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2007年11月6日
【テロ防止・イラク支援特別委員会 議事録】
新テロ法案について質疑 |
○武正委員 民主党の武正公一でございます。
質問項目に沿って質問をさせていただきます。
きょうは、ちょうど今、民主党の外務防衛部門会議を行いまして、これまで民主党は、この六年間の海上での給油活動等、その実態を明らかにしてほしいということで、もう十二回、関係三省庁に資料要求をしてまいりました。この中には、十月十日、防衛大臣が述べられた七百七十七回の悉皆調査、こういったものもあるわけですが、そろそろ一カ月を経てもまだ残念ながら出されない。これはやはり徹底した実態解明が、新法、当時は旧法延長、必要であろうということで臨んでまいりました。
と同時に、民主党としての考え方の取りまとめ、これも同時並行で進んでまいりました。先週、先々週と民主党の外務防衛部門の役員会でも、その民主党の考え方のたたき台を示し、二十五名います役員会での議論、そしてまた、平場でも部門会議で議員から意見を聞く、こういうことをやってまいりまして、きょう、朝の部門会議で民主党としての考え方を提示いたしまして、ほぼ了承を得て、要綱案の作成に入ろうということでちょうど今部門会議を終えてきたところでございます。
このことを御報告させていただいて、対案、対案と政府・与党がよく言われますが、同時並行で進んできている。ただしかし、新法の採決などと言う前に、七百七十七回の悉皆調査を初め、徹底した情報開示がされないまま新法の議決をするというのはまだ時期尚早、これを申し述べたいというふうに思っております。
そこで、予算委員会で防衛大臣とやりとりをさせていただきましたが、この給油をしている商社二社の名前、公表できないのかということをあえてまた聞かせていただきます。それと、国会法、国政調査権でも公表できないのか、いかがでしょうか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
この件につきましては、当委員会におきましても、また予算委員会等におきましても、何度か議論がされたわけでございますけれども、契約相手方の商社の個別の名称を公にするということ、これは企業の正当な利益等を害するおそれがあるということで、開示ということは差し控えさせていただければありがたいなと思っております。また、具体的に企業名を公表することによって、ある意味、給油活動に反対する方々のこの企業を標的といたしました妨害活動ということもあり得るおそれがあるということ、そういうことが考えられるわけでございます。
また、情報公開法第五条におきましては、法人等に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等または個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものについては不開示とすることができるとされているところでございます。
また、委員も多分御承知だと思いますけれども、平成十五年の九月十六日におきまして、東京地裁において、本契約相手先企業名の情報公開請求の訴訟におきまして、不開示とする防衛省の判断について、これを支持するという司法判断もなされているわけでございます。そしてまた、この東京地裁においての本判決については、上訴はなされず確定されている、そういうようなところが理由でございます。
○武正委員 答えてくれていないので、防衛大臣も同じ答えを予算委員会でされたので、防衛大臣にお聞きをしたいんですが、だから、国会法の国政調査権でも公表できないんですかということで、防衛大臣、お答えいただけますか。
○石破国務大臣 国政調査権の行使は国会がなさることでございますので、仮定の質問にお答えするとすれば失礼なことになるかもしれませんが。
私は、省内で議論をしているときに、国政調査権を行使されたから初めて出すというようなことはなるべくしない方がいい、そこまで国会として権能をお使いにならなくても、出せるものはみんな出すようにということで言ってまいりました。
国政調査権が発動されたときに、それを政府として開示できないというときの手続も、委員御案内のとおりでございます。そういたしますと、そういう手続を政府としてとるかどうか、今この時点で確定したことは申し上げられません。
ただ、今副大臣からお答えを申し上げましたように、司法の判断というものもございます。上訴もされていないということでございます。そういたしますと、もちろんこれは判例というふうに呼称されるべきものではありませんが、上訴がされていないという事実を副大臣から申し上げました。そのときに、政府として、国政調査権を行使されたとして、すなわち、できるかということはなかなか申し上げにくいことだと思います。むしろ否定的に解すべきものなのかもしれません。
いずれにしても、国会が御判断になることでございますが、冒頭申し上げましたように、政府としてできるだけの開示はやっていく、そして、国政調査権を使いました場合も、できるだけの、協力という言い方は変ですね、それにおこたえする形での努力はさせていただきたい、そこまでしか申し上げられません。
大変答弁としては御納得いただきにくいかもしれませんが、そういうことでございます。
○武正委員 私が言っているのは、情報公開法で判例が出ているから開示できないんだ、司法の判断だというのは違うということで、私は、国会法、国政調査権での議論というのはまた別の次元であるということで申し述べたわけでございます。
そこで、財務政務官がお見えでございますので、マラケシュ条約、これは途上国を初め国際的な入札ができるだけ阻害要因がなくオープンで開示をされるようにという政府調達に関する協定でございますが、今の軽油について、このマラケシュ条約付表1に関する注釈4にある連邦供給分類、FSCの九九、その他のものとすることは可能かどうか。
これは、協定そのものは外務省マターでございますが、当然、国内の関連法令との調整、特に財務省がそうした政府調達に関するあるいは契約に関するところをつかさどっておりますので、お聞きをしたいというふうに思います。
○宮下大臣政務官 お答え申し上げます。
条約の解釈につきましては、外務省設置法によりまして、外務省の所掌事務となっておりますので、御質問のマラケシュ協定につきましても、所管省庁であります外務省よりお答えすることが適切であると考えられます。
つきましては、財務省より答弁を申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じております。
○武正委員 お答えいただきたかったんですけれども、この後、ちょっと関連があることがありますので、お残りをいただければと思います。
外務大臣、いかがでしょうか、今財務省は外務省なんですということなんですが。このFSCの九九、その他のものということで、やはりこの軽油の調達に関しても、特に随意契約でA社、B社という日本の商社、この商社名を開示してほしいというのが私を初め民主党の政府に対する要請なんですが、これは判例もあり、いかぬと。これは見解が違う、我々は国会法というステージで公開可能であるというふうに考えておりますが。
この九九のその他のものということで軽油を読み込むことはできないでしょうか、外務大臣。
○高村国務大臣 外務省から答えるのか財務省から答えるのか、どちらが適切かわかりませんけれども、お尋ねの軽油につきましては、連邦供給分類、FSCによれば、九一、燃料、潤滑油、油脂及びワックスに該当するため、九九、その他のものに分類すると解することはできない、こういうふうに思います。
○武正委員 私は、やはりそこを読み込んでほしいなというふうに思っておりまして、これはちょっと見解が違うということであります。
そこで、せっかく油の話になりましたので、ちょっと順番を変えまして、お手元の資料、委員会に提出をしました資料の最後から二枚目をごらんいただきたいと思います。
これは、補給艦「ときわ」の航泊日誌でございます。補給艦「ときわ」の航泊日誌も、政府から提出をいただいたのは、まだ半年分なんですね。五年分なり提出をいただいておりません。
その中の平成十五年二月八日の分でございますが、ここに、時分一二〇三、主燃料搭載終了、三千四百六十五キロリットルとございます。そして、その次のページを見ていただきますと、これは「ときわ」の方の納品書検査調書でございまして、ここの数量は三千五百四キロリットル。その三千四百六十五との間に四十キロリットルあるわけですね。いや、たかが四十キロリットルじゃないかというお話かもしれませんが、四万円ですから、ざっと百六十万の差が出てくる。七百七十七回を簡単に掛けますと大体十億ということになりますので、果たしてこういう誤差というものがいかがなものかなというふうに思うんですが、なぜこの約四十キロリットル誤差が生じたのか、防衛大臣、お答えいただけますでしょうか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
委員御指摘のこの平成十五年の二月八日に受領した燃料、防衛省から提出させていただいた御指摘の納品書調書から明らかなように、物品を納入する契約相手方、物品の出納に責任を有する補給長、そして受領検査を担当する機関長、三者によって確認しておりまして、二月八日に受領した燃料は、右納品書が示すとおり、十五度Cでの容積に換算して三千五百五キロリットルであります。
当時、十五度Cに換算する前の容量は三千五百二十三キロリットルであります。ちょうど油の温度が二十四度Cだったということで、容積が大きくなっていた。そして、航海日誌の方には三千四百六十五キロリットルというふうに記載されておりますけれども……。済みません。
容積換算前が三千五百二十三キロリットルで、そのうち、航海日誌の方に三千四百六十五キロリットルというふうに書かれておりますけれども、これは補給用のタンクの方に入れた量でありまして、あとの残余部分の量は、この補給艦の、実際、自艦用のタンクに入れた方の部分でありまして、そごはございません。
○武正委員 この「ときわ」の検査票では三千五百四ということは、これは三千四百六十五とそごはないということでございますが、ちょっとそれはやはり理解できないわけです。契約では三千五百四で、それで金額が出ているわけですから……(江渡副大臣「いえいえ」と呼ぶ)別なタンクに入れたということで。
○江渡副大臣 済みません、お答えいたします。
先ほども言ったように、十五度Cに容積換算しますと三千五百五ということで、そして、換算する前に入れたときにはオイルの温度が二十四度Cで、済みません、さっき三千五百二十三と言いましたけれども、三千五百三十二キロリットルでありまして、そのうち航海日誌に書かれている三千四百六十五というのは、補給艦から他の艦船に補給する補給用のタンクに三千四百六十五キロリットル入れて、そして、自分の船が動くための自艦用のタンクの方に六十七キロリットル入れた、それでトータルで三千五百三十二キロリットルということであるわけであります。
以上です。
○武正委員 にわかに納得しがたいんですが、そのほかの航泊日誌に、今御提出いただいているところには、この主燃料搭載終了の量が一つも出ていないということなんですが、これもやはりきちっと幾ら積んだのかというのを書くべきだというふうに思います。これは指摘にとどめさせていただきます。
政務官、どうぞ御退席いただきたいと思います。
そこで、本来の順番に戻らせていただきますが、外務大臣、この間、先週水曜日、カナダ大使館でのOEF・MIO十一カ国による説明会、私は民主党の議員の一人として参加をいたしましたが、説明をされた四名の所属組織を見ると、あるいはお話を聞くと、いずれも米国ということだったんですが、説明員四名の中に米国以外の武官がいたかどうか御確認をいただきたいということを先般外務委員会でお願いをいたしましたが、御確認いただけましたでしょうか。
○高村国務大臣 確認をいたしました。
委員がおっしゃるとおり、米国以外の人はいませんでした。
○武正委員 一部報道で各国武官が説明ということが流れておりましたので、それが違っていたということが確認できたと思います。
そして、直接的な給油継続依頼がなかったわけでございますが、これは当然内政干渉を恐れてのことと私は推察をしておりますが、政府は説明会の開催を、十一カ国政府もしくは十一カ国在京大使館、それぞれあるいは一カ国でも二カ国でも要請したことがあったかどうか、これも御確認をいただきたいと先般外務委員会で申し述べましたが、御確認いただけましたでしょうか、外務大臣。
○高村国務大臣 そういうことを要請したことは一切ありません。
○武正委員 続いて、移らせていただきます。
お手元の資料、一ページをごらんいただきたいと思います。これは国際海事機関及び国土交通省調べということで、最近の海賊及び船舶に対する武装強盗事件等の発生状況、六年間のものでございます。
世界的に見てもこの事案が減っているということが御確認いただけると思いますし、それは決してインド洋だけではなく、全世界的に事案が減っている。特に日本関係船舶、一番下の欄、これは国土交通省の調査によるということでありますが、航行中の日本関係船舶被害、六年間十四件、これがどういう地域で被害を受けたのか。これは、国土交通副大臣お見えでございますので、御説明いただけますか。
○松島副大臣 委員御指摘の二〇〇一年から二〇〇六年までの六年間ということに限って申しますと、日本関係船舶の海賊等の被害の発生は主に東南アジアでございます。主にというか東南アジアの地域で、インドネシアとかマラッカ海峡、シンガポール海峡、そのあたりが中心になっております。
先ほど、これ以外に、最近の出来事という観点で申し上げますと、ことしの十月二十八日に、日本の会社が持っていて、船籍はパナマ船籍ですが、ケミカルタンカーがソマリア沖のアデン湾で十月二十八日に行方不明の遭難信号を発しております。
○武正委員 事前に出していただいた資料では、十四件中七件がインドネシア沖、そして四件がマラッカ沖。いずれも東南アジア。インド洋で日本船舶が航行中の被害を受けたものは、この六年間に限ってみても、ないということでございます。
官房長官、お戻りいただきましたので、シーレーン防衛も今回のテロ新法の直接的な法律の目的にはなっていないけれどもということで説明をされておりますが、日本関係船舶が危ないのは、実はマラッカ海峡とかインドネシア沖なんではないでしょうか。インド洋、インド洋と言われますが、この表からそのように受けとめるわけです、今の国土交通副大臣からも。官房長官、いかがでしょうか。
○町村国務大臣 現実の発生状況は、今委員御指摘、あるいは松島副大臣がお話をしたとおりであろうかと思います。しかし、逆に言うと、このインド洋の方に我が国の関係する船の航行中の事案が少ないというのは、逆の見方をすればですよ、すべてこの海上活動、阻止活動のせいだと豪語するつもりもございませんが、そういうこともやはりあったのではなかろうかと推測されます。
また、ここには二〇〇六年まででありますが、二〇〇七年に入りますと、これは停泊中のものを含めでありますけれども、東アジア六件、インド洋一件、ソマリア沖一件、アフリカ一件というような形で、二〇〇七年に入りますとややそうした事案が出ておりまして、現実にも、今一隻、係争中といいましょうか、行方不明になっているような日本船籍があるということも事実としてつけ加えさせていただきます。
○武正委員 事前に海保なりに御説明をいただきますと、この間、日本がアジア海賊対策地域協力協定の主導国としての努力とか、SUA条約二〇〇五年議定書、これは百四十四カ国が参加をして、テロ対策でそうした移動を抑えようと。そしてまた、今、実はインド洋でのOEF・MIOが効果を上げているんだというお話だったかもしれませんが、そうすると、例えば百歩譲って、湾岸戦争以来行われている対イラクの海上阻止活動、この後話が出ますが、そうしたものも効果を上げたということにもつながっていくということを指摘させていただきます。
日本は海洋国家でございますので、やはり日本が守るべき大事な一つの信条は、航海自由の原則ということだと私は考えております。この点はやはり日本が堅持をしていくべきでありまして、そうしたものを守っていくことが、結果として私はシーレーン防衛につながっていくというふうに考えるわけでございます。
そこで、次は、ページをめくっていただきまして、交換公文に移らせていただきます。
これは旧法の交換公文でございます、日米のです。この二項、いわゆる同意を求めないで転用はしないよ、そして三項、書面によりしっかりと条件を通知するんだと。こういう交換公文の構造になっておりますが、お答えいただきますと、二項については、一回も同意は求められたことがない、ゆえに転用はない。そして三項については、一回だけ通知をした、書面でですね、あとは口頭であると。
こういったことを考えますと、この交換公文が実際のところ役に立っていないというふうに私は認識をしておりまして、もしこの新法で交換公文を当然結ぶとすれば、この文面、書き方、書きぶり、これだけ国会で議論を呼んでおりますので、やはり工夫が必要ではないかというふうに考えるんですが、官房長官、御所見を伺います。
○町村国務大臣 今のお問い合わせの前に、私、先ほど日本船籍とソマリア沖の件を申し上げましたが、日本の会社なんですが船籍はパナマでございまして、失礼いたしました。
今のお尋ねでございますが、交換公文の三に基づく書面による通知を口上書をもって行ったことを含めて、補給実施の要件等についてはアメリカ側に繰り返し周知を図っているところでございます。アメリカはテロ対策特措法の趣旨、補給実施の要件等について十分理解をしていると私どもは考えておりますので、この交換公文の内容の書き方に問題があるというふうには私どもは必ずしも考えておらないところでございます。
○武正委員 ただ、実際、核持ち込み事前協議と同じように、二項目で、同意がないから転用はないんだ、日米の信頼関係に基づいてというのは、やはり主権国家同士のこうした条約に準ずる交換公文のあり方として、これだけ国会で議論になっているわけですから、やはりここは見直していく必要があるんじゃないかというふうに思いますが、その点はどうですか、官房長官。
○町村国務大臣 御指摘ですからよく考えてみますが、私どもは、今、この文章そのもので日米間の意思疎通が十分でないとか、あるいは日本側の趣旨が伝わっていないということではないと。
今回これだけ日本で議論になっていることもまたアメリカもよく承知をしておりますし、詳細なデータ等は防衛省の方から求めて、アメリカ側も膨大な作業を行うということで、相当、疲労こんぱいと言うとオーバーかもしれませんが、結構大変な作業をおれたちもやっているんだよなんという話も私は仄聞しているところでございます。
そういうプロセスを経て、日本側がそうした厳密さを求めているんだということは、大分アメリカ側にも結果的にまた改めて周知徹底されているのではないかと思いますので、そういう意味で今直ちに交換公文の文面を、こういうふうに改めるという何か御提案があればまた受けとめたいと思いますが、今直ちにこれを変えなきゃならない、そういうことではないと考えているわけでございます。
○武正委員 これは同意を得ないで転用はないということですが、例えば日本側から、それは信頼関係だけれども、日本の貴重な税金を使っての給油なんだから、その使い方がテロ特措法、新法のですね、その法の趣旨に沿っているかどうか、やはり確認をさせてほしいと、当然こういうのは条約に準ずる交換公文に入れたって、お互い主権国家なんですから、そして同盟国家なんですから、やはり言うべきことは言っていく。これだけ国会で議論になっているわけですから、国民の代表が集う国会で議論になっているわけですから、私はこれは見直しがあっていいというふうに思います。
防衛大臣、先ほどもちょっと触れたんですが、今も、いや、アメリカは大変苦労してこの調査をやっているんだと、疲労こんぱいだと官房長官はおっしゃいましたが、七百七十七回の悉皆調査、もうアメリカの合意は得て、あとは、今、政府部内、省内なりの調整になっているというふうに漏れ伝わっているんですが、それでよろしいですか。
○石破国務大臣 そういう御認識で結構でございます。
アメリカから必要な資料、これも膨大なものになります。トラック何台分とは言いませんが、本当に膨大な資料に基づきまして、そして国内のいろいろな資料等々と突合もしながら、整合もとりながら、作業はおおむね了したところでございまして、今、これを御報告するについて不備な点はないか等々、最終的な精査を行っておる段階でございます。
○武正委員 当然この衆議院での審査の間に御提出をいただけるということだと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○石破国務大臣 それは、作業の進捗状況によろうかと思いますが、できるだけ早く出すように、さらに追加作業を加速したいと存じます。
○武正委員 当然、これが一番焦点の一つでありますので、やはり審議に付するように、もう一カ月も前から、やるんだ、やるんだということですので、速やかに御提出をお願いしたいと思います。
この交換公文、十二年半ぶりに日米相互防衛援助協定が衆議院の外務委員会に提出をされました。条約に準ずる交換公文、日本の場合はどうしても外国との条約、交換公文が国内法を規定する法律体系になっておりますので、私は、今政府が、憲法七十三条で外交、条約締結は内閣の専権事項という、こうした解釈をかさに国会への説明責任を回避しているという点は甚だ問題であると思っておりますので、引き続き、大平三原則に基づいて交換公文の外務委員会、国会への提出をお願いしたいと思います。
そこで、新法の国会承認に移らせていただきたいと思います。
官房長官、ドイツが、過日、一年間の派遣延長を決めた折に、アフガニスタン南部と東部には派遣しないこと、あるいは、五つのプロビンスに、具体的な人数、そして何をPRTでやるのか、こうしたことを事細かに国会で承認を受けて一年の派遣延長を決めているわけでありまして、何度もこの委員会で、いや、しっかりと議論をしていくんだと。だったら、人数とかどこにとか、そうしたことをもっとはっきり言うべきだろうし、法律的にも、書き込むことは法体系上否定はしないと官房長官も言っておられるわけですから、私どもは、国会での議論でより具体的な明言、あわせて国会承認という形でのシビリアンコントロールを果たしていくべきだと思っておりますが、このドイツの例をどのように見ておられるのか。
あわせて、OEFに二〇〇一年十月七日活動開始したドイツは、当初どういう名目で参加をしたのか。集団的自衛権なのか国連決議なのか。
以上二点、お伺いしたいと思います。
○町村国務大臣 ドイツ連邦議会の議論の詳細を私も承知しているわけではございませんので、余り事細かに申し上げることはできないわけでございますけれども、ここに若干の資料がございまして、ドイツ連邦軍部隊は、カブール地域及び北部地域に派遣される、右に加え、ドイツの支援活動が不可避の場合には、西部地域及びISAFの活動の他の地域への拡大の過程で一時的にかつ限られた分野での支援活動に派遣され得る、こういうような連邦議会の承認の内容があったようでございます。
これはどの地域が安全なのかどうなのか、確かに、ISAF全体の中で役割分担がドイツにも割り振られているんだろうけれども、その中でやはりドイツの議会としては部隊の安全等々いろいろなことを考えて言っているんだろう。それは、自国の兵隊さんができるだけ犠牲が少ない方がいいと考えるのは、ある意味では当然のことなのではないだろうかというふうに私は推察をいたします。
そういう意味で、我が国の場合はどうかといえば、そもそも非戦闘地域であるということを法律に書いてあるわけでございますし、また、法律の中に今回は活動地域というものも明示をしてある、活動内容もまた明記をしてあるというようなことから、私は十分シビリアンコントロールがこの国会の法案審議の過程を通じて担保されているというふうに考えます。
それから、OEFに二〇〇一年十月七日に活動を開始したドイツは、当初どういう名目で参加をしたのかということでございますけれども、これは国連憲章五十一条に従って自衛権の行使を報告したというふうに承知をしております。
具体的には、十一月二十九日付安保理議長あて書簡において、ドイツが九・一一テロ後にとった措置に関し、それらがビンラディン、アルカイダのテロリストネットワーク、及びそれをかくまい、支援する者に対してのみとられているものであり、アフガニスタン国民やイスラム宗教に向けられたものではないこと、また、国連憲章第五十一条に従って個別的及び集団的自衛権の行使としてとられている措置である等を国連へ報告しているというふうに承知をしております。
個別的自衛権なのか集団的自衛権なのか、どちらなのかは、これはドイツ側の判断で、私どもにはよくわかりません。
○武正委員 後段については、当初のドイツの参加は集団的自衛権ではないのではないかというような指摘も実はありますので、これはさらにドイツに照会するなり、やはりこの後まだまだこの議論というのは大事なポイントだと思いますので、照会をしていただきたいと思います。
ドイツについては、三千四百二十四名の兵士を派遣する、それがクンドゥズ、タカール、バグラーンなどの五つのプロビンスである、あるいはまた、百八十八人の連絡要員をマザリシャリフの方にISAFのコンバットオペレーションのために派遣するとか、事細かに人数とか地域とかその仕事の内容とか、これをしっかりと国会に提供して一年延長しておりますので、私は、この後閣議決定で国会承認を経ないというのは、やはりシビリアンコントロールから問題ありというふうに考えるわけでございます。
そこで続いて、防衛大臣、先ほど七百七十七回の話をさせていただきましたが、お手元の資料で、ペルシャ湾で二回給油をしている。資料の三ページをお開きいただきたいと思います。防衛省提出資料でございますが、「各国艦艇に対する給油地域、給油回数」。
これは、二回はペルシャ湾の公海上とされていますが、この給油はいつ行われたのか。場所はお答えできないということだったんですが、公海上ですしね。公海上ですから、私は場所を言ったっていいと思うんですよね。でも譲って、いつなのか、お答えいただけますか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
ペルシャ湾で海自の補給艦により行われました二回の給油についてですけれども、この給油活動というものを明らかにすることは、やはり他国との信頼関係を損ねるおそれがあるものですから、御公表は差し控えさせていただきたいと思います。
○武正委員 ペルシャ湾で二回というのは、これは非常に、国会で、部門会議でもそうですけれども、これが何か突出した印象を与えるんですね。だから、この二回は何なのかというのはやはりきちっと説明をいただいていいんじゃないかと思うんですが、防衛大臣、どうですか。防衛大臣、お願いします。
○石破国務大臣 今副大臣からお答えをいたしました、詳細は明らかにできません、それは信頼関係というお話でございますが、その上であえて申し上げますと、この二回の補給につきましては、イラクに対してアメリカが武力行使を行っておりました平成十五年三月二十日から同年五月一日までの期間に行われたものではございません。また、この補給はアメリカの艦船に対しまして行われたものではございません。この二回、どちらにつきましても、その艦艇が所属をしております国、これはイラク関係のオペレーションを実施するために艦艇を派遣していない。ここまでは申し上げることができます。
○武正委員 もう一歩踏み込んで、三月二十日以前、テロ特措法施行後三月二十日以前の二回ということで、さっきの戦争終結までではないということですが、イラク開戦の前か戦争終結後か、この点はもう一歩踏み込んでお答えをいただけますでしょうか。防衛大臣、いかがですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
後でございます。
○武正委員 そこで、次のページをおめくりいただきたいんですが、これは衆議院調査局作成資料でございます。「アフガニスタン、イラク及びインド洋における軍事作戦の概要」ということで、「紅海、ペルシャ湾、オマーン湾、アラビア海」の欄を見ていただきますと、「指揮権」のところでこのように書いてあります。「その他、湾岸戦争以来、ペルシャ湾ではイラク海上阻止活動(MIO―Iraq)が米英艦隊等(CTF158)によって行われている。」ということでありまして、このことから今の二回がMIO・イラク艦船への給油ではないのかというふうに考えるんです。先ほど来、違う違うというお話でありますが、湾岸戦争以来行っている海上阻止活動、MIO・イラクに当たるものではないでしょうか。これは、防衛大臣、いかがですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
それは御指摘のこととは違います。
○武正委員 防衛大臣に伺いますが、このMIO・イラク、海上阻止活動というものが湾岸戦争以来行われている、CTF158、これは事実として御認識されていますでしょうか、防衛大臣。
〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕
○石破国務大臣 それは、湾岸戦争以来、このような活動が行われていることは承知をいたしております。
○武正委員 現在も行われているということでよろしいですか。
○石破国務大臣 結構でございます。
○武正委員 つまり、海上阻止活動というのは、ここでも議論がありますが、OEF・MIOだけではないわけですね、全世界でこの海上阻止活動が行われておりますので。
きょうも新法について民主党は部門会議で初めて質疑を行いました。一度説明を伺いましたが、新法についての質疑を行う前に、先ほど言ったように資料請求とそれへの回答が要を得ないものですから、それに膨大な時間を割いてきたということで、きょうようやく部門会議で新法についての質疑を行ったのが実情でございます。このぐらい、この新法に対しての審議を行う前の準備というか情報開示、これが行われていないということで、私どもは、そうした新法への対応をしてきているのもお伝えをしておきます。
その新法の法律に海上阻止活動という言葉が出てくるんですが、英訳は何ですかと聞いても、それはOEF・MIOという指摘はなかったのが三省庁からの御説明でございましたが、このテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法という法律、これは、テロ対策海上阻止活動はOEF・MIOだけではなくて、例えばイラク、MIO・イラク、こういったものも含まれているというふうに多分諸外国は見ている。だから、こうした給油の転用というのが、日本ではこれはあり得ない、しかしながら諸外国は、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法じゃないか、しかも、インド洋、加えてペルシャ湾など非常に幅広い海域を指していると。ここがやはりそもそもの問題の所在ではないかと思うんですが、防衛大臣の御認識を伺いたいと思います。
つまり、新法のテロ対策海上阻止活動は、OEF・MIO以外に、この今の資料であるMIO・イラクなども含まれているというふうに諸外国は解しているのではないだろうかということでございます。
○石破国務大臣 諸外国がどのように考えているか、私は諸外国でないのでよくわかりません。ただ、そういうふうに考えるということは、それはあるのかもしれない。
ただ、我々として何が大事なのかといえば、それはOEFというものに使われる、法の趣旨にのっとって使われるということはきちんとしなければいけないし、相手のあることでございますから、この法案の質疑中、ずっと累次申し上げてきたことで、この法律はこのようになっております、私どもの油はこの法律の趣旨に則したものにしか使うことはできませんということはるる申し述べておることであり、そのことは、先般、寺田政務官が現地に赴きまして、これも確認をしてきたことでございますが、非常に周知徹底がなされておるというふうに承知をいたしております。
○武正委員 国土交通副大臣、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。ありがとうございました。
諸外国が解する可能性もあるということを申されました。私は、やはりそれはこの法律の書き方が誤解を与えている、あるいは非常にあいまいさがあるからだというふうに思っております。諸外国の関係を必要とする法律、しかも交換公文を必要とするその法体系の中で、この法律のテロ対策海上阻止活動というものが極めて非限定的であるといったところが、そもそもこの国会審議での問題点になっているというふうに考えるわけでございます。
そこで、官房長官、資料五ページをお開きいただきたいんですが、「MIOの現状」ということで、「連合国司令部の機構」ということで、フロリダ・タンパの調整センター、そしてバーレーン・マナマの連合国調整センター、そして連合国艦隊はペルシャ湾の奥から、CTF158、北部ペルシャ湾、そしてCTF152、ペルシャ湾、ホルムズ海峡、そしてCTF150、インド洋ということで、海域を分けてこの作戦が三つの艦隊で構成をされているということでございます。
先ほどの地図にもあったように、過去ペルシャ湾は給油が二回なんだということもありますので、やはりはっきりと作戦が分かれて、しかも、CTF158に至ってはMIO・イラクであるし、湾岸戦争から今もずっと続けているということから考えますと、新法の対象にこのペルシャ湾を除くというふうにするのが素直な法律ではないのかなというふうに思うんですが、この点、官房長官、いかがでしょうか。
○町村国務大臣 先日の質疑でもどなたかが、なぜペルシャ湾が入っているのだという御質問をいただいたわけでございますけれども、これは、ペルシャ湾は一般的にはインド洋に含まれるというふうに考えられてきたということもございますが、現実のニーズとして、ペルシャ湾沿岸には、海上自衛隊の艦船が燃料とかあるいは食料等を補給することができる港があるということもまた一つの理由になっておりますし、また、給油する対象の船が、現実に二件かもしれませんが、ペルシャ湾において行われてきたということが今後もあり得るということでございまして、あえてペルシャ湾を含めたインド洋という表現に今回の法律もなっているところでございます。
○武正委員 給油場所は、ファルージャでしたか、何かそんなような名前なんですよね。アラブ首長国連邦の港で。(発言する者あり)済みません、フジャイラでございます。フジャイラについては、「ときわ」の検査調書に、どこで給油をしているかということで、そこは墨消しでそれがのけてあります。それはもう既に開示された、あれはNPOなどの指摘で開示されて、フジャイラでやっているというのが開示されているものですから、御提出には墨消しはとれてフジャイラと書いてあります。
今のフジャイラの場所は、官房長官、ペルシャ湾じゃないんですよ。インド洋の方なんですよ。ですから、今給油場所がペルシャ湾だからというのは違うわけです。インド洋側でございますが、いかがでしょうか、官房長官。
今官房長官がペルシャ湾の中で給油をしているから、いや、ペルシャ湾じゃないですよ、外ですよ、フジャイラはインド洋側ですよというふうに言ったわけです。いかがですか。
○石破国務大臣 今、地名の御指摘がありました。私ども政府といたしまして、その地名を開示した、墨消しを解除したという事実はございません。したがいまして、その地域がどこなのかという御質問につきましては、それは地図を見ればロケーション的には委員御指摘のとおりということになるのかもしれませんが、その地域につきまして政府として開示をしたとか、墨消しといいますか、それを解除したという事実は全くございません。
○武正委員 御提出いただいた検査調書には、フジャイラというところが厳然と墨消しでなくてあるんですよ。ですから、開示していただいたんですよ。ちょっとそれ、ちゃんと政府、調整してください。これじゃ質問できません。
○江渡副大臣 済みません、お答えさせていただきたいと思います。
ペルシャ湾をなぜ含むかということにつきましては、海上自衛隊の活動の方の中において、海自の方の隊員の休養とか、あるいは食料等、また、あとはそういう関係のことで、海上自衛隊の活動としての枠の中でペルシャ湾というものも含まれるということで御理解いただきたいと思います。
○武正委員 質問できません、これじゃ。
私が言っているのは、フジャイラという名前はちゃんと検査調書で開示されているんです。今、防衛大臣は開示していないと言っていますから、これでは質問できません。
○田中(和)委員長代理 答弁できませんか。答えられなければ調整時間が必要でございますけれども、答えられれば答えてください。
江渡聡徳防衛副大臣。
○江渡副大臣 済みません、お答えさせていただきたいと思います。
開示はしておりませんので。
○武正委員 いや、これじゃ質問できないです。開示されているんです。我々部門会議でいただいたところにフジャイラと書いてあるんです。
○田中(和)委員長代理 時間がかかりますか。
それでは、ここで一たん質疑をとめます。確認をしてください、大至急。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○田中(和)委員長代理 速記を起こしてください。
後刻、理事会で協議をさせていただきます。
武正公一君。
○武正委員 今、資料を持ってきますが、フジャイラという名前がちゃんと出ておりますので。(発言する者あり)新聞じゃありません。提出していただいた資料でございます。
それで、私は、やはりペルシャ湾を除くべきだというふうに思います。
そこで、次に質問を移らせていただきますが、次の資料をごらんください。六ページ、防衛庁長官答弁、平成十五年五月十六日衆議院安全保障委員会メモ。このメモを、十一月二日、外務委員会で防衛副大臣は、在日米海軍、在京米大使館から受けたと言うが、これはどちらから受けたのか。
このメモも非常に不可解でございます。右上に、これは答弁要領の中に挟まっているということなんですけれども、米国からもらったものにちゃんと御丁寧に日本語訳がついている。こういうものがメモとして今の二組織から来たということであります。防衛副大臣は、多分、いや、二つからもらったんだというお答えなものですから、ちょっとこれ、時間ははしょらせていただきますが。
官房長官、このメモを見ていただきますと、日本語訳を読みますと、「キティー・ホークは、不朽の自由作戦支援中の二月二十五日、オマーン湾において米軍補給艦ペコスから約八十万ガロンの燃料を受給した。イラクの自由作戦に関連する戦闘行動は三月二十日以前には始まっていない。空母は一日約二十万ガロンの燃料油を使用する。したがって、キティー・ホークに提供された八十万ガロンの燃料は、完全に不朽の自由作戦のためのものである。」ということなんですけれども。
先週金曜日、外務委員会で梅本外務審議官は、この五月六日問い合わせ、外務省が問い合わせを米国にした時点で「ときわ」からペコスへの給油量が幾らかは知らなかったと、それを知ったのは、五月八日に防衛庁の答弁要領で初めて「ときわ」からペコスへは二十万ガロンと知ったということなんです。
アメリカからは、キティーホークに提供された八十万ガロンはというふうに言っているわけなんですが、これはやはり日本からの給油量が八十万ガロンだというふうにこれを見て考えるのは自然であって、今の防衛庁の答弁要領で、いや、「ときわ」からペコスは二十万ガロンですよ、でも、米国からのメモは八十万ガロンですよ、これはおかしいなというふうに思うのが当然だと思うんですが、官房長官、いかがでしょうか。
○町村国務大臣 なぜ私にお問い合わせなのかよくわかりませんが、せっかく御指名をいただきましたのでお答えを申し上げます。
キティーホークへの給油量の取り違えの件につきましては、平成十五年五月六日、キティーホーク機動部隊の司令官が海上自衛隊から間接的に八十万ガロン燃料補給を受けた旨の発言を行ったことを受けて、防衛庁等から同司令官の発言の趣旨についてアメリカ側に確認を行いました。
七日に、米海軍は海上自衛隊から提供を受けた燃料についてテロ対策特措法の趣旨、目的を外れて使用したことはなく、今後も使用することはあり得ない旨の回答があり、さらにアメリカ側への追加確認を行ったところ、八日に防衛庁が御指摘のメモをアメリカから受領したものと承知をしております。
いずれにしても、この件に関する当時の議論は、キティーホークがイラクのオペレーションに従事していたこととの関係で、海自から提供された燃料がテロ対策特措法の趣旨に沿って使用されたか否かが問題になっていたわけでありまして、補給量についての数字の議論はなされなかったものと承知をしております。
また、五月八日のアメリカ側メモによりますと、キティーホークは米補給艦から約八十万ガロンの燃料を提供されたとなっておりますが、海自補給艦から米補給艦に対する給油量についての言及がなされていなかったこともあり、この八十万ガロンという数値と、当時、海上自衛隊が米補給艦に補給したと考えていた量二十万ガロンと違いがあったのは事実でありますが、その違いに特段の疑問を持たなかったことが特に不自然であるとは考えておりません。
○武正委員 二ページめくっていただきますと、資料配布表があるわけですね。これは防衛庁がつくられて、内閣官房、外務省にも回覧をして、皆さん見る人が丸をつけるというんですか、この中にこのメモがあるわけですよ。このとおり、「したがって、キティー・ホークに提供された八十万ガロンの燃料は、」と、米国側のメモで言っているわけだから、やはり「ときわ」からペコスに二十万ガロンというのはおかしいんじゃないのと。これは防衛庁も内閣官房も外務省もそういうふうに思わないというのが不思議でなりません。
そして、当時の防衛庁は内閣府の外局でありまして、最高責任者は内閣総理大臣ということでございますので、この二十万ガロン、八十万ガロンについては、当然、「ときわ」からペコスは八十万ガロンと承知をしていたというふうに私は指摘をさせていただきます。
そこで防衛大臣に伺いますが、この資料九ページをごらんいただきたいと思うんですが、この上に、平成十五年五月八日木曜日、想定と書いてあるんですが、この五月八日というのは一体何のことを想定しているんでしょうか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
御指摘のこの五月八日の想定あるいは対外応答要領の件につきましてですけれども、これは十月二十九日に防衛省が提出した中間報告に記述されておるとおりでありまして、当時の防衛局の防衛政策課が、平成十五年五月八日の統合幕僚会議議長の記者会見で同議長が述べた給油量の数値をもとにして、以後、防衛省としての対外応答要領として作成したものでございます。
○武正委員 統幕議長の記者会見用の想定問答集ということでよろしいですか、五月八日。
○江渡副大臣 お答えさせていただきます。
そうではございません。
○武正委員 よくわからなかったのでもう一回言ってください、五月八日というのは。では、五月八日は何の日ですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
五月八日の統幕議長の答弁を受けてこの対外応答要領というのを作成させていただいたわけでございまして、なお、当時、この統幕議長が述べたときの資料というものは特定されておりません。しかし、何度かこの委員会でも議論があったと思うんですけれども、そのもとになったもの、既に中間報告でお示ししているとおりの、十二ページの資料の中にある、あれが多分そうであろうというふうに思われていますけれども、確認はできておりません。
○武正委員 大変大事なポイントなので、ぜひ確認をしていただきたいというふうに思います。
そこで、官房長官に伺いたいんですが、「とわだ」の航海日誌破棄事件、また、破棄されたというのが見つかったという話も出てきまして、これは、資料配布表、先ほどの八ページを見ていただくと、これも左上に実は廃棄期日が二〇〇四年十二月三十一日と書いてあるんですね。本当だったらこれだってないはずなのに、あるということは、実は、「とわだ」もそうですけれども、コピーがあったということなんですよ。
だから、この廃棄というのは、本当に廃棄されているのかどうかというのは、この資料配布表を見てもわかるわけです。左上に廃棄期日、二〇〇四年十二月三十一日と書いてありますよね、でも、これはちゃんとあるわけですから。
ここが本当に文書管理上の問題点と考えますが、官房長官、行政機関の保有する情報公開法施行令の十六条の八に、これは資料七ページにございます、「保存期間が満了した行政文書については、」云々かんぬん、「規定する機関」、これはたしか国立公文書館ですかね、国立公文書館に移管することを除き「廃棄することとするものであること。」と。ここに「廃棄することとするものであること。」と書いてあるものですから、廃棄しなきゃいけないと。でも、もう四年たっても、やはり当然議論もするわけですから。廃棄しています、廃棄しています、でも、いや、実はありました、コピーがありました。これはお粗末限りないわけで、政府は、それこそ電子政府化、IT化、世界で最高の電子政府という旗を振っていながら、ここは非常におかしい。四年たったら廃棄しなきゃいけないと。IT化しているんだったら、幾らでも保存できるじゃないかということなんですが。
やはりこの施行令の見直しが必要と考えますが、官房長官の御所見を伺います。
○田中(和)委員長代理 町村内閣官房長官。質疑時間が終わっておりますので、簡潔にお願いいたします。
○町村国務大臣 第十六条一項は、各行政機関の長がそれぞれ保存期間を延長する場合も含めて決めることになっておりますので、別にこれは法律の問題ではないんじゃないかと私どもは考えております。
○武正委員 「廃棄することとするものであること。」と書いてあるので、廃棄しなきゃいけないということで各省各庁が廃棄しているので、これは見直しが必要であるというふうに指摘をさせていただきます。
以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
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