【衆院社保・税一体改革特委】3党協議の意義踏まえ改革の方向性質す


社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で25日午前、民主・自民・公明の3党合意に基づいて提出した社会保障制度改革推進法案、認定こども園法改正案の2法案と年金、子ども・子育て、消費税等の政府提出6法案・修正案の集中審議が行われた。

民主党からはまず同委員会理事の武正公一議員が質問に立ち
(1)3党実務者による社会保障と税の一体改革関連法案の修正協議の意義
(2)経済好転、デフレ脱却に向けた成長戦略や税外収入の確保策
(3)年金・医療に関する修正案内容とマニフェストや閣法との整合性
(4)子ども・子育てに関する修正案内容とマニフェストや閣法との整合性
(5)行政事業レビュー等身を切る改革
――等について野田佳彦総理をはじめ関係大臣、法案等提出者に質した。

3党合意に基づく修正案等提出の意義について野田総理は、「特別委員会で100時間を優に超える審議をいただいたおかげで論点が整理された。その論点整理を踏まえて3党の修正協議が行われ、合意することができた。このことによって政府が提出していた7法案について修正の合意を踏まえて道筋が見えてきた。社会保障の充実・安定化を求める国民の声は圧倒的だと思う。そのための安定財源をどうするかが議論の本質であったが、その多くの議論をそれぞれの党の立場、固有の政策はありながらも譲り合いながら一定の結論を出す努力をしてきたこと自体は日本の政治にとって前進だった」と評した。

武正議員は「厳しい経済情勢のなかでなぜ今、消費税率引上げなのかという疑問に答える必要がある」として、社会保障と子ども子育てに財源を振り向けていくため経済好転、デフレ脱却に向けた成長戦略や税外収入の確保策を質したのに対し野田総理は、「1~3月期における年率4.7%成長ということで、緩やかだが回復傾向にある。ここで手を抜かないで民需主導の経済への転換をはかっていかなければならない大事な局面だと思う。一昨年の6月に新成長戦略をまとめ、厳しい検証を行っているが、加速すると同時にその検証結果を踏まえて日本再生戦略を発表する予定。そうしたことをふまえながら経済の成長を促していくために全力を尽くしていく。あわせて税外収入について最大限の努力を行っていく」と決意を示した。

修正案等の内容とマニフェストや政府提出法案との整合性について、年金と医療に関しては提出者の長妻昭議員が答弁に立ち、「この委員会で議論されている社会保障の法律は5本。消費税を上げさせていただくのと同時に実行する社会保障の充実策である」と前置きし、高額所得者の年金削減以外は3党で修正協議が整い、成立する可能性が高いとした。そのうえで「中身は低年金・低所得者500万人に年金を上乗せさせていくというもの。もうひとつは今まで厚生年金に入ることができなかったパート・アルバイト25万人に拡充させていくこと、子ども・子育て支援などについては合意できた」と説明。そして、後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金、すべての年金の一元化は国会に提出されておらず、「国民会議で1年以内に結論を出すことになっている。マニフェストでも来年の国会に提出するとしていた。ただ、参議院がねじれているので野党の協力がないと法律が通らないという現実があるので、与野党で協議して着地させてほしいと思っている」「被用者年金の一元化については与野党で協議が調い、成立できるのではないかと思っている」とも述べた。

子ども・子育てに関しては、提出者の泉健太議員が答弁。7千億円の財源を確保し、幼稚園・保育園の一体化をより進めた施設の類型をつくっていくこととなったとして、「『総合こども園』という名前は変えつつも、現行の『認定こども園』法を改正することで実現している」と語った。「待機児童の解消にとって重要なのは柔軟な保育制度をつくることだったので、いわゆる『総合こども園』か『認定こども園』かということよりも、小規模保育をいかに展開するか、そこに公費がしっかりと投入されることが非常に重要な論点だったが、公費の投入が実現したことで、大変大きな改革に足を一歩踏み出せた思っている。マニフェストとも整合性がとれていると理解している」と語った。

民主党広報委員会