浦和北ロータリークラブ卓話

2006年02月15日

私自身三月に渡英の予定があるが、我国の外交のあり方に関して英国はひとつの参考になると思われる。我国は英国同様地理的、歴史的にみても対外的に孤立する危険性も孕んでおり、今後したたかな外交を展開していく必要がある。昨今、中国、韓国との意見の対立も多々あるが、対中、対韓も含め対アジアに日本がどのように国益を主張していくかが重要である。

上海領事館員自殺事件について、当時の川口外相が後々の担当にその件を引き継いでいなかったことが明らかになっているが、外務省は他の省庁に比べ、隠蔽体質があるように思われる。省内には2世、3世の職員も多く、今後は公務員改革の一環として採用時の見直しといったことも必要であろう。

日本の国連常任幹事国入りについても、ASEANの反対があったわけだがこれも背景には中国への気遣いが感じられる。アジアでの外交力においても中国が日本を上回っている感も否めないが、日米同盟を基軸にしながらもアジアでの債券市場構想等で日本が中国の協力の下、そのリーダーシップを発揮すべきで、旧来の欧米主導のグローバル・スタンダードから脱却し、今後のグローバル・スタンダードをアジアから提案していくことも必要である。

尖閣諸島等に代表される領土領海問題についても、極めてあいまいな部分が多い。各島の呼称についても当該国間で異なっている現実もある。現在沖縄県から与那国島上空の防空識別圏についての要望書が提案されている。これは日本が認識する防空識別圏と台湾が認識しているそれとが乖離していることから生じている問題であり、過去に民間の航空機が台湾軍機にスクランブルをかけられた経緯もある。

独立行政法人に話を移すと、現在百を超す独立行政法人があり、その資産は現金預金2.2兆円、有価証券1.8兆円、預託金0.7兆円、計4.7兆円にも上る。さらには投資用の有価証券が7.2兆円とされている。業務の効率性、透明性向上を図って設立されたはずの独法が、財務内容が不透明な〈第二の特殊法人〉と化している現実が見受けられる。

所管省庁約5割、他省庁を含め約6割、公益法人などを含めると約3/4で天下りが行われている。また出向者については約6.800名に達し、その数は国立病院を除くと約1割となる。この出向者に関しては規制の対象外、すなわち〈枠外〉の扱いとなっており、独法がある種の〈隠れ蓑〉に利用される恐れもある。いずれにせよ、この問題は民主党ネクスト・キャビネットで今後も引き続き議論されるべきであろう。

今日は外交の話と独立行政法人の話という一見無関係と思える話をさせていただいたが、実はこのふたつの問題は綿密に絡んでいると言える。政府開発援助(ODA)の改革論議でも取り上げられている国際協力銀行(JBIC)から円借款業務の分割受け入れをする国際協力機構(JICA:緒方貞子代表)もまた独法である。その透明性、健全性を監視することは重要であり、今後も引き続き国会においてこの問題について真剣に取り組んでいく所存である。

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