「解散権濫用防止法案」を提出しました

 今日、衆議院事務総長に「解散権濫用防止法案」を提出しました。
 昨年の衆議院議員選挙は、総理就任後、最短の日時で石破総理が衆議院を解散しました。解散後18日で投票日を迎えたのは、過去2番目の短さでした。
 そのため、さいたま市では公示後9日目に投票整理券が届いたのは過去1番遅れました。そのため、解散後17日で投票を迎えた過去最短だった令和3年衆院選より期日前投票は下回りました。
 有権者の投票権を奪う「急な解散」「急な投票」は、ほとんどが憲法7条解散と呼ばれるものです。
 5月8日衆議院憲法審査会では、「解散権制限」をテーマに審議をしました。立憲民主党は、憲法議論を深めるとともに法案提出も提起しました。
 法案は、第一に内閣(首相)が解散を考えたならば10日以上前に衆議院議長に通知をし、本会議で解散理由を述べ質疑を行うこと
 第二に、内閣(首相)は、中央選挙管理委員会に通知し、中央選管は都道府県選管に準備が間に合うかなど照会する
 という内容です。

 明後日の衆議院憲法審査会は、「今国会の振り返りと今後の進め方」について。私からは、今日の「解散権濫用防止法案」提出にも触れます。

「解散権濫用防止法案」を衆院に提出

立憲ニュース2025年6月10日 より転載

 立憲民主党は6月10日、議員立法「解散権濫用防止法案」(正式法案名:衆議院の解散に係る手続等に関する法律案)を衆院に提出しました。本法案は、総理大臣が国会との事前協議なしに恣意的に衆院を解散する運用が慣例化してきた現状を踏まえ、立法府の権限と国民の参政権を適切に保障するためのルールを定めることを目的としています。

 戦後27回の衆院選挙のうち、26回が解散による選挙であり、首相就任直後に突然解散が行われた例もあります。特に2024年には、首相就任からわずか18日後に解散が断行され、投票所入場券の遅配や洋上投票の準備不足といった事態が生じ、有権者の参政権が十分に保障されなかったという深刻な課題が露呈しました。

 今回提出された法案では、内閣が衆院を解散しようとする場合、解散の理由および予定日を10日前までに国会に通告し、その上で国会での審議および国民への情報公開を義務付けることが盛り込まれています。また、中央選挙管理会が都道府県の選挙管理委員会から選挙準備状況を把握し、その準備期間が適切かどうかについて内閣に意見を述べる制度も導入されます。

 提出後の記者会見で、筆頭提出者の武正公一衆院議員は、「この法案の出発点は首相の解散権の濫用を制限することだ。憲法の議論を深めることがわが党の姿勢だが、憲法だけではなく法律でもできる余地があるのではないかとの思いから提出した」と述べました。法案提出後も「憲法論議を止めることはない。法案、そして憲法の両面で解散権の制約の議論に臨んでいく」と述べ、今後も各党との協議や憲法論議を併行して進めていく意向を示しました。

 また、提出者の谷田川元衆院議員は、衆院の解散について「法律にも憲法にも総理の専権事項とは書かれていない。それにもかかわらず、時の総理が決めればそれに従うという慣行が続いてきた」と指摘し、こうした慣習を問題視しました。その上で、今回の法案では、「内閣は衆院を解散する以上、衆議院・参議院の両院に通知し、その理由を説明し、国会で審議を行う。国民がしっかり確認できるよう、テレビ中継を行うことも前提としている。こうした手続きを通じて、解散の妥当性や選挙の争点が明らかになる」と強調しました。

 提出者は、武正公一、谷田川元の両衆院議員のほか、青柳陽一郎、山花郁夫、吉川元、落合貴之の各衆院議員です。

解散権濫用防止法案(衆議院の解散に係る手続等に関する法律案).pdf