国会レポート43号

●アスベスト被害への対応の遅れを問う! 【7月1日外務委員会】
  衆議院外務委員会は、『石綿の使用における安全に関する条約(第162号)』の質疑。以下の3点を軸に条約関連として町村外務大臣等と質疑を行いました。

尼崎のアスベスト被害の実態と、悪性中皮腫対策について具体的な治療の現状と政府としての取り組みについて問いただしました。悪性中皮腫は原因の8割がアスベスト(石綿粉じん)であると言われており、死亡率も高く、発症2年後の生存率3割、5年後でわずか3.7%という調査結果もあるほど危険な病気です。潜伏期間が10年、20年と大変長く、有効な治療法もないに等しいと言われています。

さらに造船工場などで働いていた本人だけでなく、その家族への2次被害が問題となっています。私から周辺住民に対しても労災認定するなどの対応が必要な旨を申し伝えました。

実はこのアスベストの毒性については1971年にILO (国際労働機構) にて指摘されており、1986年の第72回総会にて採択されました。それが今国会に提出されるまでに、20年近い歳月がかかっているわけです。代替製品がない、国内法が未整備を理由に条約の批准を放置してきた政府の責任は逃れられません。

町村外務大臣によれば、1987年の国会では全議員を対象に配布したということですが、もしそうであれば19年間もこのことを看過してきた国会としても、その責任を問われるべきだと考えます。
サマワにて車列の爆弾破裂事件がおこりました。やはり、サマワが「非戦闘地域である」ということはもう言い切れないのではないでしょうか。

即時撤退あるいはこの12月14日の期限切れに向けての撤退準備に入るべきとの主張をしました。あわせてアメリカ・イギリスからの派遣延長要請の有無を確認しましたが、外務大臣からは明確な答えが返ってきませんでした。

また、インドネシア・スマトラ沖地震津波被害のときに米軍に対して医療支援が行えないことを理由に、「ACSA(日本国の自衛隊と合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互提供に関する2国間の協定を改正する協定)」の付表2に「国際緊急援助隊派遣法」を付け加えるべきといった報道があります。私はこのACSAの付表2というのは大変問題だと考えています。

協定自体を改定しないでも付表2に閣議決定で法律を付け加えていけば、それこそ世界中どこでも自衛隊は米軍の後方支援ができるという内容なのです。「国際緊急援助隊派遣法」を付け加えることについては、同法に警察・消防も含まれていることも考慮すると、慎重であるべきだと指摘しました

● 郵政6法案 骨抜きのまま衆院を通過! 【7月5日 衆議院本会議】
郵政民営化関連6法案がかろうじて衆院本会議で可決されました。賛成233票、反対228票。自民党衆院議員からも大量の造反がでたためで、参院の行方を考えると否決の可能性も含め、先行きは不透明な情勢になりました。

  私は当選後、郵政民営化研究会に入会しました。その理由はムダな公共事業や天下り天国の特殊法人にお金が流れないようにするためでした。しかし今回の法案はおよそ民営化とは似て否なる換骨奪胎のものと考え、廃案を求めています。

特に350兆円の郵貯・簡保に預けられた国民の金融資産は、小泉内閣発足前の50兆円が、この4年間でプラス100兆円が国の借金返済に化け、さらにこの法案が可決すると、加えて110兆円が国債に変わり、結局計260兆円を国債の消化にあてることになります。

ゆえに参議院での否決、廃案を求めていきます。参議院で否決されれば、与野党から不信任されたと受け止め、「内閣総辞職」するのが「スジ」であります。