県議会レポート23号

 

環境政策
 来る21世紀に、私たちは持続的な経済成長と、そして地球環境保全との両立をぜひとも実現しなければなりません。とりわけ地球温暖化問題に取り組むためには、経済成長によるエネルギー消費の増加分を、すべて再生可能なエネルギー(太陽光、風力、バイオマスなど)で供給するようにしていかねばなりません。その上で化石燃料に依存しているエネルギー源を、できるかぎり再生可能なエネルギー源に置きかえていく必要があります。

 この地球温暖化問題については、1997年の京都会議(COP3)で「2010年に二酸化炭素などの排出量を1990年レベルより削減する」という目標が立てられました。日本は6%の削減を約束し、埼玉県も1人あたり20%削減の目標を立てています。しかし、現時点では削減が可能かどうかが疑問視されます。

 そこでまずは、太陽光発電を最大限に援助して行きたいと考えます。太陽光発電は、あらゆる再生可能エネルギー源の中で維持コストが最小であるとともに、騒音を発生することがないため、最も理想的な発電法です。しかし、製造コストが高価であることが普及のネックとなってきました。そこで各家庭や地域が多大の負担なくこの装置を導入できるような様々な政策を促していきます。さらに、太陽光発電の新技術開発を援助し、原子力発電以下のコストで太陽光発電が可能となる技術を生み出すためのベンチャービジネスを積極的に支援します。

  次に、循環型社会をめざした様々な政策を実行していきます。そのために、所沢のダイオキシン問題の際にみられたように、「廃棄物を受けいれなければ良い」ではなく静脈産業としての環境ビジネスの育成・強化を通じ、やがて「廃棄物を出さない社会への転換」をめざします。環境にやさしい企業の国際規格を定めたISO14001を、県内企業のすべてが取得するように推し進めるとともに、容器包装リサイクル法、PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律)などの整備をさらに推し進めます。廃棄物を出さない社会とは、包装容器や家電、そして建築廃棄物や生ゴミなどを完全にリサイクルしたりエネルギー源にしたりする社会に他なりません。それは可能です。そのために最良のシステムを科学的に研究し、循環システムを作り上げることこそ、21世紀に生きる私たちに課せられた宿題です。

 さらに、大気汚染については、東京都で「ディーゼル車NO作戦」が発表されました。この作戦の実行で、東京都に入れない車が埼玉県に迂回し、本県の大気汚染はさらに深刻になることが予想されます。排気ガスに含まれるNOX(窒素酸化物)削減をさらに推し進めるのみならず、SPM(浮遊ダスト)をできる限り減らし、空気のきれいな埼玉を創り出すことを決意します。

  下記の表はドイツと日本の消費者の意識の違いを示したものです。ドイツでのグリーンコンシューマー(環境問題に対する意識が高い)、フォロワー(その予備軍)と行動型が高いのはゴミ分別、デポジット、有料化等でインセンティヴ(動機)を与えている仕組みがあること、環境教育が行われていることがあげられます。 二酸化炭素の削減。ゴミ・リサイクル社会の実現。そして大気汚染の解消。どれを取っても消費者ひとりひとりが共に一歩を踏み出さなければ、達成は困難です。私はこれら3つの実現を成し遂げるべく、環境に関心ある人々のつどいをNPO(非営利組織)として育成強化します。
ドイツ・日本の消費者のグリーン度(意識)の比較
  ドイツ 日本
グリーンコンシューマー 18% 13%
フォロワー 34% 22%
行動型 19% 9%
意識先行型 1% 9%
その他 21% 33%
無配慮層 7% 14%
出所:住友生命総合研究所