国会レポート2002夏号

 

国会にお送り頂いて丸2年で32回の質問!
 日付 委員会名  議 題  概  要
00.08.04 逓信 逓信行政に関する件 ITを支えるシステム開発者の雇用の現実。光ファイバー網の整備。ADSLの普及促進。
00.11.08 建設 公共工事の入札適正化法 公共工事の発注者責任の明記。電子入札の導入。経営事項審査における電気工事士の評価向上。
00.11.17 厚生 厚生施策に関する件 必要病床数の算定見直し。医療圏域を越えた救急搬送。救急救命士の業務範囲の拡大。栄養士の活用。
01.02.27 総務 地方税法・地方交付税法 地方交付税算定の簡素化。破綻した第3セクターの損失補てんや赤字地方債の問題。
01.03.02 予算第3分科 財務省への質問 赤字地方債の増発の危惧。地方税財源の充実強化。国の借金を地方にかぶせる仕組みの問題。
01.03.02 予算第5分科 厚生労働省への質問 ドクターヘリコプターの利用促進。救急車の到着時間の遅延。朝倉病院問題に見る医療監視の問題点。
01.03.08 災害対策 災害対策に関する件 激甚災害の早期指定。洞爺湖温泉の観光回復。被害漁業者への特別融資要件緩和。防災拠点たる学校の電気容量増加。
01.03.16 総務 NHK予算 番組の保存はDVDで。映像の権利処理の簡素化。大規模事故の事後検証番組の制作。地上波デジタルタワー。
01.03.28 国土交通 航空事故調査委設置法 日航機ニアミス事故の事故認定の遅れ。運輸大臣と警察の覚書。航空事故調査委員会の独立性強化。
01.04.12 総務 電波法 地上波デジタル放送の目的。さいたまタワー誘致。コミュニティー放送の普及。民主党のテレビCMについて。
01.05.31 総務 電気通信事業法 電波のオークション制。電波監理審議会の機能強化。日本版FCCの創設。
01.06.01 文部科学 教育三法 小学校段階から将来の職業選択の意識を教えること。職場体験活動。キャリアカウンセラーの資格創設。
01.06.07 総務 行政機関の政策評価法 地方への税財源の移譲。外部監査人制度の利用。政策評価・行政評価への総務省と会計検査院の連携強化
01.06.12 環境 自動車NOx法 自動車NOx法で通産省と環境庁の地方の自主性を軽んじた形の覚書。SPM環境基準の達成。
01.06.12 衆議院本会議 地方自治法改正 景気回復と構造改革における国と地方の役割分担。国債発行の抑制を地方債発行にまわすな。住民訴訟について。
01.09.13 総務 消防に関する件 新宿雑居ビル火災を受けて:共同防火管理の徹底。二方向避難経路の確保。
01.10.30 総務 一般質疑 雑居ビル査察の厳格化。共同防火管理体制の強化。独立性のある火災調査委員会の設置。
01.11.07 総務 地方税法 個人資産の投資促進。源泉徴収ではない申告納税制度の導入。電子申告の導入。
01.11.29 総務 地方自治法 首長個人を相手とする住民訴訟の存続。第3セクターの問題。
02.03.05 総務 地方税法 赤字地方債発行は国債30兆円枠堅持のためか。税財源の移譲。地方債の市場での消化状況。
02.03.18 沖縄北方 沖縄振興特別措置法 石垣島の赤土流出によるサンゴの死滅。石垣島食肉業者からのBSE対策。
02.03.19 沖縄北方 沖縄振興特別措置法 沖縄の金融特区にキャプティブ保険を。沖縄を拠点とするアジアでの自由貿易協定。
02.03.20 沖縄北方 沖縄振興特別措置法 在沖米軍海兵隊のグァムへの分散。日米地位協定の見直し(環境基準・航空機事故への取組み)。
02.03.20 総務 NHK予算 電波利用料の8割が携帯電話からという電波の入札について。NHK川口アーカイブスについて。
02.04.04 総務 消防法 消防法改正民主党案提出。二方向避難。損保代理店にもビル点検を。
02.04.08 決算行政監視 国土交通省への質問 雑居ビル火災を受けての二方向避難について。沖縄中城村ゴミ処理場の問題。南北線・都営三田線の延伸。
02.04.10 国土交通 マンション建替え法 マンション寿命30年では短すぎる。マンション管理組合の育成。外断熱の導入。学校の校庭の芝生化。
02.04.25 総務 電波法 アナログ周波数変換にかかるコストの見込み違い。電波の入札制。電波監理審議会の独立性強化
02.05.22 内閣 行政機関の個人情報保護法 情報公開と個人情報保護の審査会を分離・独立せよ。審査会の3条委員会への格上げ。情報漏洩への罰則強化。
02.05.28 総務 地方税法 電波の5GHz帯の無線ランへの開放。地方への税財源の移譲。基準財政需要額の算定に第3者機関を。
02.06.04 沖縄北方 沖縄北方問題に関する件 ODAと国際機関も会計検査に含めるべき。北方四島一括返還はいつから一括を取ったのか。
02.06.25 総務 郵政公社化法 天下りファミリー企業の問題点。郵政公社に対するチェック体制(独立行政法人より甘い)。簡保の指定単制度。
■ 一台二万円の自動車リサイクル料 ■
 正式名称は「使用済み自動車の再資源化などに関する法律案」で、六月十一日に衆議院本会議で可決し、参議院に送付されました。その中身は、自動車一台当たり二万円の「リサイクル料」を新車購入時に、既に販売されている車には車検時にユーザーが負担するものです。
 
 なぜ、この時期にという疑問に対する説明として政府は、産業廃棄物最終処分場の逼迫、自動車を解体したときに発生するスラグ(くず鉄)の市場での値段が下がったため、あるいは、不法投棄の解決のためとしています。また、日本には七千万台の車がありますので、合計で一兆四千億円のお金を公益法人が管理することになります。年間五百万台の車が抹消登録処分になっている日本ですが、その八割近くはこれまでも解体業の方々により行われていました。
 
 また、併せて、道路運送車両法の改正が行われ、永久抹消登録の前提としての解体処理の確認と輸出に関わる抹消登録の整備を行う改正が衆議院で可決しました。

■ 自動車リサイクル法案は本会議を退席 ■
 私は、党の部門会議で

 (1)国民ひとりひとりに安易に痛みを求めることになる 
 (2)自動車のリサイクルは現状でも上手くいっている 
 (3)法改正でも不法投棄の根本的解決にはつながらない 
 (4)天下りの公益法人を太らせるだけ 
 (5)不況時に新たな出費を求めることで景気の足を引っ張ることになる 
 (6)自動車メーカーの責任の所在が不明確 
 (7)リサイクルや不法投棄対策には自動車取得税(4641億円・平成十二年度)を充てるべき

という理由でこの法改正は問題ありと発言をしてきました。しかし、質疑を通じて民主党も賛成になったため、私としては退席という対応を致しました。

■ 個人情報保護法案は問題あり ■
 個人情報保護法は、民間企業と行政機関が対象の法律がそれぞれ出ています。その内容は全然違います。三年前の住民基本台帳法改正により、特に、行政機関により国民の個人情報が一元化され、プライバシーの行政による管理が強まることを怖れ、今年八月五日の基本台帳法の施行の前提として出されたはずなのが民間企業対象の法律。それに、マスコミの取材規制を付けたので大問題になりました。
 
もうひとつの行政機関対象の法律は十三の条文が昨年四月施行の行政機関の情報公開法と同じというのは、「行政の公開したくない情報を保護するための法律」と言えます。  
 
そのことを露呈したのが、防衛庁に情報公開請求した個人のリストを作り、庁内に配布した事件です。八月五日から、皆さんには十一桁の番号を付与して基本四情報(氏名、住所、性別、生年月日)を入力したICチップを付けた個人情報カードが配られます(一応本人の希望)。国民の知る権利とプライバシー権の確立はまだ弱い日本には、今回の個人情報保護法案は問題多しとするところです。

■ 有事法制も問題あり ■
 防衛庁の個人情報リスト作成問題で委員会審議が中断していますが、政府提出法案は、主に外部(他国)からの攻撃を想定したものです。しかし、当初考えていた朝鮮有事(武力衝突)の可能性が低くなり、言われるのはサリン事件や昨年9月11日の米国同時テロのような一部のグループや個人が対象であること。
 
また、有事の際の国民の権利保護については2年以内に新たな法案で整備すると先送りしていること。都道府県知事に国民保護を求めていますが、そのために都道府県知事に与えられる権限が決まっていないこと。等問題が多いと考えます。
 
もちろん、緊急事態の法制が必要なことは言うまでもありません。有事やテロの際の法律がないといって個人の権限が踏みにじられてはなりません。そして、日本の安全保障面から欠くべからざるものであるので、仕切りなおしが必要です。

■ 健康保険法改正案に反対 ■
 衆議院厚生労働委員会で6月14日、与党三党により強行採決された内容は、下の表です。医療の抜本改革が行われず、いたずらに「国民に痛みを求める」ことは問題ありと本会議でも反対致しました。特に、委員会採決では野次と怒号の中委員長の声は速記者も「聴取不能」と書く中での審議打切り裁決でした。
 
また、1月に起きた世田谷区のセラチア菌(どこにでもある)による院内感染事故の最終報告でも、原因究明においては今回も曖昧な書き方しかできていないため、責任の所在が明らかになっていません。また繰り返されるのではないかと危惧します。
 
また、救急車内での救急救命士の特定医療三行為の見直しでは、病院到着前と後は一体で考えるべきという方針のもと民主党案を作成しています。

■ 国民に痛みを押し付けるな ■
 バブル時の収入が入らなくなったのなら収入に併せて支出を減らそうとするのは家計のやりくりです。そのためにも、90年代の総括が必要です。鈴木宗男議員の問題も「とかげの尻尾切り」でなく、外務省の組織ぐるみの取り組みを明らかにしなくてはなりません。支出削減に取り組まず、独立行政法人の役員数を三倍に焼け太りさせ、天下りの公益法人を増やしながら一人一人の国民に痛みを押しつけることは「改革」とは呼ばず「改悪」であり、まして「構造改革」の名には値しません。