2007年6月6日
内閣委員会 議事録】 天下りバンク法案について答弁

武正議員 川内委員、御質問ありがとうございます。

 先ほど来、渡辺大臣が、民主党案も同じだ、こう言っていますが、全然違います。民主党案は、事前規制をきっちりとチェックを強める。これまで五年、二年の人事院のチェックを、人事院は、公務員倫理審査会など、しっかりチェックを強めてもらう、五年、五年まで。しかも、対象を、営利企業だけじゃなくて公益法人とか独法も含める。さらにその先、公益法人、独法から二年、さらに再就職、営利企業もチェック、事前規制を強める。

 事後規制はどうか。さっき、大臣は民主党も同じだと言いましたけれども、OBの口ききについては政府案は二年、民主党は十年チェックですね。それから、管理職員の再就職の届け公表も、政府案はたった二年ですが、民主党は十年事後規制をかけるということで、事前も事後もしっかりとチェックをする。

 あわせて、問題は、人の流れとお金の流れなんですよ。お金の流れが手つかずだったら、幾らここで人材バンクなんかつくってもだめなんですよ。お金の流れ、やっていると言いますけれども、やっていません。随意契約だって、ことしの四月からようやく契約の見直しが始まっただけ。官製談合防止法だって、民主党は厳しいのを出しているけれども、政府はやっていない。そういったところが、やはりこの政府案では抜け穴だらけということでございます。

 あと一点。さっき、川内委員の質問で文部省の官房長は大変大事な発言をされました。

 それは、急な御質問だったので用意していないけれども、事前に言ってくれればわかる、人事記録を見ればわかると。これは大変大事な答弁であります。

 なぜならば、これまで各大臣は、個人のプライバシーだからOBがどこに行ったかわからぬ、こう言っていました。また、渡辺大臣は、十六名のわたり、それぞれの省庁に言っても十六名しか出てこない。さっき、総理も同じようなことを言っていました。今、官房長は、調べれば各省に記録があるということをはっきりと明言したことで、私は大変大事な答弁だと思いますので、川内委員の質問に感謝をいたします。

○川内委員 いや、そんな大事な質問をしたとは私は自分で思っては、さすが、やはり武正議員は能力が高うございます。私は全く気づきませんでした。官房長の答弁を思い起こしてみると、ああ、なるほど、そういうふうにおっしゃったなということを改めて感じるわけでございます。

 それでは、ちょっと視点を変えまして、厚生労働省、お運びいただいていますね。この前の続きをちょっとやりたいんですが、厚生労働省並びに社会保険庁から、社会保険庁が発注をしている年金に関するシステムの会社、NTT――政府参考人を諮らないといけないんですね。では、まずやってください。

    ―――――――――――――

○戸井田委員長代理 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官杉田伸樹君、社会保険庁総務部長清水美智夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○戸井田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○戸井田委員長代理 玉井官房長。

○玉井政府参考人 御指名をいただきましたので、お答えをさせていただきます。

 私のあの答弁で、先ほど民主党の方、川内先生、御指摘がございましたが、よく思い起こしていただきますと、要は、この職員の身分が技官だったかどうか、こうおっしゃったものですから、通常はこの施設の関係の者は技官だっただろうと思ってお答えをしたわけですけれども、本当に確かかと言われたので、それは事前に言っていただければ、身分そのものがどうかということぐらいはわかるわけでございますから、そのことを申し上げたまでであります。

○川内委員 要するに、記録はあるということですよね、人事データが。では、それをこれから議論していきますよ。ちょっと待っていてね。

 それでは、社会保険庁。平成十八年三月まで、NTTデータあるいはNTTデータシステムサービスという社会保険庁がシステムを発注している会社に、常務取締役として、それぞれ一名ずつ再就職をしていた。その方たちは、NTTデータ、NTTデータシステムサービスに再就職する前は、厚生労働省の所管団体の役員であった。そこから民間会社に移って、そこからまた厚生労働省の所管団体に移ったというこの流れを、もう一度、どこからどこにどう行ったか、この三カ所の職場を。一人ずつ正確に答弁いただけますか。

○清水政府参考人 大変恐縮でございます、手元に資料がございませんので、記憶に基づきまして御説明申し上げることをお許しいただきたいわけでございますけれども、まず、NTTデータの常務執行役員を平成十八年三月に退職した者でございますけれども、退官後、NTTデータに行く前は、年金福祉事業団、それからNTTデータということでございまして、その後、全国社会保険協会連合会ということでございまして、現在に至っているということでございます。

 もう一名でございますが、十八年三月にNTTデータシステムサービスを退職した者でございますけれども、この者は、退官後、こども未来財団というところに所属いたした後、NTTデータシステムサービスに移りまして、そこを十八年三月に退職後、現在は社会保険診療報酬支払基金に所属しているというふうに承知してございます。

○川内委員 それでは、もう一つお尋ねいたしますが、このNTTデータの常務執行役員とNTTデータシステムサービスの常務取締役というポストは厚生労働省のポストですか。

○清水政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、人事院の承認を必要とする営利企業に再就職する場合におきましては、承認を得た書面が残っておるわけでございますけれども、それ以外の場合につきましては、みずから就職先を見つけたのか、いわゆるあっせんによるものなのか等の確認ができないところでございますので、今の委員の御指摘については、必ずしも的を射たお答えができかねるところでございます。

 ただ、五月の二十三日でございましたか、委員に厚生労働委員会でお答え申し上げたところでございますけれども、今私が申し上げたものと同一名称のポストに別の者がついていたという国会答弁を申し上げたところでございまして、そこまでは把握しておるところでございます。

○川内委員 別な者がついていたというのは、何人ついていたんですか。どのようについていたんですか。そんなことも調べずに国会で答弁したんですか。

 私が聞いているのは、厚生労働省なり社会保険庁出身者が連続してそのポストをずっと引き継いでいますかということを聞いているわけで、そんなことぐらい知っているくせに。ここで答えなさいよ。

○清水政府参考人 前回も私の方からお答え申し上げましたように、本件、先ほど言った二名のNTT関連における在籍というものは、御照会がございまして、それに応じまして十八年の二月段階で把握したという一時点のものでございます。その際に、同一ポストにほかの者もいたという情報までは把握したわけでございますけれども、それ以上のことは把握しておらないわけでございますので、お答えは、先ほどのということで御容赦賜れればというふうに考えております。

○川内委員 委員長、こんな答弁は許せないですよ。きょう採決をあきらめたんですから、これはとめてくださいよ。

 なぜかならば、委員長、大臣も聞いてくださいよ、年金福祉事業団からNTTデータに行き、NTTデータから全国社会保険協会連合会に行っているわけですよ。これで厚生労働省は何らの関与もなかったというんですか。どうですか、この二人について。

○清水政府参考人 先ほど申し上げたことの繰り返しで大変恐縮でございますけれども、私ども、その二名の再就職あるいはそれ以降の就職に関しまして書面が残っておるわけではございませんので、どういう形のあっせんがあったのかなかったのかということが確認できないというところでございます。

    〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕

○川内委員 いや、書面があるかないかということを聞いているんじゃないんです。関与があったかなかったかということを聞いております。何らの関与もないというふうに言い切るんですかと。

○清水政府参考人 関係の書面がないわけでございますので、私どもの立場としまして、あっせんがあったのかなかったのか等の確認ができないというお答えしか申し上げられないことを御容赦いただければというふうに思います。

○川内委員 いや、はいそうですかというわけにいかないですよね。

 なぜかならば、大臣、二回目以降の再就職のあっせんに関する調査結果は、わたりがあったのは十六人だというのが今のところ政府の正式な見解ですね。私がつたない手法で、つたない、本当に限られた情報で厚生労働省関係のお二人の方をお聞きしたらば、その方々は、厚生労働省の所管団体、民間のでかい会社、そしてまた厚生労働省の所管団体、こう渡っている、二人ともそうだと。

 そうすると、厚生労働省なり社会保険庁がこの方々の再就職に関して何らかの関与をしたということが明らかになれば、この政府の調査の厚生労働省のところはゼロですから、ここに二という数字が書き込まれるわけですよ。そうすると、十六件が十八件になるわけですね。一〇%以上ふえるんですよ。一割以上ふえるんですよ。そういうことでしょう。政府の調査表で一割誤差があるかないか、これは重大な問題ですから。重大でしょう。だから私はしつこく聞いているんですよ。一万件ぐらいあって二件がいや確認とれませんと言っている話じゃないですよ。

 これは十六件が十八件になるかならぬかという重大な問題ですから、関与があったのかなかったのか、私はきょうの質問時間が十六時二十四分までですから、あと十五分ありますから、十五分の間に、政府の所管団体ですからね、全国社会保険協会連合会、社会保険診療報酬支払基金、電話して、あなたの再就職、厚生労働省の関与はあったかと今聞いてください、裏で。その間、違う質問をしていますから。

 委員長、その指示をしてくださいよ。これは重大な問題だと思いますよ。

○河本委員長 確認してください。

○川内委員 それでは、聞いていただいている間に違う質問をしたいんですが、外務省にお尋ねをいたします。

 ODAを背景にした、私が言葉を使うときにはODAを背景にしたという言葉を使わせていただきますが、再就職が行われているわけでございます。しかし、それは外務省はそのようにお認めにはならないのでしょうが。

 しかし、私が外務省の人事課の方にお出しをいただいた、正確に申し上げますと、政府開発援助の無償資金協力において、一社入札、一社しか入札に参加した企業がない、そのうち、入札率の高い案件の上位十社について、外務省からも再就職が行われているということでございます。それで、この前お聞きしたときは、これは人事院の承認の要らない再就職なんだという御説明でございました。一名は要らないことは確実だ、あと四名はわからないということでございました。

 きょう改めてお伺いいたします。

 この五名の方々は、民間企業の取締役なりあるいは顧問というお立場で再就職をされているにもかかわらず、なぜ人事院の承認が要らないというふうに御判断をされたのかということを教えてください。

○塩尻政府参考人 お答え申し上げます。

 先日御質問をいただきまして、五人のうち一名について御答弁申し上げたところでございます。残り四名につきましては、先日は御答弁できませんでしたが、その後確認したところ、人事院の承認を求めておりません、得ておりません。

 この解釈でございますけれども、人事院の承認というのは、密接な関係にある営利企業への再就職、その際に承認を得るということになっておりますけれども、私どもといたしましては、この一名プラス四名、合計五名の方につきましては、こういう密接な関係にある企業に該当しないということで、承認を求めていないということでございます。

○川内委員 ここでもう一回、文部科学省の玉井官房長にお聞きしたいんですけれども、文部科学省は割と律儀に、建設会社に再就職されるときに、そういう発注業務とは関係のない仕事だけれども承認を求めています、承認を得ましたというふうにさっき御説明されましたよね。わざと営業という言葉を使われたわけですけれども、営業ではありませんという言葉を使われたわけです。

 政府の中で、どういう場合に承認を求めるのかということについて、統一された基準というものがないのではないかというふうに思うんですね。

 外務省はさっき、人事院の承認を得ていない、別に密接ではないというようなことをおっしゃられたんですが、私はこれは大変密接だと思うんですけれども、なぜ密接でないと、それはどういう基準で密接でないというふうに判断をしたのかということを教えていただけますか。

○杉田政府参考人 無償資金協力でございますけれども、無償資金協力は、この前御説明いたしましたとおり、入札の施主ということでいいますと相手国の政府ということになっているわけでございまして、そういう点から、外務省と密接に関係があるということではない、こういうふうに判断したということでございます。

○川内委員 ちょっと、もう一回言って。私にわかるように言ってください。

○杉田政府参考人 無償資金協力の仕組みでいいますと、無償資金協力は、日本政府が相手国に資金を提供して、それをもって相手国がプロジェクトに対する入札を行うわけでございます。入札を行う主体、すなわち施主、プロジェクトの施主ということになりますけれども、これは相手国政府だということでございます。

○川内委員 いや、その説明はこの間も聞いたけれども、まるでこれは、外務省が裁判で負けたドミニカ移民訴訟に関して、外務省は関係ありませんと言い張っていたときと全く同じような言いわけの仕方ですよね。

 無償資金協力というのは、外務省が企画し、その中心的立場にいて、JICAがその実施業務をとり行うということで、外務省が中心的におやりになっていらっしゃる業務じゃないですか。それを、この場で、いや、外務省は関係ありません、相手国がやるんですというのは、それはちょっと余りにも言いわけが過ぎるんじゃないですか。

 ちょっとそれは国民から見て理解されないというふうに思いますけれども、林副大臣、どうですか。今の外務省の説明は、そのとおりだなと副大臣としてお思いになられますか。無償資金協力は、具体の事業は相手国がやっていることだ、外務省は関係ありませんと言ったんですよ。それ、副大臣としてどう思いますか。

○林副大臣 久々に当てていただきまして、本当にありがとうございます。

 多分、今の委員の御議論を聞いておりまして、密接に関係するものというものをまずだれが一義的に判断して、そして、人事院の規制でございますから、人事院の方でどういう判断をされるのかということになろうか、こういうふうに思います。

 今聞いておりまして、今まさに我々が議論しておりますように、予算や権限を背景とした、こういうことになりますと、最終的に、民間の方が仕事を受注するときにだれが本当に権限と予算を持ってやっているのか、こういうことであろうか、こういうふうに思いますので、今のお話のように、無償でしたか、お金を無償で供与された後、向こうが入札をして決めているというのであれば、そういう理屈なのかなと思いますけれども、それは私、所管でないものですから印象として申し上げましたけれども、やはりこのルールがどういうふうに適用されて、まさに委員が御指摘になったように、人事院の方で最終的にはやっておられることでありますので、人事院が最終的にどういう判断をするかということであろうかなというふうに聞いておりました。

○川内委員 いや、人事院も判断するんですが、ある一定の基準に基づいて各府省で承認をするものもあるんですね。

 無償資金協力の入札は日本がやるんですよ。無償資金協力の入札のコンサルタントは外務省の外郭団体でしょう。外郭団体がやっているじゃないですか。では、まずそこから答えてくださいよ。

○杉田政府参考人 今の入札でございますけれども、先ほど御説明いたしましたとおり、入札の主体というのは相手国政府でございます。ただ、それに対して、補助業務を日本にいるコンサルが行う、このようなやり方になっております。

○川内委員 入札に関する補助業務を外務省の関係団体がやっている、主体は相手国である。それは、まあ、そもそも交換公文で相手国と供与額を約束して実施する事業ですから、主体は見かけ上はそうなるかもしれませんが、実態は日本の政府が全部やっている。

 国民から見てどうなのかということですよ。この再就職の件に関して、そういう何か言い逃れみたいなことばかりずっと役所はおっしゃるわけですね。そういう中で、では、そういうものがそもそも根絶をされるのかということを国民の皆さんは期待して、あるいは注目して見ているわけですが、今の、きょうの外務省の議論を聞いていると、多分国民の皆さんは、ああ、外務省というのはやはりずっとこういうことをやめないんだろうな、ずっとやるんだろうなというふうにお思いになられると思いますよ。

 だって、これらのことは、民間企業に、営利企業に再就職しているのだから堂々と、承認をした、人事院から承認を受けたと、何にもやましくなければ、すればいいだけの話ですからね。それをしないで、いや、それは相手国が主体ですからと言い逃れるのは、国民から見て、外務省というのはスマートな役所だと思っていたけれども、そんなせこいことを言う役所なのかなみたいなふうに思われるんじゃないですか。

 林副大臣、どうですか。

○林副大臣 思いを大変共有しながら聞かせていただいておりました。

 私も実は、ここに来る前に、党で長い間、行革の事務局長というのをやっておりまして、まさに今委員がおっしゃったように、国民の思いというか目線というものと、我々が行革で接する皆さんの、こちら側の説明というのが、どうもなかなかうまくかみ合わない。しかし、それは我々の仕事であろう、まさにここでこういう御議論をいただいて、では、どういうルールをきちっとつくって、どういうふうにきちっと細部まで設計をして、まさに今委員が御指摘になったように、国民の目線と、運用まで含めた今の現行制度が合っていくのかということをしなければならない、こういうふうに思っておるわけでございます。

 そういった意味で、人事院の今ある事前規制で、今委員が御指摘になるような、国民の目線から見てどうかなということがこれだけあるわけでございますので、そういうことも含めて、大臣からたびたび御答弁がありますように、あっせんそのものにメスを入れてこれを違法化するということでございますから、今たびたび御議論があるように、星印だとか何だとかというのは、今の時点ではあっせんは禁止をされておらないわけですからそういうことになるわけですが、これが規制の対象になるということになれば、きちっとした対応、また、疑わしい場合には、端緒があれば調査に入る、こういう仕組みをまさに今回の法案に入れて、今まさに委員が問題意識として持っておられるような、国民の目線と合わせていこう、こういうふうな法案になっているというふうに考えておるところでございます。

○川内委員 いや、尊敬する林副大臣にお言葉を返すようで大変恐縮でございますけれども、私は、法律をつくって制度を変えても、やはり役所の方々の意識というものが変わらない限り、役所の方々は抜け道を探し出して、必ず今までと同じようにされるのではないかという危惧を持っております。

 であるとするならば、堂々と情報公開をし、お金がどう流れているのかということまでしっかりとまず情報公開をした上で国民の批判にさらしていくということの方が、より実効性のある改革、行政改革につながるのではないかというふうに考えております。

 そこで、社会保険庁の方が戻っていらっしゃいまして、三カ所を渡り歩いた当事者にお聞きをいただいたものというふうに思いますが、厚生労働省から全く何の再就職に関する関与も受けていないというふうにその方々がお答えになられたか、いや、世話になったよ、だって古巣だから世話になるわなというふうにお答えになられたか、御答弁をいただきたいというふうに思います。

○清水政府参考人 大変恐縮でございます。今の間に、私の方から本省の人事当局に、該当者と連絡をつけて委員のお尋ねのことを尋ねるようにということを申したわけでございますが、今確認しましたけれども、今努力中であって、本人とはまだ接触できておらないということでございますので、このような経過の報告を申し上げる次第でございます。

○河本委員長 委員長から一つ申し上げます。

 清水部長、次回の委員会までに確認できるように努力をしてください。

○川内委員 私が委員長に申し上げる前に、委員長の方から社会保険庁に対して指示がございましたので、次回の委員会までに、関与があったのかなかったのかということがはっきりする。関与があったとなれば、これは、渡辺大臣、この二回目以降の再就職のあっせんに関する調査結果というものは訂正をされなければならない。さらには、厚生労働省は行革本部事務局に対して、報告に間違いがあったということで再報告をしなければならないことになるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

    ―――――――――――――

○河本委員長 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、参考人として日本中央競馬会理事長高橋政行君及び農林中央金庫代表理事理事長上野博史君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として農林水産省生産局長山田修路君、農林漁業金融公庫総裁高木勇樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○河本委員長 次に、岡本充功君。

○岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 五月三十日に農林水産委員会で競馬法の改正の審議をさせていただきました。そのとき答弁の時間が十分になかったと思いますので、その補充を含めて、きょうはさせていただきたいと思います。天下りの問題に関して、もうこの委員会でも質問させていただいたわけでありますけれども、時間がなかった関係をしっかり詰めさせていただく場にさせていただきたいと思います。

 まず一番最初に、きょうお越しをいただいておりますJRAの理事長、また、農林中央金庫そして農林漁業金融公庫、それぞれのトップにきょうはお越しいただいております。

 委員各位に、きょう、資料をお配りはしておりますか。してください。

 そのお配りをしていただく間に確認をしたいと思いますが、JRAについては前回委員会で確認をしました。農林中央金庫、農林漁業金融公庫、それぞれの理事長は、何人中何人が農林水産事務次官もしくは旧農林省の事務次官経験者であったのか、これについて御答弁をいただきたいと思います。

○上野参考人 何人中何人というその御質問の内容でございますけれども、どういうことをお答えしたらよろしいんでございましょうか。

○岡本(充)委員 今質問しました。

 では、近年、戦後だけでもいいです、湯河さん、楠見さん、片柳さん、森本さん、それから、今の上野理事長の前任の角道さん、この皆さん方は、どなたが次官経験者で、どなたが次官経験者じゃないんでしょうか。

○上野参考人 ただいまおっしゃられた方々の中には、農林省、農林水産省時代を通じまして、事務次官経験者以外の方はいないと思います。

○岡本(充)委員 続きまして、農林金融公庫についても同様にお伺いをしたいと思います。

 山添さん、清井さん、大澤さん、武田さん、中野さん、松本さん、後藤さん、鶴岡さん、そしてきょうお越しの高木理事長、この中で次官経験者でない方はどなたですか。

○高木政府参考人 私を含めて、全員が次官経験者だったと思います。

○岡本(充)委員 JRAも前回の委員会で質問をしましたけれども、皆様のお手元に配付をしました三ページ目をごらんいただければおわかりいただけると思います。今、ここにちょっと私の手書きで書きました農林中央金庫、農林漁業金融公庫を含めて、日本中央競馬会歴代理事長も、事務次官経験者がいかに多いか。昭和三十七年以降、これだけ次官経験者が就任をされているわけでございます。

 こういう現状を見ると、どういう経緯でこれほどまでに次官だけがこの職に就職をしたのかということが大変気になるわけであります。適材適所というのがそれぞれのお答えなのでありますけれども、例えば……(発言する者あり)まあ、そう言わずに見てください。農林水産事務次官経験なのはわかりますが、では、競馬監督課長の経験があるかということを調べると、競馬監督課長の経験がない人ばかりなんですね。競馬に関してそれだけの知識や経験、そういったものがあったのかということを思わざるを得ないわけであります。

 同様に、農林漁業金融公庫、そして農林中央金庫についても、金融課長経験の有無についてお尋ねをしております。

 農林漁業金融公庫の昭和五十九年十月六日就任をされました松本総裁は経験がおありだというふうに聞いておりますが、それ以外の方で、わかる範囲で結構です、金融課長経験者の方はいらっしゃるんでしょうか。

○上野参考人 私は、金融課長あるいは金融調整課長の経験はございません。

 ただ、水産庁で、何と申しましたか、ちょっと、昔の、申しわけございませんが、水産庁の漁協の関係の信用事業を扱ったことはございます。

○高木政府参考人 今御指摘になった方々のそれぞれの経歴、全部知っているわけではございませんので、今御指摘のあった方は確かに金融課長をおやりになった、そのほかの方についてはちょっとわかりません。(岡本(充)委員「御自身は」と呼ぶ)私は、そういう立場にいたことはございません。

○岡本(充)委員 副大臣、こういうような形の答弁をされているわけですよ。委員会では、適材適所だ、こういうふうに言われますけれども、今の答弁を聞く中で、いわゆる金融関係の現場の責任者をやったことがない。現場の責任者というより、課長はかなり偉いわけでありますけれども。また、競馬監督課長もしたことがなくても、JRAの理事長、こういう職につくということについて、どういう判断で農林水産省はこういった現状を認識して見ているのか、副大臣はどういうふうに理解をされますか。

○山本(拓)副大臣 突然のお呼び出しをいただきまして、帰り支度をしておったんですが。

 天下りの一環で御質問をなさっているんだろうと思いますが、御案内のとおり、私どもの理解としては、少なくとも、自民党であれば、例えば何の部会長をやったからこっちにとか、そんなのじゃなしに、全体的に絶えず把握しているわけでありますし、そして、そういう中で、その人の要するに人格、識見、人材というものは、例えば普通の会社でも、人を採用したり張りつける場合に、だれでも最初に経験を積むわけであります。

 だから、そういう中で、過去こういう経歴があるからこれというふうに結びつける方がかえっておかしくなると理解いたしておりまして、要は、基本的に、今の御質問の中身が、本音のところがよくわかりませんので、どういうふうにお答えしたらいいかわかりませんが、突然に今聞かれたってまともに答えられるわけではございません。

 一言で言うならば、再三申し上げているように、適材適所。そしてまた、それなりに、きょうここに御出席されておられる官僚OBと言われる方々は、やはり立派な人格を有しているということはみんなが認めていることだろうと思っております。

○岡本(充)委員 立派な人格がおありなんだろうということは、私も決してそこを否定しているわけじゃないです。私が副大臣に聞いているのは、歴代全員、事務次官経験者。そして、なおかつ、その担当部署に必ずしも、だれかそれはいればいいですよ、だれかが別に、こういう人も行っているし、こういう人も行っているし、いろいろな経験者がそれはいるでしょうから。ただ、JRAでいえば、だれも競馬監督課長をしたことがない。農林漁業金融公庫、農林中央金庫については調査中であるという話でありますから、ここも早急に資料を出していただきたいと思いますけれども、今調査をしていると聞いておりますので、それは早急に出してください。

 その上で、こちらについても、少なくとも現職の方はその御経験がないとお答えになられている。もちろん、農林水産業各般にわたっての知識経験はおありなんだろうということは私も推測するわけでありますけれども、適材適所と言われるそのゆえんが一体何なのかという疑念を持つわけなんです。

 せっかくきょうは上野理事長と高木総裁においでいただいておりますから、ちょっとここで確認をしたいと思います。

 高木総裁は、農林中金総合研究所理事長を平成十四年一月からお務めになられて、そして、農林漁業金融公庫総裁に平成十五年の十月からおつきでありますけれども、それぞれの職につくに当たって、農林水産省並びにその関連をする方でも結構でありますが、何らかのあっせんがあったのか、もしくは、なかったのであれば、ここでお答えいただける範囲で結構でございますから、どういう事情でこういった職におつきになられたのか、お答えをいただきたいと思います。

○高木政府参考人 私が今御指摘いただきました農林中金総合研究所に行きましたのは、そちらからのお話があり、そして、私も、そこでの、やれるということで参ったというふうに記憶しておりますし、それからもう一つ、農林漁業金融公庫については、これは、御案内のとおり、内閣の承認を得て主務大臣が任命ということでございます。私は、そういう手続の中で私が任命された、こういうふうに理解しております。

○岡本(充)委員 上野理事長については、前職の農林漁業信用基金理事長を平成十年一月からお務めであります。こちらについてもあわせて。

 先ほど高木総裁が言われましたけれども、先方から連絡があったというのは、先方から具体的に電話があってそういう話なのか、それとも農林水産省経由でそういう連絡が来るのか、そこについても、高木総裁、後でお答えいただきたい。

○上野参考人 農林中央金庫の役員の決め方でございますけれども、私どもの役員は総代会の決定で決められることになっております。その候補者を決める組織といいますか、そういうものとして、私が最初に農林中央金庫の理事長に任命をされました際には、管理委員会とか管理会とかいう名前のものがございまして、そこで役員候補者を絞り込んで名簿をつくるという作業が行われました。したがいまして、私が推測をいたしますのに、その名簿をつくる立場に多分一番力のあったといいましょうか、責任のあった前任者の角道理事長が最初の案として名簿に載せたんじゃないかなと。私は、角道理事長が事前に私の内意をお聞きになられたということを覚えております。

 農林漁業信用基金の方については、どういう経緯で私が就任をしたのか、ちょっと今のところ思い出せません。

○岡本(充)委員 今お答えになられました上野理事長、もう一回ちょっと確認なんですけれども、平成十年の一月のことをもう御記憶にないということなんでしょうか。どういった経緯で就任をされたか、そんな忘れるような話ではないと思いますけれども、お答えをいただきたいと思いますし、高木総裁にも、先ほどの話、電話がかかってきたのか、それとも前任者からの推挙だったのか、ここについてもお答えをいただきたい。

○上野参考人 農林漁業信用基金は、今でもそうだと思いますけれども、農林水産大臣の任命でございます。

 したがいまして、どういうあれで私のところに連絡があったかというのは覚えておりませんが、いずれにいたしましても、辞令をいただきました。

○高木政府参考人 連絡がどういう形であったか、今定かに記憶はしておりませんが、ここは社長さんという方がいらっしゃいまして、その方がお決めになるわけでございまして、その方と会って私は了解したといいますか、就任をいたしたというふうに記憶しております。

○岡本(充)委員 それぞれお二人に確認を今させていただきましたけれども、きょう高橋理事長もお越しでありますから、御就任の経緯をもう一度お聞かせください。

○高橋参考人 私の場合は、ちょうど何も仕事がない状態でおりまして、それで平成十一年の八月に突然大臣から呼ばれまして、おまえやってくれというふうに言われました。私としては、それは全く予想もしていなかったことでしたので、びっくりしたという状態でございました。

○岡本(充)委員 それぞれ、やはり農林水産大臣ないしは農林水産省。大臣が個人的に指名をするという状況にあったのかというと、そうとも考えにくい状況が一般論として考えられるわけですね。お三方、それぞれ大臣の任命された時期があるようでありますけれども、あの人にしようと思われるような、そんなに大臣と個人的に、その当時の大臣と親しくされていたというよりは、農林水産省の役所でつくったペーパーに基づいて就任をしたのではないか。つまり、これこそがまさにあっせんなのではないかと私は指摘せざるを得ないわけです。

 みずから、それぞれお認めになられたことになるわけでありますけれども、きょうはこの観点で、後刻、同僚議員があっせんの有無についてはまた聞くと思います。今お答えいただきましたことが、まさにその事実を語っているということだと思いますので、きょうは、その中でもとりわけ日本中央競馬会の問題について、少し掘り下げていきたいと思います。

 きょうはそういうことで、上野理事長、また高木総裁、次の時期がありましたら、農林水産省の一般質問等で同じことを聞くかもしれませんので、どういうことを私が聞くのかも含めて、少し、もうあと二十分ぐらい、おつき合いをいただければと思います。

 日本中央競馬会の今の状況について、私なりにこれも調べました。皆様のお手元の資料の一ページ目をごらんください。農林水産省出身者は必ずしも多くないように見えるかもしれませんが、先ほどお話をしましたように、理事長は歴代農林水産事務次官がその職にあります。また、理事長の本俸は百二十二万六千円ということになっておりますが、これに特別調整手当というのが百七十六万円ぐらいでしたか、つくとホームページには公開をされております。その百七十六万円というのは年額だったと思います。

 その上で、先ほどの三ページはちょっと飛ばしてもらって、ここから先は、子会社の資料が四ページから載っているわけであります。

 まずは、この給与のことについて少し確認をしたいと思いますけれども、今お話をさせていただきましたJRAの特別調整手当、百七十六万五千円というのはどういう根拠によって出ているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○高橋参考人 我々のJRAというのは特殊法人に位置づけられておりますが、その中でも非常に特異な団体だと思っています。

 と申しますのは、やはり自分たちで金を稼いで、それで仕事をやっている、そういう性格でございますから、そういう意味では、それぞれの事業成績といいますか、そういうものも勘案して本来は決めるべきではないかというふうに思っておりますが、役員の場合には、どちらかといいますと、ほかの同種の特殊法人とか独立行政法人とか、そういったような横並びと、それから業績を考えながら決めておる、そういうことでございます。

○岡本(充)委員 いや、JRAのホームページを見ると、ほかの役所とか法人と横並びということは書いてないんですよ、理事長。ちょっと聞いてくださいよ、理事長。レクを受けているのもいいですけれども、ちょっとこっちを向いて聞いてください。

 特別調整手当とは、民間における賃金、物価、生計費が特に高い地域に在勤する役員に支給されるものである。役員は皆さん東京だから、これをもらうに決まっている、そういうたぐいのものなんですね。

 JRAのホームページを拝見させていただきますと、JRAが、いかに自分たちが特殊かということを書いている。他の法人の多くがおおむね国家公務員に対する人事院勧告に準じて給与改定を行っている中にあって、独立採算で事業運営し、国家財政に寄与している事業体としての独自性であると考えているとか、また、多くの法人と同じ基準での評価がされるとJRAの事業運営等の本旨が見失われるというような趣旨で、理事長みずから、他の法人とは違うと言っている。だから、今の答弁で、他の法人と比べて出しているという話は、これはおかしいわけであります。

 こういった中で、役職員の給与、特に、まずは役員の給与が高いのではないかというふうに思うわけなんですが、民間企業と比べていると言います。JRAのホームページを見ますと、職員の給与については、設立時より国家公務員や人事院勧告に準拠するのではなく、勝馬投票券の発売実績その他の実績を勘案するとともに、主要民間企業等における処遇や給与改定の状況を見ているということで、あくまで他の法人とは違うんだと言っている。

 であれば、実際、どういう企業と比較をされているのか、ちょっと具体的にお答えいただきたいんですけれども。

○高橋参考人 今、ちょっと手元に資料がございませんから、どれ、どれというふうに単純に申し上げることはできませんけれども、例えて言いますと、我々、いろいろな広報活動もやっておりますから、そういったマスコミといいますか、そういうようなものであるとか、あるいは売り上げでいいますと、三兆近い売り上げを上げているわけですから、そういうものではどういうような状況であるとか、そういった横並び。

 それから、やはり採用といいますのは、それぞれの企業同士の一つの競争になりますから、いい人を選ぶのにはどうしたらいいかというようなことも考えて決めておる、そういうことでございます。

○岡本(充)委員 JRAは、この前の競馬法の審議も、もう最後にしますけれども出してくれという資料を、最後、法案審議が終わってから出してきたら、とんでもない数字だったということがあるので、これはしっかり出してもらわないといけないと思うんですね。

 ちなみに私、調べました。今、三兆の売り上げと言ったけれども、これは勝馬投票券の販売であって、ここから払戻金を出しているわけで、実質のいわゆる売上高は四千八百五十七億円前後だと今考えられるわけです。そのうち、会社で言う税引き後の利益、いわゆる費用を除いた分が三百二十八億円じゃないかと私は理解しています。

 例えば、実名を出して恐縮でございますが、二〇〇六年の会社年鑑で調べました。大体、売上高が四千億円前後。

 例えば日揮、四千三百五十一億円の売り上げで、税引き後利益は百十五億円、役員数十九名。これは、役員の賞与については出ています。公開されていますので、これを見ると九千六百万円。

 アステラス製薬、四千四百七十億円、税引き後利益三百三十七億円、役員数三十九名、そして賞与が四千四百万円。

 公共性の高いものでいえば北陸電力、四千七百九億円、二百五十一億円の税引き後利益で、三十名の役員で九千五百万円の賞与。

 では、広報をやっているフジテレビはどうだ。四千七百六十七億円、二百二十八億円の利益を出して、二十三名の役員で九千八百万円の役員賞与だ。

 JRAは幾らですか。十三名の役員で七千五百万円の賞与を得ているんじゃないんですか。この基準でいえば、今民間と比べていると言うけれども、明らかに民間より高いじゃないですか。これについてはどのように御答弁をされますか。

○高橋参考人 先ほどちょっと申し上げましたが、我々、特殊法人の中で特殊だということを申し上げました。それでも、今政府の方針では、我々もやはり特殊法人という枠の中に入っておりまして、それでこういった特殊法人の給与につきましては、平成十四年に閣議決定がされまして、その中で、これ以下でなきゃいけない、この中におさめなさいという制限が設けられておりまして、しかも幾ら以内というふうに各理事長初め理事の給与も抑えられておりますから、そういった範囲で、我々、先ほど申しましたそのほかのことも考慮しながら決めておるという状況でございます。

○岡本(充)委員 理事長、その実態について後で必ず説明に来ていただきたいと思うわけであります。

 そのときにあわせてお聞かせをいただきたいんですが、職員に対して特別手当というのを出している、本俸以外に。これは「人事評価で特に良好な成績を得た者」というふうになっていますが、一体これはどのぐらいの割合で特に良好な成績を得た者がいるんですか。私はかなりいるんじゃないかとにらんでいるんですけれども、この特別手当の実態についてもあわせて、私はきょうは突然の質問でありましたから準備されていないでしょうから、それについても改めて教えていただきたいと思います。

 いわゆる今のJRAの給与の状況というのは、対国家公務員行政職(一)に比べて一五〇・一、これは事務と技術職員ですね。研究職員では、対国家公務員比で一四二・二。言いわけではないんでしょうけれども、管理職や大卒総合職中心の人員構成と全国転勤があるから給与水準が高いんだ、こういうふうにJRAは弁明をされていますが、これを対国家公務員行政職(一)で、なおかつ地域別、学歴別で比較しても一四五・一、そういう水準にある。これは高いんですね。

 もっと言えば、その理由として、競馬の運営に関して、「緊張と精神的負担を伴う業務です。」こういうふうに言っている。そんなことをいったら、どんな仕事も緊張と精神的負担を伴う業務に決まっているんですよ。どの仕事の人もみんなそうですよ。委員部もそうですよ。何で自分たちだけが緊張と精神的負担を伴う業務で、国家公務員の給与費と比べて、また今の民間の給与費と比べて高くてもいい、こういう論拠に至るのか。私はそれについても明確な答弁をいただきたいと思います。

○高橋参考人 ほかの企業といいますかほかの団体がそういう緊張感がないとか、そういうことを申し上げておるわけではございませんで、特に競馬の場合には公正性とか中立性とか、そういうものが非常に求められるわけですね。それで、御承知のように、分単位で例えば競馬の施行もやらなきゃいけない、それから分単位あるいは秒単位で、どういうふうに馬券が正確に計算されて、すぐこれはファンの暴動とか騒擾とか、そういうことにつながりやすいですから、我々は常にそういうことを気をつけてやらなきゃいけない、そういう職場であるということを申し上げておるわけです。

○岡本(充)委員 では、地方競馬の職員の皆さんとこれは比較してもいいですか。同じ仕事をしていますよ。地方競馬の職員の人だったら職の内容はほとんど一緒ですよ。ここと比べてどのくらい自分たちが給与水準が高いか、認識をされていますか。

○高橋参考人 現在、ここに資料を持っていませんので、私はちょっとお答え申しかねます。

○岡本(充)委員 教えてあげてもいいですけれども、自分で一回調べて私のところに持ってきていただいたらどうでしょうか。私が持っている資料とすごく違っていたら、それはそれでまた、農林水産委員会の一般質問等できっちり詰めさせていただきたいと思います。

 こうやって質問をしていると、上野理事長や高木総裁も、次は自分の組織も、こうやって私なりに、きょうは突貫工事ですからこのくらいしか調べておりませんけれども、とはいいながら、それぞれの組織についてもまた私なりに調べさせていただくということもぜひ御留意をいただきたいと思います。

 続いて、四ページ目からの話です。

 では、日本中央競馬会の子会社への天下りというか、さらに農林水産省からいわゆるわたりと言うべきかもしれませんが転籍をしている者もおるわけでありますけれども、見ていただいたらわかりますとおり、ずらずらずらっと日本競馬会採用の者が役員になっています。これは子会社を全部調べました。こういう結果です。

 皆さん、見ていただいたらわかるとおり、この経歴の部分、本当に空白の人がどれだけ少ないかおわかりいただけると思います、六ページ目まで。こういった会社が並んでいる中で、ちょっと見づらいから、七ページ目に子会社社長の出身を一覧にしました。社長だけです。見ていただいておわかりをいただけると思います。JRAの理事と監事、また部長職の経験者ばかりであります。

 ちなみに、これは前回、農林水産委員会でも指摘をしましたが、九ページのJRAとの取引額を見ていただくとおわかりなんですが、理事、監事は売上高の多い会社に、そして、どうやら部長はJRAとの取引額の少ない会社に就任をしているのではないか、こういう相関関係すら見受けられるわけなんです。

 ちなみに、例えば、部長が社長になっている会社はその前任も部長である、理事が社長をやっている会社はその前任も理事である、こういうふうに聞いておるわけでありますけれども、前任も部長関係、前任も理事であった、ここについては間違いないですね。そう聞いておりますよ。

○高橋参考人 今先生がおっしゃいました状況でございますけれども、それは最近はそうですけれども、必ずしもずっと前からそうだというわけではございません。今、ちょっと正確なことは申し上げられませんけれども。

○岡本(充)委員 最近はそうだということなんですよね。新しい会社もあるんです、これは。最近設立された会社もあるから、それは古くはないのもある。しかし、部長であった社長のところにはまた部長が社長でやっていく、理事が社長であったところにはまた理事が行く、これが適材適所、また単なる偶然、そういうふうな説明をされるんですか。内部から社長になることがないこういった会社の存在、理事長はどのようにお考えになられますか。

○高橋参考人 我々、会社の方でどういう人材を要求して、そういう人を充てているかということになるわけでございますが、やはりJRAの子会社としてこれは存在しておりますが、その役員につきましては、競馬事業に関する広範な知識経験を有しておるとかいうことで、広く中央競馬全般について通暁していなければならない、また、それぞれの子会社が実施する業務分野に関しましても経験豊富な役員、そういう者が知識経験を買われて役員に就任しているということであると思っております。

 したがいまして、それはあくまでも適材適所でございまして、JRAとの随意契約金額によって役員の処遇が決まっていることではないんじゃないかというふうに思っております。

○岡本(充)委員 理事長、随意契約金額とは言っていませんよ、取引額ですよ。そこまで踏み込んでいただいて恐縮ですけれども、取引額ですから、お間違いなく。随意契約金額は、次、突っ込みます。

 私は今、JRAとの取引額の話もしましたけれども、その前に、理事長がくしくも広範な知識と経験を有している人がその職につくんだと言った。ところが、理事長みずからは競馬監督課長の経験者ではないというふうに言われているわけでありまして、JRAの理事長はそういう知識と経験のある職責を経てきているわけでなくても、もしかしたら中には今でいう生産局長経験者が見えるのかもしれませんけれども、実際の、一番の先頭に立って政策立案している課長経験ではないという一方で、天下りというか、JRAからさらに出ていくこういう人たちには広範な知識と経験というものを求めておきながら、JRAの一番トップはそうではないというこの現状を今くしくも理事長はお話しになられたわけなんですよ。みずからそういった経験がおありな方の方がいいと言っておきながら、そういう職責ではない人たちがJRAの理事長を歴代やっているということもあわせて、もう一回指摘をしておきます。

 それから、随意契約の話です。

 皆さん、ごらんをいただくとおわかりだと思いますが、日本トータリゼータ初め各種の会社の取引額、JRAとの取引額のうち、随意契約がほとんどというところばかりです。こんなに随意契約ばかりしていてと言うと、特殊な会社ですと言う。

 しかし、世の中には同じようなことをしている会社が幾つもある。そしてまた、この中でも、日本馬匹輸送自動車などについては、随意契約を減らしたんですといって胸を張って役所が言うから、一般競争入札にしたんだというので、ではその結果を持ってこい、それがなければ法案審議できないと言ったのに、結局のところ、今週の金曜日に出しますといって、私がこの質問をすることになりそうだといった後の、きょうの午後一時四十二分になってファクスを送ってきた。

 そして、これを見ると、前回の五月三十日の農林水産委員会の答弁では、平成十七年四月から輸送経路別の一般競争入札にしました、これは高橋理事長が言われているんですね。ダウンは幾らぐらいしたかというと、九〇から九九%にダウンしましたと言っていますが、実際の一般競争入札の現状を見てください。どれだけ一〇〇が並んでいるんですか。これは何で、A社、B社、C社、D社、E社、F社、隠して出さないんですか。これはひどい落札率ですよ。これで一般競争入札ですか。これは情報が漏れているんじゃないですか。これだけ一〇〇が並んでいる一般競争入札というのは私は見たことがないんですけれども、これはどうしてこんなに一〇〇が並ぶのか。それについて、コストの計算ができるとか、そういう話じゃないですよ。普通に考えれば、これは絶対こんなに見事に全部一〇〇になるということはあり得ない。

 とりわけ、このC社が一体どこなのかも含めて、私は、関西馬匹等、関西の馬を輸送する会社があることも知っていますけれども、それぞれどこに当たるのか公表していただきたいですし、この一〇〇ばかり続くC社はどういう理由で一〇〇ばかり続くのか。もっと言えば、全般的に一〇〇が多いこの実情について、しっかりと答弁をいただきたいと思います。

○高橋参考人 ちょっと長くなるかもわかりませんが、非常に重要なことだと我々も思っておりますし、先生からも御質問がございまして、この表だけではやはり誤解を招くと思いまして、ぜひちょっと御説明をしたいと思っておったところでございます。

 それで、まずこの馬匹輸送、馬の輸送を我々は馬匹輸送と言っておるんですが、これは非常に特殊な車両なんです。これは、馬が非常に高価なものですし、それから生きているものですから、これがもし何か事故でも起こりますと、それこそ億単位の話になりますから、まず非常に特殊な輸送だということが一つございます。それから、その車両というのは、容易に皆さん取得していませんので、今の表にございますように、台数がそれぞれの会社で決まっておるんですね。

 そういうこともございまして、今までどういうような状況だったかということでございますが、特に、馬匹にかかる運賃は、かつては認可運賃だったんですね。それが今度陸運局の届け出になりましたけれども、全国一律というようなことでやられていまして、どうも価格の弾力性、あるいは、こういうふうに車両の数が決まっていますとシェアもなかなか変わらない。こんなことではいけないんじゃないかということで、平成十七年から、何度も競争を取り入れて、価格の弾力性とシェアの固定化を避けるにはどうしたらいいかということで、実は競争入札ということにしたわけなんです。それで、その競争入札にしたところの結果がこうだということなんですね。

 それで、これは今まで随契でやっていたんです。随契でやっていたものを少しでも弾力化しようということで今やり始めたんですね。例えば、ちょっと見ていただきますと、この一ページ目は、これは美浦といいまして、いわゆる関東中心ですね、そちらの方にいる業者が三社なんです。三社で、台数が決まっておりますから、もうこれで運ぶ馬の数というのは決まってきちゃうんですね。

 それで、我々はどういう入札方式をやったかといいますと、例えば、美浦から、どこでもいいですけれども、東京なら東京に、これだとことしは一万二千頭を運ぶ、そうすると、それについて皆さんは何頭を幾らで運べますか、そういう入札をしているんです。それで、その中で、例えば東京でいいますと、やはり初めは高い入札価格を入れてきたんですね。それでここに入札回数とありますが、これは二回目で一〇〇%我々が予定価格にしたところに入ってきたということなんです。

 それで、次のA社について見ますと、そこまで来るのに四回入札を繰り返してやっとここまで来たんです。B社は一回で合ったということなんです。

 特に、こちらの関西の方ですが、これは栗東から運んでいるものです。これは民間会社、今ちょっと名前をと言われたんですが、実は名前については我々も、そういうことを外に言った方がいいのか、できるのかということはちょっと疑問ですので、ちょっとここは伏せてありますが、ここでもC社、D社、E社、F社とありまして、みんな台数が決まっているんですね。それで、これを見てもらったらわかりますように、入札回数がどえらい多いわけです。そこまで来るのに何回も何回もやりながら、やっとそこへ来たということなんですね。だから、何か初めからえらく談合してやったとかそういうことじゃございませんので、ひとつそこは理解を願いたいと思っている。

 それで、確かに、今僕はこれがいいとは思っていませんよ、思っていません。これは、こういうことをやることによって、今度はある会社が、おい、これは入札になったから、我々ももう少し車を保有しまして、それでたくさんやろうじゃないか、そして価格は低いものでひとつやってみようじゃないかというふうになって、そこに価格の弾力性とシェアの固定化が避けられるような、そういう世界を今目指したいと思っているんです。

 今、初めてやったところですから、これはまだ従来の規模が決まっていますから、そういう意味では従来の路線が踏襲されていたというところはあると思います。だから、我々も、もう少しこれは長い目で見ていただいて、何とか価格の弾力性、シェアの固定化を避けていくということにこれを役立たせたいというふうに思っております。

 先生の御指摘の点は、よく御理解いたします。

○岡本(充)委員 A社という縦軸から見た場合はそうなるのはわかります。済みません、後段の渡辺先生にちょっと御理解いただいて、もう少しだけ続けさせてください。

 この十一ページ目の、栗東から笠松以下の例えばこの四場については、入札をした横並びみんな一〇〇なんですよ、みんな一〇〇。しかも、それは入札回数が何回かあるというけれども、ぴったり一〇〇になるはずはない、行き過ぎて九九になる可能性があるのに、何で一〇〇で歩どまりできるのかということは、何回やってくださっても結構ですよ、それで結局最後は、一円ずつ下がってくるはずじゃないでしょうから、一〇〇でとまるということがやはりおかしいんです。

 最後、何回かやって、それで九八で終わりましたというのならまだ話はわかるけれども、やってみたらみんな一〇〇でとまったというのはおかしいし、先ほどの話じゃないけれども、もう一回戻って恐縮ですが、四ページ目を見ていただいてわかるとおり、日本馬匹輸送の役員はこれだけJRA出身者が、社長、専務、五人の取締役のうち三人がJRA出身者なんですよ。その会社が、これだけの高歩どまりの一般競争入札と称する契約をしている。これは話し合いを持っているんじゃないかと思うのが普通ですよ。

 大臣、どう思われますか。ちょっと大臣、これは幾ら何でもひどい数字じゃないですか。

○渡辺国務大臣 大変ユニークな一般競争入札があるものだなという感想を持ちました。

 独法の場合は、こうした入札、随契の見直しがもう既に始まっているところであります。今、特殊法人というのは非常に数が少なくなってしまいまして、ともすれば忘れられがちであります。一義的には、特殊法人の場合は、主務大臣がきちんと一般的に監督をしていくということでありますから、主務大臣において、一般的な監督権限を通じてこうしたガバナンスをきかせていただくということが大事であろうかと思います。

 いずれにしても、特殊法人も独法も、役員の人事については閣議の口頭了解という手続が必要なわけでありますから、安倍内閣においては、再三申し上げますように、天下りポスト、つまり次官経験者だからこのポストだ、そういった固定的な人事慣行は排除をしてまいりたいと考えます。

○岡本(充)委員 今回のこういった制度を民主党案においてはきちっとやはり防いでいく、そういう決意もおありだと思いますので、民主党の答弁者もおいででありますから、御答弁をいただきたいと思います。

武正議員 御案内のように、民主党は事前規制を徹底しておりますので、今の日本中央競馬会、農林水産事務次官、皆さんやめられて二年でJRAの理事長になっておられますが、我々は五年間はなってはいけないという規制をまずかけております。

 それから、例えば今のJRAと日本馬匹輸送自動車株式会社の例でありますが、特殊法人のJRAから、事前に在職した関係のところ、在職の役職と関係のあるところに二年再就職禁止ということで、しっかりと事前規制がかかっていることを申し述べたいと思います。

○岡本(充)委員 私もちょっと時間を超過しましたので、改めて最後に、理事長、こういった今の入札制度のあり方、随意契約のあり方、そして今の給与体系のあり方も含めて、これは行政改革の重要方針、平成十七年十二月二十四日閣議決定であります。この方針に従ってやっていただかなきゃいけないし、また、もっと言えば、平成十三年の十二月十九日閣議決定の特殊法人等の整理合理化計画の中でも、日本中央競馬会は幾つかの問題点も指摘をされております。「一般競争入札等の範囲を大幅に拡大するとともに、関係会社等に対する委託費等を削減する。」というふうな話も出ています。

 これはまだまだ奥がありそうでありますから、今後とも資料要求をしながらお伺いしていくということでありますし、きょうお越しの、三人の事務次官経験者がお並びいただくというのは非常に豪華なメンバーでもございましたけれども、そういった中で、それぞれの担当部署についてしっかり今後とも経費削減、そして、さらに行政におけるスリム化は担当省庁においてそれぞれやっていっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。
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