国会議事録 衆議院本会議及び委員会での質問記録

2006年10月26日 【総務委員会】

武正委員 
民主党の武正公一です。

 本日は、大臣のあいさつということでありますが、大臣所信に対して質疑を行わせていただきます。

 次の内閣という民主党の組織の中で、総務省の担当責任者として総務部門の取りまとめ役を仰せつかっております。そうした立場からも、きょうは、大臣、そしてまた厚生労働省の菅原政務官にもお見えいただいておりますので、政治家同士の議論をということで質疑をさせていただきたいと思います。

 まず大臣に、これは通告していなかったので大変恐縮なんですが、これは今、それこそ各大臣に民主党としてぜひ確認をしたいということでお聞きをしたいと思っております。

 それは、政府・与党の幹部あるいは内閣の主要閣僚から、核の保有論議について、これをやることはやぶさかではない、こういうような発言が出ております。また、つい先日も外務大臣の方から、北朝鮮が核を持った、こういうふうに言われることによって北東アジア情勢は一変したんだ、こういうような発言も出てきているので、論議すればいいということももちろん問題でありますが、非核三原則を堅持する政府・与党、そしてまた閣僚としての発言として、そうしたまた認識の変化ということで、さらにまた踏み込んだ発言も出ているんですが、核保有論議をしてもいいじゃないか、こういうような発言を菅総務大臣としてはどのようにお考えになられますか。また、御持論があれば御見解を伺いたいと思います。

菅国務大臣 
私は、これまでの政府見解でいいと思います。

武正委員 
政府見解と同じということはどのようなことか、つまびらかにしていただけますでしょうか。

菅国務大臣 
非核三原則を維持し、そして、核保有についての議論はまだ今はすべきじゃないということです。

武正委員 
それでは質問に移らせていただきます。

 まず、先ほど来質疑に取り上げられております命令放送でございますが、私も拉致議連のメンバーでもありますし、また、この三月、日英二十一世紀委員会でロンドンに行った折も、ストロー前外相に、国連人権非難決議を議長国としてイギリスが取りまとめてくれたことのお礼も直接伝えた経験もありまして、特にヨーロッパ各国が北朝鮮と国交を結んでいるものですから、やはり世界的な、言うなれば包囲網というんですかね、これが必要だ、こういったことも含めて、拉致被害者、そしてまた特定失踪者、その一日も早い救出、これをやらなければならないということで、私も及ばずながら尽力をしてきた、このように自負をしております。

 ただ、やはりこの命令放送ということは、放送の独立性に対する侵害ということのおそれありということで、大変危惧を覚えております。というのは、これまで民主党として当委員会に、放送の独立性を堅持すべきということで、免許更新制、その許認可権を放送局に対して総務大臣が有しているものですから、やはり五年に一回の免許更新をしてもらう大臣あるいは政府、内閣に対してどうしてもおもねるところがありやなしや、こういうことも危惧するところから、許認可は独立した行政委員会に、こういう法案を複数年次にわたって提出してきた経緯もあるからでございます。

 そこで、まず事の発端が、衆議院の予算委員会での民主党の中川正春委員への答弁、これがスタートだったというふうに記憶をしております。これは、先ほど来大臣から話がありましたように、「今、委員から申し出がありました「しおかぜ」の件でありますけれども、新たにこうした申し出があれば、私は、責任者として、周波数確保のために、国際的なルールに基づいて前向きにぜひ取り組んでいきたい、こう思っております。」こういうような答弁がありまして、その後、翌々日ですかね、今度は命令放送というようなことを閣議後の記者会見で述べられておりますので、まずは「しおかぜ」への支援、これが発端だったというふうに私は思うんですね。

 それへの取り組み状況は先ほどお答えをいただいたので重複は避けますが、ただ、特定失踪者の調査会の代表である荒木さんが二十五日、調査会メールニュースでこのように流しておられます。通信施設の利用については、現在の英国経由の放送をこちら、というのは茨城の八俣に変えるわけではなくて、プラスアルファする形になると思いますと。ただ、費用負担の問題が出てくると。この費用負担というのがやはり課題だということは述べておられます。それから、これから「しおかぜ」プロジェクトに加えてバルーンプロジェクトなどをやっていく、こういうようなことも述べておられました。

 私は、「しおかぜ」に対する支援というのはやるべきだ、こういう立場でありますが、まず、この八俣の送信所、先ほど可能性を検討ということでありましたし、先週金曜日、それこそ荒木さんと総務省も接触をしたというふうに聞いておりますが、例えば、今の費用負担なども含め、あるいは先ほどの周波数確保ということで努力をされるということですが、いま一度、こうした荒木さんの発言も踏まえて、どのような形で支援ができるのか、お答えをいただけますでしょうか。

菅国務大臣 
今委員の御指摘がありましたように、そもそもこの問題は、予算委員会で中川委員から、海外でなくて国内でできないか、実はそういう質問が発端でありました。私、全くこれは思いが同じでありましたから、国内でできることは最大限、私どもとすれば、できることはやろうと。そういう中で事務当局に指示をして、どういう可能性があるか。そこから出てきたのが、周波数を確保するのであれば、世界のルールがあるので、そこに、必要であれば私どもとしては申請する意思がある。そして、国内では、先ほど来ありますけれども、茨城県の八俣送信所、ここしか利用はできないだろう。そこを利用できるかどうか、もし利用するとすれば幾らでか、そういうところまで含め、実は検討をするように私は指示をしました。

 そして、先週、内閣の拉致対策本部、そこと私どもの事務方が「しおかぜ」の関係者から具体的な話を先週の金曜日に伺った、そういう報告を受けております。

武正委員 
荒木さんは、このメールで、そうした八俣の送信所でのことが実現に向かうには、例えばITUは年に二回周波数のそうした変更の会議があったり、またいろいろと手続などをいうと、どうしても来年度中になってしまうだろう、先になってしまうだろうということも含めて、プラスアルファというようなことを述べておられるわけなんですね。

 ですから、私は、それはやはりプラスアルファであって、費用の面とかぜひ御支援をいただいて、それから、周波数の確保に全力を挙げていただきたい、このようにお願いをしたいと思います。

 そこで、これも報道があったんですけれども、前総務大臣のときの命令放送、この命令放送については、いわゆる三つということで、これまでどおりの、時事とかそうした三つの点を渡しているんですが、このときに、口頭で、統括官というんですか、大規模災害、テロ、拉致に留意をということを伝えた、こういう報道があるんですが、こうした事実はあるんでしょうか。お答えいただけますか。

■菅国務大臣 
ことし四月一日付のNHKのラジオ国際放送に対する命令書を交付する際に、当時の清水政策統括官から橋本NHK会長に対し、拉致、テロ、自然災害について重点的に扱ってほしい旨を口頭により伝えた、このことは事実であります。

武正委員 
こうした命令放送の文書を手渡すときに、過去、このような形で口頭で要望を伝えたことがあるのか、特に拉致問題についての留意をということも含めて、お答えいただけますか。

菅国務大臣 
今までのことを全部調査しました。それで、口頭で留意事項を伝えたということはほかにないということです。しかし、命令放送に関し、文書で局長名で要請をした事実はあります。それは、平成十三年の十月九日にアメリカ中枢多発テロに伴う要請、十四年十月二十五日にインドネシア等における爆発事件の発生に伴う要請、十五年三月十八日、イラク情勢の緊迫化に伴う要請、この三点であります。

武正委員 
緊急避難、それからそうした大規模災害、あるいはテロ、それが起きたときにそうした形で文書で出した、こういったことがあるということでございます。ただ、口頭で命令放送とともに伝えたことは過去なかった、こういったことでございます。

 そこで、先ほど来、電監審への諮問を行うんだというお話なんですけれども、電波監理審議会は、御存じのように、独立行政委員会といっても八条委員会でありまして、いわゆる三条委員会に比べると、大臣に対しての権能というんですか、それがやはり弱い委員会というふうに私は承知をしております。ですから、民主党がこれまで通信・放送委員会設置法案を出しているときは、それは三条委員会にすべし、そして、しっかりと、放送局のそれこそ許認可に対して大変な影響を持つ担当大臣に対して言うべきことは言える、そういう独立行政委員会であるべしということを主張し、法案を提出してきた経緯がございます。

 先ほど、電監審に諮問するんだ、こういうようなお話で、電監審の答申結果に従うんだということでしたが、電監審に対して、命令放送ですね、拉致問題について重視をするようにというような形なんでしょうか、これを諮問するということになりますと、過去、例えば勧告という形でその担当大臣なりの諮問に異議を唱えるというか、これはやめた方がいいとか、おかしいと思う、こういうふうに言ったのが、昭和二十年代に二回あったきりで、それ以降ずっとそうした勧告も使われていない、こういった経緯もありますので、私は、ここで総務大臣から、命令放送にこれまでなかった拉致問題についての記述をしてその諮問をするというのは、かなり電監審にとっては重たい諮問になろうかというふうに思っております。事実上これは、もうそれをやるんだ、それについてのいろいろな検討をしてくれ、こういうような形になるというふうに思いますので、電監審への諮問前ではありますが、この放送法の独立性からいって、三条にある編集権、「放送番組編集の自由」に対する侵害に対する危惧が大変強いんですが、このことについてはどのようにお考えでございますか。

菅国務大臣 
きょうの報道でも、あるメディアの社長の、要請にすべきだということが載っていました。しかし、要請というのはこれは行政指導ですから、先ほど、今まで三通の要請があったという報告を私もしましたけれども、あれは大臣なり副大臣の決裁なく局長が、それぞれの、当然テロだとか大震災だとか、そういうところであるのでという形で出したというふうに思っていますから、やはり法治国家でありますので、公明正大に、法律に基づいて、オープンにした形でやるのが適切じゃないかなという判断を実は私はしたんです。それは、例えば私が要請をしていればこのことは表に出なかったわけですから。そういうこともぜひ御理解をいただきたいと思います。

 もう一つの引き金となったのは、参議院の予算委員会で民主党の森議員から、なぜNHKの秋田放送、北朝鮮に近いから、その電波を使わないんだという質問も実はあったんです。ですから、私とすれば、いずれにしろ、先ほど申し上げましたけれども、やはり拉致被害者の方というのは生命の安全だとかそうした危機にある可能性があるわけですから、そういう意味の中で私は実はこの命令をという決断をしました。

 それで、先ほどの要請の問題、口頭の問題、これよりも、私は、やはりオープンな形で、放送法三十三条第一項に基づいてやった方がいいだろう、そういう判断で命じましたので、このことはぜひ御理解をいただきたい。

武正委員 
先ほどの荒木さんのメールにNHKの命令放送についても書いてあるわけなんですが、私たちは命令放送としてNHKで「しおかぜ」を流してもらいたいとは思いません。ただし、北朝鮮の体制崩壊時に、拉致被害者の皆さん、どこどこに避難してくださいというような緊急放送は命令放送でやっていただくしかないと思っています。これは荒木さんの考えです。もちろん、現在の「しおかぜ」も緊急放送に使いますと。

 そういった意味では、荒木さんが言っておられるように、私は、では命令放送でいいかどうかはわかりません、ここではあえてコメントはしませんが、先ほど言われたその三件というのは、例えば荒木さんのこの表現をかりれば北朝鮮の体制崩壊時に当たるのではないのかということであって、ここで、これだけいろいろと議論が巻き起こっております放送の自由編集権の侵害の危惧ということで、あえて命令放送に踏み込まれなくてもよろしいのではないかな、こういうふうに思うんであります。

 荒木さんのこうした指摘について、また菅大臣の強い決意はわかるんですが、こうした被害者の皆さんあるいは特定失踪者の調査会の皆さんの声というものもいろいろ聞いていただいて、いま一度慎重な御検討をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

菅国務大臣 
私は、今日まで、家族会の方とか、いろいろな方からお話を伺いました。

 ぜひ委員には御理解をいただきたいんですけれども、「しおかぜ」と命令放送、これは別々だというふうに私は思っています。「しおかぜ」としてできることは、私どもは支援することは行ってあげたい。しかし、NHKにも、拉致問題について、日本の家族や国民、そして政府が救出のために見捨てないでみんなで努力しているということを知ることが、北朝鮮に拉致をされて今不自由な生活をしている人たちにとって最大の希望である、こう私は思ってNHKに命令放送をということであります。「しおかぜ」は「しおかぜ」でできることは支援をしていきたい。しかし、私ども役所として、総務大臣としてできることは、放送法の中で命令放送ができますのでそういう判断をした、こういうふうに御理解をいただきたいというふうに思います。

武正委員 
まさしく大臣が認めておられるように、事は、先ほど触れたように、十月十一日の衆議院の予算委員会、民主党の中川正春委員の質問に「しおかぜ」に対する支援ということでお答えになられたわけなんです。それが、翌々日の閣議後の記者会見でNHKの命令放送と、今も大臣が言われたように別な観点から今度は発言をされているわけなんです。

 私は、初期の「しおかぜ」への支援、立法府から行政府の長に対する質問、それに対して前向きな、同僚に聞くと、そのときの予算委員会でもどよめきというか、そこまで踏み込んだかと思ったというふうに同僚議員は言っておりました。ただ、大臣のやむにやまれぬ思いからのそうした答弁、あるいは今までの拉致問題への取り組み、それからの答弁だとすれば、ぜひ「しおかぜ」への支援を頑張っていただきたい、応援をしたいというふうに私は思っています。

 ただ、今のNHKの命令放送について、あえてBBCとの比較をさせていただきますと、BBCも、海外放送について、ワールドサービスについては税金をそれこそ半分投入している。NHKの場合は四分の一ですよね。

 しかし、ことしの七月に政府とBBCは合意をしております。それは、あくまでもBBCのそうした海外放送を含めて英国が信頼される国になることを目的と、これをまず合意しているんですね。シチズンジャーナリズムという英語だそうですが、そうしたことを合意するけれども、政府が海外放送の内容に介入することはないということでありまして、あくまでも公共の価値ということをキーワードにBBCは独立性を保っている。しかも、政府はそれをしっかりと保障している。これが、BBCが世界各国で大変影響を持った、信頼される放送たるゆえんだと私は確信をしております。

 これから、より以上、海外でのNHKの番組の信頼性、これを高めてほしいというふうに切に思います。それがひいては、それこそイギリスでBBCと英国政府が合意をしたように、日本に置きかえれば、日本が信頼される国になることを目的と、これが唯一の目的なんだ、世界各国で、これがどれだけ日本の国益に資するか、ひいては拉致問題の解決に資するか、こういったことを私は考えます。

 「しおかぜ」と公共放送のNHKに対する命令放送は別だという大臣の御所見でありますので、BBCの、政府が介入することはない、しかし、当然、税金を海外放送の半分出している、しかも先ほど言った目的を合意している、こういったこともぜひ御勘案の上、再度御検討をいただきたいというふうに思います。よろしいですか。何かあれば。

■菅国務大臣 
「しおかぜ」の件とNHKの命令放送、私どもとすればできることはすべてやりたい、そういう中から出てきたことでありますので、それは確かに別々でありますけれども、事は生命の安全にかかわることでありますので、すべてやりたい、そういう思いの中で今回の決断をした、こういうことを御理解いただきたいというふうに思います。

 また、BBCの御指摘が今ありましたけれども、私は、これを事務当局から資料として取り寄せました。ここは、外務大臣が事前に承認した地域に対し、また言語により、外務大臣等の同意を得て設定される目標及び順位に従って放送しなければならない。あるいは、BBCは外務省と協議し、及び協力しなければならない。また、BBCはワールドサービスが高水準の編集上の自律性を維持することを確保しなきゃならない、こういう縛りがあるということを事務当局から、今回のことを決断するに当たり、こういうことも政府との協定書に定められている、そういうふうに私は理解をしておりました。

武正委員 
BBCについては、そういうような縛りがある中で、それに対して、文句を言うというか、これはおかしいじゃないかと言うことがちゃんと権利として保障されているんですね。そこがやはりNHKと違う。予算は国会審議、許認可は大臣という中で、そうした政府からの命令とかいろいろなやりとりに対して異議を唱える権利がBBCにはしっかり確保されている、この点がNHKと違うということを改めて指摘して、ちょっと時間の関係もありますので、再度慎重な御検討をお願いしたいと私は思います。

 そこで、NHKについてなんですが、督促、未契約者への民事訴訟、今回は四十八件の督促を行ったんですが、その絞り込み方、二十三区で絞り込んで、未払いの人が十九万件あって、そこから七百件を抽出して、そしてその中からいろいろとやりとりをして四十八件に絞った、こういうような絞り込み方がいかがなものかなということ。

 それから、未契約者が九百十七万件に対して、民事訴訟も辞さない、こういうようなことを発表されているわけなんですけれども、それこそNHK改革がどこまでできているのか、そしてまた、こうした強制的なことを放送法を盾に行おうとされておりますが、それが本当に法的に、例えば裁判に持ち込んだ場合に、果たして放送法のみで有効なのか、こうしたこともいろいろな意見が出ているわけなんです。

 今回のこうしたNHKの督促、未契約者の民事訴訟について、担当大臣としてどのようにお考えになりますか。

菅国務大臣 
まず、現在、国民全体に支えられているNHKについて、約三割が未払いになっている、この現状については私は非常に遺憾に思っています。

 総務省としては、NHKが組織を挙げて全力で、受信料の公平負担確保のためあらゆる措置を講じるとともに、経営改革に一層取り組む、このことをまず期待をいたしています。

 そして、NHKとしても、国会承認を受けた平成十八年度の事業計画に、努力を重ねてもなおお支払いいただけない場合の最後の方法として、放送法を遵守する立場から、平成十八年四月以降準備ができ次第、民事手続による支払い督促の申し立てを実施する、このことが実は国会承認の中に盛り込んであります。今般は、その準備が整ったところから、十一月以降実施する旨を公表した、このように承知をしています。

 そして、支払い督促の具体的な件数の絞り込み方や未契約者への民事訴訟の実施等については、NHKが適切に判断をしていくもの、こう思います。

武正委員 
その準備ができたかどうかというようなところでやはり分かれると思うんですね。やはり、国民への周知とか、あるいはこうしたやり方が果たしてよかったのかどうかを含めて、また、では、いわゆるNHK改革はこの半年間でもう完璧に終わったのかどうか、それこそ、NHKの高コスト体質とか、あるいは今のさまざまな変化の潮流に対して組織が対応できているのかどうかも含めて、やはりこれは検証が必要だと思うんですね。ですから、そういった意味で私はまだ拙速ではないのかなというふうに思わざるを得ないわけでございます。

 さて、そうしたNHKでありますので、先ほどの命令放送もそうであります、またここで、督促、未契約者への民事訴訟もそうでありますが、総務省のかかわりというんでしょうか、やはり所管省庁の関係が大変強い組織になっております。ですから、やはりNHKの独立性を高めるような法的な仕組みが必要でありますし、当然NHKもその努力をしていただきたいというふうに私は思うわけでございます。

 さて、分権改革推進法に移らせていただきますが、あした閣議決定というふうに聞いておりますが、その内容が報道されておりますので、こうしたものを中心に伺わざるを得ないわけですけれども、ちょうど内閣委員会では道州制特区法案が趣旨説明、これから審議に入るわけであります。三十三のそれこそ権限の移譲要望が北海道からは出ていながらそれが八つになってしまったこと。そしてまた、道州制特区法案が出ていながら今回の分権改革推進法では道州制についての記述が削除された、これは同じ内閣の提出法案として矛盾をするのではないのかなと。地方分権の、平成七年ですか、十年ぶりの大変重たい法律を提出しながらなぜこの道州制の部分を外してしまったのか。一方で特区法案の審議を行っている政府としての担当大臣、御見解をお願いいたします。

菅国務大臣 
今国会に提出すべく準備をしています地方分権改革推進法、これは、新たな地方分権改革の推進体制の整備を進めるものであり、地方分権改革を推進するための基本理念、地方分権改革推進委員会の設置などについて規定している内容であります。そして、この委員会においては、権限移譲や、義務づけ、枠づけの見直し、関与の整理合理化等が主要な課題になるものと見込んでおりますけれども、道州制について直接に調査審議の対象とすることは想定をしないということで、本法案について道州制を特記することはしなかったわけであります。

 道州制に関する検討は重要な課題と受けとめておりまして、道州制担当大臣がおります、このもとで行われます道州制の本格的な導入に向けた道州制ビジョンの策定に私としても緊密に連携をしながら取り組んでいきたい、こう思っています。

武正委員 
道州制ビジョンは佐田大臣がつくるということなんですけれども、道州制ビジョンはこれからつくりますよと言いながら道州制特区法案はもう出ている、ここにも私は矛盾があると思うんですけれども、この点はどうお考えでしょうか。

菅国務大臣 
今度の法案は、一つの例として北海道という形で出ているわけでありますから、道州制そのものというのは、私は、やはり国民の中で道州制へのイメージが出てくるまでにかなり時間を要するというふうに思っていますから、そういう議論をする中で、私どもの推進法案というのは、やはりこの一括法も含めてまずきっちり進めていく、その先に道州制がある、こういう理解を私はしています。

武正委員 
ですから、道州制の例というふうに言われましたけれども、例ということは、全体像があるから例があるわけですよね。全体像とかビジョンはこれからやるのに例があるとは思えませんので、私は、この法案というのは何のために出すのかな、ビジョンはこれからつくるのにということで、この法案がどういう意図で出されるのか大変疑問でありますし、それは道州制ビジョンをしっかりと早く政府が出す中で、法案として全国的にどのようにするのかということで対応されるべきということを改めて指摘をしたいと思います。

 そこで、この分権推進法案には、それこそ十年前は、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図る、このように述べていたわけですが、今回は、国庫補助負担金、地方交付税、国と地方公共団体の税源配分などの財政のあり方について検討ということで、次の質問とも絡みますが、三位一体改革でも三兆円の税源移譲ということで、やはり地方自治体への税財源の確保という点が、十年前と比べても、結局何か今回の法案は、検討ということで後退しているんじゃないかな、弱いんじゃないかなというふうに思うんです。それこそ、これから税財源の地方自治体への移譲、きのうも経済財政諮問会議ですか、発言をされているようですけれども、この法案での位置づけ、弱いんじゃないかという指摘。

 それから、これからどのような形で担当大臣として、三兆円に続いて五兆円とかいう報道も出ておりますが、取り組まれていくのか。民主党は、一括交付金ということで、これは過渡的措置でありますが、すべて、交付税の相当額になりましょうか、これはもう地方に預けて、そこで使い方については、五分類というくくりはありましても、そこで自由に自治体で考えてもらおう、こういうような考えをしております。もちろん、道州制についても、その道州制も、それぞれの自治体のやはり自治という中で都道府県が、都道府県連合なども含めて、そうした道州制ということがあり得るということで、あくまでも補完性の原理ということにのっとって考えているということでございます。

 今の二点。今の法案でのやはり位置づけ、地方への税財源の移譲ということが、財政上のあり方についての検討ということで弱いのではないか。それからもう一点が、では、これからどうやろうとしているのか。経済財政諮問会議でも財務大臣が待ったをかけたような報道もありますが、以上二点についてお答えをいただきたいと思います。

■菅国務大臣 
今度の法案はあくまでこの理念に立ったというか、そういうことに位置しまして、三年以内に分権一括法を策定する、そういう形になりますので、そこの中で明確にしていきたいというふうに思います。

 諮問会議の中で、やはり国と地方の財源というのは一対一、これが望ましい、こういうことの発言をしておりますし、それは私はこの一括法の中でそういう形にしていきたい、こう思います。

武正委員 
前回の一括法のときには、雇用政策とか保険政策ということで、それまで道府県の県庁にいらっしゃった国から出向されていた方々が全員国に引き揚げて、例えば、それこそ労働局というような形で厚生労働省に帰っていった、こういった経緯はかえって地方分権に逆行しているのではないか、こういった指摘があり、私も過日、おかわりになりましたが、川崎前大臣ともそんな質疑もさせていただいたところでございます。

 さて、厚生労働政務官、お待たせいたしました。続いて、救急車の搬送時間が延びているということについて触れさせていただきます。

 お手元の資料の一ページをごらんください。

 救急車の搬送時間が延びているのは御承知のとおりで、それはやはり救急出場件数が、十六年度でそれこそ搬送人員が四百七十四万ということで、毎年の伸び率ということで括弧で出ておりますような形で伸びているということでございます。

 それこそ現場への到着時間は、十五年度六・三分が十六年度の六・四分、〇・一分延び。それから今度は搬送時間、現地から病院への搬送が、十五年度二十九・四分が十六年度三十分に延びたということでございます。

 こうした中で、過日、大変痛ましい事件、事故が起きました。これは、奈良県で、高崎実香さんという三十二歳の方が、妊婦ということで町立大淀病院に入院をされておりましたが、八月八日午前零時十四分、意識を失われました。子癇発作ということでございました。それから、受け入れ先、県立医大病院では受け入れられないということでどこかの転送先を探したわけですが、十八病院に断られて、国立循環器病センターに決まったのが午前四時半、このときにはもう、それこそ後でわかるんですが、脳疾患、脳内出血も起きていたわけでありまして、本当はCT検査を行っていればという報道もありますが、結果として、大阪の循環器病センターに転送されまして、実香さんは亡くなられたわけでございます。この場をかりて、心からお悔やみを申し上げたいと思います。

 これは、救急車での搬送について担当する大臣としてどのようにお考えになるか、御所見を伺いたいと思います。

 というのは、大臣所信では、全体的な広域救急というか、広域消防体制ということは触れておりますが、特に救急車での搬送部分についての直接的なコメントがなかったものですから、今回の事件についての御所見と、こうして救急車の搬送時間が延びている点、そしてまた、搬送人数が年々こうして伸びている点についての御所見を伺います。

菅国務大臣 
今回の奈良県の事案におきましては、まことに痛ましい事故であり、もう二度とこうしたことを繰り返すことのないように、救急医療体制の一層の充実が必要であり、心から御冥福を申し上げたい、こう思います。

 今委員からいろいろ御指摘がありました。現場に行く時間あるいは病院までの時間あるいはその件数、確かに委員の御指摘のとおりであります。近年、高齢化の進展などによって救急車の要請件数が言われたように急増しています。そして時間がおくれて救命効果の低下、このことに私も非常に懸念を持っております。

 そういう中で、消防庁としては、真に緊急を要する傷病者への対応がおくれることがないように、昨年度来検討を進めて、救急車の適正利用の啓発はもとより、民間の患者等搬送事業者など代替的な移送サービスの紹介、病院情報の提供、さらには緊急度・重症度選別の仕組みの検討など、総合的に対策を進めております。

 そして、今委員から御指摘のありました広域問題についても、訓練をし、マニュアルをつくってやらさせていただいているところであります。

武正委員 
政務官に伺いますけれども、医療計画というものが、各都道府県でつくっているがために、県境を越えたこういう例について取り組みが弱いというふうに私は感じて、当選後から厚生委員会やあるいは予算委員会の分科会で指摘をし、その改善を求めてまいりました。ただしかし、今回もこうした痛ましい事件、事故が起きてしまいました。報道によると、特にやはり産科医が不足をしているということから、奈良県では妊婦の県外搬送率が三七・二%、こういう報道もあるわけですね。ですから、県境を越えた広域、ブロックでの救急医療体制の充実というものがやはり欠かせないわけです。

 ただしかし、総務大臣、頑張っているとおっしゃいましたが、搬送側の救急車は、それこそ特定医療三行為の規制緩和なども含めて頑張っています。ただやはり、受け入れ側に受け入れていただかなかったら、今のように十八病院結局受け入れてくれないまま推移をしてしまうわけなんですね。前から両省庁の連携ということは言っておられますが、こうした広域での取り組みの必要性について、政務官としての御所見とともに、患者調査をやっておられますので、以前も、平成八年のデータの分析をしていただいて、県外にどのぐらい搬送しているのか、それの分析をお願いしたんです。平成十四年の調査も出ておりますし、もうすぐ十七年の調査もでき上がってきますので、ぜひ、広域でどのように救急患者が移動しているのか、その実態把握も、分析もあわせて行っていただきたいと思いますが、以上二点についてお答えをいただきたいと思います。

菅原大臣政務官 
かねてから武正委員が救急医療問題に関して大変な御関心を持ち、取り組んでこられたことを認識いたしております。

 前段の奈良県の今回の件につきましては、厚生労働省といたしましても大変痛切な思いを感じておりまして、今後二度とこのようなことがないように、いわゆる周産期医療ネットワーク体制をしっかり整備すべく努めてまいりたい、このように考えております。

 そして、今お話ありました、都道府県を越えた救急医療体制、これにつきましては、従前、都道府県と消防機関等とが緊密な連携のもとに、大都市においても、あるいは地方においても安心できる体制をつくるべく努めていたところでございますけれども、やはりいついかなる状況で、どこで事故に遭い、病気になり、あるいは自然災害に遭うかわからない、あすは我が身というような状況の中におきましては、救急医療体制、来年の四月一日に施行されます今回の改正医療法におきまして、各都道府県に対して、しっかり他県との連携をとり広域医療の拡充に努められるように、厚生労働省としてもリーダーシップを発揮してまいりたい、このように考えております。

 また、データについての検討、これにつきましては、全国的に交通事故も含めて大変いろいろなケースがございます。大変膨大な資料から、本来は体系的にしっかりまとめてその体制づくりをすべきである、このように考えておりますが、実際問題として、二十四時間の予後も含めて、統計をまとめていくということはなかなか困難であるという現実もありますけれども、今武正委員の指摘も踏まえまして、積み重ねをしてまいりたい、このように考えております。

武正委員 
後の質問までお答えになってしまったのかもしれませんが、前回もやっていただいたので、分析はできるんですよね。すぐにとは申しませんので、こうした事件がまた起きておりますので、都道府県間の救急患者の移動状況、その分析をぜひ御提出いただきたい、お願いをいたします。

 今答えてしまわれたんですが、私の方で先に答えますが、要は、下の表を見ていただくとわかるんですが、病院に救急車で搬送したときの状況がどうだったか、四百七十三万人の内訳をごらんください。残念ながらその場でもう亡くなられた方が六万人、重症者が四十七万八千人、中等症者が百七十四万人、こうした分類でございます。要は、重症者が、四十七万人搬送したときに、それからそれこそ二十四時間後どうだったんですかということなんですが、多分総務省は当然把握をしておられない。搬送までが総務省ですから。そして今、厚生労働省は、なかなか大変なんだ、把握はなかなかできません、こういうお答えなんですね。

 平成十三年に予算委員会の第五分科会でこのことを質問しまして、当時の伊藤政府参考人から、きちっと計画的な、成績が検証できる、成績というのは要は二十四時間後どうなっているか、検証できるデータをとるよう検討していきたい、こういうふうに言っておられて、もう既に五年を経過しているんですね。

 救急車で、やはり隊員はもう何とか命を救おうと頑張るわけです。特定医療三行為もする。そして、搬送した後、ではどうだったのか、そういうデータがまた消防庁なり救急車にフィードバックしないと、やはり特定医療三行為をやっている救急車とすればわからないわけなんですね。やはりこのデータの把握を、五年前検討すると言っておられるわけですから、ぜひ前向きに検討するとか、やはり五年たっても変わらないというのだったら、どうなんでしょうか、政務官。

菅原大臣政務官 
武正委員の五年前の予算委員の質問、私もひもといてみました。非常に重要な御指摘でございまして、当時の政府委員からも答弁をさせていただきました。

 今日に至って、現実問題、あらゆるデータを統計的に、また科学的に評価し得るためには、やはり各関係機関との協力や、あるいは医療機関の協力も当然必要でございます。この点は、ある意味ではじくじたる思いもいたしております。しっかり今後、厚生労働省のリーダーシップを発揮すべく取り組みを進めていきたい、このように考えております。

武正委員 
総務大臣、お聞きになっていて、お考え、感じるところがあると思うんですね。拉致問題にこれまでも大変先頭に立って取り組んできた大臣であります。それは、やはり国民の生命財産を守るというのが政治のそれこそ第一義である、このようにお考えになっているからだと思うんですね。

 実際にこういう形で、四十七万人の重症者が、一生懸命救急隊員が搬送しても、その後どうなったか厚生労働省が把握していない、こういった実態であります。やはり総務省として強く厚生労働省に働きかける、あるいは内閣としてこれは取り組む必要があると思うんですが、このことについての御所見、総務大臣、いかがでしょうか。

菅国務大臣 
私も、当然のことである、このように考えておりますので、内閣としてさらに全力で取り組んでいきたいと思います。

 ただ、委員の御指摘を受けまして、十七年から、重症者のうち特に緊急度の高い心肺停止傷病者に限って、消防機関と医療機関の連携によって、一カ月後の生存率の把握をしている、努力をしていることはぜひ御理解をいただきたいと思います。

 さらにこれからそのように努めていきたい、こう思います。

武正委員 
時間が来ましたので、あとの質問はまたに譲らせていただきますが、お手元の資料をごらんいただきますと、独立行政法人の役員、総務省所管でありますが、本省出身者が多いこと。それからまた、随意契約の見直しについて、公益法人については取り組まれておりますが、やはり七割の民間企業との随意契約、総務省も七割以上、五百万円以上については一社単独受注の随意契約ということでありますので、これについても改めて見直しの取り組みを求めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。
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