2007年5月18日
【内閣委員会】独立行政法人随意契約について

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 政府案への質疑を行わせていただきます。

 今、馬淵さんのやりとりを聞いて二つほどちょっと冒頭申し上げたいんですが、なぜ官僚出身の方が国会議員にということで馬淵議員がこだわられたかという一つの理由は、やはり日本は三権分立であるということがまず根底にございます。行政と立法府のチェック・アンド・バランス。そのときに官僚出身者が国会議員になる、それは職業選択の自由でしょう。ただしかし、時として選挙が、よく言われる省庁挙げての選挙などということがまかり間違って行われているとすれば、これはやはりこの三権分立からはあってはならない、こういう思いがあるということを私からも補足をさせていただきます。

 それと、先ほどやりとりさせていただいていたのでちょっと気になっているんですが、この十六名のわたり、これは私の質問項目にはないんですが、私、これまで何度かいろいろな大臣にお聞きをいたしました、官僚OBの再就職について、どうなんだと。そうすると、皆さん異口同音に、プライバシーだから、それぞれ省庁はどこにOBが行かれたかなどという記録は一切持っていません、大臣、みんなそういうふうに言うんですよ。

 渡辺行革担当大臣が全省庁にということで、行革本部がやられたようですけれども、どこの省庁にもOBがどこに就職したかという記録がない中で、十六名しか出てこないというのは、もし本当にそうだったとすれば、そういうふうになってしまうんじゃないですか。ちゃんと記録はそれぞれあったんでしょうか。OBがどこに行って、こういうわたりをしているという、そのデータベースとなる全記録は各省持っていたんでしょうか。まずそれを、質問通告にはありませんが、大臣にお聞きしたいと思います。

渡辺国務大臣 正確さを要求されるのであれば事務方から答弁をさせていただきたいと思いますが、十六という数字しか出てこなかったということは、本会議でも答弁申し上げましたように、それだけしか確認されなかったということですから、資料が残っていなかったと理解をしております。

武正委員 私が聞いたのは、これまでどの大臣も、官僚のOBの方が再就職したとか、あるいはどこに行っているとか、それはもうOBだから、官庁として、任命権者として相あずからぬことですと。そういう記録がないんですかと皆さんに聞くと、ないと言うんですね、もうOBの記録はないんだと。そういうことで、今回十六名を捜し当てたということでよろしいんでしょうか。つまり、各省は、どこにだれが行っているというOBの記録は持っていなかったということでよろしいですか。

渡辺国務大臣 要するに、我々が調べましたのは、いわゆるわたりあっせんを行ったかどうかということでございまして、だれそれさんがどこそこに行っているということを出せと言ったわけではございません。

武正委員 そうすると、各省にそうした記録があるということでよろしいですか、だれがどこに就職しているかという。だって、その十六名を出すに当たっては、当然各省も過去を調べて、この人はここに行って、その後また連絡が来てあっせんをしたんだと、人事担当者が追っかけているわけですよね。ということですから、当然、データベースとしてあるわけだということでよろしいんでしょうか。

渡辺国務大臣 私、各省大臣を兼ねているわけではございませんので、各省がどういうデータベースを持って人事管理を行っているかは承知をいたしておりません。

武正委員 十六件しかない、困っているというお話だったので、今、ここが大事なんですよ。各省がちゃんとそうしたデータベースを持っているんだったらば、担当大臣として、それ全部見せてみろ、おまえ、これとこれはわたりじゃないのか、どうなんだと、それをチェックするのが担当大臣で、十六件しかなくて、ああ困ったじゃないんじゃないでしょうか。各省がそういったデータベースを持っているかどうかを把握しないで、十六件しかないと言っているとすれば、それは所管大臣としていかがなものかと言わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 二回目以降の再就職についてあっせんを行ったことが確認をされた人数が十六人だということでございます。また、その際、予算、権限関係にある企業等への再就職あっせんも、同時に出していただいております。

 いずれにしても、そのデータベースなるものについて、私が全部把握をしておればまた別でございますが、それは、我々は各省に聞いてこういう数字を出してもらったということであって、そこから先、データベースがどうのこうの、だれそれさんがどこそこに行っている情報があるかないか、そういうことは承知をいたしておりません。

武正委員 ということは、行革担当大臣は、各省に、いや十六件じゃ少ないから、あなたたちが持っているとされる、あるいは持っているかもしれないそうしたOBのデータを集めてくれ、見せてくれ、そしてチェックをするからと。とても十六件じゃ少ないと国会で言っているから、おれがみずからチェックするよ、みんな出してくれということをお願いすることはできないんですか。

渡辺国務大臣 お願いをすることはできますが、お願いをして出していただいた数字があれでございまして、強制力は残念ながらないということでございます。

武正委員 だれだったらあるのでしょうか。

渡辺国務大臣 それぞれの大臣だったら、出せと言えばお出しになるかもしれません。しかし、大臣が出せと言っても、多分、同じ答えが返ってくるのではないでしょうか。つまり、私があれだけ誠意を持ってお願いをして、この数字しか出てこないわけでございますから、大臣だったら別の数字が出てくるということはないと思います。

武正委員 だとすれば、やはりその力がある方、内閣の、総理に出ていただくのが一番いいんですが、もし総理が最初から出てこられないとすれば、やはり内閣官房長官に出ていただいて、先ほど来、懇談会、懇談会というお話もあります。私は、やはり内閣官房長官から各省大臣にきちっと、渡辺大臣は十六件と言っている、でも、そういったデータベース、それぞれ大臣が言わないと出てこない、あるかないか、あるいはそういったデータベースも、あればそれも全部で精査ができると。

 やはり私は、官房長官がここへ御出席いただいて、こうしたことを国会としてもきちっとお願いをしなければならないというふうに思いますので、委員長には改めて、官房長官の当委員会への出席をお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

武正委員 独法の随意契約率の高さについての認識を聞きたかったんですが、これはこれまでの質疑の中でも大臣についてもいろいろと述べておられますので、質問を次に移らせていただきます。

 経済産業省、お見えでございます。副大臣、ありがとうございます。

 私ども民主党、独立行政法人の予備的調査を行いまして、その中で経済産業省の日本貿易振興会、平成十八年四月、財団法人デジタルコンテンツ協会と財団法人ニューメディア開発協会、そことの契約形態等というところでお答えをいただいたこの独立行政法人の予備的調査の報告書を見ると、公募と書いてあるんですね。

 我々が一番問題意識を持っているのは、やはり随意契約率が独立行政法人は高いということ。あるいは、昨年、全省庁、五百万円以上の全契約に占める随意契約率を出していただいたら、何と七割を超えている。一番高かったのは環境省、九三%でしょうか。それで政府、内閣は挙げて随契の見直しに取り組んできた一年だというふうに理解をいたしますが、ただ、今回、独法の予備的調査で、随意契約率がやはり七割を超えているわけなんですね。

 そこで、随意契約率がなぜ高いのかという問題意識なんですが、お答えいただいたところが公募と書かれているんですが、公募というのは随意契約のことではないんでしょうか。

渡辺(博)副大臣 御指摘のありました、ジェトロからの財団法人デジタルコンテンツ協会及び財団法人ニューメディア開発協会への委託事業につきましては、予備的調査の段階では公募という形で表示をさせていただいておりますが、これは、実は、民間の発意に基づきます多様なテーマを広く募集いたしまして、すぐれたテーマを採択するため、複数の候補からの企画提案を得て、複数の事業を選定するというものであります。ジェトロからは、ホームページ上で公募を行った上で、外部有識者から成る審査委員会により委託先を選定しておりまして、その上で随意契約を行うというプロセスを採用しております。

 したがいまして、これは、いわゆる一般的な随意契約、特定のものに対して、一社に対して契約を行う、そういった随意契約とは基本的には異なる、そういう趣旨でございます。

 なお、公募を行った上で随意契約を行っているにもかかわらず、現在、先ほど申し上げましたとおり、予備的調査に公募を行ったと記しているわけでありますが、この点につきましては、当時、衆議院の調査局とも確認した上で、このような事例は公募と記入することとして整理されたものとして認識をされているわけであります。

 なお、予備的調査においては、ジェトロの支出件数等の総件数は七百十件ございますが、うち四百七十件が随意契約件数、そのうち公募型の随意契約が五十一件でございます。実際には、御指摘の案件については、この随意契約の案件として含めて集計しております。

武正委員 今回の予備的調査をもとに私の方で分析しますと、全省庁の随意契約率が七一・四%なんですね。ただ、今言われたように、公募というのは私ども、随意契約率に入れていないんですよ。この後、農水省さんとお話をする委託金、これもはじいているんですよ。それでも七割なんです。だから、いかに独立行政法人の随意契約率が高いかということがおわかりいただけるんですが、ぜひ経済産業省さんにまずお願いしたいんですが、もう一回出し直してほしいんですね、独法の随意契約のところの仕分けを。随意契約なら随意契約とやはり書いてほしいんですよ。それをお願いできませんか。

渡辺(博)副大臣 先ほども申しましたけれども、集計上は随意契約に含まれております。ただ、表現上に公募というふうになっておりますので、この辺は整理をさせていただきたいと思います。

 ただ、御理解をいただきたいのは、一社に対して随契をしているというものとは違って、アイデアを募集している、こういう点で極めて一般的な随契とは違うし、しかも、外部の有識者による審査委員会を経ての選定であるということを御理解いただきたいと思います。

 ちなみに、財団法人のニューメディア協会というのが、実は地球環境・プラント活性化事業、この中で公募をした中の一つであります。実際には二十二の採択案件がありますが、そのうちの一社が財団法人であって、あとはみんな民間でございます。そのような形で進めておりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。

武正委員 整理をされるということなので、御提出をぜひよろしくお願いいたします。では経済産業副大臣、どうぞお帰りください。ありがとうございます。

 そこで、農水省お見えですので、福井政務官、お答えをいただきたいんですが、お手元に、理事会のお許しを得て資料を配らせていただきました。前から二枚目、三枚目をごらんいただきたいんですが、これは農水省の独立行政法人の契約形態ですね。これをお手元に資料として配らせていただいております。

 これを見ていただくと、委託金というのがずらっと二ページ目、三ページ目に並ぶんですね。委託金ということは、これも随意契約ということではないんでしょうか。お答えいただけますか。

福井大臣政務官 私もいろいろ調べさせていただきましたが、十八年の調査様式というか文書では、補助金、委託金、随意契約、指名競争入札、一般競争入札ということで、補助金、委託金と随契、指名、一般競争というのがパラレルになっておりまして、何も農水省がメーキングでこういう分類をしたわけじゃなくて、そういう様式で記入しなさいということで、委託金ということで整理させていただきましたというのが事実関係でございます。

 今、武正先生御指摘、お見込みのとおり、この委託金の中にも契約形態としては随意契約が含まれているということでございます。

武正委員 調査票一ページ目にありますように、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の契約形態でございます。

 予備的調査には、確かに委託金、交付金というのが書いてありますが、先ほどの公募と同じなんですね。特に農水省さん、先ほど触れましたように、全省庁七一・四%の随契、農水省さんは低いんですよ、四〇・六%です。もう大変すばらしい。全省庁の中で飛び抜けて低い随意契約率なんですね。先ほど、国交省頑張ったというお話がありまして、五一・八%ということですが、四〇・六%。

 でも、これは委託金で、我々、随意契約に数えていないんですよ。これは一部じゃなくて、全部随意契約なんじゃないですか。

福井大臣政務官 今、副大臣の方からも御答弁ございましたので、横並びで再度調査ということになれば、もちろん御協力というか、喜んでデータは出させていただきますけれども、今のところ、それ以上の手持ちのデータもございませんし、誠意を持ってお答えをさせていただいたところでございます。

 ついでに申し上げますと、農水省といたしましても、今、武正先生お持ちの問題意識を共有させていただきまして、ことしの二月に、委託金も含めた随意契約の見直し、それから一般競争入札の拡大というのを要請したところでございまして、今後、その対応状況のフォローアップを本省としてもすることにしております。

 また今後、各法人の評価に当たっては、競争入札と随意契約の件数、金額、落札率、随意契約によることとした理由等々を具体的に把握して事後評価を的確に実施するということを、本省としてアクションを今予定しているところでございます。

武正委員 お手元に、四ページ目、五ページ目、これはちなみに文科省の独立行政法人科学技術振興機構なんですね。これを見ていただきますと、公の団体あるいは国立大学なども並びますが、委託研究契約ということで、全部随意契約で挙げているんですよ。ですから、他省庁でこうやって挙げられておりまして、ちなみに文科省さんの随意契約率は、そういうこともあって八七・一%でありますが、こうやって、やはり随契なら随契ときちっと書いていただいているんですね。

 ですから、農水省さんが本当に四〇・六%なのか、やはりここはきちっと出していただきたいというふうに思うわけであります。今のこの独立行政法人の業務方法書というのを見ると、全部、委託試験研究契約ということで契約を締結すると書いてあります。ですから、きちっとやはり随意契約ということもその独法の業務方法書で書いてありますので、農水省所管の全独法の、随意契約のこの答えのところは、いま一度精査をしていただいて、資料の再提出をぜひお願いをしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

福井大臣政務官 他省庁のことを、私ども、まだ調べておりませんけれども、二、三、当たってみると、農水省だけではなくて、ほかの省庁も同じように補助金・委託金という欄に書き込んで、いわゆる契約形態別には整理しておらないということもあるかと思いますので、そういう実態も踏まえて、また委員会の御命令なり、あるいは横並びで考えさせていただきたいというふうに思っております。

武正委員 考えさせていただきたいというか、きょうから委員会の審議が始まったばかりでありまして、私どもは独立行政法人通則法の改正案を出しておりますし、私どもの提案は、独立行政法人あるいは特殊法人等、すべてやはり天下りの規制対象にしているわけでありまして、一方、政府は、それは必要ないということで特殊法人等を省いたり、あるいは独立行政法人でも非国家公務員型の、百一のうちの九十三は省いたりしておられますので、やはりここは、政府案、民主党案を比較する大変大きなポイントになろうというふうに思うんですね。

 ですから、我々が衆議院調査局に衆議院の総務委員長名でお願いしたのは去年でありますから、もう半年たっている報告でありますので、ぜひ速やかにこの委員会に御提出をいただきたいというふうに思いますが、委員長、お取り計らいをお願いします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

武正委員 そうしましたら、財務省も江崎さん、お見えでございますので、やはりこの随契の問題、昨年来、行革委員会でもやっております。財務大臣とも何度かやりとりさせていただきました予決令のことも、相みつを一切とっていないということもびっくりしました。

 財務省は、こうした会計法、予決令などを所管するわけですが、独法はその対象外なんだということをやはり皆さんおっしゃられます。それぞれ会計基準を会計規程ということでつくっているんだよ、こういうふうに言うわけなんですが、会計規程を見ると、結構みんなばらばらで、いいかげんなんですよ。結局、独立行政法人だといっても、三兆五千億円の運営費交付金など、税金が一般会計、特別会計から出ているんですよ。その対象に対して、いや、これは会計法、予決令の対象外だよと言い切っていいものかどうか。

 あわせて、今こうやって見ていただくと、随意契約なのに、公募だとかあるいは委託金だとか、調査局に相談したらそうだというけれども、私、調査局に聞いたら違うと言っていますから、果たしてどうか、それは真偽のほどはわかりませんが、それこそ独立行政法人の会計基準には、まず一番最初に真実性が来るんですね。やはり説明責任ですよ。情報開示ですよ。だから一応、会計法、予決令の枠外にしようということでやったんじゃないですか。でも、やはり財務省ですから、そのことについてどのように考えられるか、お考えをお聞きしたいと思います。

江崎大臣政務官 まず、今独法のお話が中心でございましたけれども、国におきましても、随意契約につきまして国民の納得が得られるよう、その透明化、適正化に政府を挙げて全力で取り組んでやっていくということが方針として出されまして、昨年の二月に公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議を設置して、一般競争入札が原則であるというルールをつくったわけでございます。

 それを受けて、独法についても、こうした国の取り組みを踏まえて、一般競争入札の拡大、契約に係る情報の公表等を通じて調達の効率性、透明性の向上に取り組むという方針を出して、総務省、また所管大臣から要請されているということで、今おっしゃるような形で、変化は起きているということでございます。

    〔委員長退席、西村(康)委員長代理着席〕

武正委員 ただ、独法のそれぞれの会計規程まで見直しがされているということは承知されていますか。

江崎大臣政務官 これらについては、所管大臣からの要請ということでございまして、財務省としての現在のかかわりということにつきましては、所管大臣のもとで行っていただいているというところでございます。

武正委員 把握されていないということだと思いますが、実際、見直しされていないんですね。ここの独法を見ても、一般競争入札が原則であるとはこの研究機構は書いていませんし、やはりそれぞれの会計規程の見直しというものもあわせてやっていかなければならないということだと思います。

 江崎政務官、どうぞ御退室をいただければ。

 渡辺大臣、ちょっとここで、今のやりとりを聞いておられて、どう思われましたか。我々、随意契約を問題にしているんですけれども、予備的調査への答えが、公募だとか、委託金だとか、それこそ大臣と同じですよ。各省に、わたりはどうだと言ったら、十六名しか答えてくれない。我々も、副大臣もすぐに、あしたにでも、あしたは土曜ですから、来週月曜日にはもう出していただけると思いますが、やはりきちっと返ってこられないんですね。多分同じ気持ちだと思うんです。

 やはりこの随意契約というのは、私は談合の一種というふうに認識しています。一社単独だ、ほかにない、ここしかないんだというところは。しかも、額を見ると、一億だとか二億だとか、非常に切りのいい数字でずらっと並ぶんですね。それで内閣も、去年、これはまずい、前総理も一般競争入札が原則だと、時の官房長官、現総理が指示をして取り組んでおられるというのは、そういう問題意識を持っておられるからだと思うんですが、独法に関してはこういうことなんですね。財務省の枠外みたいな形になって、調べてみると、それぞれの独法の会計規程があるんだけれども、そこが見直されていないわけですよ。それぞれの大臣に任せられている。

 総務省に来ていただかないと、またその独法の担当ということで、わかりませんので、私はそれこそ、実は私、総務委員会の筆頭理事ですから、もともと国家公務員のさまざまな担当というのは総務委員会ですから、今、何でも内閣府、何でも内閣委員会という、内閣委員会の皆さんには大変な御尽力をいただいていますが、やはり国会のチェック力という点でいうと、何でも内閣府に政府がしていくというのはいかがなものかなというところもあるんです。私は、やはりそれこそ総務委員会あるいは内閣委員会合同審査なんかもぜひ御検討もいただきたいというふうに思っておりますが、委員長、よろしくお願いいたします。

西村(康)委員長代理 既に理事会で協議をしているところであります。

武正委員 もう既に御協議いただいて、ありがとうございます。お願いをしておきます。

 それで、どうですかね、この随意契約、独立行政法人。今予備的調査でいただいて、七割ですよ。でも、今の公募とか委託金とかを見直したら、多分これは上がっていくと思いますよ。でも、さっき言った財務省の枠外なんです。大臣として、感想はいかがでしょうか。

渡辺国務大臣 何とか委託費とか、随意契約か一般競争入札か、このあたりがちょっと今一気には理解できないぐらい入り組んでいるなという印象を受けました。やはりこれは通常の契約形態に即して分けるべきだろうと思います。

 ついでながら、会計基準の方は、別問題ではありますが、これは統一的にもう既にでき上がっております。私の方からは、独法とその子会社的な公益法人との連結の財務諸表をつくってもらうよう指示を出しております。そしてこれらを、すべての独法について、一覧性のある財務諸表にできないかという指示をしているところでございます。

 また、随契の契約率の高さでございますが、早い話が、今お話を聞いておりまして思ったのは、基準をつくっていないところが非常に多いということなんだろうと思います。そこで、政府の方としては、平成十八年の三月でございますが、やはり契約方法の適正化、透明性の確保が必要なわけでありますから、まず第一に、法人の随契の基準をつくれという方針を出しております。つまり、基準をつくっていないからやたら随契が多い、こういうことがあるわけですから、ちゃんと基準をつくって、一体随契はどれくらいなんだ、それを公表しなさいということでございます。そして第二に、当該基準額以上の随契を行った場合、その理由を公表せよということを独法に要請いたしております。

 本年の二月には、各独法における一般競争入札の範囲の拡大、契約の見直し、契約に係る情報公開等を通じた業務運営の一層の効率化を求めております。毎年度の評価や、中期目標期間終了時の見直しにおける随契の実情の把握、公表、その後の事後評価を総務省の方から各府省に要請をしたところでございます。

武正委員 ちょっと先の方のあれを私も聞いてしまったようで、また副大臣にもお答えをいただければと思ったんですが、ちょっと先の質問であったようであります。

 そこで、農水省、福井さん、また聞きたいんですが、資料の一ページ目ですね。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構から他の法人への再就職、この丸をつけた方ですね、ちょっと名前は二文字抜きました。報告書には出ています。この方は、独立行政法人の野菜茶業研究所野菜研究官から、平成十五年六月、株式会社サカタのタネ掛川総合研究センター技術顧問に再就職をした。平成十五年六月ですね。それで、随意契約の十七年度を見ますと、株式会社サカタのタネに、四回、合計千三百九十八万五千円の委託金。ですから、委託金、先ほどの随意契約ですよね。随意契約、委託金が払われているということなんですね、四回で合計千三百九十八万五千円。

 まず、これは随意契約ということでよろしいでしょうか。これは質問で聞いておりますので。

福井大臣政務官 失礼しました。

 今、事実経過を整理してお話をさせていただきますと、確かに、御指摘の千三百九十八万五千円につきましては随意契約という契約の形態でございますが、その前に、先ほど経産省のお話もありましたように、私どもは、競争的研究資金制度というのが、これはホモジニアスに各省庁ありますけれども、この制度を使いまして研究課題を公募して、それで各大学、各社から提案がいっぱいありまして、その提案を、外部評価委員会による審査を経て、採択された課題に対して委託契約を結ぶものですから、最後の契約は確かに随意契約になっておりますけれども、その途中で、選ぶときに、あるいは応募するときに、あるいは公募するときに、一般にゼネラルなテーマで公募しているということでございます。

 ちなみに、せっかくでございますから事実経過を御紹介しますと、三行目、四行目にございます難しい名前の研究ですけれども、これは実は公募はインターネットで平成十六年の一月十六日から四月十四日、それに加えて説明会も、平成十五年の十一月上旬から十二月上旬で、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、熊本ということで、独立行政法人、民間企業、大学、各々、千四百機関に周知徹底をした上で、広報をして公募をして、それで募集が平成十六年三月十五日から四月十四日の約一カ月間、書面審査もその後あって、ヒアリングもしてということで、採択課題を平成十六年の七月二十一日に決めております。外部評価委員も各学識経験者でございます。

 応募が七十三ありまして、そのうち六課題が採択された、その六つのうちの一つが、サカタのタネという会社が出した、バイオセンサーを用いたピシウムオリガンドラム(PO)適応土壌の解明、こういう研究で行ったということで、その研究を行う際の最後の契約形態は確かに随意契約でございますというのが事実経過でございます。

武正委員 ちなみに、これは三月で二つに分かれていますよね、六百万と二百六十八万五千円。同じ月で、今言った同じ研究調査委託費、なぜこれは二つに分かれているんでしょうか。

福井大臣政務官 まことに誤解を招きやすいことで、先ほど私も戸惑ったんですが、実に単純なお話でございました。

 まず、六百万円は年度当初の予定でございまして、最後に三月の支出額の確定をさせていただいたということでございます。

 二百六十八万五千円につきましては、平成十七年度の途中で評価をさせていただいて、もう少し研究のスピードを上げろという御命令が下ったので、具体的に言いますと、解析装置、土壌分析機を購入することを追加させていただいたので変更契約をさせていただいたという、その変更分が二百六十八万五千円ということで、別に二行に分けて書く必要もなかったんですけれども、丁寧に二行に書かせていただいたということで、もちろん同じ調査で、同じ受委託関係でございます。

武正委員 できれば契約書を御提出いただけますでしょうか。

福井大臣政務官 もちろん、委員会の理事会で御協議いただければというふうに思っております。

武正委員 では、委員長、お願いしたいと思います。

西村(康)委員長代理 理事会で検討します。

武正委員 後ろの二件は別なのかもしれませんが、前の二件も含めて、ちょうど二年前に先ほどの方が再就職をされているわけなんですが、この総額千三百九十八万五千円、これがいわゆるお土産というものに当たるのではないのかなというふうに見たわけなんですが、これについてはどうお答えになりますか。

○福井大臣政務官 私もいわゆるお土産を疑われる省庁の出身でございますので、古きよき時代の、よきと言ったら怒られますけれども、そういう古い先輩方の本当に古い古い常識から見て、多分、想像ですけれども、その会社に就職された方は、五百万とか七、八百万とかいうお給料を例えば得たとして、その金額だけ、あるいはその一・五倍ぐらいの金額のようなものを例えば本当にお土産につけたとして、その会社全体が喜ぶだろうかということで、そういう金額ベースだけ見ても、これは、就職をされたということと、それから、まさにそういう客観的な、広報があって、公募があって、外部評価委員会の審査があってという手続を経た上での契約、受委託、研究実施という事実関係と考え合わせた上で、それが直接的に必要十分条件であったというふうにはどうしても考えられませんので、まさに善意を持ってぜひ先生にも考えていただきたいというふうに思っております。

武正委員 そうしましたら、前の二件はどうですか。後の二件は、一応先ほどの説明を伺って、だから随意契約なんだということですが、前の二件はいかがでしょうか。

福井大臣政務官 前の二件につきましても、同じような手続を経て、公募で研究課題をその会社が出して、そして、審査委員会で審査した結果として当選したということでございます。同じ手続でございます。

武正委員 これも委員会に資料を御提出いただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。お取り計らいをいただきたいと思います。

西村(康)委員長代理 何の資料ですか。

武正委員 委員会に、この契約書あるいは公募等の仕様書、御提出をいただきたいと思います。

西村(康)委員長代理 理事会で検討します。

武正委員 ただしかし、やはり随意契約なんですね。さっき渡辺大臣は、十八年三月に徹底したんだと。もう一年ですよね。

 ですから、二年前に再就職をして、二年後に、千四百万円近い委託金を四件受けている、やはり随意契約とするとお土産じゃないのかな、こういうふうに疑われても仕方のないところがあると思うんですね。やはりまず随意契約を見直していくということが必要であって、その点を改めて指摘させていただきたいと思います。

 福井農水大臣政務官、お帰りいただいて結構です。

 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、私どもの予備的調査で、十八年四月一日現在、全独立行政法人に、それぞれの所管省庁から四千八百八十八名出向していることがわかりました。現役出向です。百一の独立行政法人に四千八百八十八名の現役出向者がいる、このことはどう認識されていますか。

 御案内のように、もともと独立行政法人というのは、国でやらなきゃいけないけれども、やはり民間の知恵を生かそうじゃないかと。さっき財務政務官が言ったように、財務省の直接の会計法とか予決令が及ばない、そんな制度設計にもなっているんですね。でも、そこに、百一の独法に四千八百八十八人の現役出向をしているんですね。これは何かおかしいなというふうに思うんですが、どうですか、御感想は。

渡辺国務大臣 独法というのは、本来行政が直接やらなくてもいいものを外側に出す、しかし、これを全部民間に任せてしまうとうまくいかないと思われるものを、独立行政法人という形態をつくって、そこで行っていく。イギリスのエージェンシーのようなものを最初は想定をしたかと思います。

 したがって、これは独立の法人格ではあるけれども、行政を行う法人でございますから、こういうところに現役の公務員が出向するということは問題はなかろうと思います。

武正委員 予決令とか会計法の枠外にしているんですよね。その考え方というのは、国でやらなきゃいけないけれども、民間の知恵を使って、ある面、自由度を、裁量権を独法には与えている、そういう制度設計なんですよ。でも、そこに五千人近い現役出向が行って、いろいろ聞いてみると、大体二、三年で帰ってくるんですよ。

 ということは、国家公務員の人事管理の中の一つの組織にその独法が使われて、二、三年で人事のローテーションをされている。本当にこの人じゃなきゃできない、そういう人が行って、そんな二、三年ではとても帰れませんよね、普通。企業だって、就職して二、三年でようやくなれたということじゃないですか。私は、やはりこの出向というのはおかしいなというふうに思うんですね。

 しかも、その省庁からの出向者が、去年、百十三の独法で調べたとき、ですから、おととしの四月一日現在は四千二百十四人だったんですよ。今回調べたら、六百人またふえているんですね。出向がさらにふえ、多くなっているということなんですね。拡大をしているわけなんです。いや、これはいいんだと大臣は言われましたけれども、私は、やはりこれはおかしいというふうに思います。

 そこで、今回、政府案百六条の三、二項二号、現役出向者が出向先でその就職活動をすることを例外にしている、その官職を政令で決めるというふうに書いてあります。そして、内閣府の説明では、それは係長以下級なんだと。係長以下の方は出向先で就職活動していいよ、こういうふうにしているわけなんですが、この理由は何ですか、大臣。

    〔西村(康)委員長代理退席、委員長着席〕

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、独立行政法人というのは、公共性の高い事務事業のうち、国が直接実施する必要はないが、民間の主体にゆだねると実施されないおそれのあるものを実施する機関でございます。したがって、そういうところに知識経験を有した現職の公務員が出向するというのは、その必要性、合理性がある範囲で私は許されるものと思います。

 したがって、そういう出向先で求職活動を認めているというのは、そこへ行って求職をやりなさいという意味では全くなくて、これはまさに、独立行政法人という、しかも非公務員型の法人をつくり、そこで業務の効率性、質の向上、法人の自律的業務運営の確保、業務の透明性の確保、こういうことが図られるのであれば、非公務員型にして公務員の世界と区別をしていこうということでございますから、そこへ出向している人にスポットライトを当てて求職活動を解禁しているという趣旨では全くございません。

武正委員 百六条の三には、このように書いてあります。「職員は、利害関係企業等(営利企業等のうち、職員の職務に利害関係を有するものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)に対し、離職後に当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは」云々ということですね。いわゆる在職中の求職の規制、国家公務員の職にあって、職を求めてはいけない。そのときに、現役出向をしているときは、これから省令、政令で定めるけれども、係長以下だったら就職活動していいよ、そういう例外があるということなんですね。

 今、大臣いみじくも非特定独立行政法人のことも言われましたが、そうすると、利害関係企業等には非特定独立行政法人も含まれるということでよろしいですか。

林副大臣 委員が今おっしゃっているものは、まず、係長以下は政令で、多分そのぐらいになるだろうという答弁をどこかでいたしましたが、これは全体の求職活動にかかわるものでございまして、求職活動の規制というのは一般的にかかります。これは、現役出向であろうと役所の中にいようと、まずかかるわけです。それを、ことし入った人まで全部というのはおかしいではないかと。基本的にはそういうことは、民主党さんの案でも、個人で行くのはいいんだ、こういうことであったと思いますが、そういうことで、まずそういう政令で定める。

 それから、現役出向をする場合はまた別途定めておりまして、今言ったような趣旨から、規制の範囲が必要かつ合理的な範囲であるという必要がございますので、まず現役出向をする職員が出向先の法人に対して行う場合、また在職する局等の意思決定の権限を有しない官職、係長以下の職員が行う場合等については、公務の正当性などに影響を与えるものではないということで、適用除外としている、こういうことでございます。

武正委員 時間が来ましたので終わりますが、私はそれは抜け穴ではないのかなというふうに思うんですね。しかも、これは「政令で定める」だから、では、係長だったけれども、もっと低くしましょうということも幾らでもできる。あるいは、係長以下じゃなくて、もっと高くする、課長級でも現役出向者、そこで再就職していいよと。しかも、その隣には子法人もある。子法人に対しての就職活動も例外という、ここは私は抜け穴ではないかなと思っています。

 それで最後に、平成十八年四月一日現在、やはりこれは出向者をちょっと明らかにしてほしいんですね。現在、中央省庁からの出向者が各省庁別に何人で、そのうち特に係長以下が何人か。また、出向先の組織形態、営利企業なのか、特殊法人等なのか、今言った非特定独立行政法人も含めて、出向者数とともに明らかにしてほしい。また、平成十八年四月一日現在で一体何年出向しているのかを教えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

林副大臣 人事院で、平成十七年度における一般職の国家公務員の任用状況調査報告というのをつくっていただいておりますが、これによりますと、平成十七年度において、退職手当の支給を受けず、辞職後、特定独立行政法人以外の独立行政法人に属する職などへ引き続きついた一般職の国家公務員であった者及びつくことが予定されている一般職の国家公務員の数は三千三百二十人であるというふうに把握をしておられます。

 その所属府省別の数については、細かく申し上げさせていただきましょうか。(武正委員「いや、いいです」と呼ぶ)いいですか。会計検査院から人事院、ずっと来まして、環境省まででございまして、このうち、係長以下の者や出向先の組織形態別の数字は把握をしておられないということでありまして、詳細については人事院にお尋ねいただければと思います。

武正委員 係長以下を例外としている法案を出されていますので、私はやはり本委員会に、今わからない人事院の数字ではなくて、行革本部として、担当大臣としてしっかりと調査をしていただいて、今言った私の項目について資料を委員会に御提出いただけるよう、これは委員長にお取り計らいをお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました