国会議事録 衆議院本会議及び委員会での質問記録

2006年05月11日 
【衆院本会議】武正議員、在沖米海兵隊グアム移転問題など質問

 11日午後の衆議院本会議で、日米安全保障協議委員会(2+2)の出席報告と、在日米軍再編に係る日米協議に関する報告が行われた。これらの政府説明に対して、民主党・無所属クラブから質問に立った武正公一議員は、沖縄駐留米海兵隊のグァム移転問題を中心に、首相や関係大臣の認識を質した。

 武正議員は冒頭、「民主党は、日米同盟関係を、我が国安全保障の基軸と位置付けている」として、地域安定の要(かなめ)として有効に活用する重要性に言及。同時に、過剰となっている日本側の基地負担の軽減策を講じるという重要な責務を政治が果たさなければならないとの見解を示した。

 武正議員は、在沖米軍のグァム移転について「米軍再編と絡む問題として、米側から期限を切って迫られたために、何のビジョンも持たないまま米側の言いなりに巨額の負担を受け入れたのが実情ではないか」と指摘。日本が移転費用を負担する理由や、対応する法的枠組みについての見解を求めた。首相は「米側の言いなりになったという指摘は当たらない」と述べ、枠組みについては「法整備の必要性も含め政府内で検討する」と答弁するのみだった。

 在日米軍の再編に伴って実際に発生する金額と積算根拠について、武正議員は首相や関係大臣に厳しく質したが、麻生外務大臣が「現時点で明快に答えることは困難」と述べるなど、明確に示されることはなかった。財源に関する質問に対して谷垣財務大臣は「明らかになった段階で、法制上の措置も含め検討する」とした。

 武正議員はまた、「在日米軍基地の移設について、受け入れ先である地元自治体や住民、国民の代表である国会の頭越しに協議が行われたことは全く許しがたい」と述べ、地元への説明責任に対する認識を尋ね、小泉首相は「従来どおり丁寧に説明する」などと答えた。

 武正議員は、負担は軽減されず、「拡散拡大」していないか懸念を示し、各種訓練や兵器の展開や思いやり予算、日米地位協定の改定などについて、小泉首相や額賀防衛庁長官に答弁を求めた。「これだけの大事を国内で議論することなく、米側と合意してきた政府のやり方について、改めて強く抗議し、猛省を促したい」として、今後、国会で十分な審議時間を確保し、各委員会で合意内容を厳しく精査しつぶさに検証を行うことは当然と主張した。

 武正議員は、小泉内閣5年の総括として、国民の生命財産を守り領海領土を守るという当然の主張を行うため、外交チャネルを多角的に活用できたかが問われねばならないと強く指摘し、質問を終えた。 (民主党ホームページより転載) 

本会議議事録

武正公一 
 民主党の武正公一です。
 民主党・無所属クラブを代表して、在沖縄米海兵隊グアム移転に関する等政府説明に対する質問を行います。(拍手)

 民主党は、日米同盟関係を我が国安全保障の基軸と位置づけております。地域の安定のかなめとして、日米同盟を有効に活用していくことが重要だと認識しています。同時に、過剰となっている日本側の基地負担を軽減することは、同盟関係を持続可能なものとするために政治が果たさなければならない重要な責務です。特に、在日米軍基地専用施設面積の七五%が集中している沖縄については、県民に過度の負担を強いている現状を重く受けとめ、一刻も早く負担軽減策を講じるべきです。

 かねてより、民主党は、在沖縄米軍基地の整理、統合、縮小、地元負担の軽減を求めて、二度にわたる、沖縄振興策を柱とする沖縄ビジョンを取りまとめ、発表してまいりました。また、政府・与党が運用改善でよいと主張し続ける日米地位協定の見直し、改定案を累次まとめ、発表してまいりました。

 このたびの在沖米軍のグアム移転は、米国が独自の軍事戦略に基づいて進めている世界戦略の一環であり、このことは、昨年五月の国防総省の非公開資料でも明らかになっています。ゆえに、日本側が基地負担軽減のために米側に要請したものでは必ずしもないと認識しています。本来は米本土に戻るのに、日本を守るためにグアムに移るなどというへ理屈を追認するべきではないのです。

 そもそも、政府は、米軍再編の全体像を把握していますか。また、在日米軍基地の再編に対し、日本の主体的な安全保障のあり方についての独自の基本計画がありますか。米軍再編と絡む問題として、米側から期限を切って迫られたために、何のビジョンも持たないまま、米側の言いなりに巨額の負担を受け入れたのが実情ではないでしょうか。(拍手)

 たった八千人の海兵隊員が沖縄から移転することを基地負担の軽減と殊さらに強調し、米側が法外な費用負担を求めてきたことは大変遺憾です。さらに、日本に米軍基地を置くことの地政学的、経済技術的な有用性や政治的安定性などの特質を十分にアピールすることもなく、厳しい財政状況の中で巨額の経費負担を押しつけられ、合意してきた政府の対応には、怒りすら覚えます。なぜ、日本がこのたびの移転費用を負担しなければいけないのか、明確な答弁を求めます。

 さらに、今回の米軍再編に伴って、他国においても米軍の国外移転がなされると承知していますが、日本のように移転費用を負担する国の例があればお示しください。一万二千五百名を削減する韓国を含め、具体的に総理に伺います。

 そして、この六十・九億ドルの負担をどういう法的枠組みで対応しようと総理はお考えですか。国民への説明責任から、国会に対する法案提出や協定承認の必要があると考えますが、総理のお考えを伺います。

 財務大臣には、財政法と国際協力銀行法の観点から、同様に考えを伺います。特に、SPC、特定目的会社への出資、融資を今後安易に多用しないように、歯どめが必要ではないでしょうか。

 外務大臣には、条約制定や取り決め締結の必要性について、同様にその考えを伺います。

 また、今回の2プラス2に先立って、四月二十五日、ローレス国防副次官の、日本側の総額負担は二百六十億ドル、約三兆円だろうとの発言には、極めて唖然といたしました。まず、この金額が、日本政府からではなく、唐突に米高官発言として報道で我が国に伝わってくる事実に大きな問題があります。特に、この日曜日のテレビのインタビューでは、日本側パートナーから得た数字と語っています。

 政府は、ローレス国防副次官の発言内容を事前に承知していたのですか。三兆円という規模の数字について、両国間で合意がなされているのですか。この発言の後、日本の閣僚からは、実は三兆円もかからないなど、てんでばらばらの発言が相次いでおります。こうした発言のもととなる協議を進めてきたのかどうか。実際に、在日米軍の再編に伴ってどのぐらいの費用負担が発生するのか、積算根拠を明確にお示しください。

 以上、総理に伺います。

 財務大臣には、八日の参議院行政改革特別委員会で、中期防にそのまま上乗せすることではいけないと述べていますが、その真意を御説明ください。中期防見直しの際、ミサイル防衛構想導入に伴い、陸上自衛隊隊員削減に財務省が走り、大騒ぎの轍がかいま見えるからでございます。

 既に、国防総省ローレス副次官に先立ち、防衛事務次官は二十四日の講演で、グアム移転経費を除き二兆円との発言を行っています。二兆、三兆と、豆腐を数えているのではありません。本省庁発注五百万円以上の全契約の七〇%から八〇%が随意契約であるような、見せかけにしろ、数合わせにしろ、小泉内閣五年間のやったふりの行政改革といいながら、さらに、政府提出、医療制度改革関連法案では二千五百億円の高齢者の負担増を課す一方、外交、防衛では、とりわけ米国政府との交渉では、この大盤振る舞いであります。

 この間、国会には十分な説明がされず、最終報告を迎えました。担当大臣は、協議中ですの一点張り。これで、政府は説明責任を果たしてきたと言えるのでしょうか。国会議員は報道でその交渉過程を知るという大変情けない事実がございます。国会の関与、すなわちシビリアンコントロールは果たせてきたとは言えません。

 在日米軍基地の移設について、受け入れ先である地元自治体、住民、はたまた国民の代表である国会の頭越しに行われたことは、全く許しがたいことです。政府は、米側との交渉を優先し、実際に基地を負っている地元自治体との話し合いをおろそかにしたまま、合意内容を押しつけようとしています。そのツケが、先般行われた岩国市の住民投票、岩国市や沖縄市の市長選において如実にあらわれたのではないでしょうか。政府が最初から、米側との交渉内容について地元に説明しないまま進めてきたために、全く理解が得られないのだと考えますが、地元への説明責任について、総理の認識をお伺いいたします。

 また、負担軽減と言いますが、二国間の安全保障、防衛協力の強化、改善を昨年二月の2プラス2共同発表以降、同盟の能力向上を昨年十月の2プラス2以降、今回もうたい、将来の共同訓練、演習のための自衛隊施設の使用拡大、共同使用の条件が合同委員会合意で定められている自衛隊施設については共同訓練回数の制限の撤廃を決めるなど、その負担はかえって拡散、拡大しているのではないでしょうか。

 さらに、「同盟関係における協力は新たな段階に入るもの」との「新たな段階」とは何を指すのか。

 以上、総理に伺います。

 そこで、防衛庁長官に伺います。

 三月末、総額九十八億ドルのグアム移転経費には、三億ドルの自衛隊隊舎もしくは宿舎の建設費が含まれていると報道されていました。協議では俎上に上がっていたのでしょうか。そうした計画があるのでしょうか。グアムでの戦闘機による共同訓練を行うのでしょうか。KC130飛行隊は、岩国を拠点としながら、定期的ローテーションで鹿屋、グアム基地に展開するとのことですが、これは面的な拡大を意味するのではないでしょうか。米軍のパトリオットPAC3は、既存の米軍施設・区域の何カ所に展開するのでしょうか。お答えください。

 総理、ミサイル防衛では、Xバンドレーダーでのデータを日本国政府と共有するとされております。バッジシステムの情報も共有するのでしょうか。自衛隊と米軍の相互運用性の向上をうたっていますが、日本の安全保障の主体性は情報面で確保できるのでしょうか。

 在日米陸軍司令部能力の改善について伺います。キャンプ座間の米陸軍司令部の改編は、米陸軍第一軍団司令部の一部移転を含んだユニット化であり、そのための施設整備の提供は、地位協定二十四条二項ののりを越えているものと考えるべきではないでしょうか。

 また、グアムへの移転に伴い、平成十八年度で二千三百二十五億円とされるいわゆる思いやり予算の削減をどう見積もっているのでしょうか。

 以上、防衛庁長官に伺います。

 思いやり予算では、この三月、期限を迎えた協定を二年延長する承認を国会も行いましたが、当初、二十四条一項から、光熱水料費、平成十八年度二百四十八億円の負担は見直すとの報道がありながら、見送られた経緯は、これからの米側の削減カードとしてとっておくためという指摘がありますが、外務大臣はこの指摘をどう受けとめますか。

 日米地位協定の改定について伺います。

 当該知事県からの要望にもあった同協定の改定が最終合意に盛り込めなかったのは、極めて遺憾であります。一昨年八月十三日、沖縄国際大学米軍ヘリ墜落後、ちょうど十六日夕方、現場に着いた私の目の前で、後部ローターと胴体を結ぶ機体の撤去が米軍により行われていました。沖縄県警は遠巻きにして見るしかありません。地位協定十七条三項により、第一次裁判管轄権が米側にあるとされているからです。このときも、米側から日本側への事故通報がおくれました。九六年のSACO最終合意では、事故通報の適時確保努力、これを運用改善するとされていますが、結局、このありさまであります。

 改正ボン協定では、例えば、日米地位協定にはない低空飛行禁止が盛り込まれています。同盟関係における協力が新たな段階に入り、全国の米軍基地、自衛隊基地での米軍の展開の拡大が合意された今、負担軽減は地位協定改定がなければ画竜点睛を欠き、このことは沖縄のみならず全国共通と考えますが、総理の御所見を伺います。(拍手)

 また、米軍再編に伴う日本側の負担経費に係る財源をどこから出すのかなど、問題は多々あります。これだけの大事を国内で議論することなく米側と合意してきた政府のやり方について、改めて強く抗議をし、猛省を促したいと思います。その上で、今後、国会において、十分な審議時間を確保し、納税者の視点とシビリアンコントロールを徹底する見地から、予算委員会、外務、安保、財務金融委員会による連合審査、担当常任委員会などでの徹底した同時並行の審議を行い、合意内容を厳しく精査し、つぶさに検証することが当然と考えますが、どうお考えでしょうか。政府としての説明責任をそうした丁寧な対応で果たすという決意を、以上、総理に伺います。

 北東アジアの軍拡競争は避けなければなりません。拉致事件、竹島領有権、東シナ海海洋権益、北方領土返還など、国民の生命財産を守り、領土、領海を守る主張を当然行うための外交チャネルを多角的に活用できたかどうか、小泉内閣五年の総括として今問われなければなりません。それがないために緊張関係が高まり、いたずらに安全保障コストがふえてはなりません。将来の批判にたえ得る外交、安全保障を行うためにも、政府の説明責任を回避させないためにも、外交文書の三十年公開ルールを履行することを強く求めます。

 民主党は、主体的に日本の外交、安全保障政策に向き合って取り組んでいくことを国民の皆様に述べて、質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 
武正議員に答弁いたします。

 米軍再編及び我が国の安全保障政策についてですが、世界規模での米軍再編については、米国との緊密な連携等を通じて、我が国としても適切に把握してきております。

 また、我が国は一昨年十二月に、我が国の安全保障と防衛力の考え方を定める防衛計画の大綱を策定いたしました。今回の日米外務・防衛担当閣僚において発表されたロードマップを含む米軍再編に関するこれまでの成果は、同大綱の考え方を踏まえ日米で取りまとめたものであり、経費負担を含め、アメリカ側の言いなりになっているといった指摘は当たりません。

 沖縄における米海兵隊のグアム移転経費の分担とそのための法的枠組みについてでございますが、在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄の負担をなるべく早期に軽減するため、我が国も応分の分担をすることといたしたところであります。また、経費の分担のための具体的な方法については、法整備の必要性も含め、政府部内で検討を進めてまいります。

 米軍移転経費を負担した前例に関するお尋ねでありますが、駐留米軍の国外への移転に際し、我が国以外の米国の同盟国がいかなる財政的支援を行ったかにつき、確実に知り得る立場にありませんが、これまで承知している範囲において、御指摘のような事例は把握しておりません。また、在韓米軍の再配置に当たっての韓国側の負担については、現段階では確定していないものと承知しております。

 米軍再編に伴う経費でございますが、政府としては、ローレス国防副次官の発言内容を事前に承知しておりません。在日米軍の再編に伴う措置については、費用面も含め、これまで日米間のさまざまなレベルで協議をしてきましたが、具体的な金額を我が国が負担することで合意したことはありません。所要経費は今後精査していくこととしており、総額が幾らになるのかについて、現時点では明確にお示しすることは困難であります。

 基地を抱える地元への説明責任でございますが、米軍再編は抑止力の維持、地元の負担軽減の観点から行っているものであり、政府としては、今後とも引き続き、地元の御理解と御協力を得るため、誠心誠意努力してまいります。

 負担は増加したのではないかとの御指摘ですが、今月一日に発表した再編実施のための日米のロードマップは、抑止力を維持しつつ、我が国全体として負担を軽減するために日米双方が合意したもので、政府は、ここに示された具体案を着実に実施してまいります。

 日米同盟の新たな段階に関するお尋ねですが、我が国外交の基軸である日米同盟は、新たな安全保障環境に協力して対応していく必要がありますが、このたびの再編案を着実に実施することにより同盟の能力が向上していくこととなります。日米同盟における協力関係が新たな段階に入るとは、まさにこのような趣旨を述べたものであります。

 ミサイル防衛に関し、バッジシステムの情報共有と情報面での安全保障の主体性確保でございますが、日米安保体制のもと、ミサイル防衛に万全を期すためには日米間における情報共有が重要であり、バッジシステムの情報を含め、情報共有の具体的なあり方については日米間で緊密に調整しているところであります。我が国がみずからの情報収集能力を整備していくことが日米間での情報共有を円滑に進めるために重要であり、日米間での情報共有や相互運用性を進める中でも情報面での主体性は確保されると考えております。

 日米地位協定につきましては、政府としては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えのもとに、運用の改善に努力してきており、先般の日米外務・防衛担当閣僚会談におきましても、このための日米間の協力の重要性につき、閣僚レベルで確認しております。今後とも、目に見える運用改善の成果を積み上げていくよう努力してまいります。

 国会への説明についてでございますが、米軍再編について、日米関係を基軸として、抑止力を維持し、日本の安全を確保することがいかに重要であるか、沖縄等の基地負担を軽減することを国民全体の問題としていかに考えなければならないかということを、従来同様、国会の場において丁寧に説明してまいります。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 
武正先生から二問ちょうだいをいたしております。

 まず、グアム移転経費の日本側負担に係る枠組みについてのお尋ねがありました。

 この問題は、今後、我が国の支援に係る具体的なスキーム、枠組みなどについて、さらに詳細な検討をしていく必要があります。関係省庁と相談をしつつ、国際約束の締結の要否といった点を含めて整理をしてまいりたいと存じます。

 次に、在日米軍駐留経費負担についてお尋ねがありました。

 現時点では在日米軍再編の進展の結果を見きわめることは困難であるとの特殊な事情を踏まえて、先般発効いたしました新たな在日米軍駐留経費負担特別協定は、従来の五年間の協定から暫定的な二年間の協定としたところであります。

 在日米軍の兵力態勢の再編に係る費用面の影響につきましては、現時点で明快に述べることは困難であります。(拍手)

    〔国務大臣額賀福志郎君登壇〕

国務大臣(額賀福志郎君) 
武正議員にお答えをいたします。

 まず、自衛隊の隊舎の建設費についてでございました。

 お尋ねの報道につきましては承知はしておりますけれども、先般の日米防衛首脳会談における合意内容にはお尋ねの経費は含まれておりません。また、合意に至るまでの具体的なやりとりあるいは合意内容に含まれていないものについて言及することは、差し控えさせていただきたいと思います。

 なお、自衛隊の隊舎をグアムに建設する予定はありません。

 次に、KC130のローテーションについてお尋ねがありました。

 KC130の部隊は、SACO最終報告どおりに岩国に移駐するとの結論に至ったところであります。米空母艦載機等の移駐に伴う、岩国飛行場における運用の増大による影響を緩和するとの観点から、同部隊は、ローテーションで海自鹿屋基地やグアムに展開することとしたのであります。

 次に、米軍のPAC3の在日米軍基地への配備についてお尋ねがありました。

 米軍のパトリオットPAC3が何カ所の在日米軍基地に配備されるかを含め、その具体的な展開のあり方については、今後、日米間で検討していくことにしております。

 次に、キャンプ座間の米陸軍司令部の改編についてお尋ねがありました。

 在日米軍の使用する施設及び区域に係る費用については、日米地位協定第二十四条の規定に基づいて負担されるものであり、在日米陸軍司令部の改編に伴う訓練センターなどの費用については、日米両国政府の協議の結果、米国政府が負担する旨合意したところでございます。

 最後に、いわゆる思いやり予算についてでございます。

 在沖米海兵隊がグアムに実際に移転した場合に、在日米軍駐留経費負担にいかなる影響があるかについてでございますけれども、削減、再編された在沖米海兵隊部隊が具体的にいかなる形で沖縄に維持されるのか等について、まだ正確になっておりません。これを正確に把握した上で考えていくことが大事であり、現時点で明確に述べることは困難であります。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 
武正議員にお答えいたします。

 まず、米軍基地のグアム移転費用の負担の枠組みについてのお尋ねでございます。

 在日米軍の再編に関しましては、日米の防衛・外交当局の間で協議が進められ、先般、日米安全保障協議委員会における合意に至ったところでございますが、この再編に伴う米軍基地のグアム移転に関しましては、その具体的な内容が現在のところまだ未定でございます。お答えすることが困難でありますが、今後、その内容が明らかになった段階で、法制上の措置の要否を含め、検討してまいりたいと考えております。

 次に、米軍再編と中期防衛力整備計画の関係についてでございますが、在日米軍の再編の所要経費の見積もりについては、今後、最終取りまとめの合意内容を踏まえて精査が進められることとなっておりまして、現段階では確定していないものと承知しております。

 このため、在日米軍再編のために必要となる経費の取り扱いにつき、現段階で予断を持って申し上げることは差し控えさせていただきますが、現下の厳しい財政状況のもとでは、既存の防衛関係費についても一層の効率化、合理化を図り、米軍再編に要する経費がそのまま現在の中期防衛力整備計画に上乗せにならないようにする必要があると考えており、先般の衆議院行政改革特別委員会においては、その旨答弁申し上げたところでございます。
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