【衆院予算委】TPP交渉参加、農業再生で野田総理の所見問う
衆院予算委員会で11日、経済連携等に関する集中審議が行われ、民主党からは武正公一議員が質問に立った。武正議員は民主党の経済連携PTがまとめた「TPPへの交渉参加の是非の判断に際しては、政府は懸念事項に対する事実確認と国民への十分な情報提供を行い、同時に幅広い国民的議論を行うことが必要である。APEC時の交渉参加表明については、党PTの議論では『時期尚早・表明すべきではない』と『表明すべき』の両論があったが、前者の立場に立つ発言が多かった。したがって政府には、以上のことを十分に踏まえた上で慎重に判断することを提言する」という結論を紹介したうえで、TPP交渉参加問題への所見、アジア太平洋自由貿易圏の歴史的意義、国内農業再生への決意などを野田佳彦内閣総理大臣、鹿野道彦農林水産大臣、枝野幸男経済産業大臣に聞いた。
野田総理は、アジア太平洋地域の広域的な経済連携の意義について「世界経済の成長を取り込んで産業空洞化を防止していくために経済連携、国と国との結びつきを実現していくことが極めて重要だと認識している。特にアジア太平洋地域はこれからの世界の中の成長のエンジンになりうるので、この成長力を取り込むという視点が極めて重要だと認識している。昨年11月に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針に基づき、より幅広い国々と高いレベルでの経済連携を戦略的かつ多角的に進めていく決意だ」「APECは日本がずっとイニシアチブをとって作られたもの。現在、開かれた地域協力として貿易投資の自由化・円滑化などさまざまな課題に参加国の自発的な行動によって取り組みをおこなっている。TPP協定はAPEC地域に拡大することを目指しており、アジア太平洋地域の成長エンジンとしてその需要を取り込んでいける可能性を秘めている。高い水準の自由化を求めるとともに、多国間のルールづくりなので、日本が実現したいルールについて共通利害を有する国とともに交渉し、それを多国間で適用することが可能になると意味で、2国間のEPA(経済連携協定)とは別のメリットがある」と表明した。
国内農業については、「TPP交渉に参加するかどうか以前に、日本の農業の再生は待ったなしの状況だ。所得の減少、担い手不足の深刻化、高齢化。こういう厳しい状況に直面している農業の再生に全力を尽くしていかなければならない。そのために先月、食と農林漁業の再生のための基本方針と行動計画をまとめた。新規就農の増加と規模拡大の加速、6次産業化などのテーマのもとに政府を挙げて着実に取り組みを行っていき、農業の再生を実現していきたい」と決意を述べた。
この日の委員会の冒頭には、第3次補正予算が前日可決されたことに関連し、「政府は、第3次補正予算の執行にあたっては被害者・納税者の立場に立ち、公正かつ透明性の確保された入札の徹底など、さらなる合理化、効率化に務め、真に被災地の復興に資するものとすべきである」とする決議を全会一致で採択した。
民主党広報委員会