国会議事録 衆議院本会議及び委員会での質問記録

2005年6月14日 【安全保障委員会】

武正委員 
民主党の武正公一でございます。防衛庁設置法等を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
 
まず、五月十日、本委員会で、私から防衛庁長官に、この八十二条の二、一項、二項というところで、まず二項について、一項で命令が出され、おそれがあって命令を出したんだけれども、「おそれがなくなつたと認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、速やかに、同項の命令を解除しなければならない。」と。ただ、この間の報告は国会にしないということでありますので、この二項について、どうなんですかとただしましたら、「委員おっしゃるとおり、明確にここには書いておりません。
しかし、やはり総理の承認になる、これは閣議決定になりますので、閣議決定が公表されます。そういう意味で、公表されます。」このように長官は答えておられるんですが、改めて一項についても確認をさせていただきますが、一項で命令が出されただけでは国会に対する報告はない、ただ、この二項と同じように公表されますということなのかどうか、確認をしたいと思います。

大野国務大臣 
ミサイル防衛というのは、飛んでくるミサイルを撃墜しなきゃいけない、あるいは場合によっては、そのターミナルコースで撃墜した場合にはいろいろな被害が起こる可能性も残るわけですから、国民の皆様には、一項でミサイル防衛をやります、やりました、こういうことは速やかに伝わるようにしていかなきゃいけないし、この問題はやはり国民保護法制の中できちっと処理していかなきゃいけない問題だ、国民の皆様に広く知ってもらうということは一番大事だと思っています。
 
閣議決定の中には、一定の問題につきましては、例えば外交文書で相手国との交換公文が成立するまでは公表しない、こういう性格のものもありますけれども、このミサイル防衛につきましては、閣議決定をすれば必ず公表する、こういうふうにしなければ国民の皆様にも御納得いただけないんじゃないか、このように私は思っております。閣議決定によって公表する、こういう原則でございます。

武正委員 
一項についても閣議決定について公表する、命令を出したということについて、内閣総理大臣の承認でありますから、閣議決定で公表するということを確認されました。
 
さて、きょうは官房副長官もお見えでございますので、私も伺いますと、閣議は全会一致の原則、あるいは中身の非公表。ただ、慣習として官房長官が記者会見をする、あるいは官報でそのことを告示する、こういったことでありますが、例えば、今回のこの八十二条の二、一項、二項、こうした発射命令について、内閣総理大臣の承認という閣議決定は閣議案件のどれに当たるのか。また、実際のところ、それを公表するかしないか、こういったことは一体だれが決めているのか、これについてお答えいただけますか。

杉浦内閣官房副長官 
お答え申し上げます。
この件については、一般案件として取り扱われるわけでございます。閣議に付議される事項は、一般案件、法律・条約の公布、法律案、政令、人事、配布等の項目に分かれておりますけれども、一般案件として取り扱われるものは、他の区分に属さない国政に関する基本的重要事項等でございまして、自衛隊法八十二条の二第一項及び第二項に規定する総理の承認は、この一般案件に該当すると考えております。
 
したがいまして、本件については、総理の承認は、他の一般案件と同様に、付議された閣議において内閣として決定をし、また公表についても内閣が定めるということに相なります。

    〔委員長退席、仲村委員長代理着席〕

武正委員 
公表については事務方が何を公表するかを決めているんだという話がありますが、そうした恣意的なものはなく、この一項、二項については公表するということでよろしいでしょうか。

杉浦内閣官房副長官 
そのとおりでございます。この件については、事案の性質上、公表するということに相なると思います。

武正委員 
お手元に理事会のお許しを得て資料を配付させていただいておりますが、二ページに、これは平成十一年三月二十三日の能登沖の不審船における海上警備行動の発令について、このような形で官報に告示をされております。ちょっとちっちゃい字で見づらいんですが、この官報の一番左上に出ておるんですね。三月二十四日水曜日、一般案件、「一、海上における警備行動に係る内閣総理大臣の承認について(決定)(防衛庁)」、これは一般案件ということでありますので、まさに今お話しされたとおりの形で、この八十二条の二、一項、二項についてもこういう形で記載をされるんだなというふうに思うわけです。
 
そうしますと、例えばどんな記載になるのかなということなんですけれども、これが例えば弾道ミサイル等に対する破壊措置に係る内閣総理大臣の承認についてというような形で記載をされるのかな、この海上警備行動を見ると。一項、二項で、一項は命令を出した、二項は命令を撤回した、解除したということなんですが、もし私が言ったように、弾道ミサイル等に対する破壊措置に係る内閣総理大臣の承認についてというような書きぶりですと、命令を出したのか解除したのかわからないということになるんですが、実際、この記載の仕方、これは私が今指摘したような程度なのか、命令を出した、あるいは解除した、そこまで細かく記載がされるのかどうか、これについてはいかがでしょうか。

杉浦内閣官房副長官 
表現ぶりがどうなるかということは、これからの御審議、検討というものも踏まえてのことに相なるだろうと思いますが、命令をした、解除したということが明瞭になるような文言になることは当然だと思います。

武正委員 
ちょっと、最後がよく聞けなかったんですが。命令を出した、解除したということが、ちょっと、最後、もう一度はっきり言っていただけますか。

杉浦内閣官房副長官 
正確な文言については今後検討されることになるわけでございますが、法律にあるとおり、命令を出したか、解除したということが明らかになるような文言になるというふうに考えられます。

武正委員 
はっきりとそこが明示をされるべきであろうというふうに私からもお願いをしたいと思います。
そして、お手元にやはり資料をちょっと用意したんですが、もう皆様も御記憶のとおり、昨年の十一月のいわゆる中国原潜の領海侵犯、これに当たって、この海上警備行動が発令されたんですけれども、これについては官房長官が記者会見をやったはずなんですけれども、官邸のホームページには官房長官の記者会見の発表がありません、記者発表が載っておりません。おまけに官報にも載っておりません。一方、平成十一年三月二十三日、先ほど触れた能登沖の不審船の海上警備行動は官報に載っております。
 
この違いがどこにあるかというのが、この資料の一ページの閣議決定だという御説明なんですね。この一ページの右側の「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」は、平成八年十二月二十四日に閣議決定をして、二で、内閣総理大臣は当該承認をすることができるということで、原潜の領海侵犯は、海上警備行動は官報に載っていない。不審船については官報に載った。この違いはなぜなのか。それから、要は、これを見ますと、閣議を省略した、こういうようなことなのか、この点を御説明いただけますでしょうか。

杉浦内閣官房副長官 
お答えを申し上げます。
先生の配付された資料にございます、平成八年十二月二十四日付の「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」という閣議決定に基づいて対応しておるわけでございます。
 
自衛隊法八十二条に基づいて防衛庁長官が海上警備行動を発令する、下令する場合には、内閣総理大臣の承認を得る必要がございます。法律に明定されております。
 
この内閣総理大臣の承認は、外国潜水艦に対する対処の場合、閣議にかけて決定したこの方針に基づいて行われておるわけであります。内閣法六条に、閣議にかけて決定した方針に基づいて各省庁を指揮監督するということがございますが、そういう必要があるわけでございます。この方針は必ずしも個別具体的案件ごとにその都度決められる必要はなく、あらかじめ一般的になされた閣議決定でもよいと考えられておるところでございます。
 
このような考え方に従いまして、この閣議決定では、事案発生時に速やかに対応し得るように、内閣総理大臣が潜没潜水艦に対する海上警備行動を承認するための方針をあらかじめ決定したものでございます。
 
昨秋の潜水艦事案に関する海上警備行動につきましては、当該閣議決定に示された方針に従って内閣総理大臣が承認したものでございまして、この個別案件の承認については、方針に従って承認したもので、閣議決定を経る必要はないと考えております。
 先生は、省略したのかという御質問でございましたが、そもそも承認は必要なんですが、閣議決定を経た承認は必要ないというふうに考えておるわけでございます。

武正委員 
それを経て、資料の三ページ目にあるような「領水内潜没潜水艦への対処について」というのがことしの一月十九日発表になっておりまして、「1 対処方針 (5)海上警備行動の発令の公表は速やかに行うなど、国民に対し適切かつ時宜を得た説明を実施 (6)以上の方針を確実に実施するため、必要なマニュアル(対処要領)を関係省庁間で共有」、このマニュアル、対処要領は非公開ということでございまして、今言われたように、実は、海上警備行動で対潜没潜水艦への対処についてというのがまさに今回の八十二条の二の三項とうり二つということでございます。
 
つまり、閣議は省略、あらかじめつくったマニュアルに基づいて対応する、このマニュアルは非公表ということでございます。当然、この潜没潜水艦については、記者会見はホームページにも載っていない、それから官報にも告示をされないということになっておりまして、私は、今回のこの点に関しましては、実際のところ、後で触れますが、閣議決定でつまりこのように授権を総理大臣にしてしまえば、先ほど防衛庁長官が言った一項、二項の、閣議決定だから官報に出るんだ、これがやはり省略できてしまう、こういった危惧を抱いているわけでございます。
 
そこで、やはり同じく、資料四ページでございますが、「大規模テロ等のおそれがある場合の政府の対処について」という、これは平成十三年十一月二日閣議決定でありますが、これには弾道ミサイルは含まれるのかどうか、官房副長官、お答えいただけますでしょうか。

杉浦内閣官房副長官 
お答え申し上げます。
結論から言って、含まれないというふうに考えております。
 
御指摘の「大規模テロ等のおそれがある場合の政府の対処について」、お示しになられた資料にございますが、平成十三年十一月二日の閣議決定ですが、これはもう御案内のとおり、平成十三年九月十一日に発生した同時多発テロに見られるような極めて大規模な被害をもたらすテロ、小銃、機関銃、砲等々の殺傷力の強い武器を所持した武装工作員等による破壊活動、そういった一般の警察力では対処できない、例えば機関銃を持っている人に警察官が行ってもばたばた撃ち殺されるだけだ、山にこもった場合に警察ではとても対処できない、そういうような事案で、やはり自衛隊の治安出動が必要となるような事態への対処方策を定めたものでございます。
 
一方、弾道ミサイル、もしミサイルが飛んでまいりましたら、仮にそのような場合には被害はあり得るわけでございますが、しかし、そのような場合に、一般の警察力とか治安出動による対応というのは通常考えられないところでございますので、本閣議決定においてはそのような事態に対する対応は考えていないというふうに御理解いただきたいと思います。

武正委員 
この大規模テロ等では、「迅速な閣議手続」ということで四番に、電話等によって閣議決定を行う、あるいは「連絡を取ることができなかった国務大臣に対しては、事後速やかに連絡を行う。」と。こういうような、最近、閣議を開くいとまがない、あるいは招集がなかなかかなわないときには、こういった手続をとるようになっております。
 
そういった意味で、今回の法案、三項では、事態急変、内閣総理大臣に承認を得るいとまがないとき、こういうことを随分言われるわけなんですが、このような形で閣議決定で迅速な手続ということに努めているわけですから、私は、やはり一項、原則で十分対応できるんだというふうに考えているところでございます。
 
そういった意味で、先ほどちょっと触れましたが、一項、二項は、官報にしっかり告示されるから国民に公表されるんですよ、このように防衛庁長官は言われましたが、先ほどの、潜没潜水艦における海上警備行動、あのような閣議決定をしてしまうと、要は、国民に公表する必要がない、閣議決定は既に総理大臣に授権をされているから、こういった解釈になって、官報にも告示がされないわけなんですが、こうしたことは、今回の八十二条の二、一項、二項に関して、あだやないということを明確に御答弁いただけますでしょうか。

大野国務大臣 
先ほども申し上げましたけれども、やはりミサイル防衛というのは国民の皆様にきちっと周知しておく必要があるわけでございます。
 
第一項の方では、おそれがある、蓋然性が非常に高い、これが基本でございます。したがいまして、基本である第一項あるいは第二項の場合は、はっきりと国民の皆様にお知らせする、周知する、大変必要なことであります。
 
三項は、これを補充するものでありまして、おそれはない、こういうところで、例えば監視巡航中のイージス艦、護衛艦等に、護衛艦が存在するわけですからそういう船にも、そういう護衛艦にも、まさかのときはこういう手続、総理から包括承認をいただいて、そして長官がこういう手順できちっと、まさかのときは撃ちなさいと、本当に万々が一の場合を想定している補充的な原則でございます。この場合にはやや、武正先生おっしゃるとおり、潜没潜水艦の場合と同じような形になってしまうことは否めませんけれども、もし本当にそういうまさかの場合であっても、撃ったというようなことがあれば、私はこれは何らかの方法で国民の皆様にお知らせする必要がある、このように思っております。

武正委員 
先ほど触れたように、一項、二項についてはこれから閣議決定をして総理に授権をするということはないということでよろしいでしょうか。再度確認をしたいと思います。

大野国務大臣 
包括的な授権をしない、そのとおりでございます。
それから、三項の場合は、法文にも書いてありますが、国会に報告する、こういうことで明快にしておるわけでございます。

武正委員
三項については措置について報告するわけですから、三項について、先ほど言ったように、発射についても報告するということでよろしいでしょうか。

大野国務大臣 
発射につきましては報告ということではありません。迎撃したという場合に国会に報告する、こういう形になるわけでございます。

武正委員 
そうしたことになるから、私はやはり、国会報告ではなくて事後承認、あるいは民主党はこれまで事後承諾ということも主張してまいりました。やはり、きちっとこうした点を、国会の関与をしていく。特に承認に関して、もう発射しちゃったのに何が事後承認だというお話がありましたが、これについては、発射をしたことについてのその是非あるいは判断、こうしたものをその承認で判断する、そして、命令については撤回をさせる、こういったことが法制上できるということを改めて指摘させていただきたいと思います。
 
さて、外務大臣もお見えでございますので、ちょっと外交の方に移らせていただきたいというふうに思っておりますが、その前に、ミサイル防衛構想、先ほどシンガポールでの日米防衛首脳会談について、さまざま、同僚委員からも質問が出ております。私が指摘をした、あるいは質問するところもかなりもう重複をしておりますので、指摘にだけとどめさせていただきますが、先ほどの長官の、実験はしなくてもかなりの確度大丈夫だというようなことはやはり見切り発車である、共同開発に、次世代型、移行するに関しては、と考えます。そしてまた、先ほど同僚委員申しましたように、やはり共同研究成果を明らかにすべきである、これを求めておきたいと思います。
 
そして、何といってもやはり、このミサイル防衛構想については、日本としてその進捗状況についてはアメリカ側に注文をつけていくべきであって、聞くところでは、〇六会計年度以降、五十億ドルほどミサイル防衛構想の予算が削減される、これを日本が肩がわりするんではないかというようなことはあだやあってはいけないということでありまして、主体的なミサイル防衛構想についての取り組みをお願いしたいと要望したいと思います。
 
そこで、ちょっと質問では通告しなかったんですが、このとき、シンガポールで、防衛庁長官、アジア安全保障会議でスピーチをされております。
 
このときにこのようなことを述べておられまして、防衛庁からいただいた資料ですが、「平和支援国家へ」、第二次大戦終結後、我が国は平和を愛好する民主国家として生まれ変わったが、六十年を経た今、平和愛好国家というだけでなく、平和支援国家として生まれ変わるべき、こういうふうに述べたということで、防衛庁から資料をいただいているんですが、私も平和支援国家という言葉は初めて聞いたんですけれども、これは防衛庁長官がつくられた言葉なのか、あるいは、もう政府として明確に、日本は平和支援国家になるんだということをしっかりとうたっている言葉なのか。ちょっとこの発言の真意もあわせてお答えいただけますでしょうか。

大野国務大臣 
まず、平和支援国家というのはまだまだ人口には膾炙していないかもしれません。しかし、世界的に言いますとやはり、平和を愛するピースラビング、平和を維持するピースキーピング、そして平和を支援する平和サポーティング、それから最後に、平和をつくる、これは戦闘行為が伴うわけでありますが、平和をつくるピースメーキング、こういうような概念が一部にはもう定着しておるのではないかと思います。
 
今回、私はさまざまな、特に東南アジアの諸国の皆様が参加している中で、やはり日本は平和国家なんだ、民主国家なんだ、こういうことが強調したくて、平和国家として生まれ変わった、こういうことを申し上げました。
 
しかし、平和と言っているだけじゃなくて、やはり前回の防衛大綱にも明快に書かれておりますとおり、国際的な安全保障環境を改善することが、これすなわち日本の安全と平和につながってくる、こういう意味で、平和のために貢献するというよりも、むしろそういうような平和をみずから支持していく、支援していく、国際安全保障環境を改善することがすなわち日本の平和と安全なんだ、こういう意味で、ピースサポーティングカントリー、こういうような言葉を使わせていただいている次第でございます。

武正委員 
政府としてはまだ、この平和支援国家ということが日本の歩むべき道ということが、定着というか、うたってはいない、あくまでも長官の造語であるということで私は確認をさせていただいたわけであります。
 
済みません、ちょっと時間もないものですから、先を急がせていただきます。
外務大臣お見えでございますので、ここでちょっとお聞きしたいんですが、呉儀副首相が来られたときに、国土交通大臣、いわゆる中国に対する全土ビザなし恒久化、こうしたことを伝えたというような報道もあるんですが、この中国に対するビザなし、これは今どういう現状になっているのか、お答えをいただけますでしょうか。

町村国務大臣 
一般論としては、観光を含む短期滞在査証の免除につきましては、これは、人的な交流の促進という観点、観光促進ということもありますが、同時に、犯罪対策でありますとか出入国管理、こうした観点をやはりあわせて考えなければいけないということでございまして、現時点で、中国人渡航者に対する査証免除、ビザ免というのは検討していないわけでございます。
 
ただ、団体観光についてどうかということが今盛んに議論になっておりまして、これは、平成十二年から北京、上海、広東省、その後、平成十六年九月から対象地域が拡大をされているわけでございます。
 
対象地域の拡大ということで、これは万博というものを前提にしながら、限定されたものを全国に拡大するという方向で、中国側と今折衝しているということでございまして、決してビザ免除ということではないというふうに御理解を賜りたいと思います。

武正委員 
ただ、北側国土交通大臣は、ビザ免除ということで、恒久的に全土に拡大、事実上の恒久措置という報道になっておりまして、大変、閣内不一致ではありませんが、それこそ中国側に対して間違った情報を与えている懸念をするわけであります。
 
入管法改正で来年からの入国外国人の押捺、あるいはIC旅券は来年三月、あるいは、まだ中国とは犯罪人引き渡し条約や、もちろん犯罪共助条約も未締結であるということを考えますと、私は、ある面中国に、何というんですか、ここで拙速に、なぜこうしたビザ免除ということを急いだのか、大変疑念を覚えるわけでございます。
 
最後に、外務大臣、去る十一日に飯島首相秘書官が、日中首脳会談前に、小泉首相は靖国神社参拝をする、それでも不都合がなければ会談を受ける、こういうふうに伝えた上で会った、こういうふうに十一日の講演で述べておられますけれども、このことは外務大臣として承知をされておりますでしょうか。昨年の主席あるいは首相との面談の前に、来年、すなわち本年、靖国神社に参拝するんだ、こういうふうに述べたということを飯島秘書官が講演でされておりますが、外務大臣は承知をされておりますでしょうか。

    〔仲村委員長代理退席、委員長着席〕

町村国務大臣 
ちょっと先に、ビザ免除というのは北側大臣も言っていないわけでございます。旅行用の、いわば十五日以内の滞在可能な短期滞在査証の発給できる場所を全国に拡大したらどうかという話を今中国側としているので、決してビザ免除ではないという点はちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 
飯島秘書官のお話は、確かに報道で承知をしておりますが、秘書官が発言をした一々に私が外務大臣としてコメントすることもいかがかなと思いますけれども、いずれにしても、外交交渉にかかわるいろいろな内部的なやりとりについて、これまたお答えをするのは適当ではないだろうと思っております。
 
いずれにしても、この靖国問題、小泉総理はいつも申し上げておりますように、適切に判断をする、こう言っておりますので、これ以上のコメントは私からは差し控えさせていただきます。

武正委員 
昨日、官房長官も承知していないと言われて、今外務大臣もノーコメントと言われること、あるいは会談の内容を一々お答えするべきものでないということを秘書官が講演をするということは、一体首相官邸の危機管理、危機管理をつかさどる首相官邸の情報管理、これが一体どうなっているのか、我が国の安全保障にも大変重大な影響を与える今回の秘書官の発言は到底看過できないものでありますので、私は、安全保障委員会で参考人として呼ばれることを委員長に求めたいと思います。

小林委員長 
理事会で協議させていただきます。

武正委員 
以上で終わります。
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