出せるかとなると、ここは少し個人情報の問題もありますね。ただ、その管内でお互いに情報交換ができないのかという仕組みは、少し勉強させてもらいます。

武正委員
ぜひお取り組みをお願いしたいと思います。

 官房長官は今帰られてしまいましたので行革担当大臣にお伺いをしたいんですが、先ほど触れました非常勤職員の人件費ですね。資料十二ページのように、独法については八十三億のうち十七億が非常勤職員の給与分であると。

 それで、政府提出法案は総人件費を五%下げる、こういう目標を立てておられます。民主党は三年で二割という方向性を出しております。その違いがどこにあるのかというのをやはり明らかにしていく必要が、これから民主党も対案提出の中で、本委員会では議論をしていく。当然、与党からも、民主党が法案を提出すれば、この点を聞いてこられると思うんですが、政府提出の総人件費には非常勤職員は含まれるんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

中馬国務大臣 
対象にしておりません。

武正委員 
当該独法で八十三億のうち十七億、五分の一強ですよね。総人件費に非常勤職員を含まない、こういったところもやはり、本当にこの公務員制度改革を含めた、あるいは財政再建に取り組もう、行政改革に取り組もうと、抜け穴が実はこの非常勤職員ということであるんじゃないでしょうか。このことを指摘させていただきたいというふうに思います。

 そこで、ちょっと質問時間も迫ってまいりました。限りがありますが、この独法に対しての評価、総務大臣にお伺いをしたいと思いますが、まず、その前に、行革担当大臣もお答えになっておられますので、独立行政法人に対しての評価、これがどのように行われているか、まず行革担当大臣からお答えいただけますか。

中馬国務大臣 
その前に、委員の方から非常勤職員のことがございましたが、ちょっとこれは誤解があったらいけませんから付言させていただきます。

 非常勤職員というのは、政府の審議委員とかあるいは臨時職員等も入っております。これは、今回の行政改革の総人件費というのは、結局、それで減らすことが目的じゃないんですね。役所の仕事、今までやっておった行政の仕事、この中でもう不要になったものがあるのではないか、あるいはまた、もう少し民間にゆだねていいのではないか、こういったことを見直して、そしてその結果として五%十分に減らせるということでのことでございまして、そういう形でやっております。

 その見直しの中にいろいろなものが入っていることは御存じでございますが、ともかく、人間の数を、定期的にずっとそこに携わってもらう方の改革のことでございまして、臨時の職員の方々は、それぞれ仕事は繁閑がありましたが、急激に人が要るときには、それはもちろんそれでやります。そうしたことは、すべてこれは予算管理の中で行われておりますから、それを人員の数に数えたり、あるいは、もちろん機械化、IT化しなければいけませんが、このIT化を、一々機械を入れてやるよりも、短期的なことであれば人でやった方がよっぽど効果的であるし、短期で済むといったことに対しましてそれを雇っているわけでございまして、これを一々対象にはしていないことを、まず一つは先ほどのに付言をさせていただく次第でございます。

 それからもう一つは独立行政法人でございますが、先ほどからずっとお話が続いております。

 独立行政法人というのは、極力今までのお役所の仕事を民間に移す一つの経過的なことにおいてもこれを手段として使っているわけでございまして、これは、一時的には、移管した当時は身分も公務員でございますが、これを極力非公務員化の方に移していっているわけでございます。そして、逆に、非公務員化された中では、人件費もそこで独自に決めることになりますし、採用や、あるいはまた昇進や、あるいはまたやめてもらうことを含めて、かなりこれは自由度がきいてまいります。公務員としてのかっちり枠をはめられた中じゃなくて、一つの自由度がきいてくると同時に、また、民間とのいろいろなやりとり等によって手数料等の収入を得ることすらできてくるわけでございまして、これもまた一つの、今までの役人の固定した中のことよりも、はるかに行政の効率化あるいはまた住民サービス等にも資するものだ、私はこのように考えております。

武正委員 
今、行革担当大臣が、総人件費を五%減らすということについて、減らすことが目的じゃないというふうに言われたんですが、これは大変大事な発言だと思うんですね。これは行政改革ですよね。支出を減らすことが目的じゃないんですか。

中馬国務大臣 
何度も言いますように、今回の行政改革というのは、大きな今までの日本の国の行政のあり方を変えていこうということでございます。

 そしてまた、その背景としましては、人口減少であったり、あるいは民が非常に大きな役割を担える力を持ってきておったり、また、NPOといいましょうか、そういう方々までも公的な仕事も十分に担い始めていらっしゃる中で、これを改革していく必要がある、いつまでも公務員という形で行政を担っていくことではない、そういうことを見直していく、その結果として減るわけでございますから、減ることはもちろん財政に資することもこれまた事実でございます。

 だから、まずは何%減らせということではなくて、その結果として五%という数字が出ておりますが、御党は三年で二割という話もありますけれども、我々としては十年間で大きな目標はつくっておりますが、当面、総人件費、人員の数でするならば五年間で五%を実現可能な一つの、そうした行政の改革とも歩調を合わせた形で削減の目標とさせていただいている次第でございます。

武正委員 
財務大臣、私は、総人件費の話を今していたので、国家公務員の数の純減の話じゃないんですが、総人件費を五%減らすというこの法案、これは支出を減らすということが目的じゃない、結果的にはそうなると今行革担当大臣が言われましたが、財務大臣も同じ認識でしょうか。

 私は、この条文を見れば、当然、総人件費を減らす、支出を減らすのが目的の法案だというふうに思うんですが、財務大臣の御所見を伺います。

谷垣国務大臣 
当然、私としましては、そのことが支出の削減につながることを期待していることは事実でございます。

 しかし、今、中馬大臣が御答弁になりましたように、この行革法案全体の趣旨は、今までの行政のあり方を改めて人口減少社会等々に対応した簡素で効率的な政府をつくっていこう、こういうことでありますから、支出を削減することが唯一の目的となっているわけではないと思います。ただ、私は、そういう作業を通じて財政再建に少しでも資することを期待しております。

武正委員 
これが、この法案が簡素で効率的な政府をということで、小さな政府というものが、言葉が消えたもしかしたら理由なのかもしれません。

 私は、総人件費の削減、これをやはり目標として第一に掲げていかないと、さっき言ったような非常勤職員あるいは非国家公務員、いろいろな手だてで抜け道があって、結局は、形になりましたよというような形になってしまうのではないかということを指摘させていただきます。

 そこで、総務大臣には、この評価委員の、先ほど行革担当大臣から指摘がありましたが、十三ページをごらんいただきますと、この間の委員会でも指摘をしたように、評価委員六百三十七人のうち、それぞれのこれは担当省庁の審議会の委員などを経験した人が二百八十七人、そして報酬をもらっていると。

 独立行政法人のこの評価委員というのは大変重い役割を独法通則法で与えておられます。特に三十四条の二項、「当該中期目標の期間における中期目標の達成状況の調査をし、」これは評価委員の評価でありますが、評価のために、「分析をし、並びにこれらの調査及び分析の結果を考慮して」というようなことで、調査や分析やこうしたこともやっていく。

 評価委員には大変公平性、効率性も求められるわけなんですが、ただ、それぞれの所管省庁からだけでも五割近い方が評価委員のうち別の審議会の委員を兼ねている。これで本当に公平、公正な評価ができるのか大変疑問なんですが、担当大臣としてどのようにお考えでしょうか。

竹中国務大臣 
武正委員御指摘のように、評価委員の役割は大変重要であると私も認識をしております。

 一方で、今は審議会委員との併任の点のお尋ねでございますが、審議会の委員もこの評価委員会の委員も、いずれもこれは任命をされれば非常勤の国家公務員でございます。国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務すべき責務を負うわけでございます。当然、そのことを自覚して公正に職務に当たっていただけるものというふうに思っています。

 したがいまして、これは、あくまでも専門的な知見を生かして審議会で貢献する、そして、かつ専門的な立場から、客観的かつ中立、公正な立場でこれは評価委員としての仕事をしていただくわけでございますから、これはそれぞれにしっかりやっていただくということに話は尽きるわけでございまして、兼務をしているからその中立性が損なわれるということではこれはないであろうというふうに思っております。これは、審議会の委員としてもしっかり公正、中立にやっていただかなければいけないし、評価委員会の委員としてもしっかりやっていただかなければいけない。そういう形で適切な人選がなされているものというふうに私は思っております。

 加えまして、もう一点、その評価が重要であるという点はそのとおりでございますので、これは、二次評価をするために、総務省の中でもそういった全体的な横並びの評価をするシステムを持っているということも委員御承知のとおりでございます。

武正委員 
時間が来ましたので終わりますが、総務省のその評価委員会が、国立大学を含めて何百というその独法のさらに評価という、とても数が多くてやり切れない、こういった指摘があることも加えまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。
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