2008/03/26
【衆院外務委 議事録】 思いやり予算特別協定について質す

【議事録】

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 特別協定についての質疑を行わせていただきたいと思います。

 まず外務大臣に伺いたいんですが、この特別協定、ちょうどこれから審議が、きょうから質疑が始まったんですけれども、前協定の期限が今月末で切れるということで、政府は、新たな特別協定を日米間で合意し、署名をし、国会に承認を求められたというふうに理解をいたします。ただ、三月三十一日という期限ということも報じられているわけなんですけれども、月末までにこの協定が国会で承認されない場合というのはどんな影響があるのか、お答えをいただければと思います。

○高村国務大臣 新たな特別協定は、本年三月末で効力が終了する現行特別協定終了後の措置を規定するものでございます。ですから、仮に新たな特別協定が本年四月一日に効力を生じない場合には、我が国現行特別協定のもとで負担している労務費、光熱費、訓練移転費に係る経費を我が国が負担するための法的な根拠が失われることになります。

 政府としては、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保するとの観点から、このような事態が生じることはぜひとも回避すべきと考えており、そのために新たな特別協定の締結についての速やかな承認をお願いしている次第でございます。

武正委員 いや、私が伺ったのは、そうすると、国会承認が三月三十一日を超えた場合の不都合ということについてはどのように理解をされているのか。

 では、具体的にお伺いをいたしますが、資料の二ページをごらんいただきたいんです。

 過去五年間の特別協定に係る在日米軍駐留経費負担の支払い日等を見ていただきたいと思うんですが、光熱水料、四月の十八日、八日、七日、二十八日、十日ということがございますが、聞き及ぶところ、この十八日と二十八日は米側で立てかえをしているというような話も伺っておりますし、また、労務費については、いずれも五月の九日から十二日ということで、これは米側の給与の支払いの形態が四月分を五月の十日に支払うというようなことで行われているということも聞き及んでおりますので、きょうからの質疑が始まったわけですけれども、こうした支払いの状況からかんがみて、ここで国会での承認というものが年度をまたぐということの何か不都合というものがあるのか、それを伺っているんですけれども、いかがですか。

○高村国務大臣 過去に特別協定が予定どおり発効しなかった例はないわけでありまして、具体的にいかなる支障が生ずるかをすべて予測することは困難であるわけであります。

 他方、新たな特別協定は、四月一日に発効する必要があることを前提に日米間で合意したものであります。米側は、新たな特別協定が遅滞なく発効し、日本側が労務費、光熱費等を負担することを当然の前提としています。よって、新たな特別協定の発効がおくれるほど、米国の日本政府に対する信頼が損なわれることになります。

 よくわからないんですが、仄聞したところによると、米側は一部訓練移転の予定を先に延ばしているとかいう話も、これは確定的な情報じゃありませんが、ちょっと仄聞したこともあります。

 あるいは、米国の日本政府に対する信頼が損なわれる、そのことと同時に、私たちは日米安保条約の効果というのは抑止力だと思うんですね、抑止力。どこかの国が日本を攻撃しようと思ったときに、それは世界最強の軍隊であるアメリカ軍と戦わなければいけないという決意がないと日本に攻撃できない、そういう抑止力が一番大きいんですが、一片の条約があっても、何か日米関係は余りうまくいっていないらしいぞ、特別協定もちゃんと年度内にできていないぞ、何かがたがたしているよ、本当にいざというときアメリカの若者が血を流して戦うだろうかというようなことをもし第三国が思うことになったら、抑止力は減殺されることになるんですね。

 ですから、今委員がおっしゃった、今までの例、四月何日に払っている、これならそれまでに上げりゃいいんじゃないかというほど簡単なものでない。日米関係が堅固であるということを世界に発信する、そのことが一番大切だ。そういうことを両国で政府がまとめても、国会でずれ込んでできないぞということになると、これは抑止力の点で決していいことではない、私はそう思っています。

武正委員 日米安保条約そのものが、やはり極東条項の範囲をめぐってもその拡大ということが指摘をされておりますし、在日米軍の果たす役割が、今言った日米同盟下での日本の防衛というものをさらにはるかに超える役割を担っている、こういう指摘が当然あるわけでございます。

 そういった中で、例えばこれは一ページ目をごらんいただきたいと思うんですが、在日米軍駐留関連経費の予算額の推移ということで見ますと、大変小さな字で恐縮ですけれども、この上の表の在日米軍駐留関連経費総計ということで見ますと、平成十九年度で、これは地代などの提供国有財産借り上げ試算も含めますと、約六千億円の提供が毎年されている。これは衆議院の調査室作成資料でありますが、これだけやはり日本政府は在日駐留米軍に対しての資金的な貢献をしているということは、今言われた大臣の御懸念を払拭するに余りあるものではないのかなと。

 先ほども、既に与党議員からも、やはり他の駐留各国に比べてのその人数の多さ、あるいはその負担割合、こういったことはもうるる指摘をされてありますので、こうしたことは、今の点は御懸念にすぎないというふうに思うわけであります。

 やはりこの場は国会でありますので、我々国会議員とすれば、やはり税の適正な執行をただしていくということが至上命題の一つでありますので、この日米安全保障条約に基づいた地位協定、そしてそれに基づいた特別協定、いわゆる思いやり予算特別協定でありますが、やはりその肥大化が目に余るのではないかという観点から、十分な質疑を行っていきたいというふうに考えておりますので、先ほど示したこの過去の支払い状況から見ると、私はここで質疑をしっかりと行っていくことがやはり国会としての役割を果たすことになりますし、特に政府におかれましては、外務省、防衛省には、資料の要求、あるいは資料提供、あるいは情報開示、これをやはり徹底して行っていただきたいというふうに、まず冒頭お願いをしたいというふうに思います。

 そこで、先ほど光熱水料の立てかえのことをちょっと触れたんですけれども、これは防衛省になりましょうか。立てかえは、平成十五年度、十八年度、二カ年ということでよろしいのかどうかと、十五年以前はどうだったのか、立てかえの実績があるのか。これは既に外務委員会の理事懇談会でも求めておりますので、お答えをいただきたいというふうに思います。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 詳しい数字の方のことは今ないんですけれども、立てかえたという実績はございます。

武正委員 では、外務省はお答えいただけますか。外務委員会の理事懇談会で、外務省出席のもとでこれは何度か伺っていまして、そのときの説明では平成十五年度と十八年度は立てかえたと。十五年度以前はどうですかということで、いかがでしょうか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 済みません、大変申しわけございませんけれども、十五年以前の資料というのは今手元にございませんけれども、十五年から十九年までの間においては、平成十五年と平成十八年の二カ年でございます。

武正委員 これは外務委員会の理事懇談会で求めて、この表を出していただいたのは防衛省だと思うんですね。その説明を受けたときに、十五年以前はどうですかと聞いて、そのとき、わかりません、調べますということだったので、きょうまたこうして質疑が始まって、このことを聞いても今もってわからないというのは大変遺憾でありますが、これは防衛省としてそういうことでよろしいんでしょうか。

 先ほどお願いしたように、日米の信頼関係をしっかりと守る、その中でのやはり質疑の充実ということを行っていきたい。それについては、この特別協定のお金の執行状況、それはやはり国会としてつぶさに精査をしたいんだということで臨んでいるわけなんですが、防衛省、いかがでしょうか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員の御指摘のとおり、資料等をきちんと準備していないということでは大変申しわけなく思っているところでございます。

 理事会でそのような形が行われていたということを私自身聞いていなかったものですから、委員の御質問に対して準備ができていなかったということをおわび申し上げたいと思います。

武正委員 そうすると、いつ出てくるんでしょうか。このときは防衛省がこの資料を持ってきて説明したと、外務委員会の理事懇談会、記憶をしておりますけれども。そのときに聞いたんですね。いかがですか。

 もしかして、十五年以前に立てかえをやったかどうかもわからないんじゃないんですか。この間ちょっと聞いたら、いや、五年間しか資料はありませんとか、そんなような答えだったと思います。それこそ委員長が、そんなことないだろうというようなことを、これは外務省も言ってくれたんですかね、あのときは。いかがですか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 私自身、今の段階で委員に確たることを御答弁することは難しいわけでございまして、役所の方に戻りましてからしっかりと精査させていただきまして、できるだけ速やかにお答えできるような対応をとらせていただきたいと思います。

○平沢委員長 副大臣、今調べたら、これは事実関係だからすぐわかると思いますので、ちょっと指示して、すぐ調べてください。

 速記をちょっととめてください。

    〔速記中止〕

○平沢委員長 速記をスタートして。

 江渡副大臣。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 大変申しわけございませんけれども、証拠書類等の保存期間が五年間だということですので、その前のものはわからないということでございます。

武正委員 もう既に、守屋前事務次官の案件以来、防衛省には、民主党の外務防衛部門会議で何度となく資料要求をしていますと、もう五年の期限が切れたから資料がありません、わかりません、こういう答えが続いております。

 五年前、これはもう本当に、日米関係ですから調べればわかるだろうということも、既に外務委員会の理事懇談会で委員長からも指摘があったわけなので、今のような答えでは、ちょっと私も質問できません。

○平沢委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○平沢委員長 速記を始めてください。

 では、江渡副大臣。

○江渡副大臣 済みません、お答えさせていただきたいと思います。

 今の資料、あるかどうかはわからないんですけれども、しっかりと確認させていただきたいと思います。それから委員の方にお答えをさせていただきたいと思います。

武正委員 もうこれは質疑が始まっているわけなんですよ。この間もそういう答えだったんですね。五年前のものは書類の保存義務がありませんから答えられませんと。また今それをいみじくも言って、今訂正はされましたけれども、きょうから質疑に入ることは、準備の中で政府の方も当然想定しているわけですから、ここでお答えいただかないということですと、私は質問できないんです。速やかにお答えをいただきたいと思います。

○平沢委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○平沢委員長 速記をまたスタートしてください。

 江渡副大臣。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 委員の御不満というのは非常によくわかるわけでございますけれども、できるだけ速やかに確認させていただきたいと思います。

○平沢委員長 速記をちょっととめてください。

    〔速記中止〕

○平沢委員長 速記を再開してください。

 後刻、この質疑中に返事が来るということですので、武正君、質問を再開してください。

 江渡君。

○江渡副大臣 済みません。お答えさせていただきたいと思います。

 資料等につきましては、もう五年経過しているということで、ないわけですけれども、あったかどうかというのを担当者等々に鋭意、今確認の作業をしているところでございます。

 ただ、当時の担当者の特定もきちんとさせなきゃいけないということですので、委員の質問の間中にお答えが出せるかどうかは難しいところもあるかもしれませんけれども、今鋭意努力させていただいている最中でございます。

武正委員 これはこの後もちょっと質問の中で取り上げるんですが、やはり説明責任が政府として十分果たせていないのではないかというふうに言わざるを得ないんですね。ですから、国会の質疑はもとより、やはり十分な情報を開示していただかないと、この審議が実り多いものになっていかない。それはひいては、もう既にいろいろなところで言われておりますが、日米安保体制を確固たるものにしていくためにも、国民への説明責任、もちろん国会はもとよりですが、これがやはり前提になっていくと思うんですね。

 ですから、特にこの特別協定は、外務委員会で、外務省所管で、条約ということで審議をしておりますけれども、やはり防衛省にかかわるマターが非常に多い条約でもあるわけですから、委員長、改めて、安保委員会との連合審査をお願いしたいというふうに思います。お取り計らいをお願いします。

○平沢委員長 連合審査については、後刻また理事会で協議させていただきます。

武正委員 では、速やかに、特にきょうのこの委員会の間には御報告をいただけるということでいいですか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 最大限努力させていただきたいと思います。

武正委員 ぜひ委員会の間に御報告をいただきたいというふうに思います。

 そこで、光熱水料の節約努力ということで、外務大臣も、今回は一層の節約努力ということで、「前三条」ということですから、一条、二条、三条の節約努力をうたっているわけなんですが、やはりそれは、この二年間なり、しっかりとその検証をしないと、当然、条約のあるいは協定の署名、調印に至らなかったというふうに思うわけですが、どういうふうにその節約努力を、ここに一つ挙げておりますが、光熱水料についてチェックをしたのか、外務省としてお答えをいただけますでしょうか。

 特に、私ども部門会議で質疑を行っていますと、前からよく話がありますが、夏の間、米軍人が本国に帰る、その間エアコンをつけっ放しで、そして戻ってくるというようなことが、これは有名な話として指摘をされているわけですが、聞いてみると、一戸一戸の住宅にはいわゆるメーターがついていないらしいんですね。どこのお宅でも、それこそ電力会社がつけて、それでその電力量の使用状況をチェックする。これは当然、支払う側にとっては、その支払いの抑制につながっていく、月々のチェックということにつながるわけですが、これも働いていないということも聞くわけですけれども、この二年間の検証ということで、どのようなチェック、検証を行ったのか、外務大臣、お答えいただけますでしょうか。

○高村国務大臣 現行特別協定にも米側の節約努力が規定されており、米側がこの規定の趣旨を踏まえ、節約の努力を払っていると承知をしております。

 例えば、防衛省、旧防衛施設庁でありますが、その担当者が必要に応じて在日米軍司令部の担当者に対して節約努力の具体例につき聴取を行ってきたところによりますと、現行特別協定のもとで在日米軍が実施してきた節約努力には以下のようなものがあると承知をしております。労務費については、組織の統合や業務の合理化による適切な労働者の配置に向けた努力、光熱費については、節約の注意喚起、省エネ機器、器具の設置等に向けた努力、訓練移転費については、人員、物資の輸送方法の工夫等に向けた努力というようなことがあると聞いております。

 私が答えるのが適当かどうかわかりませんが、私が聞いた範囲でお答えすればそういうことでございます。

武正委員 外務省としてそうした、特に例えば光熱水料の節約努力についてしっかりと検証したと。今、私がお答えするのが適当かどうかと言いましたが、その分野については防衛省に任せっきりなのではないのでしょうか。外務省としてしっかりと節約努力ということを交渉担当者として交渉した、このように自負を持っておられますでしょうか。いかがですか、外務省として。

○高村国務大臣 過去の検証については旧防衛施設庁が聴取してやっていただいていますが、今度の協定について節約努力をしてもらうべきことについては、そういう防衛施設庁からいろいろ聞いたこと等に基づいて相手方にいろいろと交渉をしている、こういうことでございます。

武正委員 部門会議なんかでやりとりしていると、外務省の方から、この交渉は春から始まって、十二月十一日ですか、合意したのが。前よりも非常に時間もかかった。それから、特に米側からは、米側のいろいろな財政事情からいって、実はもっと特別協定の負担分をふやしてほしいと。そういう圧力が大変だったところを、何とか一・五下げるのでも大変だったんだ、こういうようなことが外務省から聞こえてくると、本当に節約努力ということでやったのかどうか。はなから、やはりアメリカのことも考えるともっといろいろとふやしていかなきゃいけないというようなことで交渉していたんじゃないのか。なかなか節約努力ということの検証が、過去のことは防衛省と言いますが、やはり過去の実績をちゃんと外務省としてもきちっと交渉でチェックをしていく必要というのがあるんじゃないでしょうか。

 というのは、さっきも言ったように、米軍の個々の住宅には例えばメーターがついていないんですよ。こんな状態でどれだけ節約しているのかどうかといったって、防衛省だってわからないじゃないですか。それだったら、ちゃんと外務省が、なぜそういうものをつけていないのかとか、それを外交当局として、やはりこの交渉の中でしっかりと物を申していったのかどうかということを聞きたいわけであります。いかがですか。そういうことはやっていないということですか。それは防衛省にお任せということですか。

 節約努力について、いま一度、どういうことを外務省として主体的にやったのか、それはやっていないのか。あるいは、日米の関係全体を考えて、この特別協定の意義を、先ほど外務大臣が言われたように、それを考えて、それをどうやってお互い合意するのかといったところに外務省は意を砕いていたのかというふうに言わざるを得ないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○高村国務大臣 全体的なことももちろん考えますし、個々の節約努力ということも米側に要求をしたわけであります。

 メーターがついているかついていないかということについては、これは我が方からの提供施設でありますから、どういう過程でどういうものを提供しているかということになると思いますが、そういうことも含めてこれから政府部内で検討をしていきたい、こういうふうに思っております。

武正委員 防衛省はどうですか。個々の住宅にメーターはついていませんよね。我々はそれを聞いて、やはりこれじゃ、節約努力といったって、なかなか節約できないなというふうに思ったんです。

 今の外務大臣のお話のように、提供施設に、例えば、普通ですと、関東地域でしたら東京電力、そういった電力会社がつけるというふうになっていますから、それは当然電力会社にお願いをするとか、あるいはそれが、全体の電力の、大口需要家ですから当然割引なんかもあるでしょうから、割引の中でその分の施設費も軽減されてコストが決まっているのか。そこは定かではありませんが、我々は、単純に節約努力であれば、個々の住宅にメーターをつけるべきだというふうに思うんですが、そのことも踏まえて、防衛省としては、光熱水料の過去の実績についてどういうチェック、検証を行ったんでしょうか。メーターのことも含めてお答えください。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 メーターのことは今委員の御指摘のとおりであるわけでございますけれども、この辺のところは契約の仕方によって、大型契約になるとそれなりの割引もあるとかいろいろなことがあるわけでございます。

 特に節約に関しましては、委員ももう御承知だと思うんですけれども、特別協定第四条におきまして米側の節約努力について規定しているわけでございまして、我が省といたしましても、従来から機会あるごとにアメリカ側に対して申し入れをさせていただいているわけでございます。

 特に、そのことに対してアメリカ側からは、節約の注意喚起、省エネ機器、器具の設置等に努力してきたものということでのお答えをいただいておりまして、具体的には、暖房、換気、空調施設をより効率性の高いシステムに交換するとか、白熱灯による旧式の電灯システムを蛍光灯に交換するとか、あるいは効率的な自動販売機の導入、家族住宅における人感知センサーの設置とか、暖房エネルギーの損失が少ないスチームバルブ設備の設置、あるいは航空機内に残った燃料をボイラーで燃焼させる等々、こういうようなことをアメリカ側から回答を得ているわけでございます。

 なお、光熱水料等に関しましては、過去五年間におきまして、アメリカ側の支払い実績というものが日本側の負担分を超えております。十八年度実績においては、日本側の負担分というのは全体のうちの七割でありまして、ですからこそ、やはり米側にとっても節約するということは大事なことだということで、私はしっかりとインセンティブが働くような形にはなっているのではないのかなと思っております。

 なお、委員が御指摘のようなことも踏まえて、なお一層節約のための努力ということはさせていただきたいと思っております。

武正委員 随時申し入れているというのは、どこでどのように申し入れているんですか。分科会でやっているのか、あるいは日常の担当者同士でこういったことに触れているのか、いかがでしょうか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 米側ともいろいろな立場立場において、そのつかさつかさでいろいろな会議等もありますし、特に今回、今まで以上に、交渉の段階においては、特に課長級レベルの段階からも鋭意努力させていただいて、申し入れもさせていただいておりますし、そして、逐一、支払い等々、いろいろな状況下においても申し入れというものはさせていただいているところでございます。

武正委員 分科会では具体的にどの分科会でこういった申し入れをしているのか、あるいは、そうした分科会では申し入れはしていないのか、いかがでしょうか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 具体的な分科会で、したかどうかというのは、今の段階では確認できませんので、もう一度調べさせていただいてからお答えさせていただきたいと思います。

武正委員 こういうのはもう何度も部門会議でもやっているので、日米合同委員会のもとに各分科会がつくられて、そこで外務省、防衛省の担当者が出て、この駐留米軍のさまざまな案件について協議をしている、こういうふうに理解をしているわけでありまして、当然、特別協定にまつわる執行状況、それから、調印をして署名をして、国会の承認を得て、これから三年間やっていく、それについての取り組みをどの分科会でやっているかわからない、またこれもこういう答えで、防衛省、これはどうなんですか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 どの分科会でどうのこうのという細かいところまで今お答えはできませんけれども、具体的な文書等のやりとりにおきましては、日本側からは、平成十九年でありますと、四月二日において、光熱水料等支出金に係る平成十九年度予算額及び四半期ごとの交付予定額のときにおいて申し入れをさせていただいておりますし、また、その後、四月二十五日においての光熱水料の支払い金に係る平成十八年度の負担額の確定の通知をさせていただく段階においても申し入れをさせていただいております。

 また、その二カ月ほど前ですけれども、その前の年度のことに関しては、米側の方からは平成十九年の二月二十六日において回答をいただいているというところでございます。

武正委員 その申し入れのときにどんなことを言ったんですか。あるいは、そういう文書があるんだったら出していただきたいと思います。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 この文書のやりとりのことで今委員の方から提出していただきたいということでございますけれども、一応この提出に関しましては、相手側の米軍のこともあるものですから、当事者であります在日米軍司令部に確認した上で対応させていただきたいと思います。

武正委員 だったら、その申し入れの内容はどういうことを言ったのか、十九年の四月二日とその翌月の五月。お答えをいただけますか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 具体的に余り細かいことを言ってはなんですけれども、特別協定第四条に基づきまして、米側の光熱水料等の節約努力に関しまして、当省としては、先ほど申し上げたとおり、機会あるごとに申し入れておりますけれども、具体的には、米側に対し光熱水料等の予算額及び四半期ごとの交付予定額の通知、光熱水料等の負担額の確定の通知の際に、光熱水料等支出金の使用に当たっては今後とも効率的な使用に努めるようあらゆる措置を講じられることを要望するという旨でお願いしているところでございます。

武正委員 例えばそういうときに、これは我々が当然考えるわけですが、米軍住宅一戸一戸にメーターをつけるなりして、やはり節約努力してくださいよ、こういうことを申し入れるということは可能なんでしょうか。あるいは、そういったことはもうやっちゃいけない、こういうことなんでしょうか。今みたいな、ばくっという言い方しかしないのか、あるいは、今みたいに個別のことをしっかりと米側とやりとりするような場というのはあるんですか。今の申し入れのようなことしかできないのか、個々、個別的な具体的なことを申し入れられないのか、それはいかがですか。あるいは、申し入れたことがあるのかどうか、今言った四回の中で。だとすれば、どういうことを申し入れたのか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今まで具体的にそのようなことを申し入れたかどうかというのは確認をさせていただきたいと思うんですけれども、申し入れができるかどうかということに対しましては、これはできます。

 特に、最近の例で言いますと、平成十九年度当時におきましては、防衛施設庁業務部長から在日米軍第四部長に対して申し入れている。つまり、今現在ではですけれども、現地の地方協力局の調達官から直接申し入れるということはできます。

武正委員 外務省に伺いますけれども、この合同委員会の分科会でこういったことの協議を行う場というのはないんでしょうか。先ほど、どの分科会かわからないということなんですが、これはもう外務省に伺った方がいいと思うんです。

 日米合同委員会の分科会の中で、こうした在日駐留米軍のあり方、特に、こうした節約努力ということは、これはもう二〇〇〇年からうたっているわけですね、外務大臣。それがどの程度できているのかどうかというのは、我々は検証の義務があるわけですよ。当然、担当の外務省、防衛省も同じだと思うので、日米の話し合う場は合同委員会で、そのもとに分科会がつくられているんですが、どこの分科会でこういったことはやるんでしょうか。あるいは、それがちゃんとできているんでしょうか。そういうことを外務省はチェックされていますか。あるいは、外務省は承知されていますか。いかがでしょうか。

○高村国務大臣 特に問題があれば施設分科会で取り上げ得るということでございます。

 この規定は、現行協定でもあるいは次期協定でも同じですけれども、アメリカ側に我々が迫って節約をするという決意を表明してもらった、そういう規定なんです。具体的義務を定めた、いわゆる法律的効果とかなんとかいうんじゃなくて、節約努力をしますよという決意を表明してもらった、こういうことなんですね。

 そして、かつてのように、日本が光熱費でも全部負担していたときは、これは節約努力すればすべて、日本のタックスペイヤーがそれだけ払う分が浮くということだったんですが、むしろこのことは、現時点では実効性からいえば、節約努力した結果、上限のものが定まって日本が支払っていますから、その上を負担している米側が助かるというものなんです。そういうものを、みずから助かるものをちゃんとやってくださいよ、我々の税金が直接減らないにしても、余りじゃぶじゃぶやっている姿は日本国民の精神衛生上よくないよ、だからそれはちゃんとやってくださいよ、そういう趣旨の規定なんですよ。

 だから、そこを法律的にごりごりごりごり検証するとか、そういう話と余り直截に結びつくものではないというふうに私は理解をしております。

武正委員 一ページをごらんいただければ、光熱水料というのは、これは負担が始まったのはいつからですかね、平成三年ですか。その前は日本側は負担していないわけですね。ですから、今は米側の使っている全部は払っていないというお話でしたけれども、平成三年前は日本側は負担していないわけですよ。

 それから、今のようなお話ですと、米側が全体でこのぐらい使うから、では日本側はこのぐらいね、多分そういう交渉をされていると思うんですね。ですから、米側のものがもっと圧縮されれば当然日本側の負担も減ってくる、こういう話なんです。

 ですから、今のように、施設分科会でそういう話ができるのに、交渉担当者の外務省が、あるいは外務大臣がそういうような姿勢ですと、しかも、日米間の協定ですよ、条約ですよ。その第四条にしっかりとうたわれているのに、いや、これは決意表明ですみたいなことを外務大臣がおっしゃっていただくと、そうしたら、もう当然、担当の防衛省だって腰が引けますよ、言いたいことだって言えませんよ。

 我々だって、質疑で、これは防衛関係、外務関係だけではありませんよ、全予算を本当に無駄のないように、この国会はもう本当に精査をしていこうという、今はちょうどそういう通常国会ですよ。そういうように国会状況が今大きく変わっている。でも、それはやはり、税金の使い道をはっきりと、国会としてでき得る限り政府の使い方をチェックしようというふうに変わられていることは外務大臣も御認識だと思うんですね。

 ですから、その外務省としての姿勢が、私は、去年の三月、四月からのこの一年間の交渉、本当に、節約努力を初め、交渉で外務省が主体的な役割を担ったのかどうか、それをはっきりと明らかにする必要があると思うんですが、いかがですか。

○高村国務大臣 アメリカ側の決意表明というのは決して軽くないので、決意表明をそういうところに文章として入れさせるというのは、これは協定の中で大変意味があることだと思っております。決意表明だから軽いなんて、そういうふうにとってもらったら困ります。その決意はきっちりやってもらわなければいけないわけでありますから、我々はきっちり迫ってまいります。

 それから、先ほど防衛副大臣も言っておられましたけれども、要するに、一戸一戸にメーターをつけた方がいいか、あるいは大口契約の方が安くなるのか。多分、委員がおっしゃるように、一戸一戸にメーターをつけた方が電気料そのものは少なくなるだろうと私も思います。私もそういう気がします。ただ、大口契約と一戸一戸の小口契約にした場合と全体でどっちが安くなるのかというのは、それはまた検証しなければいけない、政府内部で検討してみたい、こう思います。

武正委員 資料四ページをごらんいただきたいんですが、光熱水料の概算交付、支払いなどの図を防衛省に出していただきました。この三番で、支払い関係書類というのが在日米軍司令部から毎月出される。電力会社からの請求書が翌月中旬、そしてそれにちゃんと支払ったという領収書が翌月下旬、日本政府、防衛省に送られるということなんですね。この写しを求めたんですけれども、出せないというお答えでありました。

 あわせて、先ほど言った、基地ごとで努力もあるんだ、電力会社との、あるいはガス会社との契約もあるんだ、今みたいに、メーターはつけなくてコストダウンしている可能性もあるんだということだったんですけれども、きょうもお願いをしたんですけれども、基地ごとのガスとか電気とか、そういう単価がまだ出てきておりません。お願いをしても、まだ出ておりません。

 こういった点ですね。先ほど来、防衛省、質疑に十分供するような材料を出していただかないと、国会としての検証、今言ったように政府でやります、政府でやりますだったら、我々国会議員の役割が必要なくなってしまうわけです。我々はやはり、政府が本当に節約努力をやっているのかどうか、一基地当たりのコストはどうなのか、そういったこともチェックをしようということでやっているわけですから、しっかりとお答えをいただきたいんです。

 防衛副大臣、まず、この写しを出していただけないというふうにお答えがあるんですけれども、速やかに御提出をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 米側から提出されます支払い関係書類というものは、基本的には米側と供給業者間での契約をもとに作成されているものであるわけでございますから、従来から、この当該書類の提出につきまして要望があった都度、当該契約の当事者であるアメリカ側と供給業者に対して提出の可否について確認をとってきたところであります。しかし、これまでのところ、アメリカ側及び供給業者側から書類の提出については了解が得られていないというところで、今の段階では提出するということがかなわないところでございます。

武正委員 外務大臣、どうですか。こういったものも、やはりちゃんと、幾ら払っているのか、国会に対しても毎月の支払いの額というのが教えてもらえないわけですね。今みたいに、では、基地ごとでどういう努力をしているのか、本当にメーターは必要じゃないのか、そういったこともチェックできないわけですから、せめて、公の電力会社と毎月支払っている額、請求書とその領収書、その写しだって、なぜこういう委員会に出せないんでしょうか、国会に出せないんでしょうか。もう不思議でなりません。こんなことを出せないで、さらに、ではこれは、節約努力していますよと、我々どうやってチェックするんでしょうか。

 やはり、これは外交交渉担当の外務省として、米側にちゃんと写しを出してくれと言っていただけませんか。いかがですか。

○高村国務大臣 先ほど、政府内部で努力するというのでは、国会が何を、意味がないじゃないかとおっしゃったが、そうじゃないんです。貴委員がそういうことをおっしゃったので私からそういう答弁を引き出しただけで、国会は大変な役割を果たしているんだろう、こういうふうに思います。

 まさに今御指摘になったことも含めて、外務省が直接、電力会社とか何だとかという話ではないと思いますが、今防衛副大臣がおっしゃった話では、国会に知らせていないというよりも政府自体がちょっとわからないみたいなことだったので、ちょっと政府内部で検討してみたいと思います。

武正委員 この四ページ目を見ていただくとわかるように、在日米軍から毎月、その分の光熱水料は翌月の中旬に電力会社などから請求書が来て、払った分の領収書を送っている、毎月防衛省に出しているそうです。それをこういう図で、私もそういう説明を受けました。政府はわかっているんです。ですから、それを、写しを出してくださいと言ったら、アメリカがいいと言わないからだめだと言うので、では、外務大臣、アメリカに言ってくれませんかと言ったんです。

 ぜひそれをお願いしたいのと、三ページもごらんをいただきたいと思うんですが、これは訓練移転費の図であります。この「数量」の下に米印があります。「経費見積りについては、米側から公表の合意が得られていない」というようなこともあります。

 既にこの外務委員会でも、嘉手納の訓練移転が、訓練移転を行ったことによって本当に負担の軽減につながったのかどうか、甚だ疑問だという指摘、十四回中十二回、今までの平均よりも騒音が上回ったという指摘があるわけでして、やはり検証ということですね。あるいは、こういった形で、オープンにできない、あるいは今みたいに、政府でわかっていても、外務大臣は御存じないでしょうけれども、国会に教えてくれない。

 こういったことで、この特別協定、やはり私は、国民からの指摘にたえ得る審議を行うには、政府として、防衛省もそれから外務省も、特に対米関係がありますから、ぜひきちっと資料を国会に出すということでお願いをしたいと思いますが、これは委員長に求めたいと思います。

○平沢委員長 今の点は、理事会で協議させていただきます。

 そして、江渡副大臣、先ほどの武正議員の、その回答について。

 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○平沢委員長 速記を起こして。

 江渡副大臣。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 委員の方に、先ほど、できるだけ委員の質問時間の間にお答えできるようにということですけれども、今まだ確認できていないスタッフがいるということですので、この委員会の終わるまでの間にしっかりと答えを出させていただきたいと思います。申しわけございません。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。